シンジはアスカの去った自身のテレビルームでゲームを楽しんでいるとミサトが帰ってきた。
最近冷たいシンジに若干不機嫌のミサトはシンジに邪魔をするが・・・?
「ミサトさんを好きになってしまったシンジ君のお話」と世界間を共有しております。
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コンフォート17、碇シンジの絶叫が広がった。
かつてアスカが住んでいた部屋はシンジのテレビルームになっている。
ここでゲームをするのがシンジの最近の日課になっている。
「あああ~、そっちじゃない!!」
シンジはイヤホン越しに悲鳴を上げた。
その声を聴いたケンスケはゲラゲラと笑い始めた。
「シンジ、ヘッタクソだな!」
「うっさいな!」
ケンスケとシンジは最近同じゲームをしている。
ゲームの内容はデフォルメされたキャラを使い、殺し合うというもの。
この手のゲームが苦手なシンジは苦戦ばかりしていた。
シンジとケンスケはチームを組んでいた。
このゲームは複数のプレイヤー同士でチームを組み、殺し合うもの。
「ロボットの操縦はできるのに、こういうのはできないのかよ?」
「なんだよ!!!」
「おやおや、シンジ先生がご機嫌斜めなようです。」
ケンスケは友人をからかっていた。
シンジに勝る数少ないポイントをみつけたケンスケは嬉しかったのだろう。
シンジはイライラしながら舌打ちをした。
「うるさいなあ!」
すると、部屋のドアが開いた。
「たっだいま」
シンジは無視した。
それどころじゃない。
シンジのキャラは先ほどから相手にやられっ放しだ。
「シンちゃーん。」
「うー!!!」
シンジは顔をしかめている。
それどころではないようだ。
ミサトは無視されたことに少しムッとした。
「シンちゃん、帰ってきたからおかえりぐらいはいってよ。」
「い、今忙しいんだよ!」
「あーら、そう…。」
ミサトは少しカチンとした。
なんだか最近冷たい。
そりゃエヴァに乗ってくれることには感謝してる。
代わりに家事をしてくれることにも感謝してる。
だけど、冷たいのは許せない。
「あ、そうだ。」
ミサトにあるアイデアが浮かんだ。
彼女はにっこりと微笑むと、シンジの頭からイヤホンを取り外した。
「な、なにするんですか!」
シンジはそう言おうとしたが、ミサトは早かった。
彼の耳に息を吹きかけた。
「うわわわっ!!」
シンジは悲鳴を上げた。
そして、ソファーの中に大きく姿勢を崩した。
その光景を見てミサトはクスクスと笑った。
「し、シンジ!?どうした!!」
ケンスケはシンジの悲鳴に驚きを隠せなかった。
「大丈夫か!!!」
その声には本気の心配があった。
そして、シンジの使っていたアバターは動かなくなった。
対戦相手もボイスチャットで「どうしたんだろ」「動かないぞ」と動揺していた。
それは彼らだけではなかった。
何よりもシンジ本人が一番動揺していたのだから。
「み、ミサトさん・・・。」
シンジは呆然としていると、ミサトの顔が近くなっていることに気が付いた。
顔は紅潮して赤くなっている。
「最近私に冷たいよね。私よりゲームの方が大事なの!?イケズなシンちゃんにはサービスしないわよ!」
「そ、それは…ご、ごめんなさい。」
「なんで?」
ミサトはシンジの目をみつめた。
シンジの顔の紅潮は止まらなくなっている。
そして、目を伏せながら小さく言った。
「だ、だってミサトさんを観ていると…ドキドキしちゃうから…。」
ミサトは思わず噴き出した。
こんな言葉絶対に加持くんは言わない。
でもそこが面白い。
この子は純粋で素直だ。
そして、気が付けばミサトの胸もドクンドクンと高鳴っているのを感じた。
「フフ…。」
「それに…これ戦争のゲームだから、ミサトさんにみられたくないんだ。嫌なことを思い出させてほしくないから…。」
ミサトは微笑んだ。
彼は知っている。
自分に従軍経験があることを。
「シンジ君…。」
ミサトはシンジの頭をくしゃくしゃと撫でまわした。
シンジは罰が悪そうな笑顔をして、ミサトをみつめた。
「ミサトさん…?」
「こういうのは私に任せなさい。」
「え?」
ミサトはシンジからイヤホンとコントローラーを奪うとソファーに陣取った。
「こんにちは。」
「あれ?この声、ミサトさん!???」
「相田くんだったわね、そこでみていなさい。ホンモノの強さとは何かを教えてあげるわ。」
「え?」
ミサトは持ち前のテクニックとスキルを活かし次から次に対戦相手を仕留めていった。
「すごい…。」
シンジは思わず見とれた。
気が付けば、シンジたちのチームは勝利を収めていた。
「さ、流石本物の軍人。」
ケンスケも思わず声を漏らしていた。
「さあ、ざっとこんなもんよ。」
ミサトは鼻高々にシンジの方をみつめた。
そして、彼を抱きしめると耳元でささやいた。
「だから、もっと私とも遊んでくれなきゃダメ。」
「み、ミサトさん…。」
「寂しいじゃない、こんなにもあなたのことが好きなのに。」
シンジはミサトの言葉に思わず頬を赤らめた。
その時だった。
ケンスケのゴホンとわざとらしく咳払いした。
「あのこれ、多分日本中にボイスチャットで聞こえてると思うんですけど…。」
ミサトはふと、シンジと見つめ合った。
そして、ネルフの作戦課長は言葉を漏らしてケンスケに聞いてみた。
「日本中聞こえてる?」
「はい。」
「今までの会話全部?」
「全部。」
ケンスケがそういうと、対戦相手の少年たちも声をあげていった。
「聞こえてました。」
「全部聞こえてました。」
「こっちも…。」
そして背の高い女兵士は羞恥のあまり、顔を赤く紅潮させるとペンペンのいるリビングルームに駆け出していった。
「うわああああああああああああああああああああああ!!!!なんでいってくれないのおおおおおおおおおおおおお!!!!シンジのぶわっかあああああああああああああああああ!!!!!!」
そして、ペンペンの背中で顔を埋めると羞恥心を紛らわせるのだった。
シンジはそんな彼女をみて照れ笑いをして弁明に走った。
次以降、シンジのあだ名は「ラブラブ太郎」という名前になりケンスケからしばらくバカにされるネタになってしまったのであった。