ウルトラマンブレイブ   作:リクソンLv.6

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第九話:宝石は義賊の獲物!?

:奇機械怪獣 デアボリック 宇宙義賊 パレム

暗黒魔術師ベレト              登場

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―宇宙―

青い星、地球。その前にはプカプカと宇宙船が浮かんでいる。

 

「ここが地球ね…」

 

女がパネルを操作すると宇宙船は消え、その場には再び静寂が訪れた。

―道場―

熱心に竹刀を振る音が誰もいない道場で斬撃音が響き渡る。だが、恐怖と焦燥感が身体に染み付き思うように動かせない。

 

「こんな物じゃアイツには勝てない…くっそぉお!!!」

 

一心不乱に振り続けていると次第に指と腕が疲れ竹刀が硬い床に打ち付けられる。道場の静寂が余計に心を掻きむしる様な気持ちになり胸中に残る。するとハハハと笑って誰かが道場に入ってきた。

 

「素振りだけは一丁前だな!」

「た、隊長!?どうしてここに?」

「煉が心配していてな。…一本、勝負しないか?但し俺は動かないし攻撃も仕掛けない。これでどうだ!」

「隊長って段位持ちですよね!?勝てるわけ…」

 

勝てるわけ無い…それを言いかけて言葉が詰まる。あの時も心の何処かで同じように考えていた。

 

…数十分後…

「ハッハッハ!龍也もまだまだだな!」

「うへぇ…ほら、言った通りじゃないですか。」

 

試合が終わり、倒れこむ龍也。結果は予想通り、一本も取れずに大敗北を喫したのだった。

 

「外の空気を吸いに行かないか?」

 

大吾に引き連れられてバルコニーに出る。外は快晴で締め切った室内の空気より何倍もおいしく感じられた。

 

「気持ち良いだろ〜?」

「あ、ありがとうございます。…そうですね。ほんっとうに気持ちが良い。」

 

貰った缶コーヒーの熱がじんわりと冷えた手を温める。蓋を空け、喉に流し込み半分くらい飲みきった頃、大吾は口を開いた。

 

「龍也。お前にとって力ってのは何だ?」

「…正直に言うと『分からない』が答えですね。」

「そうか…なら宿題を出そう!自分にとっての『力』とは何か。答えを見つけてみるんだ。」

「GIG!」

 

大吾はニッと笑ってディレクションルームへと戻る。不器用ながらに僕を励まそうとしてくれているのは、よく伝わった。

 

――ディレクションルーム――

ディレクションルームではガイズスペーシーが観測した宇宙船についてとGUYS本部からの伝令を隊長から聞いている所だった。

 

「…以上があの宇宙船について現在分かっている事の全てです。」

「GUYS本部はあの宇宙船の捜索と発見時に攻撃をやむを得ない場合に対応出来るよう体制を整えておけとの事だ。煉、咲は大気圏外から宇宙船の捜索。日佐人、龍也、茜で地上に宇宙船が潜伏して居ないか調査を進めてくれ。GUYS!Sally GO!!」

「GIG!!」

――エリアT-河川敷――

スピーダーを河川敷に着陸させ宇宙船の捜索準備を開始する。いつもは小学生が遊んでいたり、堤防上で散歩やサイクリングを楽しまれているはずが避難命令によって人の姿は何処にも無い。

 

「やっぱり宇宙船は大気圏外にあるのかな…?」

「どうだろ?日佐人、こっちは準備OKだよ。」

 

観測を初めて早5分。いつも通り話しているが、龍也は誰かに心の奥底までを見透かされている感じがしてならなかった。

 

「ここから半径2㌔に反応は無し…か。これの外となると中々に厄介だぞ。」

「じゃあ!3人に別れて調査するっていうのはどう?」

「そうだね…そうしようか。」

 

そう言って二人と別れ、自分でも感じている物が分からないまま何となく歩いていく。歩道を歩いていたその時、肩に鋭い痛みが走った。

 

「うあ"ぁっ!」

「私は宇宙義賊のパレム。いきなりだけど腰に下げてる『ソレ』私にくれない?」

 

ウルトラストーンを指差しパレムという女は言った。紅色をしたドレスを着ているがそれを隠すように黒いマントを羽織り、ブーツを履いている。

 

「ウルトラストーンを使って…何をするつもりだ!」

「貴方に答える理由は無いわ。それで、くれるの?くれないの?」

「渡す訳無いだろ!!」

「そう…残念。じゃあ力ずくで。」

 

すぐに立ち上がりグリップを握りしめる。唾を飲み込んだその瞬間、パレムの姿が視界から消える。

 

(「龍也、上だ!二撃くる!」)

 

ブレイブの声に合わせて回避。かかと落としは右半身を掠め二撃目の回し蹴りを間一髪受け止めるが衝撃でシューターが落ちる。拾う隙も与えぬ足攻撃は受け止めるか避けるかの二択に絞られる位だった。

 

「うーん…中が厄介ね…」

「ブレイブの事を!?」

「ウルトラマンさん、私の護衛にならない?そうすればこの2つは返してあげる。」

 

パレムの手中には光と火のウルトラストーンが。

 

(「お断りだ。」)

「いつの間に!?返せ!!」

「あら残念。そっちは私を捕まえる事に集中し過ぎて他が疎かになってるわよ?自分の力も扱えない人に興味はないわ。」

 

龍也の掴み掛かりをひらりといなし、トライシューターを拾い上げエレキショットで怯ませると走り去っていく。

 

「待…て……」

 

――エリアT-ビル屋上-――

「やっぱりいつ見ても美しいわねぇ……」

 

屋上の壁にもたれながらストーンに日の光を当て眺めている。するとモヤが現れ中から独特な杖を持っているローブを着た男が。

 

「突然失礼します。その宝石を私に頂けませんか?」

「…嫌だけど。というか誰?」

「これは失礼。私、魔術師 ベレトと申します。貴方はその宝石をどうするおつもりで?」

「教える理由は無いわ。」

「ふぅむ…仕方ありませんね……」

 

何処からか取り出したスペクトロのストーンを起動すると5つ空に穴が空き中からゾロゾロと、紅い十字の仮面を付けた亡者が現れる。

…………………………………………………………

「ブレイブ!あのビルで間違い無いんだな!」

(「あぁ!ウルトラストーンの波長はあそこからだ!」)

 

ビルの非常階段を急いで屋上に駆け上がる。

 

「動くな!!…なっ!スペクトロ!?」

「おや?以外と早く来たようだね。」

 

ドアを開けると男がパレムの首を掴んでいる。

男に見覚えは無い筈だが、何処か既視感を覚えた。

即座に分身体を撃ち抜き尋ねる。

 

「お前は何者だ!」

「私の名はベレトです。…おっと、そうでしたね。」

 

そう言った矢先に指を鳴らすと封印されていた記憶が一気に呼び起こされ、息を飲む。

 

「お前は…ゴモラの時の!!パレムを離せ!」

「もう少しこの女には役立って貰わないといけないので、それは不可能ですね。」

「何!?」

「本当は石だけを貰いたい所なんですが、残念ながら触れないのです。仕方なくこの女ごと持っていこうとしたら今度は貴方ですよ。全く…仕方ありません。」

 

ベレトは謎の機械を取り出しパレムに取り付け、フェンスの外に投げ飛ばす。落ちていくパレムをコードや機械が包み込み、巨大な機械生命体へと姿を変貌させた。

 

「パレムに何をした!!」

「さぁ?私はこれで失礼致します。」

「待て!!」

 

追いかける龍也を遮る様にアサルトアームから銃弾の雨が襲いかかる。

 

「くっ!ブレイブ行くぞ!……あ。」

 

ベレトに気を取られて本来の目的を忘れていた。ウルトラストーンはパレムが持っているままだ。全身の兵装を乱射しながら進撃する姿に焦りを感じながら、ある事を思い出した。

 

「……3つ目のウルトラストーンって使えるか?」

(「!……やむを得ないか…よし、行くぞ!!」)

 

ホルダーに水のウルトラストーンが出現。起動しブレイブレスにセットする。

 

「ブレイブゥゥゥゥ!!!」

 

デアボリックの正面に巨大な渦潮が立ち上り中から青い体のブレイブが出現。ブレードを展開し迫り来る巨体を押しのける様に金色の剣を振るう。それでもデアボリックは留まる事を知らず、武装を乱射し続ける。ブレイブは弾幕を躱すが、片膝を着きアクアブレードショットを放ち怯ませた。

 

「セアッ…!」

「◎△×●&%#?!!!!」

 

鳴き声かどうかも分からぬ奇声は何故か悲しい鳴き声の様に聞こえた。

――インナースペース――

「やはり、本来の力は出せて居ないか。それとも…龍也!このままでは我々がやられてしまうぞ!」

「でも!…それじゃダメなんだ!倒すんじゃない、護るんだ!それが…僕の力だ!」

「龍也…!・・・そうだな。」

――エリアT-街中-――

胸を張り立ち上がる。一気に距離を詰め振り下ろされた右手のジェムアームを受け流し、カウンターを流れる水の様に打ち込む。

 

「ハァッ!」

 

ジェムアームから放たれた光線を、ブレードで受け止める。今までで1番威力ある光線は、全力で立ち向かうブレイブをジリジリ後退させる。

 

「セアァァアッッ!!」

 

だが、ブレイブは隙を見て渾身の力で横っ飛びをすると水柱が全身を覆い、光線を打ち消す。 そのままスパイラルしながらデアボリックのド真ん中を貫通!

動かなくなったデアボリックの胴体にはポッカリと穴が。次の瞬間には大爆発を起こした!

…………………………………………………………

「うぅっ…私は一体。げっ!ウルトラマン!」

「げっ!って言う事は無いだろ?」

「私、怪獣にされて…それから……。」

 

どうやらパレム曰く、怪獣になった後は全く記憶に無いらしい。

 

「まぁ、でも今回はあんたに助けられたわ。これは『仕方なく』返してあげる。」

「元々お前のものじゃ無いだろ…」

「それじゃ!私もう行くから。」

 

そう言うと何処に隠していたのか宇宙船が現れ、足早で乗り込むと流れ星の様に宇宙の彼方へと姿を消した。

―次の日―

結局、宇宙船の正体は不明のまま地球から立ち去った事が分かり程なくして作戦は終了。皆、帰還したのだった。

 

「あ、隊長!」

「ん?どうした?」

「昨日の答えなんですけど。僕にとっての力とは、『誰かを護る為に使うもの』です!」

「そうか…!いい答えだ!」

 

その時、僕はどんな気持ちだったかは覚えてないけれど。日差しと空気がとても気持ち良かった事だけは、良く覚えている。

つづく




いつも読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
お久しぶりです、リクソンです。ホントに待たせてしまい申し訳ございません。いや〜文字数を減らすと書く内容を削ら無いと行けなくなるので大変でした…ホント小説書いてる人って凄い。
そして、宇宙義賊パレム! 宇宙を股に掛ける義賊か…凄いな(KONAMI感)
衣装は自分なりに考えて書きましたね。原案にはデアボリックじゃなくてパレムがギャラクトロンを召喚するっていうものもあったのですが、紆余曲折ありまして。現在の物になりました。
という訳でまた次回のあとがきでお会いしましょう!リクソンでした!

─アーカイブドキュメント─
宇宙義賊 パレム
身長:158cm 体重:▇▇▇▇ 出身地:宝石惑星コボル
宇宙を股に掛ける義賊で今回はウルトラストーンを狙っていた。また惑星コボルでも同様に宝石や金目の物を盗んでは貧しい人々に渡していた。

【次回予告】



次回:第十話「護る力≠戦う力」
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