白骨化した宿儺の指   作:限界社畜あんたーく 

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第二話です。

朝、クラッシ〇フィー〇ーというゲームで無料ガチャを引いたら、ユークEvが出ました。
マジ神ゲーっすわ。


第02話 不死者の王と呪いの王

 宿儺の腹の中に住んで、はや半月が過ぎようとしていた。

 山と化した骸の中心。

 そこに宿儺とアインズは椅子を立てて座っていた。

 

 ちなみに、アインズが座っているのは魔法で作りだした黒曜石の輝きを放つ椅子で、宿儺が座っているのは様々な種族の骨を組み合わせた椅子だ。

 

 この椅子は以前、デミウルゴスが制作したものだ。

 その時は使用しなかったものの、いつか座るときが来るだろうと思い、アインズはそれをアイテムポーチに入れたままずっと放置をしていた。

 それから長い時を得て現在。

 宿儺がアインズが座れるように骸の山を調整していると、何と一部が崩壊。

 それに伴い、宿儺が腰を下ろしていた位置も崩れ落ちてしまった。

 宿儺は気にするなと言っていたが、どうにか直せぬものかと考えていたところで、この椅子の存在を思い出したというわけだ。

 

 

 

 

 

「それにしても宿儺、君の術式というのは素晴らしいな。特に「捌」は、私の十位階魔法「現断(リアリティ・スラッシュ)」とはまた違うベクトルの強さを持っている。もし取得できるのであれば、是非とも手に入れたいところだな」

 

 

 

 

『謙遜はよせアインズ。たしかに「捌」は「現断(りありてぃすらっし)」とは違い、適した斬撃を放つことができる。だが、相手を確実に殺傷できる能力はなく、なにより「解」は「現断」の下位互換。張り合うにはあまりにも力不足だ』

 

 

 

 

「それこそ謙遜だ。君の「解」はリスクをあまり背負わずに放つことができる。が私の場合、一撃を放つために魔力を多く消費してしまう。言い方は悪いが、手数ではこちらの方が不利だ」

 

 

 

『貴様は勘違いしている。たしかに手数では有利だが、しかし実践では──────』

 

 

 

 

「実践だけが何も全てではない。例えば──────」

 

 

 

 

 平行線を辿ること、およそ二時間過ぎ・・・。

 

 

 

 

『不死者の王がなんたる様か。謙遜も程程に、もっと威風堂々とすれば良かろうに』

 

 

「そちらこそ呪いの王だろう。それに、君こそ謙遜をするじゃないか」

 

 

 

『貴様程ではない』

 

 

 

「そうか?同じ回数謙遜しあった気がするが?」

 

 

 

『・・・・・・』

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 二人で顔を見合せ、そして吹き出した。

 

 

 

『全く、貴様には付き合ってられんな』

 

 

 

「笑いながら言っても説得力がないぞ」

 

 

 

『貴様こそ笑っているだろう』

 

 

 

「はて?私には表情というものがないのでな」

 

 

 

『はぁ~~ーー・・・うざっ』

 

 

 

「それはないだろう!!!」

 

 

 

 またも顔を見合せて、笑いだした。

 

 

 

 半月も二人でいれば、当然親睦も深まる。

 最初のうちは最低限の会話しかしなかったが、よくもここまで関係を気づけたものだと我ながら誇りに思う。

 

 まあ大半は酒のおかげなのだが。

 

(さて、宿儺から貰った情報を頼りにすると・・・)

 改めて、今の状況を確認する。

 

 

 まずは外の世界に関して。

 

 宿儺の話を基に考えると、外は西暦1700~2200年ではないかと推測できた。

 

 宿儺の話では、生前は平安時代で、それから1000年ほど経ったと言っていた。

 平安時代は西暦700年(正確には794年で、アインズが勝手に決めつけた)~1200年(正確には1185で、こちらも勝手に決めつけた)なので、そこから逆算した結果である。

 

 だが、宿儺の話を聞く限り、鈴木悟だった頃の世界とは少々認識がズレているところがあるので、この件の深堀りに関しては現在保留となっている。

 

 

 

 次に術式に関して。

 

 正式名称は生得術式で、ユグドラシルで言うところの魔法やスキルに近い概念らしい。

 また、最終段階として領域というものがあるらしく、詳しく聞けばかなりのぶっ壊れスキルだった。

 1.自身のステータス上昇。

 2.術式の命中率100%増加

 が自身に付与されるのだ。

 ユグドラシルで実装すれば剣士職のプレイヤーから大ブーイングが飛び交うことが予想されるそうな技だが、聞いたところによると、一部の極致に達したものにしか使えないとのことらしい。

ちなみに今アインズがいる場所は生得領域と呼ばれる場所なのだのか。

 

 当然だが、鈴木悟だった頃の世界には呪術というものは存在しなかった。

 実は見えないところに存在していて・・・という線もありえなくはないが、二十二世紀の情報通信技術的に考えると、流石に無理があるだろう。

 

 よって、この世界は鈴木悟のいた世界ではなく、それとは別のパラレルワールドのような似て非なる異世界に飛ばされたのだと判断した。

 

(異世界に飛ばされるって、これで三度目か?何で俺だけこんな目に遭うんだろ?)

 

 いくら考えても仕方ないことなので、これ以上の考察はやめておく。

 

 

 

 最後に宿儺に関して。

 

 生前は、最強の呪詛師として暴れていたらしく、そのあまりの強さに、死後に残った20本の指の死蝋が、破壊することが出来ない呪物と呼ばれるものに変化したのだとか。

 ちなみに呪物というのは「呪いが宿った物」を指し、それとは別に呪具という「呪いが宿った武器」というのも存在するのだとか。

(ユグドラシルの呪物とは少し違うな。武器もアイテムも呪物で統括されてたし、そんなに便利なアイテムじゃなかったような・・・いや、たっちさん結構使ってた記憶あるな)

 

 ユグドラシルの呪物は『回復不可』『移動速度低下Ⅱ』『回避率低下Ⅴ』『毒無効解除』『猛毒状態付与』『物理攻撃脆弱Ⅱ』『魔法攻撃脆弱Ⅱ』等々のバッドステータスがかかる代わりに、『全ステータス上昇Ⅳ』『クリティカルヒット無効』に加えて、ランダムバフがかかるアイテムとなっている。

 

 デメリットの方が多く、攻略サイト等でも『地雷アイテム』『売って金になればいいレベル』と紹介されるレベルなのだが、昔のたっちさんは好んで使っていた。

(それもそうだ。あの人はまず攻撃を喰らわないんだし)

 前線で三十分以上戦っているのに、HPが八割以上残っているのを見た時は流石に引いたのを覚えている。

 

 話を戻すとして、次は宿儺が持つ術式。

『解』『捌』『「■」「開」』そして領域『伏魔御厨子』。

 これ以外にもありそうな雰囲気を出していたが、プライバシー的な意味でこれ以上は触れないでおいた。

 

 

 というわけで、多少路線がズレてしまったが、集めた情報は以上となる。

 

 

(これからの方針は、とりあえず外に出ることだな。受肉とやらをしないと外へ出れないらしいし、それまで気長に待つとするか)

 

 

 方針が決まったところで、アインズは宿儺に目を向けた。

 

 宿儺が今飲んでいるのは『緋色のヴァルキリーワイン』と呼ばれる赤ワイン。

『ヴァルキュリアの失墜』追加初期時に開催された期間限定イベント『「赤き戦天使」VS「白き戦天使」』でドロップする希少なワインだが、その効果は歴代最悪と呼ばれていた。

 まず、バフ効果が『炎属性耐性Ⅱ』『炎属性攻撃強化Ⅱ』と微量のステータスの上昇だけ。

 なのにデバフ効果が普通の赤ワインの二倍以上あり、しかもアルコール度数が15度なので、解除されるのにも時間がかかる。

 

(ぷにっと萌えさんに売ろうとしたのを止められたっけか。『いつか付加価値が出るから───・・・』みたいなこと言ってたけど)

 

 結局、今の今まで取り出されることすらなかったのだが。

 

 

(・・・そういえば・・・)

 

 

 アインズは指先を宿儺に向けた。

 

 

 

(宿儺にもバフ効果はかかるのかな?)

 

 

 

 

 

火球(ファイヤーボール)

 

 

 

 

 

 小さな火球が指先に生まれる。

 それを宿儺に近づけた。

 

 

 

『ん?』

 

 

 宿儺は指を構え、解を打とうとする。

 

 

 

「ま、待て宿儺!これは単なる実験だ!」

 

 

 

『実験だと?・・・それならそうと言えばいいだろう』

 

 

 

 指を下ろし、どんな実験をするんだ?と聞いてくる。

 いきなり近づけたので、てっきり怒るのかと思っていたが。

(信頼関係が成り立っていると言えば聞こえはいいが・・・)

 それは逆に言えば、隙を見せてはいけないということだ。

(出会ってまだ二週間しか経ってないんだけど・・・もし俺の無能な姿を見られたらと思うと・・・うう、胃が痛い)

 胃はないけど、と心の中で突っ込む。

 兎に角、今は説明をすべきだ。

 

 

 

「そのワインには、炎への耐性と炎の威力を上げることが出来る効果がある。それが宿儺にも適用されているのか気になってな」

 

 

 

『そういうことか。それなら構わんぞ』

 

 

 

 引いていた体を起こすと、火球に向かって手を伸ばした。

 そして宿儺の手が火球に触れ・・・。

 

 

 

『・・・』

 

 

 

「どうだ?痛みは感じるか?」

 

 

 

『痛みは感じる。炎への耐性が得られたようには感じぬが』

 

 

 

「そうか・・・」

 

 

 

(炎属性耐性Ⅱであれば無効化できるレベルの火球を撃ったつもりなんだが・・・適用されていないのか?)

 痛みを感じるということは、そういうことだ。

(宿儺が特殊なのか?それともこの世界が異世界だからか?)

 しばらく頭を悩ませる。

 

 

 

『・・・どうした?』

 

 

 

「いや、何故適用されないのかと思ってな」

 

 

 

『・・・炎の威力も上がるといったか?どれ、試しに炎を使ってみるか』

 

 

 

「・・・「■」「(フーガ)」と言ったか?」

 

 

 

『ああ。的はそうだな・・・アレにしようか』

 

 

 

 宿儺が指を指した先。

 そこには空となった酒樽があった。

 まわりを彩っていた装飾はすでに剥げ落ち、ただの木片と化していた。

 早速宿儺は立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「■」「(フーガ)」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 唱えると、手に炎が握られた。

 左手でそれを引き絞ると、さながら炎の矢のように、先端がドリル状に螺旋を描いた。

 

 

 

「それにしても興味深い。解や捌と手法は似ているが、その根本は全くの別。是非とも仕組みを知りたいものだ」

 

 

 

『・・・皮肉か?』

 

 

 

「本当に皮肉であれば、今頃私の首が飛んでいるだろう?」

 

 

 

『・・・フフ、冗談だ。それに貴様の首は飛ばさん。うまい酒が飲めなくなるからな』

 

 

 

 さて、と宿儺の目線が酒樽に向かう。

 

 

 

『そろそろ穿つか』

 

 

 

「果たして威力は上がったのかな?」

 

 

 

 

 宿儺は引き絞った矢を放つ。

 軌跡を描きながら真っ直ぐ酒樽へ突き進み、そして突き刺さる。

 そして、爆発。

 火柱と共に酒樽は燃え盛り、消えた頃には灰となっていた。

 

 

 

「どうだ?威力は上がったか?」

 

 

 

『・・・』

 

 

 

 どうやら上がっていないらしい。

(食べ物や飲み物によるバフ効果はこの世界では発動しないのか・・・?魔法によるバフやデバフは発動するけど・・・とりあえず、この件も保留だな。宿儺が特殊なだけかもしれないし・・・)

 

 

 

 

「まぁいい。分からないことが分かっただけまだマシだ」

 

 

 

 

『・・・未知が未知のままでもいいと?」

 

 

 

「そういうわけではない。だが、分からない物を知ろうとした者と、分からない物を素通りした者とでは、結果が変わってくるという話なだけさ」

 

 

 未知を既知に変えることが重要なのではなく、変えるまでのその過程が重要なのだ。

 過程を知る者と知らない者では、得るものに圧倒的な差が発生する。

 

 

 

「経験や知識、それは結果だけで得られるものではない。未知を既知へと変える過程、その貪欲な探求心こそが結果に繋がるのだ。その過程を得るためならば、私は未知のままで構わない」

 

 

 

『・・・・・・なるほど、な』

 

 

 

 ふと、熱くなってしまった自分が恥ずかしくなり、肩を狭めた。

(何熱く語ってんだ俺は?!うわー恥ずかしい!)

 しかし、宿儺は満足そうだった。

 

 

 

『実にアインズらしいな。だが、過ぎた探求心はいずれ身を滅ぼすぞ?』

 

 

 

「もちろん、覚悟は出来ているさ」

 

 

 

『そうか。・・・いや、そうだな?たしかに覚悟は出来ているか?』

 

 

 

 

「?どういうことだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴様は元から、 () は滅びているものな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 沈黙が二人を包む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~~ーーーーー・・・・・・うざっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・・・・・・』

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 二人は顔を見合せて、また吹き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇■◇■◇

 

 

 

 

 

 

「うん、必要な書類はこれで全部」

 

 

「ウッス、お世話になりました」

 

 

 必要書類を書き終えた虎杖悠仁は、カウンターにペンを置いた。

 

 

「本当に大丈夫?」

 

 

「そーっすね。こういうの初めてなんで、まだ実感沸かないかな・・・でもいつまでもメソメソしてっと爺ちゃんにキレられるし、あとは笑ってコンガリ焼きます」

 

 

「言い方・・・」

 

 

 虎杖悠仁は今日、祖父を無くした。

 最後に祖父からは、

「オマエは強いから人を助けろ」「オマエは大勢に囲まれて死ね」「俺みたいにはなるなよ」

 そう言われたのだった。

 

 

(爺ちゃん・・・)

 

 拳を強く握り、その場を後にしようとした。

 

 

 

 

 

 

 

「虎杖悠仁だな?」

 

 

 

 

 

 

 廊下から声が響く。

 

 その方向に向けば、一人の男がいた。

 見たところ年齢はさほど変わらない、髪をワックスで固めてそうな青年だった。

 

 

 

 

 

「呪術高専の伏黒恵だ。悪いが、あまり時間はない」

 

 

 

 

 




オリジナル設定・・・

 1.デミウルゴスの作った椅子
あれって今どこにあるんですかね?まあ確定してるのは、アインズ様は絶対に忘れてるってことだけですけど。

 2.宿儺とアインズのイチャイチャ
俺が見たいから書いた。それ以外の理由はいらねえ。
プライド高い宿儺君に、初めての友達が出来ているんだ。
イチャイチャしててもいいじゃあないか。

 3.アインズ様VS平安時代
どうせ覚えてないでしょ(笑)。でも偉大なる御方補正で4桁目と三桁目は教えておきました。

 4.特級呪霊たっちさん
呪物はオリジナルアイテム。当然たっちさんのもオリジナル。でも前線に立ってても攻撃喰らわないのは普通にありそう。

 5.宿儺の個人情報
原作が完結してない以上、下手なこと言うとファンから殺されてしまう・・・。
なので、今の宿儺は解と捌と炎とみずっちしか使えません。未来から来た読者ニキは怒らないでください。

 6.宿儺のパーフェクトギャグ
なんか文句あんのか?宿儺くん可愛いだろ?

 7.宿儺の生得領域について

受肉する前の宿儺くんと出会ったアインズ様。
ここで生まれる疑問が、「この生得領域はどこにあるのか』です。
例えばこの領域が百葉箱にあった宿儺の指の中と仮定すると、それぞれの指に宿儺の人格が宿っている『宿儺、本当は20人いる説』が浮上してしまいます。そうなると、虎杖以外の器が現れた場合、現世に宿儺が二体同時に顕現してしまうかもしれません。(でも宿儺なら普通にやりそう)
ここで考えたのが、『宿儺の生得領域はサーバー説』です。
つまり、宿儺の人格自体は指に宿ってはおらず、生得領域から指に仲介する形で現世に顕現しているという説です。(語彙力がない私には説明がめちゃくちゃ難しいので頑張って理解してください)
こうすれば、虎杖以外に器が現れても、本体は一人だけなので二人同時に顕現することはありません。
原作ではどうなるのかは分かりませんが、本作品ではこの説で押し通していきます。


というわけで第二話終了です。
第一話の完成度が高すぎて、パッとしない二話になってしまいました。
評価、お気に入りの方お願いします。
それでは、次回予告です。


止めて!宿儺の指は猛毒なの!それに受肉しても宿儺に乗っ取られちゃう!

お願い、死なないで虎杖!

あんたが今ここで倒れたら、爺ちゃんとの約束はどうなっちゃうの?

五条先生がもう少しで来てくれる。ここを耐えれば、呪霊に勝てるんだから!

次回「虎杖受肉」デュエルスタンバイ!

 
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