一スレ目 裏 その4『自宅警備員、勇者に転職する』
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『【悲報】自宅警備員をクビになったんだが……』
122:名無しのモブC ID:429toni
とりあえず、安価とるぞ。
なにして働くとして、何する?
>>126
123:名無しのモブC
コンビニ
124:名無しのモブC
居酒屋
125:名無しのモブC
カラオケ
126:名無しのモブC
勇者
127:名無しのモブC
>>126
おい!!
128:名無しのモブC
草
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勇者ってw
こいつらふざけてるだろww
どうやってなるんだよ。
でもせっかくスレ盛り上がってきてるし、ここはうまいこと返して……
勇者?
……勇者か。
「そうだ勇者になろう!!」
異世界から勇者がやってきて、居候になるみたいな話あった気がする。
魔王でもドラゴンでもそんな話が合ったような気がするが、たぶん王道は勇者だろう。
現実逃避?
うるさい!!
決して現実逃避したわけじゃない、これは勝算あっての作戦なのだ。
俺と異世界から来た勇者の共通点を上げよう。
その1、まず金を持ってない。
異世界から来た勇者が日本円なんて持ってるはずなし、俺は使い切ったから持ってない。
その2、日本語が話せる。
異世界から来た勇者はなぜか日本語を話す、俺でもさすがに日本語は話せる。
その3、衣食住すべて不足している。
異世界から来てこの世界に生活の基盤があるはずがない、そして俺は追い出されすべて失った。
そして、俺にはあいつらと違ってこの世界の常識も個人を保証する情報だってある。
どや?
完璧じゃね?
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260:名無しのモブC
>>257
確かに異世界から転移してきたやつらには、金も衣食住も常識も個人情報もないやろな。
でも……
261:名無しのモブC
>>257
イッチに常識があるとは思えないけどな。
262:名無しのモブC
草
263:名無しのモブC
>>257
家から追い出された時点で、イッチの個人情報ほぼ死んでないか?
264:名無しのモブC
ww
265:名無しのモブC
悲報、イッチこの世界出身なのに異世界人と同レベルww
266:名無しのモブC
悲報過ぎる。
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こいつら、言いたい放題言いやがってw
でも……なるほど?
身元が不明。
異世界から来た勇者は当然身元不明の不審者だ、俺は家出したので身元を証明するすべがない。
探せばあるのかもしれないが、そんな方法知らない。
常識知らず。
異世界から来た勇者がこの世界の常識なんて知るわけない、俺は社会から逃げ引きこもってたので知らない。
これは我ながらひどいww
……でも、勇者と同条件だから。
むしろ、勇者に近づいたまであるから。
考えれば、ほかにもいくらでもある。
魔法が使えない。
異世界から来た勇者はよくわからない影響で魔法が使えないのがお決まりだ、俺は元から使えない。
あと数年で魔法使いとかいうクッソ不名誉な称号を得るが魔法は使えないし、このままだとその称号すらもらえない可能性もある。
童貞もしくは処女である。
異世界から来た勇者は元の世界でかなり持モテてたはずなのに経験がなく異性に耐性がない、俺はモテないうえに引きこもってたのでそんなチャンスあるわけがない。
そして困っている。
異世界から来た勇者は知らない世界に突然放り込まれて、俺は突然知りもしない社会に飛び出したせいで。
こうしてみると、俺はほぼ異世界から来た勇者といってもいいのではなかろうか?
違うところと言ったら見た目ぐらいか。
異世界から来た勇者は美男美女だが、俺は……ひいき目に見て最大限贔屓して普通。
パッとに考えて共通点が9つ相違点が一つ。
つまり俺は9割近く勇者というわけだ。
これは、ほぼ、いや完全に勇者だ!!
あとは異世界の設定を煮詰めてしまえば完璧だ。
魔法の使えない勇者(俺)にありもしない異世界の存在の証明なんてできないが、相手はそんなもの求めていない。
異世界があるかもしれない、本物の勇者かもしれない、そのドキドキが欲しいだけで本物かどうかは二の次だ。
だからこそ世界の設定は練らなければいけない。
俺の中学生生活をささげて作り上げた、数々の設定たちを今こそ生かすときだろう。
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「ここは一体、俺は確か……」
気持ち大きめな声でつぶやく。
ダメか。
さっきから似たようなことをあちこちで繰り返している。
俺に興味を持ってくれたらこちらから話しかける、それまではひたすらこれをやりつ続ける。
恥ずかしいとかそんなことを気にしてる余裕はない。
俺には何もかもたりないのだ。
「ここは! 俺はさっきまで魔王と……」
ダメだ。
もっとだ。
羞恥心は捨てろ、なり切るんだ。
そう、俺は勇者である。
「危ない! 姫様! ひめーー!! ん? こ、ここは一体……」
「え?!」
声がしたほうを見ると、高校生ぐらいの少女がきょろきょろとあたりを見ている。
そして目が合った。
明らかにこちらに興味のありそうな眼をしている。
本当は金を持ってそうな中二病を卒業出来てないおっさんおばさんあたりがよかったが現役か。
まぁ、贅沢なんて言ってられない。
高校生に取り入っても無駄かもしれないが、無駄じゃないかもしれない。
冷静な部分が、どうにもならないと叫んでいるがそんなものは聞こえない。
やっと興味を示した彼女を逃がすわけにはいかない。
大丈夫、興味を示したということは脈あり、何とかなる自分を信じろ。
「すいません、少し聞きたいことがあるのですが。ここはどこの国の領地なのでしょうか? 気が付いたら見覚えのない場所にいまして」
これは鉄板だ。
どこの国の領地か分かったところでどうにもならない気がするが、こんな感じでとりあえず異世界から来たアピールをする。
「えっと、ここは日本の……」
そうだよな、困るよなこんなこと聞かれても。
でもすまないがこのまま押し通させてもらう。
ここで引いたらただの変人だが、押し通してしまえば俺は勇者になれる。
「日本? 聞いたことのない国です。聖王国に帰りたいんですけど、どこに行けばいいのか皆目見当もつかなくて。ゾデコ教の聖都なんですけど、わかりませんか?」
とりあえずそれっぽい言葉を並べる。
決してこちらから転生異世界なんて言葉は使わない、相手に言われて初めてその可能性に気づき納得する。
信じられないがそうなのかもしれないと、あたかも説得されたようなふりをする。
そこまでやれば完璧だ。
「聖王国? ゾデコ教? あの失礼ですけど、あなたは……」
来た、この質問を待っていた。
「申し遅れました、ゾデコ教勇者リョウです。あなたは?」
みずから勇者と名乗るのにまたとないタイミング。
初めから勇者と主張するわけではなく、聞かれたから答えましたという対応。
まさに完璧。
「え? 勇者……あ、私は松影ゆうのです」
松影ゆうの。
なるほど、帰省先の相手の情報は大事だ。
しっかり覚えなくては。
こんな少女に寄生できるとは思えないけど、可能性もあるからね。
仕方ないね。
「あ、あの……覚えてる限りでいいんですけど、ここに来る前のこと教えてもらってもいいですか?」
来た来た来た。
これはもう半分落ちてる。
もうほぼ勝った。
「えーっと、今日は長年人々を苦しめていた魔王を倒したことを祝うパーティーを朝からやっていて……」
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