[パッチワーク・オブ・ドリーム]ハリボテエレジー育成シナリオ   作:ターレットファイター

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お久しぶりです。パッチワーク・オブ・ドリーム連載再開です。
内容は12月のコミックマーケット101で頒布した同人誌版に準拠して進み、月曜・水曜の18時に新エピソードの投稿を行います。今度は完結まで止まらないよ!
また、同人誌版の作成にあたっていろいろエピソードの加筆や整理を行ったため前の方にもエピソード追加をしました。


[ジャパンワールドカップ]―シニア級・11月
[ジャパンワールドカップに向けて・可能性]


 

 GⅠ・ジャパンワールドカップ。

 国際グレード制への移行とそれに伴う海外出身のウマ娘の出走制限の撤廃などの各種制度の変更と連動して行われたゼロ年代前半のURA主催のレース番組(トゥインクルシリーズ)の改変の中で、ジャパンカップ、ジャパンカップダートと並ぶ秋の三大国際招待競走の一角としてマイルチャンピオンシップから改称された秋のマイル王者決定戦。

 となれば当然、そこに出走するウマ娘も一流の優駿揃いになる。

 一枠一番、ギンシャリボーイ。無敗でのクラシック三冠に加え、クラシック級での有馬記念制覇が評価され、昨年の最優秀クラシックウマ娘、年度代表ウマ娘にも選ばれてている。そして何より、シニア級に上がった今年も無敗。春は大阪杯・天皇賞(春)・宝塚記念と春シニア三冠を達成し、秋は天皇賞(秋)にも勝利して天皇賞春秋連覇を達成している。

 二枠二番、スーパーフェロモン、フランス所属。身を活かしモデルとしても国際的に活躍しているのみならず、レースではデビューこそ遅かったもののここまで無敗、欧州の中距離レースの最高峰、凱旋門賞を二着に七バ身差をつける圧勝で制覇した中距離レースでの実績抜群のウマ娘だ。

 三枠三番、チョクセンバンチョー。世代戦での勝鞍はNHKマイルカップのみだったものの、クラシック級にして秋のシニア級マイルGⅠを制覇し昨年の最優秀短距離ウマ娘にも選ばれている。今年の春は高松宮記念、マイルチャンピオンシップ安田記念を制覇してスプリントマイル二階級制覇。さらに秋はギンシャリボーイへの挑戦を宣言。短距離路線ではなく中距離路線を選択し、天皇賞(秋)にも出走、二着。――これまでの実績を考えれば中距離戦であるジャパンカップに出るだろうと思われていたギンシャリボーイがマイル戦であるジャパンワールドカップに挑戦することを表明するきっかけとなったのではないかと噂されている、今年のシニア級GⅠ戦線を二分する二強の一角となる短距離の強豪ウマ娘。

 四枠四番、ニンジャスナイパー、ロシア所属。忍者を模した勝負服に違わず、他のウマ娘の死角に潜みながら徹底的にマークを行うレース運びを得意とするウマ娘。主な勝鞍はイタリアの芝二〇〇〇メートルGⅠ・ローマ賞。

 五枠五番、シーワールド、オーストラリア所属。オットセイのきぐるみの勝負服。主な勝鞍はオセアニアの中距離覇者決定戦とも称されることが多い、オーストラリアの芝二〇四〇メートルGⅠ・コックスプレート。

 六枠六番、トロヤンホース、ギリシャ所属。四足歩行でウマ娘並みの速度で走ることができる神話生物である「馬」を模した機神を用いてトロイア戦争に勝利したというギリシャ神話上のエピソードに出てくる「木馬」を模した勝負服のウマ娘。一〇ハロン競走の最高峰の一角をなす英国のGⅠ・チャンピオンステークスを制している。

 七枠七番、ウーマ(UMA)、ブータン所属。詳細不明。

 八枠九番、メカハリボテ。アメリカ所属。数十億ドルの開発費を投じた超ハイテク勝負服。

 そして八枠八番、ハリボテエレジー。

「……こうやって見ると、ハリボテエレジーだけ実績面で大きく負けていますね」

「ああ、そうだね。同期は精強、海外ウマ娘も例年にないほどに実力者揃いだ――勝てると思うかい?」

 出走ウマ娘九人中六人がGⅠウマ娘。

 桐生院さんが漏らしたつぶやきに、タキオンがいたずらっぽく笑う。

 日本からの参戦は中距離でも好走する国内短距離王者に無敗の三冠馬と芝のGⅠ戦線のトップ格二人、欧州からは凱旋門賞、チャンピオンステークス、オセアニアからはコックスプレートと各地域の中距離GⅠの最高峰に数えられるレースを今年制したウマ娘たちが勢ぞろいしている。出走回避が相次いで九人立ての少数頭立てのレースになるのもやむなしと思えるような出バ表だ。

 それに対して、わたしの戦績はたった二勝、主な勝鞍は芙蓉ステークス(OP)と富士ステークス(GⅡ)のみ。勝負になりそうな戦績ではない。

 だが、桐生院さんの答えは簡潔だった。

「――もちろん」

「ふぅん……」

 その答えを聞いたタキオンは面白そうに目を細めた。

「わたしも同感だよ。――ところで君、気付いているかい?」

 妖しい光を目にきらめかせたタキオンが、桐生院さんの目を覗き込む。

「――きみ、モルモットくんみたいな目をしているぞ」

 

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