薄暗い森の中、大きな音とともに火花が飛び散る。
「ぐっ‼︎」「きゃあッ‼︎」
「ウォズ!ツクヨミ!」
「ジオウ!よそ見をしてる場合か!ぐぁッ!」
ディケイドはライドブッカーで放たれた攻撃を防いだ。しかし勢いは殺しきれてない。
ジオウ、ゲイツ、ウォズ、ツクヨミ、ディケイド、ディエンドが戦っているのは、蛇だった。
大きな黒い蛇。それ以外に表しようのない化け物だった。
ディケイドが蛇の攻撃を避けて隙を作る。その先にはディエンドがディエンドライバーを、ゲイツがジカンザックスを構えていた。
『ファイナルアタックライド ディ・ディ・ディエンド!』
『フィニッシュタイム! ゲイツ!ギワギワシュート!』
「「はぁぁぁぁぁッ‼︎」」
エネルギーが束となって蛇に直撃する。しかし蛇はそのダメージを物ともせず、体をよじって終わらせた。
「シュ──────ッ」
蛇はチロチロッと舌を出して威嚇している。
「効かない、だと………な、何なんだコイツ………」
「ゲイツ、海東 大樹!退がって!」
ツクヨミの号令で二人はそれぞれ横に退がる。
『ジオウサイキョー! 魔王斬り!』
『ファイナルアタックライド ディ・ディ・ディケイド!』
『フィニッシュタイム! タイムジャック!』
『ビヨンドザタイム! タイムエクスプロージョン!』
「「やあぁぁぁぁッ‼︎」」
「「はあぁぁぁぁッ‼︎」」
四人の必殺技が蛇に集中した。しかし蛇は尻尾で四人を弾き返した。傷も見られない。
「ぐあぁぁッ‼︎」
四人は大木に叩きつけられた。ウォズがジオウに手を伸ばす。
「我が魔王、ご無事ですか⁉︎」
「何とか、ね………」
ジオウは立ち上がると武器を構える。それと同時に蛇は尻尾を振ってジオウ達に攻撃してくる。
「ぐぁッ‼︎………こ、これは………想像以上に厄介な相手だね」
海東は立ち上がると次の攻撃を転がるようにして避けた。連射するディエンドライバーも気休め程度にしかなっていない。
「これが時を超えて蘇った………悪魔の力」
「う〜ん………よし」
神山 飛羽真はひたすら机に向かって小説『剣に生きる道』を書いている。
世界が救われて一年と少し。平和な日々を取り戻した飛羽真は今日も物語を生み続けていた。
「さてと、もう少し………ん?」
飛羽真が顔を上げると、いきなり目の前に一振りの剣が現れた。
「火炎剣 烈火?還したはずなのに、何でここに………?」
烈火を手に取ると、それに続くように天井から何かが落ちてきた。それは銀色の紙だった。
「何だこれ?紙………というか、チケット?」
飛羽真がそれを手にした瞬間、辺りが眩い光に包まれて思わず目を瞑った。
「─────ッ‼︎………な、何なんだ?」
目を開けるとそこは真っ白な空間だ。どことなく神殿のようにも見える。
「なぁッ⁉︎ どこだここは⁉︎」
自分の周りにはたくさんの人がいた。みんなも自分と同じで連れて来られたのか、辺りをキョロキョロしている。
『やぁやぁ仮面ライダーのみんな!」
その時何もないはずの上空に人の映像が映し出された。
映し出されたのは二十代くらいの若い少女の姿だ。少し明るめの緑の服に赤い上着を着て、髪はショートカット。手にはワンドのようなものが握られている。
『私はレト。ここ惑星ケールの守護者だよ。よろしく!』
いきなり現れた映像にみんなの視線が集まった。そしてここが地球外な事に驚く。
『さて、みんなチケットは受け取ってくれたよね?それはこれからここで行われるバトルの招待状さ』
あの銀色の紙のことだろう。あれを手にした人がここに来た、という事だ。しかも話からすればここにいるのはみんな仮面ライダーだ。
『題して『仮面ライダー最強バトル』だよ!」
なるほど、それだけでもこれからどんなことがあるのか、大まかに予想は出来た。
『ルールは簡単!ここにいるみんなが五人一チームとなってトーナメント形式でバトルを繰り広げるよ!勝ったチームにはこれ!』
そう言ってレトが手を掲げると、そこに大きな光る石が一つ落ちてきた。
『各バトルフィールドにあるこの石が勝者の証だよ!これを全て集めてできる『ステンノークリスタル』はどんな願いも一つ叶えてくれる、この星に眠る宇宙の奇跡だ!』
その石は眩い光を放ち続けている。バトルに勝てばこれが景品という事だろう。
何ともおかしな話だが、こうしてよく分からない所に連れて来られてる手前、馬鹿には出来ない。
『説明は以上!細かい事は後でするね!それでは、みんなを各チームの待機部屋へと転送するよ!」
そう言うとその空間一帯が眩い光に包まれた。
「んっ………ここ、は………?」
野上 良太郎は光が収まると、ゆっくりと目を開けた。
そこは大きなソファーとテレビが目立つ、割と普通の部屋だった。ここが待機部屋なのだろう。
〈おい良太郎、何ともねぇか?〉
「うん、大丈夫だよ。モモタロス達こそ大丈夫?」
自分の内側から聞こえてきた声に良太郎は応えた。彼の中にいる四体のイマジンの声に。
〈おぅ、俺達も問題ねぇよ〉
〈ここがさっきの人が言ってた、待機部屋?〉
〈何や、思ったよりも普通やないか〉
〈えぇ〜、つまんないのぉ〉
こんな時でもブレないイマジン達に良太郎は苦笑した。
「このメンツでチーム、って事かな」
すると後ろから男の声が聞こえてきた。良太郎は思わず振り返る。
そこには四人の人が部屋を見渡していた。
「ふーん、にしてもいきなりだよなぁ」
そう言うのは眼鏡をかけた男だった。クイっと眼鏡を直してみんなを見渡す。
「うわぁ、やっぱり見た事無い人達ばっかりだ」
その隣にいたのは良太郎より少し歳上っぽい男だ。チェックの服にショルダーバッグをかけている。この状況に戸惑ってるようだ。
「外部との通信が出来ない………どこか特殊な空間のようですね」
良太郎の真後ろにいたのは中性的な顔の女性だ。大きめのコートを着て、耳には変わった形のヘッドフォンのようなものをつけている。
「なるほど、これは………」
その女性の後ろにいたのは、この中で一番目立つ男だ。変わった服装でグレーの大きめのマフラーを身につけて、手には厚い本が握られている。
「え、えっと………この五人が同じチーム、って事でいいんですかね?」
「そういう事だと思うよ、野上 良太郎君」
良太郎の問いに本を持った男が答えた。
「え?何で僕の名前を………」
「おっと、失礼。忘れてくれ」
〈おい良太郎、知り合いか?〉
体の中からモモタロスが尋ねてくるが、こんな人見たことすらない。
「とりあえずみんな色々言いたいことはあるかもだけど、自己紹介から、って事にしない?」
眼鏡の男の提案にみんな賛成だった。それぞれがソファーの周りに集まる。
「まずは俺から。俺は仮面ライダーグリドン、城之内 秀保だ」
「俺は仮面ライダーレンゲルの上条 睦月」
「仮面ライダー電王の野上 良太郎です。よろしく」
「仮面ライダー亡、亡です」
「ウォズ、仮面ライダーウォズだ。よろしく」
一通り自己紹介を終えると、良太郎はホッと息を吐いた。なんだか妙に疲れる。
しかし女性がいるのか。ちょっと不安な気がした。何故なら………
「ねぇ、君」
自分の口が無意識に動いた。口調からしてウラタロスだろう。
前触れもなく体を使い始めたウラタロスは、そのまま亡に向かっていく。馴れ馴れしく亡の肩に手を置いた。
「これからしばらくは同じチームだね。よろしく。まぁ僕は君とはもっと深い関係になりたいんだけど」
こうなるからである。いつもの事すぎて良太郎は心の中でため息をついた。
いきなり肩に触られた亡はビクッと驚いた。周りは良太郎を見て若干引いている。
まぁいきなりナンパし始めればこうもなるだろう。けど事情を知らないとはいえちょっと傷つく。
「そのヘッドフォン外さない?僕の声、ちゃんと聞いてほしいな」
「これは、外せません。私の一部です」
亡が引き気味に答える。
「ん?どういう事かな?」
「私は人間ではありません。ヒューマギア、人工知能です」
その言葉にウォズを除いたみんなが目を見開いた。
そう言って亡は良太郎の手を肩から離した。その手はどこか冷たく感じられた。
「え?という事は………ロボット?」
「はい」
まさか人工知能が仮面ライダーになるとは。世界は広いものだ。
「そうか………でも、僕はたとえ君がロボットでも構わないな。もっと深い関係に………」
どうやらウラタロスはナンパをやめるつもりはないようだ。そろそろ止めないと。そう思った時
「おい亀公!いい加減にしろ!」
部屋の中に叫び声が響き渡った。誰の声だろうか。他ならぬ良太郎の声である。
ウラタロスのナンパに見兼ねたモモタロスが出てきてしまった。
「お前いつもいつもナンパばっかしやがって!………ただのコミュニケーションだよ。女の子と仲良くなるための………ただ口説きたいだけだろ!」
いきなり性格の変わった良太郎にみんな驚いている。
〈ちょっと二人とも。みんな驚いてるからやめてって!〉
良太郎は何とか二人を引っ込めた。自分の性格に戻ると一息ついた。
「お、お前………大丈夫か?」
城之内が心配そうに覗き込んでくる。ハタから見たら不審人物以外の何者でも無いだろう。
「だ、大丈夫です。よくある事ですから。みんな、一旦出てきてよ」
良太郎がそう言うと、良太郎の体から四つの光が出て具現化していく。
「くぅーっ!やっぱりこっちの方が楽でいいね!」
リュウタロスが大きく伸びをした。
赤、青、黄、紫の怪物達にみんなが後ずさる。いや、ウォズは落ち着いている。
どうやらここでも人型でいる事は出来るみたいだ。
「な、何ですかこれ⁉︎」
「えっと………僕の中にいる人達、かな。モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスです」
「中にって………えぇ………」
さすがは仮面ライダーと言ったところか、驚きはしても怯えはしていない。
「んだよ、文句あんのか?」
「いや、うーん、まぁいいか」
睦月はモモタロスから目を逸らして頷く。
こうして半ば強引ではあるが納得してもらい、一通りの自己紹介を終えた。
その時ソファーの前のテレビが光って映像が映し出される。そこにいたのはあの主催者だ。
『やぁやぁ、みんな!自己紹介は終わったかな?今回のチームはそれぞれ共通点を用いてチームを編成してるよ』
「共通点?って事は、このメンバーに共通点があんの?」
城之内は嫌そうに周りを見渡す。主に目の前にいるイマジンズに。まぁこれは編成には関係無さそうだけど。
『君達は………『余り者チーム』だよ!』
『………は?』
とても共通点とは言え無さそうな名前にみんなが首を傾げる。
『色々とチーム編成してたら君達だけ余っちゃったんだよ!だからこれで一つのチームでいいや!ってね』
「ふざけんな!何で俺が余り者なんだよ!」
「何や随分と雑なチーム分けやなぁ」
みんなキンタロスの言葉に賛成だった。仕方ないかもしれないけどそれでいいのか。
『というわけで、これから初戦が始まるよ。まずは一対一のシングルバトル!君達はCブロックで、チームの中から出場する人を選んでね!あ、それと野上 良太郎君、出場する時はイマジンは体の中に入れといてね』
そう言うと映像がプツンと切れた。
「何だこれ?」
「まぁ言いたい事はあるにせよ、とりあえずまずは初戦だ。誰が出るんだい?」
ウォズの言葉にみんなが顔を見合わせる。というか事態がハイスピードすぎて整理する時間もない。
「んなの決まってんだろ!行くぞ良太郎!」
モモタロスはそう言うと光となって良太郎の中に入った。雰囲気の変わった良太郎が首をコキコキと鳴らす。
「ちょっと先輩。行くなら僕達だって」
M良太郎は扉を見つけると飛び出した。後を追うようにして残りのイマジン達も光となって良太郎の中に入る。それと同時に姿が見えなくなった。
「ちょっ!そんな勝手に………」
「大丈夫なんでしょうか?」
「見てるしかないんじゃない。やられたらそれまでだろ」
いきなりすぎるモモタロスの行動にみんながため息を吐く。
「やれやれ、相変わらずだね」
ウォズは小さく呟くと持っている本を開いた。
「ここがバトルフィールドってわけか。にしても、ここが地球じゃねぇなんて、未だに信じらんねぇぜ」
M良太郎は扉をくぐり抜けた先、まるで廃工場のような景色を不思議そうに見渡した。
〈でもここが普通じゃないのは確かかな。さっきからオーナー達と連絡取れないし〉
すると廃工場の天井の奥に光り輝く石が浮かんでいた。
〈あれがステンノークリスタルの欠片かな?願いを叶えるっていう〉
「なるほどなぁ………まぁ、俺はカッコよく戦えるんならどうでもいいけどな」
〈はぁ、相変わらずお前はそればっかりやな〉
〈馬鹿じゃないの〉
「うるせぇ!」
〈ん?先輩、誰か人来たよ〉
言い争っているとウラタロスが声をかけた。誰かが廃工場に入ってきた。
「お!あれが俺とやり合うヤツか?」
やって来たのはハットを被った青年だった。胸元にペンを提げている。
「あぁ‼︎お前、たしか………神山飛羽真!」
モモタロスが憑依したM良太郎が思わず叫んだ、
「君は………誰?」
「おぉい‼︎俺だよ俺!モモタロスだよ!前に一緒に戦ったじゃねぇか!」
「え?あぁ!あの時の介人と一緒にいた!あれ?でも鬼じゃない?」
「俺は鬼じゃねぇよ!」
〈似たようなもんやろ〉
「うるせぇ‼︎」
まるで独り言のように叫び出した良太郎に、飛羽真は首を傾げる。
〈モモタロス、知り合いなの?〉
「まぁな。やっぱお前も来てたんだな」
「あぁ。ここはお互い、正々堂々と戦おう」
「へっ!当たり前だぜ!」
『炎チームから仮面ライダーセイバー 神山 飛羽真
余り者チームから仮面ライダー電王 野上 良太郎』
アナウンスが鳴り響くと同時に、二人は対峙した。
「物語の結末は、俺が決める!」
飛羽真が聖剣ソードライバーを装着した。ブレイブドラゴンのワンダーランドブックを取り出す。
『ブレイブドラゴン かつて全てを滅ぼすほどの偉大なる力を持った神獣がいた』
ブックをドライバーに差し込むと火炎剣烈火を力強く引き抜く。
「変身!」
『烈火抜刀! ブレイブドラゴン 烈火一冊 勇気の剣と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!』
赤いドラゴンが身を包み炎の十字が顔に刻まれて、仮面ライダーセイバーはその姿を現した。
「よっしゃ!やるぞ良太郎!」
〈うん〉
良太郎はベルトを腰に巻いて、赤いボタンを押す。ライダーパスを構える。
「変身!」
『ソードフォーム』
パスをベルトに当ると、プラットフォームから赤いアーマーが装着された。
「俺、参上!」
仮面ライダー電王 ソードフォームがデンガッシャーを剣へと変形させる。
二人はそれぞれ武器を手にジリッと構える。
『バトル、スタート‼︎』
「はあぁぁぁぁぁぁッ‼︎」
「行くぜ行くぜ行くぜぇッ‼︎」
開始の合図とともに二人は走り出すと、剣で斬り結んだ。激しい火花が飛び散る。
「ぐっ!………オラァッ‼︎」
電王が剣を受け流すと、勢いよく振り下ろす。セイバーがそれを受け止めて跳ね返した。
「ふっ!はぁッ‼︎」
そのまま睨み合いながら廃工場の奥へと駆けていくと、再び剣を交えて火花を散らした。
「やぁッ‼︎」
電王が力で押し切り、セイバーに横凪を喰らわせる。
セイバーの振るった剣を電王が押し返し、電王が繰り出した剣をセイバーが力強く切り結んで止める。
お互い一歩も譲らず、剣を振るいぶつけ合う。
炎チームの名に違わず、セイバーの聖剣は炎に包まれていて、振われて受け止めるたびに強い熱気が衝撃と共に襲ってくる。
電王はその熱気に押されながらも、それを力技で押し切り攻撃を繰り出す。
「ぐあっ⁉︎ それなら」
『ストームイーグル』
セイバーは体勢を立て直すと、ストームイーグルのブックを取り出した。それを剣先に当てる。
『ストームイーグル ふむふむ 習得一閃』
「やぁッ‼︎」
セイバーが剣を振るうと炎の鷲が現れて電王に襲いかかる。それは縦横無尽に飛び回り懐に飛び込んできた。
「ぐはぁッ⁉︎ このッ!ピヨピヨ飛び回りやがって!このヒヨコが!」
〈ストームイーグル言うとったやろ。どう考えても鷲やないか〉
キンタロスのツッコミに返す余裕もない。
後ろに大きく吹き飛ばされてドラム缶に突っ込んだ電王が、悪態をつく。
「もう一つ!」
『西遊ジャーニー』
『西遊ジャーニー ふむふむ 習得二閃』
今度は觔斗雲のようなものが現れて電王を包み込んだ。それは電王を浮かび上がらせる。
「ぐっ! んだよこれ⁉︎ぐぁッ⁉︎」
雲が電王を廃工場の壁に叩きつけた。そのタイミングでセイバーが剣を振るう。
「はぁっ!」
「ッ!………このッ、オラァッ‼︎」
電王は何とかデンガッシャーで攻撃を受け止めると、力任せに押し返した。
何とか反撃出来ているが、攻撃のクセが強すぎて先が読めない。
〈モモタロス。すっごい負けてるし、ボクが変わろうか?〉
「いらねぇよ!へへっ、これくらい骨が無きゃ、暴れる価値もねぇ‼︎」
電王は再び向かってきた炎の鷲を跳び上がって避けると、剣で切り落とした。
それからは二人はひたすら剣を交えた。激しく火花を散らしながら、相手を攻めていく。
「ッ‼︎ これで終わりだ!」
セイバーは斬り結んでいた状態から間合いを取った。そして火炎剣烈火をベルトに納める。
『必殺読破』
剣のトリガーを押して再び抜刀した。
『烈火抜刀 ドラゴン一冊斬り ファイヤー!』
「火炎十字斬!」
「面白れぇ、ならこっちも!」
電王がライダーパスをベルトに当てる。
『フルチャージ』
「必殺。俺の必殺技、パート2ダッシュ!」
デンガッシャーの刃が赤く光る。電王がライダーパスを放り投げた。
「はぁッ‼︎」
セイバーが剣を振るうと、十字の火炎が烈火から放たれた。
それと同時に電王がデンガッシャーを構えて走り出す。放たれた十字の火炎を真っ向から受け止める。
あまりのエネルギーに体が仰け反りそうになりながら、電王はこの攻撃に耐えた。
「ぐっ‼︎あっちぃ‼︎」
迫っている炎に吹き飛ばされるかと思いきや、そのエネルギーすらも振り切るように駆け出した。
「この程度………どうって事ねぇ‼︎」
その炎を掻き消すように電王は剣を振るった。そしてセイバーへと走って行くと剣を横に振るう。
「くっ!」
セイバーは咄嗟にそれを剣で防いだ。どちらも退く事なく押し斬ろうとする。
「ぐっ!………やりますね!」
「お前もな!けど………こっちはまだ、必殺技を出してないぜ!」
電王の握るデンガッシャーの剣先はまだ赤く光ったままだ。強くデンガッシャーを握り、烈火の軌道を逸らす。
激しく火花が散って、薄暗い廃工場の中を照らす。それは二人の戦いの激しさを物語っていた。
「オラァッ‼︎」
デンガッシャーを振り上げて力強く振り下ろす。それはセイバーに大きなダメージを与えた。
「ぐあぁぁッ‼︎」
大きく吹き飛ばされたセイバーの変身が解除される。
「ぐっ!………俺の負け、か」
『勝者 余り者チーム 仮面ライダー電王』
アナウンスが流れると、電王も変身を解除した。
「よっしゃあ!」
モモタロスが憑依したままの良太郎がガッツポーズを掲げる。
「おらよ、飛羽真」
「ありがとう」
飛羽真は良太郎の手を取ると立ち上がった。
「そういえば、君は優勝したら何を願うつもりなんだ?」
ズレた帽子を直しながら飛羽真が良太郎に尋ねた。
「あ?そうだなぁ………まだ決めてねぇよ。そういうお前は?」
「俺は………いや、言わないでおくよ」
「へっ、そうかよ」
そう言って二人は拳を突き合わせて笑った。
「さぁ、掴んでよ。君の物語を」
「おぅ!」
良太郎は跳び上がると、浮かんでいるステンノークリスタルの欠片が落ちてきて手元に来た。
それと同時に目の前が眩い光に包まれる。
目を開けると、そこは待機部屋だった。どうやら試合が終わるとここに戻れるみたいだ。
そこでは待機していた他のみんながテレビを眺めていた。
「よぅ!軽く勝ち抜いてきてやったぜ」
「お疲れ様です。いい戦いだったんじゃないですか」
「あ?どういうことだ?俺らの戦い見てたのかよ」
睦月の言葉に良太郎が首を傾げる。
「あなた達や他のチームの戦いは、全てこのテレビで見ることが出来ました。どうやら中継しているようですね」
亡がそう言ってテレビを指差す。そこにはさっきまでのの戦いも映し出されていた。
良太郎の中からイマジン達が出てきた。実体化して大きく伸びをする。さすがにみんなも慣れてきたようだ。
「くぅ〜!やっぱ暴れた後は気持ちいいぜ!そういや良太郎、取った石ころは?」
「あ、うん。持ってるよ」
良太郎が手にある石を見せると、その石が浮かび上がってテレビの上にあった窪みに収まった。
「あれが全部集まれば願いが叶う。何か御伽噺みたいだよねぇ」
「まぁ、今のところはそれを信じるしか無いけどさ」
飾られたクリスタルを見て、ウラタロスと城之内が呟いた。
「っていうか、何か偉そうに話してたけどさ。そもそもモモタロスに決める権利ってあるの〜?」
「あったとしてもさせたらアカンで。どうせしょーもない事しか願わんて」
「お前らの願いよりかはよっぽどマシだっての。どうせ腹一杯メシ食いたいとか動物に囲まれたいとかくだらねぇ事だろ!」
「別にくだらなくないじゃん!」
そんな事を言い合っていると、テレビの画面が切り替わってレトが現れた。
『やぁやぁみんな、初戦突破おめでとう!どこも白熱したバトルだったね!』
どうやら彼女も自分達と戦いを見ていたようだ。
『三十分後に第二試合が始まるよ!今度はニ対ニのダブルバトル!君達はBブロックだから、各チームから二人ずつ参加してね!』
そう言うとレトの姿は消えてさっきまでの画面に戻る。
「………との事ですが」
「おっしゃ!それなら次も俺達が………」
「いや、さっき思いっきりやられてたじゃないですか。連続参加はやめといた方がいいですよ」
意気揚々としているモモタロスに睦月が引き止める。
「んだと⁉︎あれくらいどうって事ねぇ!」
「いや、彼の言う通りだ。これからの事を考えれば、連続での参加はやめといた方がいい。君が良くても良太郎君が保たないだろう」
「くっ!………わぁったよ!」
ウォズの説得にモモタロスは大人しくなった。
「それなら次は………俺が行きますよ」
手を挙げた睦月がとりあえず一人目。もう一人をどうするか。
「それなら亡さん、だっけ?君に頼めないかな?俺こういうのあんまり得意じゃないから」
「私ですか?構いませんが」
城之内にそう言われて亡は頷いた。
「それじゃあ行くか」
「はい」
二人は立ち上がると扉を開けて出て行った。二人の姿があっという間に見えなくなる。
それを見送りながら、城之内はジッとウォズの事を目の端で捉えていた。
炎チーム他メンバー 仮面ライダー龍騎 仮面ライダー響鬼 仮面ライダーギャレン 仮面ライダーウィザード
最後まで読んでいただきありがとうございました。
評価、感想等ありましたら、ぜひよろしくお願いします。