白骨化した宿儺の指   作:限界社畜あんたーく 

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平日は死んでた投稿者です。
つい昨日ワクワクチン〇ンを接種しました。
なのでメッチャだるい中書きました。
なのでメッチャ自信ないです。



誤字報告ありがとうございます。





ちなみに単発でライス当てました。ヤッタネ。


第12話 未知の世界

 最初は宿敵だった。

 調子に乗っていた俺の鼻を折ってくれた、憎き男だった。

 

 次はライバルだった。

 更なる力を求めて、いつか必ず勝とうと決意した。

 

 次は恩人だった。

 絶望に明け暮れ、死地に呑まれたところを救ってくれた。

 

 次は戦友だった。

 美味い酒を飲みかわし、思い出を語り、共に戦場を駆けた。

 

 最後は──英雄(憧れ)だった。

 地獄以外の何物でもない、ただの虐殺。

 人をゴミとしか思っていないような、羊の声をした異形による舞踏会。

 それを引き起こした張本人──アインズ・ウール・ゴウンに対して、あの男は一騎打ちを申し出た。

 

 

 俺はその時、漢の生き様を見た。

 自分の誇りと国の未来を懸けて、無謀にも挑んだその雄姿を見た。

 名付けるのなら、魔王と英雄だろうか。

 その光景は一瞬だったとはいえ、飾るにはあまりに美しすぎる光景だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガゼフが死んだその日の夜、ブレインとクライムは町のバーで酒を吞んでいた。

 特別騒ぎたい気分でもないので、最初は嗜む程度で押さえていたのだが・・・。

 

 

「zz・・・ラナーァ・・・様・・・」

 

 

 途中から二人揃って自棄吞みしてしまった。

 なんとかブレインは自我を保ってはいるが、クライムは地面に俯せになって寝ている。

 

 

「・・・俺もまだまだだな・・・」

 

 

 ブレインが立ち上がり、ふらつく足で店の中心に向かっていく。

 銭袋から金貨を一枚取り出すと、ソレを店長に差し出した。

 店長は顎が取れんばかりに口を広げ、金貨とブレインの顔を交互に見る。

 

 

「釣りはいらねえ。代わりにそこにいる少年・・・クライムが起きるまで匿ってくれ」

 

「わ、分かりました・・・」

 

 

 そのまま店から出ると、行く当てもなく歩き始めた。

 

 

 

 火照った体に冷たい風があたり、程よく心地いい。

 

「・・・・・・どうしようかね・・・」

 

 目的を失った。

 いや、正確に言えば人生を支えていた巨大な人柱を失ったといったほうが正しいだろうか。

 強さを求める意味も、ガゼフ亡き今となってはほぼ無意味なものになっていた。

 

「アイツの遺志を継ぐ・・・なんてのは俺の性に合わねえしな」

 

 誰かの下で仕えるのは御免だ。

 そもそもそんな貴賓のある立場に就ける程ブレインも綺麗ではない。

 しかし、かといって目的もなく放浪したいわけでもない。

 

「となれば・・・次世代の英雄(ガゼフ)を見つけることぐらいか・・・?」

 

 ガゼフも元は平民だったという。

 それなら身寄りのない孤児の中にも、生まれる可能性があるのではないか。

 

「伝手はあるし、人に教える才も・・・一応ある。案外こういう道もいいのかもな」

 

 昔の自分じゃ考えられなかった未来。

 しかしそれは明るいもので、自分が今求めているものでもある。

 闘争に明け暮れていた頃の自分が馬鹿らしくなって、恥ずかしい笑みを浮かべてしまった。

 

 

 

 

 

 ふと、足を止めた。

 周りを見れば、そこは何度も見たあの道だった。

 ガゼフと再会した道。

 クライムとセバスに出会った道。

 クライムと共に襲撃をした道。

 色褪せない記憶の数々が、怒涛となってブレインの脳裏を叩いた。

 

「たしか最初はこの路地で座ってて、そこをガゼフが・・・。懐かしいな」

 

 路地に体を潜めると、それが妙に落ち着いた。

 

「ここで寝ていれば、またガゼフに会えるかもな」

 

 世迷言。

 そんなことはありえないとブレイン自身も思っている。

 黄泉と現世を繋ぐ道でもなければ、奇跡が起こる道でもない。

 

 しかし、子供の好奇心のようなものが、ブレインをその場から動かそうとしなかった。

 

 ゆっくりと、ブレインの瞼が落ちていく。

 襲い掛かる睡魔に抗うことはなく、そのまま深い眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 ◇■◇■◇

 

 

 

 

 

(ここは一体どこなんだ・・・?)

 

 三輪に連れられ路地から出てみれば、見るもの全てが変わっている。

 建物の作りから地面の作り、行き交う人の服装から空気の味まで。

 もはや常識が常識ではないような・・・。

(俺が知っている国ではないな。どうやって俺はここに来たんだ?)

 

 考えられる可能性としては二つ。

 一つは転移魔法に巻き込まれた、もしくは転移魔法に失敗してはるか遠方の地に降り立ったか。

 

 もう一つは神隠し、つまり異世界転移である。

 

 ブレイン自身、神隠し自体を信じているわけではない。

 しかし、身の回りに神隠しに遭ったことがある者は意外に多くいるのだ。

 大体は夢や捏造の類であるが、中には未来に行ったといって実際に起こりうる未来を当てた者もいた。

 そもそもブレインは魔法に関して、人並み以上に知識があるわけじゃない。

 知らない魔法があって、それで知らない世界に飛ばされたというのもありえない話ではない。

 可能性として考慮してもいいだろう。

 

 

(見たことが無い文字だな・・・それにこの薄い板はなんだ?)

「おいでやす京都」と書かれた看板まじまじと見る。

 周りの人から怪訝な目で見られるが、そんなものはブレインには関係が無かった。

(あまりに技術が、常識が違いすぎる)

 

 名も知らぬ荒野に降り立つのとでは訳が違う。

『どうすればいいのか』ではなく『どうなっているんだ』という疑問が打ち勝った結果、明確な目的を見出すよりも先に、疑問を脳が製造していく。

 その結果、ブレインの頭の中はとても窮屈な状況になっていた。

(・・・やめだやめだ。今は情報を優先して集めなくてはならないんだ。ミワに頼んで、どこかに匿ってもらうことが出来ればいいんだがな・・・)

 求めるべきは安全第一。その次に情報だ。

 情報に関してはブレイン単独でもどうにかなるかもしれないが、安全に関してはミワが唯一の命綱だ。

 武器もなければ人望もない。

 これを逃せば、現在進行形で変人と見られているブレインに救いの手を差し伸べる者はいなくなるだろう。

 

 光る箱に会話をしている三輪に視線を向ける。

 

 

 ─ところで、あの箱は何なのだろうか。

 あの箱には伝言でも付与されているのだろうか。

 では、今は一体誰と話しているのだろうか。

 彼女はどうやってあの箱を手に入れたのだろうか。

 あの刀もどこで手に入れたのだろうか。

 あの剣術は一体どこで──。

 いま彼女が履いている靴は──。

 足の運び方は──。

 

 

 見た瞬間、あらゆる疑問が脳内に生まれ、そしてショートした。

 頭を抱え、ため息を吐く。

(・・・もう、今は何も考えないでおこう)

 思考を停止し、青天井に目を流した。

 

 

 

 

 

 

『ブレイン・アングラウス?聞いたことがないな』

 

「でも、たしかにそう言ってたんですよ?」

 

 

 加茂に電話をした三輪は、逃がした呪霊を倒したこと、そして呪霊を倒すのに貢献してくれたブレインのことを話した。

 

 

「・・・いや、やはり分からないな。こちらには連絡の一つも来ていない」

 

「海外の呪術師じゃないんですか?」

 

『どうだろうな。国外の呪術師という可能性もなくはない。だが、君の話では呪霊を殴り飛ばした、と言っていたな?』

 

「はい。で、殴られたところを私が・・・」

 

『そこだ。彼は別に呪霊を倒したわけではないんだろう?』

 

「そうですね」

 

『それで武器を持っていたかのような素振りもしていたと』

 

「そうですね」

 

『それでいて、呪霊の存在自体を知らなかったそうじゃないか』

 

「そうですね」

 

『・・・なんだソレ?』

 

 

 いつもの加茂らしからぬ、抜けた声だった。

 

 

『呪霊とか呪力とかを知る知らない以前の問題じゃないか?呪霊を知らないのに何故武器を持っているんだ?怪しいというかもう不審者じゃないか?』

 

「うーん・・・もしかしたら記憶喪失とか・・・ですかね?」

 

『可能性は・・・というか、ここまで来るともう何でもありだな。例えばソレが全部演技で、実は高専に潜り込もうとするスパイ説もあるにはあるだろうし・・・』

 

「ブレインさんはそんな人じゃありません!」

 

『しかし、怪しいことには変わりないじゃないか』

 

「それは、確かにそうですけど・・・」

 

『・・・どうしたものか』

 

 

 加茂はふむと一考する。

 

 

 暫くして、方針を決めたのか加茂は口を開いた。

 

 

『・・・三輪はこれから高専に戻るのだろう?』

 

「はい。そのつもりです」

 

『なら、その時に彼も連れてきてくれ。楽巖寺学長には私から伝えておく』

 

「分かりました!でも、どうやって連れてくればいいんですか?」

 

「そうだな・・・『学長が君に礼を言いたい』とでも言ってくれ。断られたら無理強いはしない程度で説得してほしい」

 

「了解です!」

 

 

 電話を切ると、空を眺めていたブレインに声を掛けた。

 

「ブレインさん、少しいいですか?」

 

 それまで空を見ていたブレインの眼が、スッと三輪の方へ向いた。

 

 

「どうした?」

 

「実は、学長がブレインさんにお礼を言いたいとのことなのですが・・・」

 

「ガクチョウ?」

 

「はい。楽巖寺学長といって、高専・・・学校の中では結構偉い方なんですよ」

 

 

 ブレインには断る理由はなかった。

 

 

「そうか、礼というなら仕方ないな。同行しよう」

 

「ありがとうございます!迷子にならないように注意して下さいね!!」

 

 

 三輪が意気揚々と歩き出すと、ブレインもその後ろ姿を観察しながら、遅れて歩き出した。

 

(・・・しかし隙が多いな。本当に戦士なのか?)

 

 相手の重心、歩き方、そして呼吸のタイミングは、その者の戦闘能力に比例して洗練されていく。

 観察眼が極めて高いブレインは、見ただけで相手がどのような実力を持っているのかを把握できるレベルに達していた。

 

 最も、ある吸血鬼のせいでその観察眼への確固たる自信はくなったのだが。

 

(そもそもこの女が着ている服装はなんだ?戦いにはまるで向かない軽装じゃないか)

 今のブレインが言うのもなんだが、この女はあまりにも身に着けているものが薄いのだ。

 身軽さを求めるにしても、剣士ならば革鎧か鎖着は身に付けるべきだ。

 それとも、あの黒い服には魔法でも付与されているのか。

 もしくは金属布で編まれた服なのだろうか。

 

(・・・いかん、これ以上思考を進めるな)

 さっき自分が思考停止を余儀なくされたことを思い出す。

 流石に状況的に無いとは思うが、もしあの状況で敵襲に遭っていればブレインは死んでいただろう。

 それを自分で認知できるほど、あの時は意識が、危機感が欠如していた。

(どんな状況であろうと気を抜くな。最低限の思考回路を確保するんだ)

 

 目を瞑り、精神を鎮める。

 

 そして一呼吸を置くと、鋭い目を開いた。

 脳のスイッチが切り替わり、視界から伝達されるのが情報ではなく、映し出される映像のみとなった。

 

 

「よし、大丈夫だ」

 

 

 足の指先まで力を込めて、堂々と歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

(何が大丈夫なんだろ・・・?)

 三輪は心底不思議そうな視線をブレインに送りながらも、高専へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 ◇■◇■◇

 

 

 

 

 

 

 いつの間にか、周りは薄暗い森の中へと変わっており、歩いているのも石畳から階段へと変化していた。

 階段の先はいまだ見えず、周りの木々も変わったようには見えない。

 もしやこれは幻術なのでは?

 

 そう思い始めた頃に、階段の先に赤い門のようなものが見えてきた。

 

 

「あれがゴールか?」

 

「ハア、ハア、ハア、そう・・・ですっ!!」

 

「・・・やっぱり休憩するか?」

 

「いえっ大丈夫、です!」

 

 三輪の息は絶え絶え。

 しかし、ブレインは空気を貪るどころが息が上がってすらいなかった。

(・・・なんか可哀そうに見えてきたな)

 額の汗を拭う三輪を見て、渋々ブレインは腰を下ろした。

 

 

「・・・いや、俺が疲れたから休憩しよう」

 

 

 途端に、三輪の顔が明るくなる。

 もし尻尾があれば、ブンブンと振っていただろう。

 

「しょ、しょうがないですねっ!!なら休憩してあげますよ!!」

 

 刀を使って老人のように腰を下ろした三輪と、暫くの間休憩を挟んだ。

 

 ちなみに座ってから二秒も経たない内に、三輪は爆睡した。

 

 

 

 

 

 

 

 それから約十分後。

 

 階段を上った先に二つの影が見えた。

 

 

「ふーむ。その隣の男が例の?」

 

「楽巖寺学長!?」

 

 

 言い表すなら、一本の枯れ木だろうか。

 皺だらけのその老人は、その目をブレインに向けた。

 

 その隣には糸目の男が立っており、老人と同じくブレインを観察している。

 

 

「加茂くんの話よりもやけに老けている気がするのじゃが・・・『20代前半』じゃなかったのかの?」

 

「そう聞いたんですが・・・三輪?」

 

 

 肩をビクンと震わせる三輪。

 しかし顔はなんで怒られているのかを納得できていないような顔だ。

 

 一方のブレインはというと・・・。

(・・・なんかあの声聞いたことがあるな)

 それとは別に、会話の内容よりも加茂の声が気になっていた。

 つい最近聞いたような、聞いていないような・・・。

 疑問に思う間に、周りの会話は進んでいく。

 

 

「東堂先輩と同じパターンかなーって思ったんですけど・・・」

 

「いや、そもそも私が『その男の年齢はいくつだ?』と聞いたんだから、その時に本人から聞けば良かったんじゃないか?」

 

「あ、そうでした。うっかりうっかり」

 

 

 とはいえ、日常的にあの男を見ていれば、年齢判断能力がブレてしまうのも仕方ないだろう。

 楽巖寺も加茂も、あのクソ迷惑オタク野郎(東堂)のことを思い浮かべ、もう一度ブレインを見てみた。

((・・・たしかに20代前半に見えるかも・・・))

 なんなら髭の部分を隠せば、18歳にも見える・・・気がする。

 

 

「まあいいじゃろ。それよりも・・・あー、あんぐらうすくん?じゃったか?」

 

「なんだ?」

 

「君にいくつか質問したいことがあっての。なに、時間はそこまで取らせはしない」

 

 

 枯れ木から鋭い眼光が飛ぶ。

 その目は猛禽類が獲物を狩るときのそれに非常に似ていた。

(そんなんじゃ俺は脅せやしねえぞ)

 威風堂々と、胸を張る。

 

 

「構わないさ。俺も知りたいことがいくつかあるからな」

 

「・・・ほう?知りたいこととな?」

 

 

 

「ああ。この国のことについてだ」

 

 

 

 

(この国のこと・・・?)

(コノクニノコト?ナニソレ?)

 

「この国の事・・・とな?」

 

「そうだ」

 

 

 ブレインを除く三人のうち、三人が摩訶不思議そうな表情を浮かべていた。

 

 

「うーむ・・・よく分からんが、ある程度の事なら応えられると思うぞ。・・・多分じゃがな」

 

「多分でも構わない。俺はただ、今俺がどんな状況なのかを知りたいだけだからな」

 

「まあ・・・あー、そうじゃな、うん。分かった。取り敢えずワシと一緒に来てもらおうかの。三輪と加茂は先に戻って休んで来なさい」

 

「はい!」「分かりました」

 

 

 

 三輪と加茂の返事と共に、楽巖寺が歩き出す。

 ブレインもその後ろをなるべく遅れない程度に歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 門を潜ると、そこには見たこともないような木造の建築物がザラりと並んでいた。

 先程までの場所とは打って変わって、新鮮な樹の匂いが漂う場所。

 高貴な雰囲気が醸されるため、自分はここにいてはいけない存在なのではないかと思うほどだ。

 地面の石畳を踏むことすら気が引けるのだが、ここが学校だという話は聞いている。

 恐れることなかれと、震える脚で前に進んだ。

 

 

 

 その後二分足らずで小さめの蔵の前に到着。

 木の扉には鍵が掛かっておらず、それを楽巖寺が引っ張ると、そのまま慣性に従って自動で開いた。

 軽いのか、油が差してあるのか。

 そんなことを頭の端で考えていると、楽巖寺は何も言わずに中へ入っていった。

 

 中は日光を吸収しているのかと思うほどに暗く、中に何があるのかの把握すら難しい。

 だが、あの老人が進んだ以上、ブレインが引くわけにはいかないだろう。

 ブレインも同様、何の躊躇いもなく足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 ──その瞬間。

 

 

 敵意に満ちた眼光が、ブレインの身体を射抜いた。

 

 

 

 

 

 

 恐らく、蔵の物陰に護衛の者が隠れている。

 それも二人。

(いつでも仕留められますってか?)

 今のブレインは武器を持っていないので、戦闘力は激減している。

 例え相手が一人だったとしても、今のブレインに勝つ見込みはない。

 両手を上げてブラブラと振り、攻撃する意思はないことを先に示しておく。

 

 するとそれまで足を進めていた楽巖寺が急に止まる。

 

 

「君は"日本"という国を知っているかの?」

 

 

(いきなり質問か。まあいいんだが)

 記憶を堀り返し今まで訪れた国の名前を全て思い出し始めた。

 しかし、日本などという国はおろか、その名前に似た場所でさえも思い当たらない。

 ブレインの知識不足、という線もないとは言えないが、自分の記憶力と情報収集力には自信があるので、それは無いと信じたい。

 

 

「・・・知らないな。それがどうした?」

 

 

 物陰に潜む二人から、困惑の声が聞こえた気がした。

 正面に立つ楽巖寺は何となく予想が付いていたようで、「そうか」と呟くだけだった。

 その瞳には何となくだが、憐れみの色が含まれているような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・結論から言わせてもらおう。君はこの世の、この世界の人間ではない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 息を呑む音が二つ聞こえた。

 それも当然だろう。

 まさかあの楽巖寺が冗談を言うとは、二人は思ってもいなかったからだ。

 

 しかし、言われた本人はというと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、そっちだったのか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 驚きもせずにむしろ納得していた。

 

 

 

「・・・んん!?」

 

 

 擦れあう金属のような音を、楽巖寺が奏でた。

 

 

「気付いていたのか?」

 

「いや、ただそうじゃないかと推察していただけだ」

 

「・・・その割にはあまり驚いてはいないようだが?」

 

「最近妙に驚くことが多くてな。それで耐性が付いちまったんだ」

 

 

 シャルティア、セバス、そしてアインズ。

 あの三人の常識外れの強さを間近で見たお陰だ。

 

 最も、ありがたみは感じないが。

 

 

「で?これから俺をどうするんだ?まさか焼き鳥にでもするって腹じゃないよな?」

 

「おぬしが望むのなら、それで構わんが?」

 

 

 どうやら冗談は通じないらしい。

 

 

「まさか。俺が望んでいるのは『元の世界へ帰ること』だ」

 

「じゃろうな」

 

「・・・何か知っているか?」

 

「いいや、知らんな」

 

 

 嘘は紛れていないように聞こえた。

(知っていたらありがたかったんだがな)

 一縷の望みに託したが、どうやら届かなかったようだ。

 とはいえそう簡単に行くとも思っていなかったので、想定通りでもある。

 

 それではここから作戦タイムだ。

 元の世界に帰る方法が分からないということは、この世界で生きるしかないということ。

 しかし、ブレインはこの世界に関する情報はおろか、常識の一つも分かりはしない。

 住む場所も無ければモノを買うだけの金も持ってはいない。

 身を守る手段も乏しく、盗賊にでも襲われれば逃げることしかできないだろう。

 

 

 

 だが、救いが無いわけではない。

 

 

 

 

 

 今、自分がいるのはどこか。

 

 自分が誇れるものは何か。

 

 自分が出来ることは何か。

 

 

 

 

 

 それを考えた時には、すでに言葉は出ていた。

 

 

 

 

「なあ、一つ頼みがあるんだが・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 ◇■◇■◇

 

 

 

 

 

 

 ブレインが出ていった蔵の中に、二人の人影が生まれた。

 

 一人はチャイナ服のような黒い制服を着た女。

 もう一人は翡翠の眼をした銅に輝く人形。

 

 京都校二年の、禪院真依と究極メカ丸だ。

 

 真依は片手にリボルバー銃を持っており、メカ丸は片手を変形させていた。

 

 

「へえ?やるじゃないあの男」

 

『俺も真依モ、物音一つ立てていないはズ。しかしそれに気付くとハ』

 

 

 二人の声に含まれるのは、純粋な賞賛。

 それに合わせて、二人は持っていたリボルバー又は変形させていた腕を元に戻した。

 

 

「術式・・・ではないわよね?なら異世界特有のスキルってやつ?それとも勘?」

 

『俺としては、どちらも違うと思っていル。敵意か殺気カ、それを察知したのではないカ?」

 

「それはアニメの見過ぎじゃない?」

 

『スキルとか言い出したのはオマエじゃないカ』

 

「でも、こっちの方が現実的じゃない?異世界なんだし」

 

『そうカ・・・?いや、異世界ならば現実的・・・そうなのカ・・・』

 

「ええそうよ」

 

 

 真依の冗談を真に受けるメカ丸。

 それがツボに入ったのか、真依は目線を彼方へと逸らした。

 

「談笑もそこまでじゃ」

 

 楽巖寺の言葉と共に、二人の顔(?)が引き締まった。

 

 

「しかし・・・本当に良かったんですかね?」

 

彼奴(あやつ)のことか?どうせ負けんじゃろ」

 

『本当ですカ?あの男が向かった任務ハ・・・』

 

 

 ブレインはこの学校への入学を求めた。

 唐突の事ではあったが、楽巖寺は一考した後にある条件を提示した。

 

 

 

 

 

 それは、中京区に現れた一級呪霊を単独で討伐すること。

 

 

 

 

 

 楽巖寺はブレインに、これを入学試験として与えた。

 

 

「本人の希望通り三輪の刀を持たせ、その上加茂を監視役兼案内役として付かせておる。負けることあっても死ぬことはないじゃろ」

 

「そうよ。本人だけならともかく、憲紀がいるし大丈夫よ」

 

 

 しかし、未だにメカ丸の不安は拭えていない。

 

 

『・・・嫌な予感がするんダ』

 

「「嫌な予感?」」

 

 

 二人が声を揃える。

 

 はたして何があるというのか。

 

 

『あの男ハ・・・・今日は中京区でライブがあると言っていタ・・・』

 

「あの男・・・ライブ・・・」

 

 

 

 

 

 その時、雷光のように煌めくあの男がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もしかしてなんだガ、今、中京に東堂が行っているんじゃなかいカ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 「 ああ・・・ 」 」

 

 

 

 何となくだが、二人も同じように嫌な予感が走った。




 1.酒。
あの後二人とも飲みに行ったんですかね?

 2.京都
ちなみに一回も行ったことないので、脳内で想像した京都が舞台になってます。

 3.高専
とりあえず長い階段。取り敢えず木造建築。
それが京都校クオリティ。

多分東京とそこまで外観変わらないだろうけどネ。

 4.喋り方
ブレインとメカ丸はまだしも、楽巖寺と真依は調べたらネタバレが沢山出てきたので、喋り方は脳内妄想となっています。

 5.加茂
ちなみに加茂先輩は僕の知る限り、親に海坊主っていうハゲがいて、ご飯を食べるとうまい!!って言って、時々半ケツになる熱血男で、バレーやってて、ハイスコア感覚で大虐殺を行うような人だと思ってます。

6.メカ丸
修正前はアニメなんか見ない非オタク少年だったけど、修正後はロボットアニメ以外はそこまで見ない、男の子に変身。
ガン◯ムの種類は全部言えるけど、麦わらの一味の名前は覚えていないタイプ。俺はこういうの好き。
ちなみに投稿者の一番好きなロボットはグレンラガンですかね

第十二話でした。
次回は来週の木曜日辺りに出せたらいいなあと思ってます。





デルタルーンやらねば(使命感)
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