:甲殻海獣 グレイシェル 登場
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――南太平洋沖-深夜――
「船長、こちらは異常無しありません。」
船員が船長に報告を入れる。
「了解した。」
順調に航路を辿っていた漁船だったが突如何かに乗り上げる音と共に激しく揺れる。
「何かに乗り上げた様子です!…っ!なんだこれ!」
「どうした!」
船員が水面にライトを照らすと1面の海が凍りついていた。一瞬、氷の下で赤い巨大なモノが動くのが見えた。
「船長!氷の下に何かいます!」
と言った時にはもう遅かった。バキバキ…メキメキ…と船がまるで挟み潰されるかのような爆音を立てながら沈んでいく。
船員が最期に見た光景は肩から荒々しく削られた氷柱、それに太い脚が生えている。極めつけは巨大なカニのハサミを持ったエビの化け物だった。
「ギュィィィィィィイイ!!」
――食堂――
「えーっと…『歴史的大寒波、日本に襲来か』げっ、僕寒いの苦手なんだよなぁ…」
「他には『今度で6件。漁船がまた消息を絶つ、それに伴い漁獲量も大幅低下』か。」
日佐人が朝の新聞を読んでいる所に龍也が後ろから割って入る。
「なんだ龍也か。それにしても不穏だなぁ…」
席に座り朝食を食べ出す。
「(漁船か…まさかな)」
そんな事を考えているとここ最近の食事に魚が少ない気がした……
――ディレクションルーム――
朝食を終えた二人が通信を受けディレクションルームに戻るとミーティングが始まる。
「これを見てくれ。」
大吾が言うとモニターに1面が凍りついている海と氷の分厚さが分かる写真とブレているが巨大なカニの腕を持ったエビの写真が映し出された。
「これは…」
日佐人や他のメンバーが驚くと大吾が頷く。
「この凍りついた海は昨日までただの海だったんだが、恐らく昨日の深夜、突然凍りついた。」
それに続けるように日佐人が口を挟む。
「まず南極海が凍るにはそもそもマイナス20度からじゃ無いと凍り始めないんです。それにこの氷の分厚さ…数十年いや、もっとかからない限りできるはずがないんです!」
「その犯人がコイツって訳か。でも待って下さい、南極ならアンタクティカやオーシャンの管轄下ですよね。どうしてGUYS JAPANが?」
場の空気を切り裂くように煉が口を開く。すると隊長は険しい表情を浮かべながら話し出した。
「あぁ。実は、アンタクティカもオーシャンも攻撃を仕掛けてはいるんだが…交戦を始めて数分後には反応が途絶えるんだ。」
「!」
全員が驚いたその言葉は張り詰めた空気を更に際立たせ、茜ちゃんに関しては動揺が顔に現れている程だった。
「それに加えて、最近多発している連続漁船消失 事件の正体もこの生物ではないかと推測している。我々はこの巨大生物をレジストコード『グレイシェル』とし調査を始める。全員で調査を進めてくれ。」
「GIG!」
「それと…すまないが私は無八島《むはちとう》にネメシスについての会議に参加する。私が居ない間は…煉、指揮を任せる。頼んだぞ。」
「GIG!」
煉が返事を返すと大吾は会議に向かった。
……1時間後……
「それにしても氷を操る怪獣か…厄介だな…」
日佐人が呟いた事が気になり話かける。
「どうかしたの?」
「えっ?あぁ。今回の敵はもしかするとウルトラマンですら勝てないかも知れないと思ってさ。」
言われた事に衝撃を受けていると日佐人が続ける。
「今まで数々の怪獣や宇宙人と戦ったウルトラマンだけど氷を扱う怪獣や宇宙人と戦った際には必ずと言っていい程苦戦を強いられているんだ。恐らく…ウルトラマンは冷気が弱点なんだと思う。」
「(そうなのか?)」
「(あぁ。私達の光の国には季節という概念が存在しない。だから彼の言う通り僕達は寒さには弱いんだ。)」
そうなんだと関心していたがもし相手が本当に氷を操る怪獣だとするなら…嫌な予感が額に伝わったのか、気づけば冷や汗をかいていた。
――無八島――
無八島とは国とGUYSが共同開発した無人島であり、今では貿易の仲介地ともなっている。また、リゾート地としても人気を得ており夏になると泳ぎに来る観光客も多い。
「ここに来るのも何年ぶりかな。」
無八島で家族と撮った写真を横目に呟く。
その時、港に巨大船が港に停泊しているのが上空から見えた。
無八島に到着し会議が始まる。大勢の日本の大臣が円状に座る中、一番奥に居るのはCREWGUYSJAPAN総監アイハラ・リュウだった。元GUYSメンバーから隊長 総監にまで上り詰めた熱いお方だ。
「…それでネメシスの対処法は?」とリュウが尋ねる
「今のところは何も…」言葉が詰まる。
「そうか…そのまま調査を続けてくれ。」
「それでは…資料をご覧下さい。」会議は続く。
――ディレクションルーム――
一方メンバーはグレイシェルの後を追う日佐人と龍也、茜。パトロールには煉と咲が向かっていた。
「うーん……」
グレイシェルの現れた地点は計6ヶ所。
日佐人はその6ヶ所全てに当てはまる共通点を探していた。そこに2つのコーヒーを持って龍也とが近づいてくる。
「何か分かった?」
「ありがとう。いや、全然だよ。なんかこう、あと一歩っていうか、なんて言うか……」
コーヒーをすすりながら言う。すると、そこに茜が来る。
「溜めすぎも体に毒ですよ?あ、チョコ食べます?」
茜がチョコを差し出す。
「ありがたく頂くよ。……っふぅ。二人ともありがとう、気が楽になったよ。」と日佐人が言った。
――南極海-上空――
上空にはガンガルーダとガンバスターの2機が。
「ここか。」「圧巻ね…」
二人は写真の撮られた海域の上空から何か分かる事が無いか確かめていた。その海には一面に氷が広がっている。
「見た感じは何もなさそうだな。一応スキャンデータも送るか。」
ガンガルーダから放射状に緑色の輪が発射されスキャンが開始される。それが終わりデータを確認する。
「これは…」「どうかしたんですか?」
「いや…他の場所にも行くぞ、確認したい事が出来た。」
そう言った後データをブリーディングルームに転送する。
「GIG!」
――ディレクションルーム――
パトロール中の煉と咲から送られて来た6ヶ所全ての
スキャンデータを確認し今までに集めた情報と組み合わせていく。
「あぁ…!どうして今まで気づかなかったんだ!」
と絶叫し落胆する日佐人。
「どうした!?」「何かあったんですか?」
その声に驚き駆け寄る二人。そこに丁度パトロールを終えて帰還した煉と咲も入ってくる。
「これの…ここ!見て!」
6ヶ所のスキャンデータが表示され、あるポイントが拡大される。その6ヶ所全てに共通して漁船が沈没していた。
「通りで漁獲量も少なくなるわけだ。」と煉。
「じゃあ漁船ばかりを狙う理由は…食事の為とか?」咲が言う。
「恐らくそうだと思います。」
「無八島って貿易の仲介地でしたよね?」
「そんな縁起でもないことを…」
龍也のはやし立てに日佐人が口を挟もうとした時。
茜が突拍子もなく言った。
「そういえば無八島って遠泳漁業を終えた船が停泊してるんじゃなかったですか?」
「えぇ!?」驚く一同
「すぐに隊長に連絡を!」煉が指示する。
「GIG!」
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──アーカイブドキュメント──
「甲殻海獣 グレイシェル」
身長:63m 体重:5万t 出身地:南極
南極の氷で眠っていたが、地球温暖化で氷が溶け始めた所にネメシスが攻撃し目覚めさせた。26本の手足の最前がカニの手をつけた様になっていて最後にしっかりとした足が生えている。また、口から冷凍弾と氷ブレスの2種を自在に変えながら発射する事で周りを凍らせ餌を獲ている。