「ほら~!!二人とも起きて~!!」
園子はそう叫び、まだぐっすり寝ている須美と銀の布団を思い切り剥ぐ。
「........むにゃ....えぇ........もう朝....?」
銀はボサボサの頭を掻きながらムクッと起き上がった。
「今日は私にお料理教えてくれる約束だったよね~!早く早く~♪」
「あんな遅くに寝てよくそんな元気でいられるな園子は........須美を見ろよ、まだぐっすり寝てるぞ。」
布団を剥がされてもなお、須美は起きる気配がなかった。昨晩あれだけ騒ぎ、遅くに寝たためよっぽど疲れが溜まっていたのだろう。
「わっしーはしょうがないか~....先にお料理の準備しておこう!」
「そうだな!あたしもまだ眠いけど....。」
銀はある程度身だしなみを整え、私服に着替えると早速エプロンをつけて台所に立った。
「よし!まず教えるのは朝ご飯からだな!....白米、味噌汁と目玉焼き、あとは簡単なサラダとか作ってみようか!」
「了解なんよ~!」
二人は料理器具の準備を始め、材料も台上に揃えた。
「........わっしーまだかな~?三人で作りたいんよ~....。」
「もっかい様子見に行ってみるか。」
二人は一度台所を離れ、寝室へと向かう。しかし、
「須美~!そろそろ起きろよ~!........ってあれ!?いない!?」
さっきまで寝ていた布団に須美はいなかった。
「知らない間に起きてたりして~?」
「あら、二人ともおはよう。」
『わっ!?』
いきなり後ろから話しかけられ、二人は驚いて背後を見る。そこには身だしなみもきっちり整えたいつもの須美が立っていた。
「須美....お前いつの間に後ろに....!ってか、いつ起きたんだよぉ!!」
「え....?いつって....数分前くらい?」
「でも良かった~!わっしーも一緒にお料理教えてよ~!」
「ああ、そう言えば遠足のときに約束したわね。いいわよ!」
「やったー!」
無事に須美も加わり、楽しく二人に教わりながら料理を作れる....そう思っていたのだが....。
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「お、おい園子ォ!?お前普通に作れてるじゃないか!?」
「本当....初めてとは思えないわ....!作る過程を見てても手慣れてる感じだったし、味付けの仕方もバッチリ....!」
「あ、あれ........?なんでだろう....。あっ!....未来の私はもうお料理できるようになってたからだ~。」
園子のその発言を聞き、二人はズッコける。
「おいおい....天然が過ぎるぞ園子....。」
「ここまで来ると羨ましいくらいだわ....。」
園子は自分の作った朝ご飯を見てふと悲しい顔をした。
「なんか........いやだな....。昔なら二人から教わりながら作れたはずなのに....中身が未来の自分だから昔できなかったことも今ではできちゃう....。楽しみが減っちゃったみたいで残念だよ....。」
園子はうなだれていた。料理はもうひとりでできてしまう。教わる必要はなくなってしまっていた。二人から教わるのを、どれだけ夢に見ていたことか。あの約束をようやく果たせると思っていたのに。と、そんな園子の肩に銀が手を置いた。
「そう落ち込むなよ。....だったら逆に考えてみよう!『あたしたちと一緒に料理できるんだ』とね!」
「銀の言うとおりよ。落ち込むことなんてないじゃない。料理できることはすばらしいことなんだから。....まだそのっちが作れない料理とかも教えられるかもしれないし、やれることはまだまだ無限にあるわよ!」
「!....じゃあじゃあ、ぼた餅のおいしい作り方教えて~!」
「おっ!あたしも知りたい!」
「ふっふっふっ........任せなさい!この鷲尾須美が究極のぼた餅の作り方を伝授してあげるわ!」
『お願いします!須美先生~!』
結局この日もなんだかんだ言ってあっという間に一日が過ぎてしまった。気づいたらもう夕方だ。今日はぼた餅を一緒に作ったり、作りすぎて食べきれなくなったり、トランプや、三ノ輪家の庭で遊んだり、銀の弟の金太郎のお世話をしたり....本当の未来ではできることのなかったことをたくさんやった。そして帰る時間がやってくる。
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「昨日今日と、ありがとねミノさん!お泊まり会楽しかったんよ~!」
「おう!またいつでも来いよな!」
「ええ。またやりましょう!........そして明日は....二人とも忘れてるわけないわよね....?」
須美が怖い顔をして二人に聞く。そんな須美の問いに、園子と銀は元気良く答えた。
『もちろんっ~!!』
そして三人顔を見合わせ、
『明日は夏祭りー!』
と、声を揃えて言った。三人は楽しく笑いながら玄関前で盛り上がる。
「当然だけど、二人ともちゃんと覚えてたわね!それじゃあまた明日の夕方!お邪魔しました~」
「お邪魔しました~」
「また明日なー!」
三人は手を振り合い、別れた。充実した二日間であった。
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「........やっと帰った....?」
二人を見送った銀の後ろに鉄男が現れる。鉄男はひょこっと顔を出して玄関を見ていた。
「おっ?鉄男か。どしたー?」
「いや........めちゃくちゃ騒がしかったなって....こっちは家にいるだけで疲れたよ....」
「ま、そう言うなって!........良いやつらだろ?あいつら!」
「............まあ、黒髪のお姉ちゃんの方は良いと思ったよ。礼儀正しそうだったし....。でも........もう片方の園子ってヤツはダメだ!あいつは何考えてるかわからんっ!前だって急に呼び出したと思ったら握手してすぐ帰れって言ってさ!いつもそうだあいつは!!」
鉄男は頬を膨らませて園子の文句を言う。それを聞いた銀は顔をしかめた。
「コラッ!年上の人に対して呼び捨てにしたり『あいつ』って呼ぶな!........でもな、鉄男。園子のことは許してやって欲しいんだ。あたしもわかんないけどさ、きっとお前に何かあるんだと思うよ。だってそんな対応、理由がないと園子のヤツがするとは思えないし。よっぽどのことがあるんだよ。だから........多目に見てやってくれないかな?頼む!」
「ちょ....姉ちゃんが頼むようなことじゃないでしょ....!........でもま、そこまで言うなら....。」
「ほんとか!?ありがとな!!」
「まるで自分のことのように喜ぶな....。」
「まあな!....だってもうあいつらは........お前ら家族とおんなじくらい大好きで大事な宝物だからな....!」
銀は満面の笑みでそう答える。その表情は自信に満ち溢れていて、とても幸せそうな顔であった。
「........ふ~ん....よかったじゃん....そこまでの友達ができて....。」
「えっ?なんて?」
「な、なんでもねぇよ!....じゃおやすみ!」
「あ.....お、おう....おやすみ....。」
鉄男は廊下を駆けて行った。銀は玄関の戸締まりをし、自分も寝るための準備をしようと風呂場へ向かった。明日だって三人集まって遊ぶのだ。今日こそ早く寝なければならないのだから。
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約束は夕方に園子の家に集合、であった。なにしろ、園子がしたいことがあるらしい。須美は早めに園子の家に到着し、銀はいつも通り少し遅めにやってきた。
「銀!また遅刻よ!」
「ごめん須美、園子!....早めに家出たつもりだったんけど意外と立て込んじゃってさ~」
「別にいいんよ~。わっしーも今日はそんなプリプリしないで~!........そんなことより、二人のためにこれを用意したんよ~!」
園子はそう言い、二人を部屋の奥へと連れて行く。たどり着いた場所は前に着せ替えごっこをし合ったあの部屋だった。
「あ....ここ前みんなでいろんな服を着た部屋よね?いや~それにしてもあのときの銀は....」
「だぁ~!!須美、その話はいいから!....で園子、ここに連れてきてなにをするんだ?」
「ふっふっふっ~これを見たまえ~!」
園子はそう言って勢いよくクローゼットを開けた。そこには三着の浴衣がかけられていた。
「私が二人に似合いそうな浴衣を選んだんよ~!一番端のが私ので、真ん中がわっしーでその隣のがミノさん!」
「さすが、立派な浴衣ね....!....気に入ったわ!」
「よかった~!........あれ?ミノさん....?」
銀はモジモジしながら浴衣を見つめていた。なにか恥ずかしがっているようだ。
「えっと........あたしはこういうの似合わないと思うんだよな....。こんな立派な浴衣、あたしなんかが着るべきじゃないっていうか....。」
「もう!全然そんなことないわよ!!前分かったじゃない?銀はかわいい服がとっても似合うってことが!」
「え~!?で、でも....」
「いいから遠慮しないで着るんよ~!........それとも、私がせっかく用意したのにどうしても着れないなんて言うの~....?」
「無理やりでも着させてあげるわ....!この浴衣を着た銀を見たいもの!」
「ちょ、二人ともぉ~!?」
結局銀は二人によって半強制的に浴衣を着させられた。須美と園子も同様に着替え、祭りに行く準備が完了する。
「ほらやっぱり~ミノさん似合ってるぅ~!」
「浴衣の銀も.....アリアリアリアリアリっー!!」
「二人ともやめてくれよ!恥ずかしいから!!」
須美はこの前のようにスマホで銀を連写する。その写真のすべてに照れて顔を赤くした浴衣姿の銀が写った。
「恥ずかしがることないよ~!似合ってるのは本当だし、とってもかわいいよ~ミノさん~。お人形さんみたい~」
「もう、園子までそんなこと言って!........暑くなっちゃうだろう....。」
「恥ずかしがって赤くなる銀もありだわ!さいこっー!!」
「いい加減にしろ須美ー!!」
調子に乗りすぎた須美に対し、銀は頭ぐりぐりで彼女の暴走を止める。
「はぁ....須美のやつ、やっと止まった....。」
「それじゃ、お祭り行こっか!」
園子は二人の手を掴むと、引っ張って走り出す。
「おおっと!....そんなに走ると危ないぞ園子~」
「だって楽しみなんだもん!お祭りお祭り♪」
「そのっちは元気で何よりだわ....痛た....」
なんだかんだ言ってようやく三人は会場に到着する。屋台が多く立ち並び、祭りに来ている人たちでごった返している。道がふさがってしまうほどだ。
「うお~....毎年のことだけど相変わらず混んでるな~」
「........ねぇ、屋台回る前にさ....三人で写真撮っとこうよ!浴衣も着たんだし、せっかくの記念に!」
「そうね。....じゃああの人に頼みましょう。」
三人は祭りに来ていた通行人にスマホを渡し、三人が写った記念写真を撮ってもらった。屋台をバックに笑顔でピースをする三人の写真。これも本来では手には入らないはずの写真だ。
「あとであたしの携帯にも送っといて!」
「も、もちろん私も!」
「わかったんよ~二人とも~!」
写真を撮った後は三人で屋台を回った。お祭り名物の食べ物を買い、射的に挑戦した。
「あのニワトリさんを狙うんよ~!」
「おおっ、園子ガンバレ!」
園子は銃にコルク栓をつめ、ねらいを定めて一点集中。そして放つ。が、
「あら....はずれね....。」
園子はさらに挑戦するが二回目、三回目も当たらず....
「うぅ~....まだまだ~!」
今持っているお小遣いすべてを叩き、射的にすべてを賭けた。
「........ヨシ園子、ここで一旦あたしに任せてみな!絶対当ててやる!」
「!....ミノさんお願い当てて!」
我こそはと名乗り出た銀に銃を渡す。銀は遠くの獲物を狙うスナイパーのように銃を構え、片目を閉じて標的を睨む。
「........ここだ....!」
そしてすばやく引き金を引いた。放たれたコルク栓はニワトリの人形に吸い込まれるように進んでいき、見事ヒットする。
『やったぁ!!』
三人は手を取り合って喜ぶが、ニワトリの人形はちょっと揺れただけで下に落ちはしなかった。
「残念~惜しかったね~」
屋台のおじさんは園子たちを煽るかのようにそう言い、
「はい、これで最後だよ。」
と、ラストのコルク栓を置いた。
「おかしい....今間違いなく当たったのに....当たったのにぃ~!」
「まだだよミノさん!....まだ、あと一発撃てる!」
「そろそろ私の出番ね....」
「おっ、キタキタキタっー!狙撃手須美さんのご登場だぁ~!」
銀は須美をはやし立て、銃を持たせて前へ誘導する。しかし須美は、
「二人とも、この銃を握って。私は手助けするだけよ。」
そう言って二人に渡し、園子は右側、銀は左側、須美は真ん中に立って銃を持った。三人で一つの銃を持つともうおしくらまんじゅう状態だ。
「二人とも、よく標的を狙って。集中して。........吸気........呼気............今っ!」
須美の合図で三人同時に引き金を引く。さっきの銀の弾と同様、コルク栓はニワトリにヒットする。
「よし、あとは気合い!!」
須美はそう言って手のひらをニワトリにかざし、グルグルゆっくり回し始める。
「....気合い~~....!」 「気合い~~!」
銀と園子も須美の真似をして同じように手を回した。すると、ニワトリはグラグラと揺れ、ことんと地面に落ちた。
『おおっ!やったぁ~!!』
今度こそ本当に三人は飛び上がって喜んだ。
「あれっ!?おかしいな....倒れるはずないのに........」
屋台のおじさんがそう呟いたのを須美は聞き逃さなかった。
「あら....?それはどういうことかしら....?」
「あっ!?い、いや....!........わかったよ、はい....おめでとう。」
屋台のおじさんは諦め、人形を園子に渡す。しかし園子は
「じゃあ、あそこの三つと交換ね~。」
「えっ?いいのかい?........まぁ、俺はいいけど....」
屋台のおじさんは若干戸惑いながらも商品にあった三つの色違いのストラップを取って園子に渡した。
「園子....よかったのか?」
「それは....猫、かしら....?それに首のマフラーが色違い....。」
「よかったんよ、これで。はい、二人ともこれあげる!」
園子はそう言って一つずつ二人に渡した。そしてストラップのひも部分を持って言う。
「........ほら、三人でおそろいだよ。これもお祭りの記念の一つ。そして、ズッ友の証!」
園子の発言を聞いた二人は顔を見合わせ、園子と同じようにひも部分を持って園子の隣に立った。そして三人のストラップをくっつける。
「ああ。ズッ友の証!....これ、一生大切にするよ!ずっと肌身離さず持ってる!」
「ええ、私も。これもまた約束だからね、銀、そのっち!」
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三人はストラップを握りしめたまま見晴らしの良い丘まで登ってきた。ここは花火がよく見えるスポットだ。隠れ名所のため、周りにいる人も少ない。
「そろそろだね~............あ、ほら!」
丘の上で待って少しすると一発目の花火が打ち上がった。そして二発目、三発目とどんどん増えていって夜空がカラフルに彩られていく。三人は花火の光に照らされ、その派手な光に釘付けになっていた。
「....うわ~........綺麗....。」
「....来た甲斐があったな....!た~~まや~~~!!!」
銀は空に向かって大声で叫び、花火はそれに答えるようにドンドンと音を立ててはじける。
「三人で来れてよかったよ~。....また来年も行こうね!」
「ふふっ、気が早いわねそのっち。」
須美はそう言うと握りしめていたストラップを見た。
「........それ、気に入ってくれた?」
「....うん。とっても。」
「よかったよ~」
「こうしていられるのもそのっちのおかげなのよね....。ありがとう。」
「........。わっしーまでそれ言うんだね~....。」
「え?....銀も言ってたの?」
銀は花火に夢中で二人の会話が聞こえていない。
「別にお礼なんていらないんよ~。....私がこの未来を望んだだけだからさ~。」
「そう....。確かに、とっても幸せな時間だわ。本当なら横に銀がいないと思うと....」
「ああもうっ!悲しくなるようなお話は終わり!今日も一日中楽しむんだからっ!」
「あっ....そ、そうよね!ごめんなさい....。」
「いちいち謝らなくたっていいってば~。ま、それがわっしーか~。」
と、ここで空が騒がしくなる。ついにラストスパートのようだ。
「おおっ!おお、おおっ!うほっ~!うおおおおっ~~!!見ろよ二人とも!花火すっっっごいぞ~!!!」
銀はぴょんぴょん跳ねながら須美の肩を叩いて空を指差す。
「あれ!?もうクライマックス~!?....早いな~」
「ほとんど見れなかったわ....。」
「ええっ!?二人とも花火見てないで何してたんだよ!?............おおっ!キタキタキタっーー!!」
さらに騒がしくなり、真っ暗な空が見えなくなるほど花火があがる。昼なのではないかと思うほど明るくなり、虹色に照らされる。
「本当....花火ってすばらしい文化よね....。見とれちゃうわ....!」
「花火って名前なだけあって、マジで花みたいだよな!....まさに今、夜空は満開状態だ!」
「!!........満....開....。」
銀のさり気ない言葉で、園子は現実に引き戻された。自分と須美を二年間も苦しめた地獄の機能、『満開』....。この力がないと最後の戦いに勝てないことがわかってしまった以上、体の機能を失う覚悟が必要だった。
そんなことを考えていると、その瞬間辺りが真っ暗になる。花火が終わったらしい。
「ああ~....終わっちゃった~....。」
「とても美しかったわね~....!........ん....?そのっち....?」
「........。」
園子はボーッとして斜め下を向いている。
「....そのっち?」
「!....あ、ごめんわっしー!ちょっと考え事してただけ....。」
須美の呼びかけにようやく気づき、彼女の方を向いた。
「........そう。じゃ、行きましょ!銀が待ってるわ。」
須美は少し園子の顔を見つめてから彼女の手を取り、先に行っていた銀が手を大きく振って『お~い』と言っている場所まで走る。
元の道に戻ってきたときには人通りもどっと少なくなり、片付けを始めている屋台も多く見られた。
「もう祭りも終わりか~」
「早かったわね~。一瞬だったわ。」
銀と須美の会話を聞きながら、園子はこっそりと二人の後ろを追って歩いていた。そして密かにスマホを取り出し、まだ屋台の灯りで周りが明るいうちに浴衣姿の二人を後ろから撮影した。
「....ん?そのっち今なんかした?」
「ふふふ~....いやなんにも~?」
「むむ....怪しい....。」
「その顔、絶対なんかしただろ....?正直に白状しろっー!」
「なんにもしてないってば~♪」
「嘘つけ~!」
三人は帰りるときもまた元気よく走り回る。休みの日の体力は無限にあった。園子は家に帰ってからスマホを見ると、さっき撮った二人の後ろ姿の写真を待ち受け画像に設定した。さらに、祭りの前半に撮った三人の写真をプリントアウトし、机に置くくらいの小さな額に入れて部屋に飾った。そしてその隣に猫のストラップを置き、うとうとしながらしばらくそれを眺めていた。
(第23話に続く)