ウルトラマンブレイブ   作:リクソンLv.6

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第七話:閉ざされた鏡②

:鏡魔神 スペクトロ 

………………………………………………………………

――エリアI――

「あいつ…何処に行きやがった!」

 

スペクトロを追いかける事、早30分。一向に見つかる気配は無かった。

 

(「ブレイブ!あいつに見覚えはあるか?」)

(「すまないが奴に見覚えは…だが奴の能力は検討がついたぞ。」)

(「聞かせてくれ!」)

(「奴は鏡面を使って鏡の世界を作る能力だろう。」)

 

確かに鏡面を使って自分の世界を作るという能力なら水溜まりから引きづり込むのも合点がいくな…

 

「これで探すポイントも絞れそうだな…」

 

そうして鏡のある場所やガラス、水溜まりのある場所を徹底に調べ始めた。すると鏡の前に誰も居ないはずがガラスにはフードを被った男が歩いていた。

 

「あれだ…!」

 

バレない様にこっそり近づいていく。

ガラスが無くなるが裏路地に入っていく位は分かった。その奥には見るからに怪しい古い廃屋がある。

 

「入るしか…無いよな……」

 

廃屋の中は苔むしており、ホコリっぽい。家具は基本壊れているか古ぼけている。そんな中で、フレームの装飾が禍々しくも美しい長鏡が一際目立っていた。

恐る恐る近づくと、何故か鏡面に向かって手が伸びていた。手が鏡の奥に入り、唾を飲む。不安と恐怖を押し殺し覚悟を決め鏡面に勢い良く飛び込んだ。

…………………………………………………………

鏡が割れ破片が散乱している。

 

「ようやく此方に来たね……ウルトラマンブレイブ!!」

 

割れた鏡にスペクトロが映り醜く笑いながら言った。

…………………………………………………………

――鏡の世界――

強すぎた勢いを殺す為に受け身を取る。

 

「ここが…鏡の世界……」

 

辺りは元の世界が左右逆転している事以外は特に変化は無い。外に出てみてもそれは同じだった。

 

「茜ちゃんを探さないと…」

 

行き当たりばったりだが、居そうな方へ駆け出す。

角を曲がったその時ある物を見て僕は驚愕した。

戦闘があったのかブロック塀は破壊され散乱し地面は幾つかの陥没した跡があった。

 

「……無事で居てくれよ…」

――――――――――――――――――――――――

「ハァッ…ハァッ…ここまで来れば大丈夫…よね?」

 

分身したスペクトロに追いかけ回されていた茜はどうにか裏路地に入り込み分身体が居ないか辺りを見渡す。

分身体は本体より知能が低いようだが俊敏さと機動力がずば抜けて高い。ギリギリもう一走り出来る体力が残っているがそれが尽きれば終わり…そんな不安を胸にしまい、また動き出したのだが至る所に分身体が居て動きたい様に動けない。

大通りでは辺りを見渡しながら私を探してさまよっているように見える。

その内一体になっている分身体を背後から狙い頭部を岩石の如く撃ち砕く…が、途端に再生する。そう、これが厄介でどこを攻撃されてもすぐに再生するのだ。

再生した分身体は此方を睨み、周りの仲間と共に襲いかかってきた。

もうダメだと思ったその時!銀色の銃口から赤い閃光が分身体を撃ち抜いた。

 

「ギリギリセーフって所かな…?」

「龍也君!」

 

救援に安堵しホッと…したい所だが、すぐに撃ち抜いた部分が再生し襲いかかってくる。

 

「逃げるぞ!」

 

咄嗟に茜の手を握り走り出す…目指している場所はあの廃屋だ。

 

「龍也君!ここにどうやって!?」

「話は後だ!」

 

分身体の追跡を振り切り廃屋に飛び込み鏡に触れる。

 

「あれ…?」

「どうして鏡をずっと触っているんですか?」

 

何度触れても反応は無い。戸惑う龍也に茜が声をかける。

 

「僕は…この鏡からこっちに来たんだ……なのに…」

(「おかしい…まさか奴はこれさえも想定のうちだったと言うのか!?」)

「何故出られないんだ!?とでも考えているような顔じゃないか?」

 

すると何処からかスペクトロの声が廃屋内に響く。

 

「!?」

 

驚き周りを見渡すがそこにはスペクトロの影も形も無い。

 

「た、龍也君…あれ……」

 

茜が鏡を指さし言った。

そこにはスペクトロがこちらを向いて立っている。ヌルりと鏡から出て来たスペクトロはこう話だした。

 

「残念ながら君たちは私の罠に引っかかったのだよ。この鏡の世界は私そのもの。私の許可無く脱出する事なんて出来ないのですよ。今までも君たちの様なお馬鹿さん達もそうやって死んで行きましたよ…その時の絶望した顔が……クックック…思い出しただけでも笑いが止まりませんよ!アッハッハッハッハ!」

 

大きく笑うその声に怒りを隠す事が出来ずトライシューターを引き抜いた瞬間、雑音を切り裂く銃声がスペクトロの肩を撃ち抜いた。

 

「貴方だけは…絶対に許さないんだから!」

 

龍也は茜が先に撃ち抜いた事よりも茜の怒ったその顔に驚いた。滅多に怒る事など無い茜の怒った顔を見るのは初めてだったからだ。

 

「……イテェ…痛てぇだろうが!!この野郎がぁ!!」

 

怒りを露わにし襲いかかるスペクトロに回し蹴りを繰り出し首周りを掴み床に投げ飛ばす。

 

「あんな口ぶりして大した事無いな…!」

 

外に飛び出すと辺り一面に分身体が跋扈《ばっこ》しており、とりあえず逃げる。

 

「奴らめ…殺す……殺してやる!私の手で!!」

 

胸前で腕をクロスに組み力を溜めると分身体がスペクトロに吸収され巨大化する。

 

「マジかよ…」「そんなのあり…!?」

 

手のひらを此方に向けてエネルギーを溜め始める。

奴との距離は巨大化したスペクトロ換算で約2.5歩程度しかない。そして奴の手からエネルギー弾が放たれる

 

「うぁ"っ!」「きゃあっ!」

 

奇跡的に直撃はしなかったもののかなりの衝撃で大きく吹き飛ばされる。

 

「チッ当たらなかったか。ならばもう一度…!」

「うっ…茜ちゃん……大丈夫?」

 

茜は吹き飛ばされた衝撃で気を失っていた。

だんだんとエネルギー弾が大きくなっていく様子に汗を流す。

 

「その女共々ここで死ぬがいい!」

 

エネルギー弾が放たれる瞬間、龍也はブレイブレスを構え叫んだ。

 

「ブレイブゥゥゥゥゥ!!!」

 

光の壁がエネルギー弾を相殺し茜を護るようにブレイブが出現した。

 

「シェアッ!」

 

ブレイブはスペクトロに接近し右回し蹴りを入れる。

弧を描きながら蹴りがスペクトロの顔に届く筈が両腕で受け止め叩き落とし右ストレートがブレイブの胸部に決まる。カウンターが入りよろめくブレイブにスペクトロがドロップキックで追い討ちを掛ける。

――インナースペース――

「強い…巨大化した途端に強くなりやがった!」

「恐らく分身体と融合した事でパワーが何倍にも膨れ上がったのだろう…!」

「ホントかよ…でもウジウジしてる場合じゃ無いよな!ブレイブ!行くぞ!」

「あぁ!」

――鏡の世界――

「シェアッ!」

 

何度も攻撃を繰り出してみるが全て的確にカウンターで応戦されてしまう。

 

「フゥン!」

 

指先から放たれた光弾をサラりと避けると背中に痛みと衝撃が走る。放たれた光弾は鏡を反射しブレイブの背中に当たったのだった。

すぐに体勢を整えブレイブシュートを放つ…が。

スペクトロの目の前に鏡が現れ光線が跳ね返り直撃し

その衝撃は殺される事無くビルに突っ込み瓦礫の上に転がってしまう。

 

「セアァッ……」

「ふぅん…大した事無いですね!」

 

ブレイブの背中を雑に踏みつけながら痛めつけるその様子は紳士的な口調とは裏腹に余りに陰湿なものだ。

 

「ん…うっ……私は…はっ!あれはブレイブ…!?

一体どうゆう事なの…?あっ!そうだ!龍也君は!?」

 

周りを見ても居るのは自分1人。それでも自分に出来る事をする為に白石 茜は立ち上がった。

自分を含め3人しか居ない世界にカラータイマーの音が響き渡る。エネルギー弾が完全にチャージされたその時。その手首に赤い閃光が突き当たり彼女はこう叫んだ。

 

「スゥーー……ブレイブ〜〜!!!私だって諦めてないから!!だからお願い!もう一度立ち上がって!!!」

 

力がみなぎる。魂が希望の光で満ち溢れる。

 

「僕はまだ闘える…いや…闘うんだ!みんなを護るとあの日から誓ったのだから!そうだろう?相棒!!」

「もちろんだ!行くぞ!龍也!!」

 

重く辛い1歩を踏み出し立ち上がる。

 

「なんだと!?何処にそんな力が!?」

 

戸惑うスペクトロに正拳突きをお見舞いする。

蹴りを入れアッパーを入れる。

よろめいた所にすかさずドロップキックで追撃を入れる。

スペクトロは得意のカウンターを入れる隙を見い出せず防戦一方になってしまっていた。

首周りを掴み投げ飛ばす。ふらつきながら立ち上がるスペクトロにブレイブはブレイブレスを横に引き両腕にエネルギーを貯め両手を十字に組みブレイブシュートが放たれた。

案の定鏡が出現する。

 

「そうはさせないんだから!!」

 

茜の放ったバスターブレッドは見事、鏡に命中し割れた所からブレイブシュートが通る。

 

「ぐおぉぉぉぉおおお!!!」

 

倒れた瞬間スペクトロは爆発四散した。

これで全てが丸く収まる筈だった……

茜と龍也の予想ではスペクトロが倒れればこの鏡の世界は消え、元の世界に戻れる筈だったのだ。爆発した箇所に巨大な亀裂が入りなんと世界が崩壊を初めてしまった。亀裂はどんどん広がり遂には空までヒビ割れてしまった。

 

「まずい…このままじゃ……けど龍也君が!?」

 

探しに行こうとした瞬間ブレイブが茜を光の玉で包み込み手のひらに収める。

 

「まだ龍也君が残っているのよ!?ダメよ!こんな別れなんて……私…嫌だよ…。」

 

ブレイブは少し頷くと光の玉を外に投げ飛ばした。

――???――

「やはりダメでしたか…強さ的には申し分無いのですが、最初からブレイブを引きずりこんでおけば良かったものを……ま、私にとっては些細な事でしたし問題は無いでしょう。それに倒れて貰わないと困りますし。」

 

ベレトはスペクトロを型どったウルトラストーンを持って呟いた。

――元の世界――

「嫌だよ…こんなのって…っあれ…?ここは……」

 

目が覚めると廃屋の部屋の中で眠っていたのだった。

そこには自分だけじゃなく、安心して寝ている龍也の姿があったのだった。

 

「私が見てたのって…ただの夢だったのかな……

どちらにせよ、あんな世界もう二度と体験したく無いけどね。」

 

そう1人で呟き、気持ち良さそうに眠っている龍也を揺さぶり起こすのだった。

つづく




お久しぶりですm(_ _)mリクソンです。気づけばもうすぐ1年が終わるという…早いものです。それはともかく今回は前回や前々回に比べて比較的書きやすかったかな〜と思います。ただ…思い着いたものが多すぎて書く内容もそれに比例して大きくなってしまった。見たいな感じです。近々またテストがございますので投稿が遅れるかも知れませんが気長にお待ちくださりますとありがたいです。そして!鏡魔神 スペクトロ!イメージ的にはウルトラマンガイアに登場した破滅魔人 ブリッツブロッツに近い感じかなと思います。(いつもの如くキャラ画が出来ない…)という訳で次回の後書きで会いましょうリクソンでした!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【お知らせ】
ウルトラマンブレイブの第1〜7話に登場する1部表現にある
OXY⇒新生CREW GUYS に変更致しました。
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【次回予告】
ウルトラマンが倒した筈の磁力怪獣アントラーが復活!?バラージの石はもう無いのに一体どうやって闘えばいいんだ!え?咲さんの過去がアントラーを倒す鍵になっていて…… !!…あいつは!?
次回 第八話:「地の獅子」
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