されど私に学園モノは似合わない。   作:不可思議可思議

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されど私の学園ラブコメは間違っている。『壱』

 三日間の受験休みが終わり、学校をサボる気満々の三子に見送られ、いつもより三十分程度早めに登校していた。

 

 それもこれもあれもどれも、だいたい全部平塚先生が悪い。

 

「この裏切り者めぇ……!」

 

 教室を素通りして職員室に入ってすぐから、この調子だった。

 何でも、先日の自問自答を目撃していたらしい。……平日の真っ昼間に何でいるのよ。

 

「君だけは、私の先を行かないと思っていたのだがな……」

 

「別に彼はそんなんじゃないわよ」

 

「何だ、なら友人とでも言う気か? そんなわけないだろう」

 

「そんなわけないわね」

 

 別に異性間の友情を否定する気は全くないけれど、私が男子と仲良く友達やってる光景とか全く想像できない。葉山とか戸部とかとなんて、百億のパラレルワールドがあろうと一度も無いに決まっている。私に男友達とかパラドックス極まりない。――つまり戸塚は矛盾をも超越した超生物である。閑話休題(そんなことは置いておいて)

 

「運命共同体……、違うわね。運命共感体というべきかしらね」

 

 人生の道も方向も全く違うけれど、常に似たような道をそれぞれで歩いている、会うはずのなかった別次元の存在。あの対面は、言ってみれば寄り道のようなもの。何となく道から外れてみたら、生涯関わるはずのない私たちは出逢ってしまった。

 

「別に友達でも恋人でも仲間でも同僚でも同胞でも無い、ただの他人よ」

 

「そうも否定されると逆に疑わしいものだがな」

 

「なら勝手に疑って、彼に嫉妬でもしていればいいわ」

 

「しないよ。何で私が君に惚れている設定になっているんだ」

 

「あら、違うの?」

 

「私はレズビアンでは無い」

 

「バイセクシャルでも?」

 

「無い。私の恋愛対象は普通に男だ」

 

「あら、残念ね。調教は私の趣味では無いのだけど」

 

「君も私のような難攻不落ではなく、普通に男と恋愛したまえ」

 

 平塚先生は言いながら、タバコを咥えて火を付けた。

 これは雑談終了という、私たちだけの暗黙の了解のようなものになっていた。

 

「……それにしても、随分と片付いているみたいね」

 

 二月後半、受験直後ということもあってか、職員室はあちこちで忙しそうにしている。どの机にも書類がビルのように立ち並んでいるというのに、何人かの、例えば平塚先生の机なんかはさっぱり片付いていた。

 

「いやぁ……。まぁ、忙しいとついつい現実逃避ばかりが捗ってしまってな」

 

 あははーと、気まずそうに、頭を書いて誤魔化す。

 

「けど、そろそろ仕事も片付けないとな」

 

 それは、私へ向けられた言葉ではない。感情というか、思いがそのまま口に出たようだった。

 

「……もう行くわ」

 

「そうか。教室の暖房つけて、風邪ひかないようにな」

 

「そーね」

 

 何となしに嫌な予感がして、そこにいられなかった。

 別に、タバコの臭いが嫌というわけではない。そんなに私は潔癖ではないし、二、三年後にはきっと私も吸っているだろうから。

 ただ、何となしに、何となく、あれ以上平塚先生と話していたくなかった。……聞きたくないことまで、言われてしまう気がして。

 

「あーあ」

 

 ほんと、あーあ。

 面倒くさい女よね。お互いに。

 

 


 

 

「さぁくぅらー、さぁくぅらぁ。

 のーやぁまぁも、さーとぉもぉ。

 みーわーたぁす、かぁぎーりぃ。

 かーすーみーか、くぅもーか。

 あーさーひぃに、にーおぉう。

 さぁくぅらー、さぁくぅらぁ。

 はぁなーざぁかりぃー」

 

 教室で、電灯も暖房も点けずに、自己嫌悪を誤魔化すように、私はちょっとしたマイブームになっている童謡を謡っていた。……歌っておいて言うことじゃないけど、今の季節とミスマッチすぎるわね。もっと冬らしいものにしようかしら。雪やこんこ、とか。

 

 誰もいない教室で一人反省会をしていたら、ノックも無く突然に、ガララッと扉が開いた。別に、私の部屋というわけでもないしノックは不要なはずなのだけれど、自分の世界に入れ込みすぎて普通にびっくりした。

 

「おはよっ、不可思議さん! って寒!?」

 

「……ええ、おはよう」

 

 誰かと思えば、学校指定のジャージの上にウィンドブレーカーを羽織った戸塚だった。

 

「なんかいいことあったの? ご機嫌だったみたいだけど」

 

 電灯を点け、暖房も私に気遣ってか低めの温度で点けながら私に話しかけてくる。

 

 しかも聞かれていたらしいけど、まぁ葉山とか戸部じゃなかっただけセーフ。三浦とか、あと顔見知りじゃなきゃどうでもよかったけれど、戸塚だと、まぁアウト寄りのセーフといったところ。

 

「別に、嫌なことを歌って誤魔化したい時くらい私にもあるのよ」

 

「不可思議さんの嫌なことも気になるけど、それで『さくらさくら』のチョイスも結構謎だよ?」

 

「デスメタルよりはマシでしょう?」

 

「それはもう新手のホラーだよ……」

 

 私はデスメタルと聞いてしばらくはファンタジー世界の関わったら死ぬ類の呪いのアイテムだと思っていたけれど、確かにホラーよね。

 

「多分、不可思議さんの考えてることと僕の考えてることって違うんだろうなぁ」

 

「自分と同じ考え方の人間なんて気持ち悪いだけよ」

 

「うん、そういうところね」

 

 なんか、戸塚の目が三子のそれに似ているような気がした。

 

 しばらくすれば、葉山や三浦のグループがやってきて、その他諸々がやってきて、最後に遅刻ギリギリで沙希が駆け込んできて、いつの間にか教室は日常に戻りきっていた。

 

 


 

 

 学校全体が賑わいだし、放課後に至る頃には校舎全体に熱がこもり出していた。

 朝練風景からも感じたことだけど、運動部の活気付き具合がえげつない。既に野球部やラグビー部なんてグラウンドに集まって騒いでいる。

 

 私もいい加減部活に向かおうと席を立ったタイミングで、由比ヶ浜が駆け寄ってくる。

 

「ナーちゃん部活?」

 

「ええ。ここじゃ騒がしくてどうしようもないし」

 

 言いながらに、二人で教室を出る。

 別に、二人一緒に部活へ向かうというのは別段珍しいことでもなく、私にしても由比ヶ浜にしても普通のことなはずだった。……はず、だった。

 けれど、由比ヶ浜は持ち込んだらしい毛布に顎先を埋めて抱き抱えながら、気苦しそうな様子。

 気にしているのはきっと、雪ノ下のこと。

 

「どうしたのよ、その毛布」

 

「毛布? ああ、ブランケットのこと?」

 

 見たところ、前に部室で二人が使っていたものとは柄が違うように見える。確かに冷えるだろうけれど、一応暖房もあるし、そんな二枚も三枚も使うほど冷えることもないと思うのだけれど……。防災用?

 

「雑誌買ったら付録で付いてきたの。……ぶっちゃけ、処分に困る」

 

「三子も何年か前にそんなこと言ってた気がするわ。最近は嵩張るからって、電子ばかり。嘆かわしい限りよね」

 

「……あれ、三子ちゃんってあたしより大人だったっけ?」

 

「精神年齢じゃなくて普通に性格と好みの違いでしょう。三子は片付けが苦手でね。特に付録とかおまけとか、要らないけど捨てるには勿体ないものがどうしたらいいか分からないって」

 

「へ〜。ナーちゃんは?」

 

「私はそもそも雑誌を買わないわ。必要になったことが無いもの」

 

「あー、なんかナーちゃんらしいかも」

 

 

 道中に私が自販機でメロンソーダを買ったりしながら、私たちは部室についた。いつも通り、既に雪ノ下は来ているようで鍵は空いていた。

 

「こんにちは。……このあいだはその、ありがとう」

 

「別に、私は飲まされていただけよ」

 

「そうだったわね」

 

 ……思っていた以上に元気そうで何より。

 

「由比ヶ浜さんも、手伝ってもらって助かったわ」

 

「ううん、全然! あたしはそんな大したことしてないし」

 

 由比ヶ浜は謙遜するような、照れるような困り笑いをしている。けれど、雪ノ下は視線を逸らさないし、私も雪ノ下の件での功労者は由比ヶ浜だと思っている。

 

「本当に助かったわ。ありがとう」

 

 その笑みは本当に朗らかで、晴々しい印象を受けた。

 由比ヶ浜が小さくうなずくと、互いに照れくさかったようで、雪ノ下ははにかむ。

 

「こ、紅茶を淹れるわ」

 

「う、うんっ! ありがと!」

 

 何かを誤魔化すように、雪ノ下が紅茶の準備をしていると、不意に、扉が小気味よく叩かれる。

 

「どうぞ」

 

 雪ノ下が落ち着いた声音で返すと、扉はそれに応えるようにゆっくりと開かれた。

 

「失礼しまーす」

 

 と、にこやかな声で入ってきたのは、一色だった。廊下から流れ込んでくる冷気が心地いい。

 

 用件は何かと思えば、借りてきたDVDを見る環境が生徒会に無いため、奉仕部のパソコンを、あとついでにサボりだと思われたく無いから部室ごと借りにきたらしい。

 今の時代、DVDを見られるパソコンなんて絶滅危惧種も同然で、何ならDVDドライブを単体ですら置いていない電気屋すらも見かける。私が前に使っていたパソコンはかなり古い型のもののためあったけれど、今のマックブックにはUSBすらない。タイプCが二つにイヤホンジャックだけ。スマホかお前は。

 

 一色は奉仕部のパソコンでDVDが読み込めることを確認すると、鞄から何か、掌サイズで白く、角ばったものを取り出した。

 

「何それ?」

 

 由比ヶ浜は一色がケーブルでパソコンと繋いでいるのを見て、首を傾げた。その様子を見て、雪ノ下は感心したような声で答える。

 

「ずいぶん小さいけれど、プロジェクターね」

 

「ですです。あ、ちょっとスクリーン下ろしますね」

 

 一色は頷き返しながら立ち上がり、これまで一度も使われることがなかった、教室の片隅に天井からぶら下がっているロールスクリーンを下ろした。

 

 わざわざ学校で何を見るのかと、メロンソーダ片手に見守っていると、低い駆動音を鳴らしながら、スクリーンにパソコンの画面が映し出された。

 

「繋げばスマホの映像とかも出せるらしいですよー」

 

「ほぇ〜。……あ、でもお高いんでしょう?」

 

 由比ヶ浜が思いついたように、口元の笑みを手で隠して冗談めかしながら聞いた。すると一色もそのノリに乗っかって応える。

 

「それがなんと! 今なら生徒会の経費で私的には実質無料なんです!」

 

「おおー!」

 

 最悪の実演販売だった。それも、闇の部分を開けっ広げに出すことで逆に清々しいという如何わしい実演販売だった。

 

 

 ともあれかくあれ。

 照明を消して、カーテンも閉めて。部屋の光源がプロジェクターだけという状態にして、観賞会が始まった。

 音源が古いノートパソコンのスピーカーということもあって小さいため、私たちはパソコンの近くに陣取ってみることになるため、どうしても人口密度が濃くなってしまう。尚、私は雪ノ下の膝の上。この状態が気に入ったらしい。

 

 一々映像の内容を語るのも鬱陶しいので簡潔に語ってしまうなら、アメリカの高校の青春群像劇。スクールカーストって横文字なだけのことはあるのか、海外でも普通にあるのね。体育会系が上位を独占しているのも同じく。……学生がこんなだと、世界って今後どうなるのかしらね。

 

「……それで、なんで態々ここで映画見せられてるのよ、私たち」

 

「映画じゃなくてドラマですよー」

 

 一色に問うと、カーテンを開けながら、馬鹿にしたような声音で答えられた。

 

「別にその違いはどうでもいいのだけど」

 

 映画なんてエヴァンゲリオンとアニメの実写化ぐらいしか見ないし、ドラマなんて生まれてこの方、見た記憶すらない。

 

「んー? 先輩もしかして、こういうの嫌いでした?」

 

「いや、なんというか、……納豆を食わされた外国人のような、そんな感覚を味わえたわ」

 

「八割嫌いじゃ無いですかそれ。……先輩、いくら可愛くなっても女子力はまだまだですね」

 

 ……女子力ってこういうところにも発揮されるのね。確かに、家事ができるか否かだけじゃ、私と由比ヶ浜の女子力はほぼ同等ということになるけど、明らかに由比ヶ浜の方が女子力は高そうだし。

 

「アベンジャーズとかマッドマックスとか好きって言い出す女子なんて大概は彼氏の影響ですからね? ナーちゃん先輩も気をつけてくださいよ?」

 

「……そういえば不可思議さんって、進路希望にアイアンマンと書いた前科があったわね。平塚先生が愚痴ってたのをよく覚えてるわ」

 

「ナーちゃん先輩、なにしてるんですか……」

 

 ……そういえばそんなこともあったわね。観るまで食わず嫌いしてたけど、見てみたら面白かったのを覚えてる。

 

「面白かったんだから仕方ないじゃない。文句は見てから言いなさい」

 

「……お金は取らないんですか?」

 

 片付けを一通り終えた一色は意外そうな顔で私を見た。

 

「だって私が製作したわけじゃ無いもの。どんな文句を言われても痛くも痒くも無いわ」

 

 余裕綽綽に言うと、一色は不敵に笑う。

 

「アイアンマンってSFっぽいけど意外と泥臭いですよねー」

 

「それ以上の侮辱は物理的出血を覚悟の上で宣いなさいな」

 

「滅茶苦茶怒るじゃ無いですか! 物理的出血ってなんですか!?」

 

「しかも文句にもなってないわ。ただの感想で怒ってる」

 

「……ゆきのん、それナーちゃんへの文句になってない? あといろはちゃんは観てるんだ……」

 

 物語とは人の子同然。数多の人類を魅了した子が侮辱されて親以外が怒っても仕方のないこと。……とはいえ、今のは些かに器が小さすぎたけれど。

 

「それより、どうしてここで急に上映会が始まったのかしら」

 

「ああ、そう、それ。私も聞きたかったのよ」

 

 聞こうと思って忘れていたことを、雪ノ下が改めて尋ねた。頭上からの言葉に私も乗っかる。

 

「資料として観てたんですよー。さっきも言いましたけど、生徒会室で観てたらサボってるみたいじゃ無いですかー」

 

「そんな理由でここを選ぶのもどうなのかしらね」

 

「そんなことなら家で見ればいいじゃ無い」

 

「だってせっかく買ったプロジェクターを試したいじゃ無いですかー。うちにはスクリーンないですし。それに、時間外労働はしない主義なんです」

 

 一色は悪びれる様子を一切見せずに、にぱっと微笑んだ。……この調子だとそのうちスピーカーまで経費で買いそうね。私には関係ないし別にいいけれど。

 

「てゆーか、資料って?」

 

「今度卒業式があるじゃないですかー。で、その後に、謝恩会? って言うんですか? それを生徒会仕切りでやらないといけなくて」

 

 しゃおんかい、……しゃおんかい?

 

「……黙祷でもするの?」

 

「遮音会じゃないですよー。なんですか、そのつまらなそうなの。謝る、恩義、で謝恩会です」

 

 ……結局いまいちよくわからないのだけど、一色が言うことだし、要するに後夜祭みたいなものなのかしらね。

 

「まぁぶっちゃけ、普通の謝恩会でもいいんですけど、私の卒業するときのことを考えると、ここで派手にした方がいいかなーと思いまして。……あ、その方が卒業生も喜ぶわけで」

 

 ちゃんと卒業生への思いやりが後付けで付け足されてる。いいわね、実に私好みの小悪党。流石生徒会長。

 なんて感心していたら、雪ノ下が訳知り顔で頷いている。

 

「なるほど、それでプロムというわけね」

 

「……家庭菜園なら勝手にやればいいじゃない」

 

 確か、そんな名前の植物があったわよね。

 

「それはプラムよ。日本語ですもも。家庭菜園で作るものじゃないわね」

 

 どこか自慢気に雪ノ下は語る。

 

「プロムというのはプロムナード、つまり舞踏会の略称。海外の高校で学年最後に開かれるダンスパーティー、まぁ派手な卒業パーティーよ」

 

「ああ、それでさっきのドラマと繋がるわけね」

 

 なんか派手なダンスが始まったと思ってたら、そういうことらしい。

 

「……卒業生のことを思うと気乗りしないのだけれど、なんでそんなことをするのよ」

 

「え、でもナーちゃん、体育の創作ダンスめっちゃ上手かったじゃん。沙希と一緒に踊ってたやつ」

 

「え……。ナーちゃん先輩と川崎先輩がダンスって、なにしたんですか? というかナーちゃん先輩も意外ですけど、あの人踊るんですか?」

 

「人を掌で踊らせる術は間近で見てきたのよ。……だからこそ、踊らされる人間のことを思うと、心が躍るわね」

 

「ナーちゃんさっきと言ってること違うよ!?」

 

 おっと。踊り慣れていない人間が難しい顔しながら踊ろうとしているのを悠々と眺める愉悦を思い出してしまった。

 

「まぁ、ともかくよ。その話をここで話したということは、いつも通り、私に一枚噛ませに来たってことでいいのよね?」

 

「流石ナーちゃん先輩、話が早すぎて助かります」

 

 経験則どころか、統計学でも証明できるくらいにいつものことだもの。

 

「そういうことなら話が早い。もちろん手伝うわ。元よりそういう約束だし、しかも今年で成功の前例を作っておけばきっと来年もできる。つまりあの沙希に嫌々ながらに踊らせることができる」

 

「いやあの、私が成功させたい理由も、私が卒業の時にプロムやりたいからなのでありがたいんですけど、……ちょっと重たいんですよ、ナーちゃん先輩の愛って」

 

 そんなつもりはなかったのに、一色に思いっきり引かれた。別に、誰かを愛していたりはしてないつもりなのだけれど。……それでも重たいってことかしら。

 

「それで、先輩達はどうですか? ぶっちゃけナーちゃん先輩だけで十分に安心感ありますし、大丈夫っちゃ大丈夫なんですけど……、やっぱり人手は多い方が助かりますし」

 

「不可思議さんだけって逆に不安だし、私も手伝わせてもらうわ」

 

「あっ、あたしも手伝うよ!」

 

 受験が終わろうとも、どうやらこの部で暇は長続きしないらしい。明日から、私たちはプラム成功へと足を向けることになる。一色は「ではでは」と言い残し、部室を去っていった。

 

「私たちも、そろそろ帰りましょうか」

 

「そーね」

 

 気がつけばもう夕暮れ。青かった空はオレンジ色に染まり、太陽が窓を覗いていた。


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