優勝報酬は願いを一つ、何でも叶える事。五人一チームとなってバトルが始まった。
仮面ライダー電王、ウォズ、亡、レンゲル、グリドンのいる『余り者チーム』となって出場することになった。
第一回戦は仮面ライダー電王・野上 良太郎が仮面ライダーセイバー・神山 飛羽真に勝利。
続く第二回戦。戦う相手は赤い刑事と黄色の監察医………おっと、少し先まで読み過ぎました。
睦月と亡は扉の向こう、バトルフィールドに飛ばされた。光が収まり辺りを見渡す。
そこは採石場のような場所だった。周りはゴツゴツとした岩だらけだ。
「ここで戦う、みたいですね」
「そうみたいだね。………ん?」
「どうかしましたか?」
「いや、周りの木が妙に傷ついているような」
睦月が指差した先にある岩は、焦げたような痕がいくつか見られた。
「本当ですね。さっきまでここで他のチームが戦っていたのでしょうか」
「全部が違うフィールドじゃない、ってわけか」
その時睦月が足を止めた。
「あのさ、君ってその………人工知能、なんだよね?」
「そうですが、何か?」
睦月に質問されて、亡は足を止めて答えた。
「その、何のために生み出されたの?やっぱり戦うため、とか?」
「いえ。私は元々、技術者型ヒューマギアです。今はAIMS、特殊部隊の技術顧問をしています」
「そうなの?仮面ライダーだし、てっきり………」
「それは………」
「あぁ、ごめん。言いにくいなら言わなくていいよ。仮面ライダーの経緯なんて、いい事ばかりじゃないもんね」
「? そう、ですか………」
亡の表情を見て睦月は一人で納得したように頷くと、歩みを進めた。
「あ!あれがステンノークリスタルじゃない?」
採石場の奥に光る石が浮かんでいた。あれがステンノークリスタルだろう。
「見たことのない鉱石です。やはりここは地球では無いようですね」
「イマイチ実感湧かないけどね」
二人が周りを確認して一息ついていると、二つの人影が現れた。
「ここが次のバトルフィールドか」
「お!人二人はっけ〜ん。あの人達が俺達の対戦相手って事かな?」
そこにいたのは若い二人の男だった。
一人はアロハシャツを着てサングラスをかけた、ちょっと胡散臭そうな人だ。
もう一人は赤い革ジャンを着たクールそうな人だ。キッチリとした印象があって、首には炎の形のネックレスがある。こっちは割と普通そう。
「えっと………あなた達が対戦相手、ですよね?」
とりあえずまともそうな革ジャンの人に一応尋ねてみる。
「俺に質問をするな」
前言撤回。こっちもこっちでちょっと面倒そうだ。
「まぁまぁそんなに噛みつくなって。せっかく面白そうな事になってるんだしさ」
胡散臭そうな人はサングラスをとると胸ポケットにしまった。
「それにしても驚いたなぁ。まさかロボットが対戦相手とはな」
亡を見て笑った男に睦月達は驚いた。
どうやらかなり洞察力が優れているらしい。亡の些細な人間との違いを見抜いてるみたいだ。
それを合図に、場の空気が少しだけ重くなった。戦いが始まる前の静けさが広がる。
『バイクチーム 仮面ライダーアクセル 照井 竜 仮面ライダーレーザー 九条 貴利矢
余り者チーム 仮面ライダーレンゲル 上条 睦月 仮面ライダー亡 亡』
アナウンスと同時に、竜はアクセルドライバーを、貴利矢はゲーマドライバーを取り出して装着する。
それぞれガイアメモリとライダーガシャットを取り出した。
『アクセル』
『爆走バイク』
「変「ゼロ速 変身」身!」
起動させたアイテムをドライバーに装填して、竜はハンドルを捻り貴利矢はレバーを展開した。
『アクセル!』
『ガシャット ガッチャ! レベルアップ! 爆走 激走 独走 暴走 爆走バイク!』
眩い光と共に二人の仮面ライダーが姿を現した。
赤い装甲を纏い炎を体現したような仮面ライダーアクセル。
黄色と黒のゲームキャラクターのような仮面ライダーレーザーターボ。
二人はエンジンブレードと鎌モードのガシャコンスパローを構える。
「いこう」
「はい」
睦月はレンゲルバックルを取り出して『チェンジスパイダー』のカードを挿入して、バックルを装着し構える。
「変身!」
『オープンアップ』
睦月がバックルのカバーを開いた。オリハルコンエレメントが出現して、睦月の体を通り過ぎる。
亡は滅亡迅雷フォースドライバーを取り出すと装着する。ジャパニーズウルフのゼツメライズキーを取り出して起動する。
『ジャパニーズウルフ』
「変身」
亡はゼツメライズキーを装填しレバーを引く。
『フォースライズ ジャパニーズウルフ! Break Down』
仮面に蜘蛛の体が刻まれた緑と紫の仮面ライダーレンゲルがレンゲルラウザーを構えた。
吹雪を纏ったような灰色の狼、仮面ライダー亡がクローを向けて身構える。
『バトル、スタート!』
「さぁ、振り切るぜ」
「さてと、それじゃあ………ノリノリで行くぜ!」
四人はぶつかるようにして走っていった。接敵すると同時に己の武器を振るった。
「オラァッ!」
「はぁっ!」
「やぁっ!」
「ふっ!」
激しい火花が散って皆間合いをとる。
それと同時にレンゲルは相手の強みを察した。
(素早いな。機動力、それが向こうの強みか)
今の動きを見るからに亡もなかなかの機動力だ。となると自分が足を引っ張ってしまう可能性がある。
(動きを止める、もしくは鈍らせる必要がある)
レンゲルはリーチの長さを生かして、レンゲルラウザーでアクセルとレーザーを分断させた。
「赤い方お願い!」
「分かりました」
エンジンブレードをクローで防ぐと、亡はアクセルをレーザーから離した。
二人で組み合わさって来られたら自分が対応しにくい。それなら分断した方がいい。
それに素早さもある程度リーチで防げるかもしれない。
二人を分断させた亡は、アクセルの攻撃を捌きつつ攻めているが、向こうの攻撃が思いの外力強い。
「はぁっ!」
「くっ!」
車のドラフトのように回転しながら、アクセルが斬りつけてきた。それはクローで防いでもダメージが伝わる。
おそらくエンジンブレードの重さが相当なものなのだろう。それにアクセルの速さも加わり威力が上がっている。
まともに受けていたらダメージはどうしても受けてしまう。
亡は攻撃を捌きながら構造上の向こうの弱点を探る。それが技術者型ヒューマギアとしての自分の強みでもある。
その効果はあるようで、ダメージは与えられている。見つけられた弱点にクローで集中的に攻撃する。
勢いでは劣るものの、攻撃の手数なら負けていない。結果的に多くのダメージを与えた。
「ッ! なるほど、弱点を分析されてる………長期戦は不利になるか」
アクセルはエンジンメモリを取り出した。それをエンジンブレードに装填する。
『エンジン エレクトリック』
「はあぁっ!」
アクセルがエンジンブレードを振るうと同時に、亡に向かって電撃が走ってくる。
「ぐっ!」
予想外の攻撃に怯みながらも、亡は間合いを詰めて攻撃を仕掛ける。
「ほいっ!よっ!よっと!」
「くっ!やぁっ!」
亡とアクセルから少し離れた所で、レンゲルとレーザーは戦っている。
リーチでは明らかにレンゲルが有利だが、素早いレーザーはトリッキーな攻撃が多い。
それに彼の底の読めない性格からして、まだ隠し技があってもおかしくはない。その辺りを見極めなければ。
レーザーはガシャコンスパローを二刀流のように持って、素早く攻撃してくる。
その動きを読みつつレンゲルはレンゲルラウザーを振るった。
レーザーの振るうガシャコンスパローが、レンゲルの僅かな隙を適格に狙ってくる。
それと同時に鋭い蹴りがレンゲルを襲った。その攻撃をレンゲルラウザーを大きく振って払う。
「おっと!………やるじゃん。それなら………」
レーザーが間合いを取ってガシャットを取り出して起動させる。
『シャカリキスポーツ』
「爆速」
ガシャットを装填して再びレバーを展開した。すると黒い自転車が現れてレーザーに武装される。
『レベルアップ! 爆速 独走 激走 暴走 爆走バイク! アッガッチャ! シャキリメチャコギ ホットホット! シャカシャカコギコギ シャキリスポーツ』
やっぱりまだ技を残していた。レンゲルは気を引き締めて構える。
レーザーは武装した自転車の車輪を握りしめた。それをブーメランのようにレンゲルに投げつける。
「ぐあっ!」
何とかレンゲルラウザーで防いだが、それを見越したようにレーザーは二つ目の車輪を投げてくる。
それぞれ別の軌道で放たれる車輪は確実にレンゲルにダメージを与える。
それに加えてレーザーはその素早さで突進して蹴りを放つ。
(車輪とあの人の動き、同時に止めないと………よし!)
レンゲルはベルトのカードホルダーから『ブリザードポーラー』を取り出して、レンゲルラウザーでラウズした。
『ブリザード』
「はぁっ!」
レンゲルはレンゲルラウザーを振るった。猛吹雪が吹き荒れて、車輪を飲み込んだ。
車輪は凍りついて動きを止めて、さらに吹雪はレーザーを襲う。
「ちょッ、嘘だろ!」
レーザーは慌てて飛び上がるが、足に吹雪が絡み凍りついた。
これでももう彼は攻撃手段は無いはずだ。レーザーにレンゲルラウザーを向ける。
「マジかぁ………こりゃお手上げだな」
レーザーは軽く手を挙げた。どうやらこっちは片付いたようだ。
「よし、それなら亡さんの加勢を、ぐはぁッ⁉︎」
レーザーから目を離したその瞬間、背後から強烈な衝撃が襲ってきた。レンゲルはその場に倒れる。
振り返ると、凍りついたはずのレーザーの足は元通りに動けている。
そしてその手に握られているガシャコンスパローは、形状がさっきまでと違う。
二つの鎌だったそれは一つに繋がり、まるで弓矢のようだった。それで氷を破壊したのだろう。
「あれぇ、ノせられちゃった?」
ハメられた。やられたフリをしていたとは。このために飛び攻撃を隠していたのか。
急いで体を起こして応戦する。放たれる光線を避けながら亡と合流する形となってしまった。
「大丈夫ですか?」
「何とか、くっ!」
不意打ちのダメージは思ったよりも深い。
「照井!あんまり長引かせると面倒だ。一気にやるぞ」
「あぁ!」
レーザーはレバーを畳んで『シャカリキスポーツ』のガシャットを引き抜いた。
アクセルはベルトのバックルを取り外した。
「二速!」
「はぁっ!」
『レベルアップ! 爆速 独走 激走 暴走 爆走バイク!』
すると二人は大きく飛び上がった。その姿が変わっていき、力強く着地する。
「なぁッ⁉︎」
「これは………!」
着地した二人の姿を見て、レンゲルと亡は驚いた。
そこにいたのは赤と黄色の二人の仮面ライダー………が変形したバイクだった。
「名人がいないからちょっと心配だけど、トばすぜ!」
「何だあれ⁉︎」
「あのような形態を持つ仮面ライダー、という事でしょうか」
目の前にいる二人の仮面ライダー………のはずの二台のバイクに、二人は驚いた。
「さぁ、覚悟しろ」
アクセルとレーザーの車輪が勢いよく回転し始める。エンジン音をふかしながら猛突進してくる。
あまりの速さに二人は避ける事が出来ずに、真正面から突進を受けてしまう。
「ぐっ!ぐはぁッ‼︎」
「ぐあぁぁッ‼︎」
大きく後ろに吹き飛ばされた。その威力から見た目だけの力ではないと分かる。
「ふぅ、やっぱり一人だと上手く乗り切れないな」
「油断するな、行くぞ!」
「あいよ!」
アクセルとレーザーは止まる事なく追いかけてくる。
「まともに受けると危険です!避けるか防ぐかしないと」
「それなら………よし!」
レンゲルはカードホルダーからニ枚ラウズカードを取り出すと、レンゲルラウザーにラウズした。
『スクリュー』『ラッシュ』『スクリューラッシュ』
「はぁっ‼︎」
レンゲルラウザーを握ると、レンゲルは素早く回転した。そのまま跳び上がり、アクセルに突っ込んでいく。
大きな音が鳴り響き、アクセルとレンゲルがぶつかり合う。
「くっ!………なるほどな。しかし」
アクセルが握ったドライバーのハンドルを捻った。アクセルの馬力が高まって、レンゲルが押し返された。
「睦月!」
亡は走ってレンゲルを受け止めた。それと同時に走ってきたレーザーを避ける。
アクセル達は素早い走行で二人を追い詰める。人の乗っていないバイクに追い詰められる、何とも奇妙な絵面だ。
「ぐっ!………力技は無理があるか」
「避けながら隙を見つけるしかありませんね。せめて遠距離から攻撃出来れば………」
「遠距離………分かった、俺が隙を作るから任せたよ」
「? 何をするつもりですか?」
「それは………悪い、言ってる暇が無い!」
二人が前を向くとアクセルとレーザーが勢いよく突っ込んできていた。
レンゲルはそれを何とか避けると、二枚のラウズカードを取り出した。その内一枚をラウズする。
『リモート』
ラウズしたクラブのカテゴリー10『リモートテイピア』から伸びる紫色の光の先に、もう一枚のラウズカードを投げた。
それはクラブのカテゴリー2『スタップビー』のカードだ。
リモートの効果を受けて、カードから怪人が飛び出してくる。
蜂の始祖、ビーアンデットだ。
「行け!」
「ガァァッ!」
ビーアンデットは翅を広げて空へ飛ぶとレーザーの頭上に飛来する。
「はぁッ⁉︎ 何あれ⁉︎」
レーザーの問いに答えることもなく、ビーアンデットの尻から太くて鋭い針が連続して発射された。
「ちょ、危なッ‼︎おい!助け、うおッ!」
レーザーは蛇行しながら何とか針を避けていた。そのままアクセルの方へと走る。
「九条!何だあれは?」
空に浮かぶビーアンデットにアクセルは動きを止めた。
その隙を突いて、レンゲルはレンゲルラウザーを振るった。それはアクセルに大きく斬り込む。
「ぐっ!このッ………」
「亡さん!今だ!」
「ッ! はい!」
これこそがレンゲルに言った隙だった。
亡はフォースライザーのレバーを押し込んで引いた。
『ゼツメツディストピア!』
「やあぁッ‼︎」
素早くアクセルとレーザーに近づいた亡は、二人まとめて鋭い蹴りを何発も打ち込んだ。
「ぐっ!ぐぁっ!くっ!ぐあぁあッ‼︎」
「ちょ、待っ、ぐぁっ!ぐふぅッ‼︎」
亡の渾身の技にアクセルとレーザーが吹き飛ばされた。ダメージが大きく、変身が解除される。
「ぐっ!………ちょっとぉ!怪人出すとか反則でしょ!」
「生憎、これが俺の技なので」
「くぅ──ッ!ノせられたぁ!まさか三人で来るとは」
貴利矢の非難を受け流し、レンゲルはビーアンデットを再封印する。
変身を解除して、睦月と亡は一息ついた。
「くっ!こんな形で負けるとは………」
「しかし、睦月の技があってこそ出来た事でしたね。あのスピードは凄まじかった」
二人だけで相手していたら確実に負けていた。それほどのスピードだった。
「俺達の勝ち、でいいですよね?」
「そうだねぇ、よっと!どうする?」
貴利矢はアクロバティックに起きると、隣にいるいる竜に手を差し伸べてわざとらしく尋ねた。
「俺に質問をするな………負けは負けだ」
貴利矢の手を払って竜は自力で起きる。
「ここまでやったんだ。勝ってこい」
「はい。いい試合が出来ました」
亡は落ちてきたステンノークリスタルを取った。
『勝者 余り者チーム 仮面ライダーレンゲル 仮面ライダー亡』
試合終了のアナウンスが鳴り響いた。
「それじゃあ、二人とも!後は頑張れよ!」
「それは本心ですか?」
「さぁな」
そう言って貴利矢と竜は扉から消えていった。
「それでは、私達も戻りましょう。クリスタルも置かないと」
「あぁ、そうだね」
光に包まれて、気がつけば二人は待機部屋へと戻っていた。
「お疲れさん!すごい戦いやったなぁ」
部屋に入るなりキンタロスが労ってくれた。そして睦月達ももはやこの鬼のようなヤツらに、当たり前のように慣れてしまっている。
「けどよぉ、睦月が怪人出すのアリなら、俺らが良太郎から出るのもアリじゃねぇ?」
「先輩。僕達はレトって娘からダメって言われてるでしょ?もう忘れちゃったの?歳だねぇ」
「や〜い、モモタロスおじいちゃ〜ん!」
「んだとオラァ‼︎」
「ちょっと三人とも。部屋広く無いんだから暴れないの」
奥の方でガヤガヤやってるイマジン達は良太郎に任せて、亡はクリスタルを置いた。
「二回戦ともなると、結構チーム減っとるなぁ」
「でも逆にこれからはどんどん強いチームが上がってくるでしょう」
「あぁ?んなもん俺がバッタバッタ薙ぎ払ってやるよ!」
「ちょ、モモタロス!痛いって!」
奥の方でリュウタロスに三角絞めをキメながら、モモタロスが叫んだ。
するとテレビ画面が切り替わり、レトが映し出された。
『やぁやぁ!二回戦突破おめでとう!あぁそれと、『テイピアリモート』はこれからも使って構わないよ』
よかった。どうやらルール違反とはならなかったみたいだ。睦月はホッと息を吐く。
『さてと、それじゃあ三回戦は30分後!今度も二人一組でのバトルになるよ。メンバーを選んでバトルフィールドに入ってね!』
そう言ってレトが画面から消えていった。
「よっしゃ!おい良太郎!今度こそ俺らで行くぞ!」
「え?あ、あぁ………えっと、それでいい?」
「あの、ちょっといいかな?」
良太郎の質問に手を挙げたのは城之内だった。
「次の試合、俺とウォズで出たいんだけど」
その言葉に全員が少なからず驚いた。さっきまでバトルに積極的じゃなかった城之内から、こんな言葉が出るとは。
「随分といきなりじゃねぇか。でも、一席は俺で埋まってるからな。行くなら俺とお前で………」
「まぁまぁ先輩。ここは二人に譲ってあげようよ」
モモタロスの言葉を制したのは意外にもウラタロスだった。横目で城之内をチラッと見る。
「んだよ亀公。俺はまだ全然暴れ足りねぇ………」
「いいから、ね?」
ウラタロスはモモタロスをジッと見た。
「………けっ!好きにしろよ」
ウラタロスの視線から何かを感じ取ったモモタロスは、近くのソファーに座った。
「というわけで、次の試合は二人に任せるけど君はいいかな?」
ポンと手を打ったウラタロスがウォズを見た。それを受けてウォズは本を閉じる。
「あぁ、構わないよ」
「それじゃあ、行こうか」
ウォズと城之内は立ち上がると、扉の向こうへと出て行った。
「亀の字、お前何で今アイツの肩持ったんや?何かあったんか?」
「垂らす餌が無ければ釣りは始まらない、って事だよ」
ウラタロスを除いたみんなは顔を見合わせて首を傾げた。
「ここでいいのかな」
「相手もこの辺りにいるのだろう。少し歩くか」
ウォズと城之内は広場のような所を歩いていた。するとウォズが足を止めた。
「それで、こんな事してまで私と二人になって、何か聞きたい事でもあるのかな?」
「別に聞くだけとは限らないでしょ。どうやら、何か聞かれるような自覚はあるんだな」
城之内の言葉にウォズが顔を顰める。
「今回のこの謎の仮面ライダーのバトル。アンタ何か色々知ってそうだったからさ」
「何でそう思ったのかな?」
「まぁ、策士ですから」
戯けた様子の城之内は真剣な顔になった。
「なぁなぁでこんな事になったけど、この状況が異常なのは変わらない。ここは明らかに変だ」
「別に他の星、というだけだ。少なくとも異世界だなんだよりは、よっぽど普通だと思うけど」
「それじゃあこれの説明がつかないんだよ」
城之内がポケットに手を入れて、中の物を取り出した。
それはかつて師匠である凰蓮・ピエール・アルフォンゾが暴走して、戦った時に壊れたはずのドングリロックシードだ。
「壊れたはずのドングリロックシードが何で俺の手元にあるのか。みんなには黙ってたけど、ずっと気になってた」
「もっとも、この異常を勘づいたのは、君だけじゃ無さそうだがね」
「ウラタロス、だっけ。アイツも結構策士っぽいよね」
暗にこの状況が異常であると、ウォズは答えたのだ。
「この試合には何か裏がある。仮面ライダーがこんなに集められて、本当は何がしたいのか。アンタ何か知ってるんだろ?」
「それは………おっと、それを話すのはもう少し後になりそうだ」
「は?何言って………」
そう言いかけて城之内は周りの異変に気がついた。
地面に何か小さい物の影がある。何かが飛んでいるのだ。
空を見上げると、そこには黄色い蝙蝠と赤いカブト虫が飛んでいた。
「うわぁっ⁉︎何だアレ⁉︎」
あまりにも珍妙なその姿に、城之内は思わず身を引いた。
「おっ!見つけたぜ!」
黄色い蝙蝠はそう言って右へと飛んでいく。カブト虫もその後を追って行った。
見た目のインパクトが強すぎて反応し切れなかったが、どうやらあの蝙蝠は話せるみたいだ。
蝙蝠とカブト虫が飛んでいった先には、二人の人影があった。
「あれが………」
「どうやら、私達の対戦相手のようだね」
人影はゆっくりと城之内達の方へと向かってくる。それは二人の青年だった。
一人はキリッとした雰囲気のある青年で、その歩き方はとても堂々としていた。
もう一人は対照的にフワッとした雰囲気があるが、それでもどこか力強さがある。
「あの人達が対戦相手、ですかね」
「どうでもいい。俺の道を防げる奴はこの世界にはいない」
こうして三回戦が幕を開けた。
バイクチーム他メンバー 仮面ライダー一号 仮面ライダークウガ 仮面ライダーマッハ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
評価、感想等ありましたら、ぜひよろしくお願いします。