あと、太字忘れてました。
言葉が一致し、互いに硬直する。
先に口を開いたのは、アインズだった。
「・・・私から自己紹介をしよう。私はアインズ・ウール・ゴウン。気軽にアインズと呼んでもらっても構わない」
「え?あ、はい!虎杖悠仁です!」
急に畏まりだした虎杖。
(そんなに畏まらなくてもいいんだけどなあ。いや、この顔だから無理もないか)
虎杖は辺りを見渡し、状況を把握しようとする。
しかし、あまりの環境の変化具合についていけないのか、頭の上に?の文字を浮かべた。
「ここどこ・・・んですか?」
「そんなに畏まらなくてもいいぞ。ここは生得領域と言われる場所だ。君が先ほど食べた指、両面宿儺のな」
「両面・・・宿儺・・・!!」
今の自分の状況が分かったのか、虎杖はバッと立ち上がった。
「そうだ、俺はたしかあの指を食べて・・・」
「受肉をした、と。にしても、君は無茶なことを考えるな」
「無茶?なんで?」
「普通は食べたら即死するらしいぞ」
「ゲ、そうなの?」
舌を出しながらマジかと呟く虎杖。
(しかしこの虎杖とかいう青年、よく俺と面と向かってしゃべれるな・・・)
NPCや宿儺を除き、アインズとナチュラルに喋れる奴がこの世にいるとは思ってもいなかったので、新鮮な気持ちになる。
「ところで、外の出方って分かる?」
「知らないな。それこそ私が聞きたいくらいだ」
「そっか・・・伏黒大丈夫かな・・・あの変な奴に殺されてないといいけど」
「伏黒、というのは誰か分からないが、今のところは無事らしいぞ」
「マジ!?」
虎杖に鏡を見せる。
既に死の騎士はボロボロになっており、宿儺の勝ちは確定されたもののようだった。
「よかったー。本当に勝つ術あったんだ」
「ん?これは宿儺が倒したんだぞ?」
「・・・え?」
愕然とする虎杖に、宿儺のことを話した。
「それやばくない!?はやく外に出ないといけないじゃん!!」
「出るといっても、そもそも出る方法がまだ分からないんだぞ?」
「それは・・・あっちの暗い方に走ってけば何とかなるんじゃない?」
指を指した方向は、以前アインズが『火球』を撃ったところだった。
「あそこには見えない壁があったはずだ」
「なら、その壁をぶち抜いて外に出てやる!!」
「・・・さっきから、君はなぜ外に出ようとしているんだ?」
アインズには、その心情が分からなかった。
虎杖がしようとしているのは、猛獣がいる檻の中に突撃しに行くようなもの。
それならここでおとなしく待つ方が賢明だろう。
「そりゃあ、俺の友達を助けたいから・・・」
「怪我を負う、どころでは済まされないぞ?」
「・・・」
「はっきり言おう、貴様が外に出たところで運命は変わらない。変わるとすれば、死体の数が増えるか増えないかの差だ」
「・・・それでも、俺は行く」
「正気とは思えんな。死にに行くものだぞ?」
「・・・そうかもしれない。でも、ここで黙ってあいつらが死ぬところは見たくない。なにより・・・」
「なにより・・・?」
「生き様で後悔はしたくない」
アインズは目を見開く。
その瞳が、あの男に似ていたのだ。
(美しい瞳だ。この世のいかなる輝きにも劣らない、輝かしい未来に向けた、眩しい瞳だ)
虎杖は骸の山から降り立ち、領域の奥へと進んでいった。
「・・・虎杖悠仁、といったか?」
「・・・・・・」
虎杖は答えない。
ただ、前へ進むだけだ。
「ここから外へ出られるかは分からない。それに出れたとしても、君は宿儺に殺されるかもしれない。
だが、
幸運を祈る」
「・・・応ッ!!」
虎杖は永遠の闇を進んでいった。
そして、硬質な何かが砕けると共に、虎杖の気配が消えた。
(生き様で後悔はしたくない、か)
恩義のために、死を選んだ男がいた。
果たして彼は、あの世で後悔をしたのだろうか。
オチが見当たらなかったので、雑な感じになっちゃいました。
第五話は日曜日か月曜日に出す予定です。