そういえば昨日の夜、ドッカンバトルで十連したらLR魔人ブウが二体出ました。
そこは悟空出ろよ
死刑宣告された虎杖は、なんとも言えない複雑な感情が渦巻いていた。
「死刑って・・・伏黒の頼みの話はどうなってんのよ」
「いやいや、これでも頑張ったんだよ?」
椅子の背もたれを虎杖に向け、そこに腕を乗せてだらける。
虎杖もそれくらいだらけたいのだが、生憎縛られていて動けそうになかった。
「死刑は死刑でも、執行猶予がついた」
「執行猶予・・・今すぐじゃないってことか」
「そ。一から説明するね」
ポケットから一本、骨付きチキンが取り出された。
勿論、宿儺の指なのだが、どうしてもその印象が離れない。
「これは君が食べた呪物と同じモノだ。全部で二十本。ウチではその内の四本を保有している」
「二十本?・・・ああ、手足で?」
「いや、宿儺には腕が四本あるんだ」
「え?そうなの?」
アインズが外に顕現しているときに宿儺と相対したが、そんなに腕が生えているようには見えなかった。
(でも、よく考えたらアイツ俺と同じ顔してるし、受肉・・・だっけ?してるからなのかな?)
ペットは主人によく似るというだろう。
誰がペットだ、というツッコミが聞こえた気がしたが、今は無視する。
五条が指を壁に向けて投げる。
そして飛ばした指に広げた腕を向けると・・・。
「!!」
指を中心に壁にクレーターが作られた。
その衝撃で壁に付いていた札が散るが、指は無傷の状態で壁に残っていた。
「見ての通り、これは壊せない。それだけ強力な呪いなんだ」
立ち上がり、壁に減り込んだ指を取り外す。
「日に日に呪いは強まってるし、現存の術師じゃ封印が追い付いていない」
片手で遊んでいた指を、空中でパシッとキャッチすると、その指の先を虎杖に向けた。
「そこで君だ。君が死ねば、中の
虎杖は言わば、宿儺を受け入れる受け皿だ。
その受け皿を壊せば、中の呪いも霧散する、ということだろう。
「でも、それだとアインズさんは?」
「アインズ・・・ああ、アレね。言っちゃ悪いけど、アレは宿儺よりもヤバいよ」
「そうなの?」
「そうなの。ぶっちゃけ、僕でも勝てるかどうか分からないレベル」
実際、五条がアインズに宿儺を殺す話を持ち出したのは、アインズと対立する立場になりたくなかったからだ。
「ま、彼は宿儺と友達らしいし、それがなくても超危険人物であることには変わりない。上の老人共が言う通り、ここで君を殺しちゃったほうが楽なんだろうけどね。でも、そんなの勿体ないでしょ?」
笑いながら五条は言う。
「勿体ない?」
「宿儺に耐えうる器なんて、今後現れる保証はない。だからこう提言したんだ」
『どうせ殺すなら、全ての宿儺を取り込ませてから殺せばいい』
「ってね。上は了承したよ」
そこでようやく、五条は椅子の向きを正して前に座った。
「君には今、二つの選択肢がある」
「今すぐ死ぬか、全ての宿儺を取り込んで死ぬか」
五条は目隠し越しに、虎杖に迫る。
「好きな方を選んでよ」
虎杖は暫く口を開くことができなかった。
そして、数分の時が経ち・・・。
「・・・俺は・・・」
◇■◇■◇
病院で二人と話し、そして火葬場へと向かう。
祖父を見送った後、外に出ると、そこには五条がいた。
「今日葬式だったんだ。・・・亡くなったのは?」
「爺ちゃん。でも親みたいなもんかな?」
母親のことは覚えてないし、父親のこともうっすらとしか覚えてない。
正直、祖父という印象よりも、親という印象の方が強い。
「そっか。すまないねそんな時に」
しばらく、五条は黙る。
いつもはお調子者の五条だが、流石に人のアレコレに突っ込むほど空気が読めない男ではない。
「・・・で、どうするかは決まった?」
虎杖の心が落ち着いたかを確認するためにも声を掛けた。
あの時、虎杖は「少し考える時間が欲しい」と五条に告げた。
考える時間というよりかは、別れの挨拶をしたかっただけなのだが。
「・・・こういうさ、呪いの被害って結構あんの?」
「うーん、今回はかなり特殊なケースだけど、被害の規模だけで言えばザラにあるかな?呪いに遭遇して普通に死ねたら御の字。ぐちゃぐちゃになっても死体が見つかればまだマシってもんだ」
つまり、生き残った佐々木達は本当に奇跡なのだろう。
「宿儺の捜索をするとなればもっと凄惨な現場を見ることもあるだろうし、君がそうならないとは言ってやれない」
好きな地獄を選んでよ、と軽いノリで言われた。
ここに来る前の病院では、佐々木が泣きながら「私のせいなんだ」と言っていた。
井口は意識がない状態で、病院で眠っていた。
伏黒は大けがを負い、今はどんな状況かもわからない。
この三人以外よりも、世界には悲惨な目に遭っている人がいる。
祖父の言葉が、まるで彼らを擁護するように響いた。
「・・・けろ・・・か」
「ん?なんか言った?」
思わず独り言が漏れていたようで、虎杖は何でもないと言った。
「あのさ、宿儺が全部消えたら、呪いに殺される人も少しは消えるかな?」
「勿論」
「・・・あの指、まだある?」
五条はポケットに収められていた宿儺の指を、虎杖に差し出した。
それを受け取ると、日光にかざす様にしてまじまじと見つめた。
「改めて見ると、気色悪いなあ。特に骨の部分」
「そう?骨の部分普通にかっこよくない?アモング〇スのイン〇スターにやられたクルーみたいで」
「それ、カッコいいって言うの?というか、どっちかというと骨付きチキンじゃない?」
「蝋で出来た骨付きチキンか・・・メッチャまずそうだね。コレを自分から食べる人がいたら、ソイツのこと一生軽蔑するかも」
「・・・食べる?」
「丁重にお断りする」
「だよね」
そんなことを言いつつ、口の中にポロっと投げ入れた。
咀嚼することなく、そのまま勢いに乗せて飲み込んだ。
ゴクンッ
(さて二本目・・・十分の一だが)
虎杖の体に文様が浮かびだす。
あの時の、宿儺の威圧感が解き放たれ、辺りの空気を揺らした。
『クッククッ』
(どうなる?)
『まッッッッず、笑えてくるわっ」
浮かんだ文様が消え、ケロッとした顔で戻ってきた。
(確定だね。肉体だけじゃない。宿儺相手になんなく自我を保てる)
(虎杖悠仁は千年生まれてこなかった逸材だ)
思わず笑みを零す五条。
「どったの?」
「いや、なんでもない。「覚悟が出来た」ってことでいいのかな?」
「・・・・・・全然」
あら意外、と驚いた顔をする。
「なんで俺が死刑なんだって思ってるよ。でも呪いは放っておけねえ。本当に面倒くせえ遺言だよ」
「それは、お爺ちゃんの遺言?」
「そ。・・・宿儺は全部喰ってやる。後は知らん。自分の死に様はもう決まってんだわ」
つくづく面倒くさい遺言だと思う。
でも、生き様でも、死に様でも、後悔はしたくない。
アハハ、と能天気な笑いを五条が起こした。
「いいね、君みたいなのは嫌いじゃない」
そう言うと、重そうな腰を持ち上げて背を伸ばした。
「楽しい地獄になりそうだ。今日中に荷物まとめておいて」
「え?」
そういえば、どこに行くのかはまだ聞いていなかった気がする。
「どっかいくの?」
「東京」
すると、後ろから聞き覚えのある声がした。
「伏黒!!!元気そうじゃん!!!」
「この包帯見てそう思うか?」
頭に軽い包帯を巻いているだけで、別に大したケガを負っているようには見えないが。
しかし、元気でないというのであれば、元気がないのだろう。
「で、どこ行くの?」
「お前は俺と同じ、呪術師の学校に転入するんだ」
「そう、東京都立呪術高等専門学校。ちなみに一年生は君含めて三人目ね」
横から入った五条が言葉を挟む。
「少なッ!!!」
「お!『宿儺』だけに、『少なッ!!』てか!上手いねぇアハハハハ!!」
虎杖と伏黒の五条に対する好感度が100下がった。
◇■◇■◇
『・・・鬱陶しい顔だな』
光の反射により、ワインボトルに自分の顔が映った宿儺は舌打ちをする。
「そうか?私としては似合っていると思うぞ」
高校生が酒を飲んでいるという絵面を除けばだが、と心の中で呟く。
宿儺のこれまで霧で隠されていた体は、受肉後に虎杖の体と同じものに変わっていた、
着ているモノや体の文様などから別人にこそ見えるものの、しかしその絵面だけは危険極まりないものだった。
『似合っている似合っていないの問題ではない!全く忌々しい!!』
思わず投げようとしたワインボトルをギリギリで止めると、それを丁寧に床に置いた。
あくまでこの領域内を汚したくはないのだろう。
(まあ、地面に散乱するコレを見たら、全然綺麗じゃないんだけどね)
地面に広がる、無数の空瓶と酒樽。
これは全て宿儺が飲み干した酒だ。
特に、あの五条という男にコテンパンにされた後の宿儺は荒れに荒れていた。
「気持ちは分からんでもないが、そうやって怒鳴るのはみっともないぞ」
『鏡の前で叫んでいた貴様にだけは言われたくはないがな』
「痛いところを突いてくるな・・・」
宿儺が言っているのは、死の騎士を見た時のアインズのことだろう。
(あの時はたしかにみっともなかったなー。大の大人が叫んじゃって。うわ、なんだか恥ずかしくなっちゃった)
精神安定が働いたことで、なんとか意識を保った。
「・・・たしかに、相手に対する激情・鬱憤を晴らすことは決して悪いことではない。だが、それよりもすべきなのは、次へと繋がる一手を考えることだ。例えば相手に攻撃が当たらないのは何故か、相手が高速で移動したのは何故か等々。相手が行った行動の『何故か』を考えるのは、鬱憤を晴らすよりも成長に繋がる」
『・・・』
「・・・とはいえ、君の性格上、こういうことをやらないことは重々理解しているがな」
『分かっているではないか』
「君とどれだけ過ごしてきたと思っているんだ?・・・とにかく私が言いたいのは、『あまり感情を爆発させるより、冷静になって周りを見た方がいい』ということだけだ」
フッと宿儺は笑う。
(霧がかかってた頃、受肉する前は表情が見れなかったからなぁ。そう考えると、やっぱり受肉して良かったな)
『俺も大人げなかったか。すまないなアインズ』
「気にするな。私も熱く語り過ぎた。さて、心が落ち着いたところで、外でも見ようじゃないか。・・・そういえば今頃、虎杖は呪術の学校に入学するためのテストでもしてるんじゃなかったか?」
『そうだな。どれ、奴らの会話の途中に額から喋ってやろうか』
「それはいいな。では私は頬から喋ってやろう」
二人の大喜利のような会話は、しばらく続くのだった。
ちなみに、そのアホみたいな会話をしている間に虎杖が呪術高専へ入学したことを、アインズと宿儺は後になって知った。
オリジナル設定・・・
1.五条とアインズの強さ
正直な話、アインズの方が強いと思います。死とか嘆きの妖精の絶叫とか現断とかで普通にやられそうな感じがしちゃう。
ただ、無量空処とかを考えるとワンチャン五条にも勝機はありそう。
今後五条とアインズが戦う機会があれば、即死とかどうするかはその時に考えます。
2.高専が保有してる指の数
ちなみに打ち間違いじゃないです。
3.アモ〇グアス
ちなみに五条は雪山人狼派です。知らんけど。
4.入学試験
デジャブな感じになっちゃうのでここはスルー。
5.一年生の数。
正直、ここの数を四人とかにしてハムスケらへんを追加したかったけど、それだと今後のストーリー考えるのがめんどくさかったんで辞めときました。
ちなみに京都府立呪術高等専門学校の三年は四人います。
これが何を意味するかは秘密です。
てなわけで第六話です。
次回は勿論、紅一点が襲来します。