魔法少女リリカルなのは〜歌う戦姫〜   作:アンティルドン

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思っていたよりセリフパートが多くなりこれでいいのかと自問自答してます。


戸惑い

 

 

(master……get op master)

 

 レイジングハートが主を起こす為声をかける。

 

「ん……あぃたた、レイジングハート……ここは」

 

(good morning master……Apparently it was blown into a different dimensional world)

(おはようございますマスター……どうやら違う次元世界に飛ばされたようです)

 

「そうなんだ……はやてちゃん達心配してるだろうな」

 

(I've sent a rescue signal so I'll be picking you up in the not too distant future)

(救難信号を出したので遠くないうちに迎えに来るでしょう)

 

「ありがとうレイジングハート」

 

 そう言ってなのはは安堵の溜息をつく、次の瞬間近くで爆発音が鳴った。

 なのはは急いで上空に上がり辺りを見渡す。

 近くで爆発と火の手が上がっているのを目撃し急いで現場に向かった。

 

 現場に着くと魔女風の格好をした少女が一般人の少女に攻撃しようとしていた。

 それを目撃したなのははその少女を守る為急いで急降下する。

 

 

「お願い、間に合って!!」

 

 

 急降下しながら左手をかざす、それに合わせてレイジングハートが魔法を発動すると少女の前に障壁が展開される。

 

(barrier shield)

 

 攻撃を防いだのを確認し障壁の前まで降りてくると攻撃をした少女に対しレイジングハートを構える。

 

「ふぅ……何とか間に合ったかな」

 

 そう言ってなのはは後ろで防御体制を取っている少女に笑顔を向けた。

 そして直ぐに目の前の少女に向き直る。

 

「ッ! 誰だ貴様は?」

 

「時空管理局、StarS隊長高町なのは1等空位です。

 すこしお話聞かせて貰えないかな。

 まず貴方の名前を教えて貰えると助かるんだけど」

 

 

「俺の名はキャロル・マースル・ディーンヒイム、奇跡を殺す者だ! 

 どこの誰だか知らないが俺の邪魔をする奴は潰す!!」

 

 

 そう言うとなのはの返答を待たずに再度攻撃をする。

 先程と同じ竜巻に加え雷撃を重ねて放つがまたしても障壁によって防御される。

 

 

「ちっ……厄介な障壁だ」

 

「お話、聞かせては貰えないのかな?」

 

 

 なのはは少し寂しそうな顔でそう告げる。

 

 

「話しだと……何を悠長な」

 

 

「悠長で結構、そう言う性分だから」

 

 そう言ってなのははもう一度響に向き直る。

 

 

「貴方も、お話聞かせてね」

 

 

「は……はい……あの! 私は立花 響です!」

 

 響が名前を告げるとなのははうんと頷いてキャロルを見上げる

 キャロルは話は終わったかと言わんばかりに鼻で笑う。

 

「立花 響! 貴様はなぜ戦わない、シンフォギアを纏わない!?」

 

 

「戦うよりも、世界を壊したい理由を聞かせてよ!」

 

 

 響がそう告げるとキャロルはゆっくり下に降下し、1つの瓦礫の上に降り立つ。

 

 

「理由を言えば受け入れるのか……」

 

 

「私は…………戦いたくない!!」

 

 

 響がキャロルからの質問に回答するとキャロルは苦々しい顔になり響を睨みながら叫ぶ。

 

 

「お前と違い……戦ってでも欲しい真実が、俺にはある!!」

 

 

「戦ってでも欲しい真実……」

 

 

「そうだ、お前にもあるだろ。

 だから月の破壊を食い止めて見せた、その歌で、シンフォギアで! 戦って見せた!!」

 

 

 キャロルの投げかけに響は一歩前に踏み出し違うんだと否定する。

 

 

「違う! そうするしか無かっただけで……そうしたかったんじゃない」

 

 響はさらに一歩無理だし叫ぶ

 

「私は……戦いたかったんじゃない、シンフォギアで……守りたなったんだ!!」

 

 響は今までの戦いを思い出しながらそうするしか無かったからと自分に言い聞かせるように、まるで言い訳でもするかのようにキャロルに叫んだ。

 

 

「それでも戦え、お前に出来ることをやって見せろ」

 

 

 響の言い分に無表情になりながらキャロルはそう答え、足元に円形の陣を築く。

 

 それを見たなのはは再度レイジングハートを構え警戒する。

 

 響はキャロルにそう言われると悲しい顔になりながらキャロルを見つめる。

 

 

「人助けの力で、戦うのは嫌だよ」

 

 

 響きがそう告げるとキャロルは苛立ちを表す。

 

 

「お前も人助けをして殺される口なのかぁ!!」

 

 

 キャロルは叫びながら足元にあった陣を頭上にも展開する。

 

 

「だって……さっきのキャロルちゃん泣いてた。

 だったら……戦うよりもその訳を聞かないと!」

 

 

 響は言ってしまった。

 キャロルが最も見られたくない所を、踏み込まれたくない場所を、心の領域を。

 そしてキャロルの苛立ちは怒りに変わる。

 

「見られた、知られた、踏み込まれた……グゥっ!! 

 世界ごと……吹っ飛べー!!」

 

 

 そう叫びながら左指を鳴らすとキャロルを中心に広域攻撃が発動する。

 

 それを見たなのははとっさに響を庇うように障壁を張る、がとてつもない威力に耐えるたけでいっぱいになってしまう。

 

 

「レイジングハート、カートリッジロード!!」

 

 

 そう叫ぶとカートリッジが使われ薬莢が飛ぶ。

 そして先程より強力なバリアを張り何とか攻撃を防いだ。

 

 衝撃が止むとキャロルは息を切らし左手を膝に着いていた。

 

 なのはは自身も息を切らしつつそんなキャロルを見てふと浮かんだ質問を口にする。

 

 

「どうして、世界を壊したいの?」

 

 

 キャロルは息を切らしながらもその質問に答える。

 

 

「父からの命題だ、お前たちにだってあるはずだ」

 

 

 そう言われるなのははポーカーフェイスを崩さない、が、響は酷く動揺していた。

 

 

「えっ……お父さんに……」

 

 

 

 キャロルの後ろから青を主張した服を着た人? の様な人形にも見受けられる者が現れ、なのははそれに気づき眉をひそめる。

 

 

「めんどくさい奴らですね〜」

 

 

 その声にキャロルは気づいて居なかったのか少し驚きながら声がした方を見る。

 

 

「見ていたのか、性根の腐ったガリィらしい」

 

 

 そう言われるガリィはキャロルの隣にさっと降り立ちバレリーナのようにくるっと回りながらキャロルの方を見る。

 

 

「やぁめてくださいよぅ、そうしたのはマスターじゃないですか」

 

 そう言ってキャロルに背を向ける。

 

 

「思い出の採集はどうなっている」

 

 

 キャロルからの質問に考えている様に人差し指を頬に当て答える。

 

「順調ですよ〜」

 

 そして今度は泣き真似をしながら辛いと言わんばかりに泣きまねをしながら答える。

 

「でもミカちゃん、大食らいなので足りてませんっうぅぅ」

 

 

「なら急げ、こちらも出直しだ」

 

 するとガリィはくるっと回り敬礼をする。

 そして手品のように敬礼をした手を回し紫色の小瓶を取り出し足元に投げる。

 

 

「了解、ガリィ頑張りま〜す」

 

 

 そう言うと先程投げた小瓶が割れた位置に陣が展開されそれにバレリーナのようにひょいと飛び乗り一周回りこちらに手を振りさよならとだけ告、姿が消える。

 

 

「立花響。次は戦え、でないとお前の何もかもをぶち砕けないからな」

 

 

 キャロルも同じ小瓶を足元に投げ姿を消した。

 それを確認したなのはは警戒を解き安堵の溜息を吐く……が、直ぐに響の方を向き笑顔を向ける。

 

 

「大丈夫? 怪我とかしてない?」

 

 

「あ……あ〜、こんなの平気ヘッチャラです!」

 

 

 一瞬自分の体を見た後左手で力コブを作って見せたが少し俯く、何か考えているようだった。

 

 

(託された……私には……お父さんから貰った物なんて)

 

 

 そんな響を見つめながらなのはもまた考え込んでいた。この世界で起こっていること、それに伴う自分の状況と今後の方針など様々な事を考える。

 そして響に通信が入る。

 

 

 

 

 一方その頃、マリアと翼もまたオートスコアラーと戦っていた。

 

 

「聞いてたよりずっとしょぼい歌ねぇ……確かにこんなんじゃやられてあげられないわ……」

 

 

 

 翼は真っ直ぐ斬りかかるがあっさりと弾くが敢えて剣を宙に手放す。

 

 これでいい。手放した剣はそのまま巨大化して廊下を埋め尽くす。

 

 

 

「やったの?」

 

「いや……あの程度では……」

 

 

 

 マリアは翼の手を取ると素早くその場からの逃走を図る。

 

 そのまま玄関ロビーを出る。ライブ開始時と違い辺りはすっかり暗くなっていた。

 

 そこにはアメリカの監視員が現状の把握に努めていたのだが、マリアを見るとすぐさま止まるように言う。

 

 

 

「エージェントマリア! あなたの行動は保護プログラムにて制限されているはず!」

 

「今は有事よ!」

 

 

 

 マリアは政府の意向など知った事かと言った態度だ。

 

 今の彼女は人命を優先しているのだから。

 

 

 

「車両を借り受けるわ」

 

「そんな勝手は許されない!」

 

 

 

 マリアがタクシードライバーに足つまり車を要求する。

 

 しかし黒服たちは止まるように拳銃を向ける。もともと護衛と言う話だというのに脅しにかかっている。所詮は護衛など建前でしかないのだから。

 

 突如発砲音が鳴ると弾丸が黒服たちの影に打ち込まれる。

 

 すると、

 

 

 

「な、んだっつ!?」「体が動かん……!」

 

 

 

 突如体が止まり戸惑いと焦りの声を上げる。

 

 どうやら今のは緒川がやった事だ。銃弾を陰に撃つだけで影縫いを発動させて動きを止めるのは人外の技としか思えないが。

 

 

 

「緒川さん!」

 

 

 

 翼は名前を呼ぶことで感謝を伝える。

 

 相手もそれが伝わったのか頷いて返す。

 

 マリアが車を運転してライブ会場から逃走を図る。

 

 

 

 

 

 翼は車の中で緒川と連絡を取っていた。

 

 先ほどは焦って会場から距離を取るためにゆっくりと話せなかったからだ。マリアは法定速度を無視して運転をしている。

 

 

 

『翼さん! 何があったんですか?』

 

「すみません。マリアに考えがあるようなので……そちらはお任せします」

 

 

 

 そう言って連絡を切る。

 

 マリアは顔に険しさを残している。

 

 

 

「いい加減説明してもらいたいものだ……」

 

「……思い返してみなさい……」

 

 

 

『待ち焦がれていましたわ……』

 

 

 

 あの時オートスコアラーと名乗った存在はそう言った。

 

 つまり今回敵はは翼を狙って行動を起こしたという事だ。

 

 

 

「この状況で被害を抑えるにはあの場を離れるしかない」

 

「だからこそ皆の協力を取り付けて……」

 

 

 

 翼の意見に黙り込むマリア。

 

 彼女の脳裏には国連の役人が米国をゆするために交換条を出してきた事を思い返していた。人質には一緒に行動したF.I.S.の装者の個人情報。

 

 マリアはテロ組織の野望を食い止めるための国連のスパイという事に表向きはなっている。汚い大人たちの保身の為に。

 

 

 

 そのことを思い出して歯噛みしてしまう。

 

 翼もそれを知っているため何も言えなくなる。

 

 2人はいつの間にか橋の上を走行していた。ふと前を見ると剣で押しつぶしたはずの敵が無傷でいた。

 

 オートスコアラーと名乗った相手が。

 

 

 

「マリアっ!」

 

「ッ!?」

 

 

 

 マリアは車を敢えてアクセルを踏んで轢こうとするがそんなものは脅しにもならない。

 

 敵にすれ違いざまに剣で横一線にされる。

 

 マリアと翼はとっさに座席シートを倒して鼻先ギリギリを刃が通過するが真っ二つだけは避ける。しかし車に綺麗に天井が切り取られてしまう。

 

 その時マリアはギリギリ躱せて翼は余裕でかわせたのは秘密だ。

 

 顔をしかめる翼。このままでは多くの被害が出るとしてここを翼は決戦の場と決めた。

 

 

 

『Imyuteus amenohabakiri tron』

 

 

 

 マリアを抱き寄せて車から飛び降りる。彼女を降ろすと剣を構える。

 

 そして敵に向かって斬りかかるがあっさりと受け止められる。

 

 

 

「剣は剣でも私のは……」

 

 

 

 触れた傍から翼の剣が破壊されてしまう。異常な光景。

 

 

 

「何だこの手ごたえは……」

 

 

 

 翼は剣の具合に違和感を、力で破壊されたわけでは無い、触れたら勝手に砕けて朽ちたように感じたのだ。

 

 

 

「その剣……」

 

 

 

 翼が集中力を乱したなどの理由が無いのなら相手による外的要因である可能性が高かった。それは間違いないのだが。

 

 

 

「ならばっ!」

 

 

 

 翼は大きめの剣で再度斬りかかりに行く。

 

 それもあっさりと受け止められるが崩れた刃の中から細身の刀が出てくる。

 

 

 

「な……」

 

 

 

 これには相手も驚いたようで動揺を口にする。

 

 大きな外見は刀に大き目の刃を外付けしていたのだ。触れた外の部分だけが破壊される。

 

 一瞬の隙をついて刀を振りぬくが相手は後方に下がったため服を薄っすらと切るに留まる。

 

 

 

「この奇策でも届かないか……」

 

「あなたの歌……興味がわきましたよ」

 

 

 

 翼の悔しそうな声に対して嬉しそうな相手。

 

 すると手から石のようなものを取り出して地面に投げる。するとそこからノイズが出てくる。

 

 

 

「な……そ、んなノイズが……どうして!?」

 

 

 

 マリアもこれには驚いた。

 

 ノイズが消滅する瞬間は自分自身が目撃したのだから。

 

 そしてそれは絶滅宣言すら視野に入っていたのだから。バビロニアの宝物庫もソロモンの杖も一兆度の高熱で消滅したのにだ。

 

 何故か周りが夜なのにさらに暗くなった気がした。

 

 

 

 しかし翼はノイズが出ようと慌てなかった。もう既にいくら数をそろえようが彼女にとって強敵ではない。

 

 素早く剣を携えて群れに突入する。

 

 やはり圧倒、一騎当千だった。

 

 ただのノイズでは翼を止める事など出来ない。

 

 誰もがそう思っていた。いや思いたかった。

 

 敵に突き技を放とうとしたときノイズの光っている部分に触れると突然動きが止まった。

 

 剣が振れた先からバラバラになって砕けていくのだ。その先から押し込まれていく。そして攻撃を避ける際ギアペンダントをかすねた、次の瞬間ペンダントにヒビが入る、するとギアがバラバラにされていく。

 

 

 

「な……にが……」

 

 

 

 ただ呆然とする事しか出来ない翼。

 

 みるみるシンフォギアが体から剥がれていくのをただ見る事しか出来なかった。

 

 

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