オーバーロード~異世界転移!!? 嘆きの亡霊は帰りたい   作:嘆きのラジオ

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スマート姉妹

(うーーん、困ったなぁ)

シトリーはポーションを機械人形(オートマタ・ジャイアント)に投げながら考えていた

巨人の装甲があまりにも堅いのだ

それはアダマンタイトよりも堅い、(この世界では)未知の金属なのか・・・わからないがそのせいでダメージを与えられない

 

「私たちが合流する前にクライさん(天使)が戦っていたようだけど・・・」

まるで効いている様子がみられない

(こんなときにルークさんやルシアちゃんがいてくれたら)

戦闘は彼女の分野ではない、解析、思考し敵の弱点を探るのが彼女の領分だ

だが弱点をしったところでそれをするだけの力がいまのチームにはない

 

リィズは無類の特効力を誇る、だが殴るや蹴るでは限界がある

 

巨人の装甲を凹ませることが出来ても、質量が大き過ぎるため大したダメージを与えられていないのだろう

巨人がよろめいたり、動きが鈍ることはない

 

流石に素手、素足では難しいのだろう

 

(それどころかだんだんとお姉ちゃんの動きに対応し始めてる)

最初は一方的だった、だが今ではリィズの動きを予測し彼女が動くであろう場所に攻撃を行っている

掠りもしないが長期戦になるのは避けるべきだ

 

だが突破口がないのである

本来この手が通じないのであれば別の手段を使うのではあるが

シトリーは魔法などは使えないがある程度はポーションで代用できる

だがシトリーのもつ本来のポーションは複製できない

この世界にはそれを作るための材料がないためだ

 

この世界にいるであろう脅威のために温存しておくに越したことはないのだ

 

この世界の材料でポーションを作成してはみたが本来のポーションより2ランク以上も劣る

しかもこの世界ではアダマンタイトが最も硬い金属と聞いた

強い魔物でもアダマンタイトに傷をつけるのは難しい

なら、どうやってそれ以上の硬度があるであろう目の前の巨人に傷をつけるというのか?

彼女のポーションの材料はこの世界では強いとされるレベル20~30程度のモンスターである

 

少なくともあれはその辺の魔物とは比べものにならない強さですし、勿体ないですが使うしかありませんか・・・)

温存したいが

 

そう考えるとともに近いの柱に何かが直撃する

大きな土煙をあげ柱は倒壊した

ムクリと土煙の中から姿を現した、それは高速で動きまわり先程まで機械人形を攻撃していたリィズである

 

「んーーしくったなぁー」

体についた砂や泥を落としながら

まるで何事もなかったかのように彼女は体を伸ばす

機械人形が彼女に対応してきたのであろうのか、それともまぐれ当たりなのか

リィズは一撃をもろに受けてしまったが受け身をとって衝撃を殺したのか彼女にダメージはない

 

「それで?どうするシト?」

姉は冷静に問いかけてくる

「クライちゃんがいないってことは、もう動いてるだろうし、そうなるとやり過ぎるのはどうかなって思うの」

リィズは淡々と話す

それは彼女にとってこの程度の敵はどうとでもなると言っているかのように

 

それはそうだ彼女たち、嘆きの亡霊は何度もこのような状況を乗り越えてきた

ただ硬いだけの敵など今さらである

 

クライがいないことはシトリーも知っていた

彼がいないということは大抵大元の元に向かっているのが殆んどだ、そう例えばあの機械人形を操作している元凶のもとに

だがこれ以上時間をかけるのはよくない

かなりポーションも減らしてしまった、作成にもそれなりの手間がかかるのだ

 

「いえ、これ以上消耗するのは対価と見積もっても損だし、クライさんもわかってくれると思うの」

「オッケー」

シトリーの言葉にリィズは納得したように返事をする

その言葉と同時に二人は「笑う骸骨」をつける

 

「それじゃ・・・もう手加減しないから!!!」

リィズの言葉とともに二人の空間が、歪む

リィズが機械人形に特効するそれは先程の戦闘よりも速い、

一撃を加えたであろう機械人形は驚くような仕草をとったと同時に小さく吹き飛ぶ

顔面をもろに食らったのかその仮面は凹んでいた

反撃しようと機械人形はリィズの動きを予測しながら攻撃を続ける

 

リィズが跳躍したタイミングを見計らい剣を振るう

空中に浮かぶ彼女にそれは当たると思われた

そもそも人間には空中での回避手段はない

誰しも空では無防備になるものだ

 

だがリィズは空を、空気を蹴り、剣を避ける

 

本来であれば翼などの空中を移動する手段がなければ避けることは出来ない

だが彼女が使用している宝具・・・先程までは身に纏っていなかった宝具はそれを可能にする

 

「天へ至る起源(ハイエストルーツ)」

一度だけ宙を蹴ることができる

単純な能力ではあるが彼女の類い稀なる身体能力がそれを可能にする

 

彼女の動きがかわり戸惑いを隠せないのか動きがとまる機械人形、それは人間味を帯びていた

 

空を蹴るとともに急速に接近したリィズは腕をかけ上がり、顔に到達する

轟音、回し蹴りの要領で仮面を蹴り飛ばしたリィズはその、反動で地面へと着地する

 

それが起こると同時にシトリーは投擲する

割れた瞬間に機械人形にまとわりつくかのように付着する液体、範囲は腕の間接である

数秒とかからずそれは固まりその箇所はまるでセメントされたかのように白い

関節を固められた機械人形は無理に動きそれを壊そうと動くが

それよりも速くリィズがその箇所を蹴りとばす

 

ゴキン!という耳障りな音と共に、腕が体から離れる

 

大きな砂ぼこりをあげ凄まじい衝撃と共に地面に巨大な腕が落ちる

それを凝視するかのように地面に俯く人形はまるで信じられないものをみるかのようだった

 

そんなことを気にすることなくシトリーは話す

「どうか降参してくれませんか?これ以上の戦いは無駄だと思うのですが?」

それは機械人形にむけて、いやその操縦者に向けられているような言葉だった

 

一瞬動きが止まったものの

まるで否定するかのように機械人形は剣を上段に構え

シトリーへと降りおろそうとする

不意に爆発が起こる、それは先程まで彼女が使っていたもの、よりも遥かに強力な

衝撃に耐えられなかったのか人形は仰向けに倒れる

 

それを見下ろすかのようにシトリーは言う

「出来ればあまり壊さないでおきたいんです、手にいれるにしてもバラしては勿体ないですし」

淡々と冷酷に

 

先程までの攻防はなんだったのか?

それほどまでの圧倒的力

苦戦していた、突破口がない、それはあくまで二人がどうにかして損傷があまりない状態の機械人形を手にいれようとして動いた、結果だ

 

壊す、殺す前提であるなら話はかわる

「操縦者がいることはわかっていますので、早めに降参することをお薦めします」

 

そう言って彼女から投げれたポーションが当たり

人形は炎に包まれた

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