タイトルでほぼネタバレ。
果たして誰が来るんでしょうね(白目)
そういえばコ〇パスのアインズ様性能が発表されましたね。
強すぎてなんか荒れそうでした(小並感)
第11話 異界の剣士
宿儺が虎杖に憑依する、その二週間ほど前のことである。
加茂と共に任務に向かった三輪は、三級呪霊二体と対峙していた。
京都の裏路地は、他の地方のモノと比べても負の感情が集まりやすくなっている。
別にホラースポットというわけではないのだが、ここでよく肝試しをする人が多いため、それで自然と集まりだしたものだと考えられている。
普段は四級もしくは四級にも満たないそれ以下の呪霊しか発生しないこの裏路地だが、時に三級以上の呪霊が生まれるときがある。
京都ではコレを『テスト』と表し、呪術師の実力を試す機会にしているのだが・・・。
「すみません加茂先輩!」
「気にするな三輪。それよりも、目の前の呪霊に集中するんだ」
「は、はい!」
加茂が対峙しているのは猫のような三つ目の二級呪霊。
しかも、もじゃもじゃとした蜘蛛のような三級呪霊を二体脇に揃えてのご登場だ。
三輪は三級術師のため、二級一体でも相当キツいのだが、それプラス三級二体は流石に無理があった。
「フゥー・・・」
(でも、三級二体ならイケる!)
加茂が二級を抑えている間に、二体を屠る。
これが出来ないほど三輪は役立たずではない。と思いたい。
刀の呪具を鞘に納刀し、簡易領域を展開する。
そして、その領域に呪霊が侵入した瞬間、
「ハッッ!!」
抜刀。
一刀のもとに、呪霊二体の喉を切断した。
額の汗を拭い、加茂の方を向いた。
「何とか倒しました!」
「いや、まだだ!!」
「へ?」
「ギ ょ うバハ レ"のチグ もりィ"」
切られた三級呪霊のうち一体が、喉を抑えながら路地の奥へと逃げていった。
「浅かった!?」
「いや、呪力を使ってガードしたんだ!それよりも早く追うんだ!!」
「は、はい!!」
二級呪霊を既に倒しかけている加茂に場を任せると、逃げだした呪霊を追った。
裏路地はそこまで複雑な創りをしておらず、適当にまっすぐ走ろうと表道路に出てしまう。
それは呪霊でも同じ。
しかも今日は休日と来ている。
表は観光客も多く、そこに呪霊が紛れれば追いかけることは非常に困難になるだろう。
(帳下ろしとけば良か・・・いや、今言ってももう遅いか!)
踏み込み、全速力で走る。
「早く速く迅くっ!!」
しかし追いつかない。
間もなく路地の先から光が差し始める。
奥には行き交う人の波。
「うう、どうしよどうしよ!!」
「あ め"えどき どぎく"も り」
呪霊が、あと数十歩で路地に出る。
(刀を飛ばす?でも外したら民間人に被害が?なら簡易領域で?というかそもそも簡易領域でどうにかなるモノ??というか、もし逃がしたら・・・)
加茂も楽巖寺も、いつもは優しいが怒るときはめっっっちゃ怖いタイプの人だ。
しかも逃がしたのがたかが三級ともなれば、怒りどころが呆れを持つかもしれない。
それだけは不味い。
(皆に嫌われる?呪術界を追放?場合によっては・・・死刑!?)
脳内で最悪の事態を導いてしまい、思わず目に涙が浮かぶ。
「もう!!誰でもいいから止めてえええ!!!」
叫んだその時。
前方より、人影が生まれた。
三輪は民間人かと思い、声を掛けようと口を開く。
しかし、その見た目から溢れる異様な気配に、三輪は口が開いたまま声を出すことが出来なかった。
影の正体は男。
髪は青。ボサボサに切られており、纏まりがなく四方八方に散っている。
瞳は茶色で、顔は西洋風。顎から生えた髭がチクチクと生えており、髪と同様にマトモな手入れをしているようには見えなかった。
一見して細身だが、肉体は鋼の様に引き締まり、一言で言うなら細マッチョ。
着ている服は上はTシャツに見えるが、しかしシャツの割には厚みがある。
ズボンも厚く、しかもブーツに関しては膝下まで伸びているモノを履いている。
服装もそうだが、その身に纏う物騒なオーラが、三輪の本能を刺激した。
この男は"危険だ"と。
男は腰に手を伸ばし、そして虚空を掴んだ。
暫く手をワキワキとさせた後、男が素っ頓狂な声を上げた。
「武器がない!?」
(武器って何!?)
しかし、焦らずにゆっくりと、冷静になって考えてみる。
武器はつまり、呪具か何かのことを指しているのだろう。
(ということはこの人は呪術師──
「というかコイツはモンスターなのか?」
──ええ!?知らないのォ!?)
どうやら呪術師ではないらしい。
では彼は、一体何者なのだろうか。
呪霊を知らないのに、呪霊が見えている。
(モンスターって言ってたし・・・もしかしてこれまではずっと引きこもってて・・・とか?)
ではあの筋肉は何なのだろうか。
引きこもっている男が、あれだけの鋼のような筋肉を身に付けることが出来るのだろうか。
そんなことを考えている間に、男に呪霊が迫る。
(落ち着け三輪!!とりあえず今は何をするべきか・・・そうだ!!!)
三輪は大きく息を吸った。
「そこの貴方!!今目の前にいるその呪霊を足止めしてもらえませんか!?」
声に驚いたのか、男の肩がブルンと震える。
男の目線が呪霊より後ろの、三輪に向いた。
「お願いです!!!!」
話している間にも、刻一刻と呪霊は男の方へ近づいている。
「だいい いいぶうがああ」
「ああ、もう何が何だか分からんが・・・」
男が腰を落とすと、拳を構えた。
そして呪霊が近寄ると──。
「ッオラァ!!!」
何の捻りもない右ストレートが、呪霊を叩いた。
だがその威力は絶大で、呪霊がガードしていたとはいえ数歩仰け反るほどだった。
「やっぱ駄目だったか?!」
「いえ、大丈夫です!!」
刀を抜き、それを真横にブンと振る。
「フッッッ!!!」
呪霊の体が真っ二つに切れ、上半身が真横にギュルンと落ちた。
そして燃えカスとなって、呪霊が消えていく。
「なんだコレ?消えてく・・・のか?」
驚き顔をする男。
(知らないのかな?でも呪霊見えてるし・・・んー?)
ボーっと男の顔を見ていると、ふと我に返った。
「あ!!その!ありがとうございました!!」
「え?ああ、まあ別にいいぞ礼なんて」
(良かった。多分いい人だ・・・)
ホッと胸をなでおろすが、頭が冴えてくると、一体この男が誰なのかが気になって来た。
(呪術師・・・ではないんだよね?なら呪詛師?)
しかし、呪詛師でも呪霊ぐらいは知ってるだろう。
それ以外であれば、一般人説や窓説、ゲームをしない系ニート説や海外呪術師説が、脳内のミニ三輪達から提起される。そのうちの一つに三輪は注目した。
(・・・海外の術師ならあり得るかも。それなら加茂先輩が知ってるかな?)
海外の術師であれば、加茂と東堂とメカ丸の元にその情報が来るはずだ。
そうと決まれば早速電話を・・・とスマホを取り出したところで、男の名前を知らないことを思い出した。
海外の術師という情報だけで特定できそうだが、名前があった方が加茂達も調べやすいだろう。
周りをチラチラと見ている男に、声を掛けた。
「すいませんが、名前をお伺いしてもよろしいですか?」
「ん?なんでだ?」
「恩人の名前を知らないのは失礼かと思いまして」
口実ではあるが、実際に三輪は改めて礼をしたいと考えている。
(だって私を死刑から救ってくれた人だもん)
勿論、呪霊を一匹逃がしたところで死刑なんてことにはならないのだが、いつの間に三輪の脳内ではそうなっていた。
男は首を撫でながら、どうしたものかと頭を悩ませる。
名前という情報を流していいものかを考えているのだろうが、それも束の間目線は三輪に向いた。
「俺はブレイン・アングラウス。アンタは?」
その名前を三輪は・・・。
(うん、聞いたことない)
とりあえず脳内のメモ帳を取り出して、そこに名前を書く。
(・・・あ、私も名前言わないと)
「私は三輪霞です。ブレイン・アングラウスさん・・・ブレインさんと呼ばせていただいてもいいですか?」
「構わない。・・・ところで聞きたいことがあるんだが・・・」
「はい、何でしょうか?」
答えられるレベルの質問かに依るが、しかし何でも答えるつもりでグローブを構える。
(それほど変化球な質問はこないと思うけどね)
「ここはどこなんだ?」
「え?」
変化球どころが、バットで殴られた。
というわけで第十一話です。
ブレイン・アングラウス参戦です。
オーバーロードでトップ20には入るくらい好きなんです。一番はバラハ嬢だけど。
ちなみにこのアングラウスが何時のアングラウスかは次回解説します。
来週の私は多分死ぬんで、週末投稿になるかも・・・。