Death Note ~Another~   作:へたくそ

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始まりの秒針

「あの、どうしてそんなに時計を気にされているんですか?」

 

 

 

彼と会った日は、12月の寒い冬の日。

 

 

 

 

「あぁ、これ?これはですね」

 

 

 

この時だけは何故か、時計の秒針の音が耳に残った。私は生涯、この時を忘れないと悟った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死神が私にそう告げたのは、初雪の降ったそんな日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイ・ペンバー。フィアンセである彼を亡くした私は、キラの正体を暴くべく行動に出た。レイがあの日言っていた、"バスの自分のFBIのIDを見せた"という事が本当なのだとしたら、まずはそこをあったてみるべきだろう。なぜならそのIDを見せた相手こそがキラ。そこからキラの素性を暴けるかもしれないと思ったが、世の中そう上手くいくはずもなかった。

 

 

レイの証言、日本に潜伏中の全FBIが同時に死亡、そして何より、その数日前に名前を知られたレイ。この事から私は、キラは殺す相手の死に際の行動すらも捜査可能ではないかと推理している。突拍子のない事はわかっている。しかしそれこそもう通用しないのだ。顔と名前さえ分かっていれば対象を殺すことが出来るという事実は、これまでの常識をあまりにも逸脱しすぎていた。

 

 

 

(こうなればもう、日本の本部に直接掛け合ってみるしか。世界規模でも大量殺人、これほどの凶悪犯罪をあのLが放っておくはずがない。彼なら、もしかしたら話だけでも聞いてもらえるかも)

 

 

 

美空ナオミ、彼女がなぜここまでLに信頼をおいているのか。それは過去に一度だけ、Lの下に就いたことがあるからだ。ロサンゼルスBB事件。この事件にはナオミも配属され、さらにはLが指揮をとり見事解決に導いた。

 

直接会いはしなかったものの、彼は今この地中上で最も信頼できる人物だと言える。いや、彼しか信用できないと言ってもいいだろう。そのためにナオミは警察本部に足を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい月。本当に良かったのか?FBIの連中を全員殺しちまって」

 

「今更どうこう言っても仕方のない事だ。確かにFBIを今失うのは、かなりの痛手だ。しかし、あそこであぁしなければ痛手だけじゃ済まない。ヤツは更に闇の中に姿を隠し、その手は誰も捉えることができず、今よりも多くの人が死ぬことになる。それだけは絶対に許されない」

 

「ハハ。全く、お前は本当にそんな役回りをやらされているな」

 

「それこそ、今更だよ。リューク」

 

 

 

夜神月。デスノートをその手に取ってしまったが為に、彼はキラにならざる負えなかった。この世界に落とされた二冊のノート。本来、顔も名前も知らない二人が放り広げるはずだった死神の遊び。それは今、形を変え、運命を変えた。しかし、残酷なことに、彼がこの世の敵であることには変わりなかった。結末に変わりはなかった。幸せになれず、報われず、不幸だけを生産し続け、世界に蔓延していく恐怖の連鎖。

 

 

 

 

これはもう一つのデスノートの物語。夜神月が新世界の神を目指す物語ではない。

 

自らの精神を、正義を犠牲にして、唯一のライバルと共に人々を救わんとし、自ら死神になる事を選んだ物語。

 

としてその物語の秒針が今、動き出す

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