ウルトラマンブレイブ   作:リクソンLv.6

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第五話:宇宙からの愛をこめて①

:宇宙機械兵 エウリオン 登場

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ある日の夜。ズドォォン……と大きな音を立てそれはこの地に降ってきた。

 

「エリアXの公園内に箱が降ってきたとの通報を受けた。」

「箱?」と龍也が大吾に尋ねる。

「箱の形は棺桶の様な形をしているらしい。ネメシスの件もある為だそうだ。煉と龍也で出撃し基地に持ち帰って来てくれ。」

「GIG!」

――エリアX-公園――

「これだな。よし、バスターに積み込んでくれ。」

 

ガンバスターからアームが下ろされ中に入れていく。

 

「にしても見るからに人工物っぽかったですね…」

「あぁ。まだ調べてみないと分からないがな。」

――研究室――

その後、日佐人が調べる事になり調査を進めていた。が、日佐人は頭を抱えている。そこに龍也が入ってきた。

「調べろって言ったってなぁ…」

「どうしたんだ?」

「いやさ…これ何をやっても開かないんだよ。全くどうすればいいんだ…?」

 

溜息をつき蓋の中心を平手でトンと叩く。すると蓋の上部が開き、碧色の瞳をした美しい女性が出てくる。その首には緑色のクリスタルが付いたネックレスが掛けられている。

 

「えぇっ!?」

 

顔を向かい合い驚く二人。

 

「ぼ、僕とりあえず隊長達に報告してきますね…」

「あ、ありがとう…」

 

龍也が立ち去り、見つめ合う日佐人と女性。

 

「えっと…僕は橘 日佐人。君の名前は……?」

 

緊張し言葉が途切れ途切れになる。すると弱々しいが優しい声で彼女は言った。

 

「私は…ハナ……」

「えっと…苗字とかは……?」

首を横に振る。

「私はハナ…それ以外覚えていないの……」

――ディレクションルーム――

「記憶喪失って事か。それで、他には?」

 

龍也が尋ねると日佐人は顎に指を掛けながら不思議そうに話し出した。

 

「彼女自身は名前以外何も覚えていないらしいです。けど身体を検査した結果…人間と一緒だったんです。」

「そうなるとあの箱はなんだ?」

「それが…謎の絵が描かれている以外何も分からないんですよね…」

 

ディレクションルームでは煉と龍也、日佐人が。ハナには茜と咲がつき話をしてくれており隊長はハナについての会議に向かっていた。

――研究室――

何も覚えていない。本当に何も。だが二つ覚えている事がある。一つはハナという名前。そしてもう一つは…私に下された命令。

 

「我々の計画にはあのGUISとウルトラマンが邪魔だ。君はGUIS内に侵入し基地を破壊しろ!………そうだ。この作戦がバレた時は…後は分かるね?」

 

それ以外を思い出そうとするがノイズが掛かり思い出せない。茜と咲が部屋から出ていき日佐人が入ってくる。

 

「気分は…どう?」「分からない…です…」

「そ、そうだ!ハナさんは花好きかい?」

 

橙色の花が生えた花瓶を机に置く。

 

「これは?」「この花はカランコエって言って、花言葉は『幸せを告げる』っていうんだ!」

「幸せを…告げる……」

「君に幸せが来るようにって思って…」

 

慣れない状況に照れながら言うと、突然手を握られる。

 

「ありがとう…」

「あっ…えっと……その……」

 

研究室の窓からコッソリ見ている茜と咲と龍也。

 

「良い感じですね!」小声で言い頷く3人。

……20分後

「日佐人君!日佐人君!これ余ったからあげるね!」

 

茜から水族館のチケットを貰う。

 

「それと…ハナちゃん本部からの外出許可降りたんだって!二人で行ってきたら?」

「ホントですか!?ありがとうございます!」

――次の日――

「おはよう!ハナさん。」「おはようございます。日佐人さん。」

 

元気良く挨拶をしバイタルと脈を測る。異常は無い。いつもの様に笑顔で会釈される。

照れを隠し、花に水をあげながらサプライズでハナに茜から貰った水族館のチケットを見せる。

 

「実は…本部から君に外出許可が降りたんだ!そこで…」

「水族館!茜さんと咲さんから話を聞いたんです!」

「僕なんかで良かったら…その……」

「もちろんですよ!」

「本当に僕なんかで良いの!?僕なんてどうしようもなくて、何しても上手く行かなくて……その……」

「日佐人さんは日佐人さんのままでいているのが1番ですよ!」

「でも私出かける用の服持ってないの…」

 

励ます様に声をかけてくれる。今度は逆に落ち込むハナに咲から借りてきた服を貸してあげる。

 

「咲さんにありがとうって言わなきゃ!」

「帰ってきたら一緒に言おうか」

――水族館――

「綺麗ですね…!」

「そうだね!」

そんな事を言いながら見て回っていると彼女が水槽の中を見ながらボソッと呟いた。

 

「君達も私と同じなんだね……」

「どうかしたの?」日佐人が尋ねる。

「い、いや…なんでも……そうだ!買い物に行きませんか?私行って見たかったんです!」

 

ハナが軽く濁し日佐人の手を握りしめ走り出す。

水族館を出てショッピングモールに寄り、新しい服を一緒に見て回っていた。

 

「どう…ですか?」

 

白い服を来た姿はまさに白鳥の様で見惚れてしまっていた。

 

「日佐人さん…?」

「に、似合ってるよ!すっごく!」

 

ハッとしてしまう。それ程までに美しい姿だった。

 

「また行きましょうね!」

 

目を首のクリスタルの様に輝かせながら彼女は言った。その後試着した服を買いモール内の中庭を歩いていると突然マキが立ち止まり倒れる。

 

「ハナさん!?」

 

身体をさすっても返事が無い。

すると空に歪みが現れ中から謎の塊が現れるとロボットの形に変形し近くの平原のある公園に降り立つ。

 

「ロボット!?」

 

そのロボットは明らかに此方を狙っているように見えた。まさか!

 

「狙いはハナさんか!」

 

ハナをおんぶして走り出す。

逃げ回っていても限界は流石に来る。ロボットがすぐそこまで来ており既に此方に標準を合わせている。

 

「!」

 

身構えたその時ブレイブが現れ遅れてガンストライカーが到着する。

 

「セアッ!」

 

ロボットの腕を掴み離れろと言うかの如く頷く。膝蹴りを入れロボットを場から離れブレイブシュートを放ちガンストライカーも2機に別れロボットに攻撃し食い止める。

だが身体には傷1つ無く止められたのはその一瞬だけだった。ロボットは勢いよく突進を仕掛けブレイブを吹き飛ばす。

あんなに重そうな見た目で良く動くものだ。

ロボットの三本指が開き手の平からビームライフルが連射され咄嗟にブレイブディフェンスシールドを展開しダメージと街への被害を抑えようとするがシールドが破られ身体に直撃する。

 

「ブレイブ!」

 

咲と煉が援護するもまるで効いていないようだった。

――自走式立体駐車場――

「ハァ…ハァ…ハァ……」

 

体力の限界も近い。

幸いウルトラマンと他のみんなが頑張ってくれているおかげで振り切る事が出来た。ここからも戦っている様子を見られる。

 

「僕も行かなきゃ…!」

 

ハナを近くのベンチに寝かせ現場に向かおうをした時丁度目覚める。

 

「日佐人さん…私は…一体……それにここは?」

 

状況を理解出来ていないようだった。

 

「ハナさん!目覚めたんだね、良かった……今、君をロボットが狙っているんだ。理解するのに時間はかかると思うけど出来るだけ遠くに逃げて欲しいんだ。」

「日佐人さんは…どうするの?」

「僕は…戦いに行くよ。」

 

日佐人が現場に向かおうとすると服の袖をハナが引っ張る。

 

「行かないで…お願い…私を1人にしないで…」

 

ハナにお願いに戸惑うが、日佐人は覚悟を決める。

現場に向かおうとしその場から状況を確認するもロボットの姿は無かったのだった。

 

―研究室-深夜――

日佐人は研究室に戻り調査に勤しんでいた。

 

「特に異常は無いんだけどな…」

 

ハナのレントゲンや調査結果をまとめた資料を見ながら日佐人が言った。

……だが日佐人も『あの事』に気づいていない訳では無い。

 

「やっぱり…あのロボットと関係あるのかな…」

 

すると箱の絵を思い出し見てみると形状が一致しているのが分かる。そしてハナが倒れた次の瞬間空に歪みが現れロボットが現れた。

そして彼女が目覚めた時に同じく歪みから姿を消している。そんな偶然がある訳ない。

だが日佐人はハナがもし宇宙からの刺客だとしても信じたくは無かった。

意気消沈し色々と考える。

そうだ。元々宇宙から降ってきた謎の人を信用していた自分が悪い。

だが一つだけ疑問が残る。

何故箱から目覚めた時にはロボットは現れなかったのか。2日目の朝は?ショッピングセンターを回っている時は?もしそれが彼女自身の思いで動いていたなら?強制されて動いているとするなら?そんな事を考えていると彼女との思い出がよみがえる。

日佐人は覚悟し研究室で眠っている彼女の身体を徹底的に調べ上げる。

「見つけた!」

 

遂に日佐人はハナの脳に取り付けられたチップを発見し解析を開始する。

時計を見ると時刻は午前6時を回っていた。

チップを解析し衝撃を受ける。

 

「そんな……」

………………………………………………………………

「貴様は一体何をやっている!」

「私は……」

 

叱る声に言葉が出ない。こんな時日佐人ならどうするのだろうか。

 

「貴様に命じたのは基地の破壊だけだ!この役立たずめが!貴様にもう要は無いわ!起動せよ!エウリオン!!」

 

ソイツが手の平を突き出すと目の前が真っ暗になっていく。

 

「日佐人さん…助け…て…」

 

願った頃には意識は消えていた。

………………………………………………………………




─アーカイブドキュメント─
「宇宙機械兵 エウリオン」
謎の宇宙人が計画を遂行する為にコード0807と共に送り込まれたとされるロボット。未だ不明な部分が多く、解明には至っていない。
手のひらから放たれる光弾はブレイブディフェンスシールドをも破る程の威力があり、手の形を大剣の形に変形させる事で近距離戦に置いても十分な戦績を残す。本編で使用される事は無かったが腕を伸ばし相手を捕獲する事も出来る。またスラスターにより高い機動力を持つ。

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