「ひさしぶりの神樹館小学校....」
園子はとりあえず学校に行った。校舎内に入り、いろんなところをきょろきょろ見て懐かしみながらも自分のクラスだった教室を目指す。
「おはよ~....」
おそるそおる教室を覗く。しかし、教室内にいる児童はほんの少しだけだった。
(そっか....私小学生のころは早く登校してたんだっけ....)
自分の席だった場所は鮮明に覚えていた。そこに座り、ランドセルを机の横にかけた。
(まだ時間あるよね~。ちょっと寝てよっと~....)
園子はそう思うとどこからかサンチョを取り出し、その上に顔をのっけて仮眠についた。
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「はっ!わわわわわわ!!お母さんごめんなさ~い!........ってあれ....?家じゃない....」
気がつくと、周りには先ほどよりも多くの児童たちがおり、外もだいぶ明るくなっていた。
(あっ....!そっか....私タイムスリップして、小学校に登校して....)
「乃木さん。ここは学校で、朝の学活前よ。」
園子の隣からそう声が聞こえる。
「....!!」
園子は驚いた目をしてその声の主の方をじっと見つめた。
「........わっしー....。」
目の前にいたのはまだ鷲尾須美という名前だったころの彼女だった。園子の友達で、これから過酷な運命を共にする者。園子は涙を浮かべて席を立ち、いきなり須美に抱きついた。
「ちょ、ちょっと....乃木さん....?」
突然なことに、須美は困惑する。
「わっしー....わっしー....あの頃のわっしーだ~....!」
「乃木さんったら、まだ寝ぼけてるの....?」
クラスメートたちもその異様な光景に釘付けになっていた。
「乃木さん!みんな見てるわよ!いい加減にして!」
園子はやや強引に引き剥がされる。
「あっ....ごめ~ん!........えっと....その....おはよう~」
「........はぁ....おはようございます。」
園子の挨拶に、須美は少し冷たく挨拶を返した。
「みなさん。おはようございます。」
そこへ担任が入ってくる。もう学活が始まるようだ。
(....!安芸先生だ....!)
園子がそう思った瞬間、誰かが教室に駆け込んでくる。
(あっ....!!)
「っと!!ギリギリセーフっ!!」
わかってはいた。園子はわかってはいたのだ。しかし、こうしてまた実際に彼女を見ると、園子の中から何かがこみ上げてきた。
「....ほっ....間に合った~....」
駆け込んできた彼女はそう言うが、担任に出席簿でポンと頭を叩かれる。
「三ノ輪銀さん。間に合ってません。」
「先生痛っー!」
教室中が笑いで包まれる。そう、彼女はこういう人だった。クラスのムードメーカー的な存在で、友達も多い。最初のころはこんな彼女が苦手だった。しかし今は、そんな風に思ってた自分が懐かしい。
「早く席についてください。もう始めますよ。」
「むすぅ....はぁ~い....」
彼女は納得いかない様子で自分の席に座る。
「ねぇねぇ、なんで今日は遅れたの~?」
「ふふっ....小学六年生にもなるといろいろあるのさ。........ってあれ!?教科書忘れた....。」
あのときと全く同じ。まぁ、それは当たり前なのだが変わりない彼女を見て、園子は今すぐ彼女と話したい、抱きついて頬ずりまでしたいと思った。ただその一心だった。しかし、今そんな行動を起こせば先ほどのようにまた注目を集め、いつもと違う、などと怪しまれてしまう。ましてや今は勘が鋭い安芸先生の前だ。
園子は溢れ出てくる気持ちを一生懸命抑えた。
「それじゃあ、今日の日直の人。」
「はい!」
先生に呼ばれ、元気よく返事をして立ち上がったのは隣の鷲尾須美。
(はっ....!確か今日だ....!)
そこで思い出した。このあとすぐ、彼女たちの初めての戦いがやってくる。
「起立!礼!」
『神樹様のおかげで今日のわたしたちがあります』
「神棚に礼!」
(来るっ....!)
「着席!........あっ....」
やはり来た。時間が止まっている。
「........これって....!」
前の方の席の銀もこちらを振り返る。
「来たんだよ~。....私たちがお役目をするときが。」
「えっ....?」
園子はいち早くそう言って二人の顔を見た。
「ほら、見て。樹海化が始まる。」
園子は窓の外を指差して言った。
「ちょっと待って乃木さん....なんでそんな冷静に....」
「わっしー。とりあえずそれは後。....今は、目の前のことに集中するよ!」
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「おおっー!!ここが樹海か~!」
「三ノ輪さん、遊びじゃないのよ。」
「えへへ、わかってるって!」
「二人とも聞いて。....これからあの大橋を渡って敵がやってくる。」
「えっ....?」
「やっぱりあの奥のでっかいのが大橋なんだな!?」
「うん。....そして、今回来る敵は一体。水の塊を飛ばして攻撃してくる。」
「乃木さん!さっきからなんなの....?全部わかりきったような感じで....。まさか、あなた巫女のような能力も....?」
「あっ、えっと....ま、まあそんな感じかな~アハハ~!」
「........。乃木さんの言ってること本当かしら。いまいち信憑性がないわ。」
「....!待ってわっしー!これは本当のことなんだよ!」
「私は乃木さんのこと信じてあげたらいいと思うけどな。これから同じ伝説の勇者同士、仲間になるわけなんだからさ!」
「仲間........そうね。三ノ輪さんの言うとおりだわ。乃木さん、ごめんなさい。」
「いやいや、全然いいんよ~。」
まだあまり仲良くないころだからか、とても話すのがむずかゆくて気まずかった。
「あっ!見えたぞ!あれだな!?」
「うん....。そうだよ。あれがバーテックス....」
「!........あれが....!」
(私は一回あいつ戦ってる....!今は二人を一切傷つけないであいつを倒す!)
(第三話に続く)