第二回戦は仮面ライダーレンゲル・上条 睦月と仮面ライダー亡・亡が仮面ライダーレーザー・九条 貴利矢と仮面ライダーアクセル・照井 竜に勝利。
さらにバトルは進み、次の第三回戦。私と城之内 秀保の前に黄色い蝙蝠と赤いカブト虫、そして二人の男が現れた。
『二人一組チーム 仮面ライダーカブト 天道 総司 仮面ライダーキバ 紅 渡
余り者チーム 仮面ライダーウォズ ウォズ 仮面ライダーグリドン 城之内 秀保』
ナレーションが会場いっぱいに響き渡る。
「おい、お前達」
天道は堂々とした出立ちでウォズ達二人を見据える。
「そこを退け。クリスタルが取れない」
「アイツ何言ってんだ?」
あまりにも偉そうな発言に城之内は目を細める。この状況でそれを言う事に価値があると思ってるのか。
「この石を取り合う戦いでそんな事言われて、素直に退くと思ってるのかよ」
「当たり前だろ。俺が世界だ。俺が願えばどんな事でも叶う」
天道は天高く指を突き上げた。
何となく天道の性格を把握してきた城之内は、思わずウォズと目線を合わせる。
ウォズも半ば呆れ気味だった。
これまで二回の戦いを見て、それぞれの対戦相手もだいぶキワモノ揃いだと思ってたが、こんな酷くはなかった。
「お前さぁ、そういう態度やめろっての。俺達まで同類みたいに思われるだろ」
天道の態度を嗜めようとしたのは隣の青年………の頭上にいる蝙蝠だ。
翼をカタカタ鳴らしながら彼らの周りを飛んでいる。
「言っただろう。俺の道を変えられるのは俺だけだ。お前からの指図など受けるものか」
「一応今はチームなんだよ。お前がそんなだと渡が迷惑するの!」
「だから俺は一人でいいと言っただろう。ついて来たのはお前達だ」
「なぁッ!この、言わせておけば………!」
一触即発の雰囲気に割って入ったのは渡だった。
「キバット、もういいから!何度目なのそのやりとり。僕達は僕達でやればいいよ」
「………けっ!お前からも何か言ってやれよ」
キバットにそう言われたカブトゼクターは、羽音を立てながらお断りとばかりに天道の肩に止まった。
どうやらこのカブト虫は話せないみたいだ。まぁ言葉は理解出来るようだが。
とりあえずあんまり仲は良くなさそうだ。城之内がウォズに耳打ちする。
「なぁ、今のうちにクリスタル取ったらダメかな?」
「パッと見出来そうだが、それが通じる相手とは思えないよ」
仮にも三回戦まで残っているのだ。弱いチームというわけではないだろう。
「とにかく、今はバトルに集中ね。天道さんもキバットも、いい?」
「いいだろう。力を貸させてやる」
「あぁもう!分かったよ!それじゃあ、カブちゃん!」
キバットの合図でカブトゼクターが天道の肩から飛び上がった。キバットと共にウォズ達に向かってくる。
「ちょッ⁉︎うぉっ!」
「くっ!やぁっ!」
突然突っ込んできた二匹に、ウォズはマフラーを伸ばして応戦した。
伸びたマフラーが宙を踊るが、しかし二匹はそれをうまく避ける。
「キバット!」
「よっしゃあッ!キバって、いくぜ‼︎」
二匹の機械生物はウォズ達のスレスレを飛びながら、大きな弧を描いて相棒の手元へと戻っていく。
「ガブッ!」
キバットが渡の手に噛み付くと、彼の頬にステンドグラスのような模様が浮かび、ベルトが現れる。
天道は装着していたベルトを見せる。
「「変身」」
『ヘンシン』
ベルトに飛び回っていたキバットとカブトゼクターが装着されて、二人の体を鎧が覆っていく。
重厚な紅い鎧を纏い鎖が煌めく、仮面ライダーキバ。赤と銀の装甲が全身を包み輝く、仮面ライダーカブト。
「さてと、それじゃあいこうか」
「あぁ。さっきの事、忘れてないからな」
「ふぅ、やれやれ」
ウォズはため息を漏らしながらビヨンドライバーを装着した。城之内も眼鏡を押し上げて戦極ドライバーを装着する。
『ウォズ』
ウォズはウォズミライドウォッチを取り出して起動させると、ドライバーに取り付けボタンを押す。
『アクション』
「変身」
ウォズはウォッチをドライバーに投影させる。
『投影! フューチャータイム スゴイ 時代 ミライ! 仮面ライダーウォズ ウォズ!』
城之内は何故か持っていたドングリロックシードを構える。
「変身」
『ドングリ』『ロックオン』
ロックシードを解錠した城之内は、それをドライバーに取り付けた。
城之内はブレードでロックシードを切った。
『カモン! ドングリアームズ! ネバーギブアップ!』
ウォズの体をスーツが包み、飛び出した『ライダー』の文字が顔に刻まれる。
空からドングリの形の鎧が降って、城之内の頭を覆うように落ちた。鎧が展開し、スーツを纏った城之内の装甲となる。
本を片手に時を祝福する歴史の一ページ、仮面ライダーウォズ。頑丈なドングリの鎧に身を包む不屈の戦士、仮面ライダーグリドン。
『バトル、スタート!』
四人、いやカブトを除いた三人は身構えると走り出した。
カブトは武器であるカブトクナイガンをグリドンに向けて引き金を引く。グリドンは咄嗟にそれを避けた。
「ッ! これくらい!」
グリドンは距離を詰めると、飛び上がってドンカチを振り下ろした。
ウォズがジカンデスピアをキバに向けて振るう。キバはそれをザンバットソードで受け止めた。
「くっ!はぁっ!」
ウォズの攻撃を弾き返すと、ザンバットソードを横に真一文字に振るった。
そのまま四人は二人ずつに分かれて戦う事になった。それでも距離は近い。
カブトはグリドンの攻撃を的確に捌くが、グリドンもそれに合わせて技を繰り出す。
カブトクナイガンから放たれる光弾をドンカチで防ぐと、ドンカチを振るった。
「ッ! なかなかやるみたいだな」
ドンカチはカブトの装甲に確かに当たったが、カブトは素早く間合いを開けるとカブトクナイガンを撃つ。
それはグリドンのアーマーに大きな衝撃を与える。
「ぐあッ!」
キバはウォズの突きを避けると、そのまま拳を打ち込んだ。
「ぐっ! やぁっ!」
ウォズは軽く後退しながらも飛び上がってジカンデスピアーを振り下ろして、キバを斬りつける。
「っと! 渡!一か八か、やってみようぜ!」
「うん!」
キバットの言葉に頷くと、キバは腰の緑のフェッスルを取り出した。それをキバットに吹かせる。
「バッシャーマグナム!」
フェッスルからの音がバトルフィールドに響いた。何かあると、ウォズは身構える。
しかし周りに何かが起こる気配がない。
「くっ!またかよ!」
キバットの悪態にウォズは少し首を傾げたが、すぐに攻撃に移る。
キバも思考を切り替えたのか、その攻撃を受け止めた。
「どうやら何か攻撃したいみたいだが、何かあったのかい?」
「ここに来てからアイツら呼んでも来ないんだよ!タッちゃんも来ないしさ」
ウォズの問いに答えたのはベルトにいるキバットだった。それを聞いて、ウォズは少し顔下げて考えた。
それを隣で聞いたグリドンは、カブトと距離を取ってウォズと合流する。
「やっぱりこのフィールド何かある?」
「みたいだね。必要以上の外部干渉が出来ないんだろう」
まるで監獄だ。キバのようなタイプのライダーにはキツい状況だろう。
「なるほど。お前達もここに何かあるのは察してたか。ここは普通じゃない」
カブトも攻撃を止めて辺りを見渡した。
ここまで二回の戦いがあった。ライダーの中にはこの星の異常さに気がついた者もいるのだろう。
「しかしそんな事はどうでもいい。俺は俺の戦いをする。俺が世界。俺が望めば、ここも変わるからな」
そう言ってカブトは攻撃を再開した。
「ちょッ⁉︎ あぁ!とにかく考えるのはコイツら倒した後だ!」
「同感だね。ただ君はこれ以上カブトと戦うのは難しいと思うよ」
「? 何でだ?」
グリドンの問いに応えるように、カブトはカブトゼクターのゼクターホーンを起こした。カブトの装甲が浮き上がる。
「キャストオフ」
ゼクターホーンが完全に反対側へと倒された。浮き上がったカブトの装甲がグリドン達に飛んでくる。
『キャストオフ』
「くっ! ぐぁっ!」
その装甲が当たり軽く飛ばされたグリドンは、カブトを見た。
そこにはさっきまでの装甲を脱いで、真っ赤なカブト虫のようなスーツを身に纏っただけのカブトがいた。
顎についた角が起き上がり、カブト虫のような角となる。
『チェンジ ビートル』
「何だ、あれ?」
「あれがある意味カブトの本来の姿だ。そして………」
ウォズが言い終わる前に、カブトはベルトの横についたスイッチを押した。
『クロックアップ』
その瞬間、カブトの姿が消えた。それと同時にグリドンとウォズの体に大きな衝撃が走る。
「「ぐあぁぁッ‼︎」」
何が起きたかも分からず、二人は膝をついた。
後ろから気配がして振り向くと、消えたはずのカブトがいた。手にはカブトクナイガンがクナイモードになって握られていた。
「何だ、今の………!」
「カブト達マスクドライダーシステムは、クロックアップ能力で超高速で走れるんだ」
「早く言えよ!」
すると再びカブトの姿が消えた。目にも留まらぬ速さで近づき攻撃を仕掛けてくる。
「渡! 俺らも負けてられないぜ!」
「うん!」
しかもキバも攻撃を繰り出してくる。カブトの方に集中することが出来ない。
「ぐはぁっ! ダメだ………速すぎて、見極められない!」
「当然だ。俺の動きを止められる者はこの世にいない」
カブトの偉そうな言い方もいい加減飽き飽きしてきたが、あながち嘘じゃないのがタチが悪い。
「これ何とかならないの?」
追い詰められた二人は背中合わせで身構えた。
「昔これと同じ能力を持った相手と戦った事はある。対処も出来るよ」
「そんなのあるなら早く!」
「ちなみに無差別に小惑星を落とすというものなんだが」
「んだよそれ!俺速く動けないんだから下手したら喰らうじゃんか!お前は速く動けないのか?」
「あれほどではないが、まぁそれ以外に方法は無いか」
ウォズは立ち上がると、別のウォッチを取り出してボタンを押す。
『シノビ』
ウォズミライドウォッチを外して、シノビのウォッチを取り付けた。
『アクション!』
『投影! フューチャータイム 誰じゃ? 俺じゃ 忍者! フューチャーリングシノビ シノビ!』
ウォズの上半身に紫色のアーマーが纏われた。それは仮面ライダーシノビとよく似ている。
『カマシスギ!」
ジカンデスピアが槍から鎌へと変わる。
それと同時にウォズは大きく踏み出した。さっきよりも何倍も速く走り出す。
その速さはカブトほどではないにしても、彼の動きを止めるには充分だった。
ウォズはカブトの攻撃を受け止めて、動きを止めた。
「さて、仕切り直しといこうか」
「ッ⁉︎ なるほど、お前も速く動けるのか」
「まぁね。悪いけど、ここから離れてもらおう」
『ビヨンドザタイム! 忍法 時間縛りの術!』
その瞬間カブトの動きが抑え込まれた。
「くっ⁉︎」
「はぁっ!」
ウォズは大きく踏み込むと、カブトを蹴り飛ばした。追撃するように後を追う。
『ビヨンドザタイム! 一撃カマーン!』
高く跳び上がりジカンデスピアを振るった。長く鋭い刃がカブトの装甲にダメージを与えて吹き飛ばす。
「ッ‼︎ それなら」
『プットオン』
カブトはゼクターホーンを戻した。すると飛んでいったはずのアーマーが戻り、マスクドフォームに戻った。
強固な装甲が戻ったことで、地面に叩きつけられたダメージも軽減できた。
そのままカブトは素早くカブトクナイガンをガンモードにして、ウォズに向けて発砲した。
素早くなったウォズはかろうじてそれを避ける。しかしその間に隙は生まれた。
「キャストオフ!」
『キャストオフ チェンジ ビートル』『クロックアップ』
再びキャストオフすると、クロックアップした。ウォズとカブトの武器の刃がぶつかり合い火花を散らす。
「その程度の速さじゃ、この俺を倒すことは出来ない」
「だろうね。でも、その必要は無いみたいだよ」
「何?」
「何せこっちには策士がいるからね。やぁっ!」
ウォズがクロックアップしたカブトを足止めして引き離した。
「よし、これで少しはマシになったな」
グリドンは体勢を立て直すと、ドンカチを構えた。
「っと、おいおいアイツ足止めされてんじゃねぇか。こっちでちょっとフォローしてやるか、渡」
「うん」
キバはザンバットソードからフェッスルを取り外して、キバットに吹かせた。
「ウェイクアップ!」
ザンバットバットをスライドさせて紅い光を生み出すと、それを光の刃としてカブト達に放った。
高速で動くカブトやウォズには当たらないかもしれないが、動きを鈍らせる事にはなるだろう。
「んな事させるか!」
『ドングリスパーキング!』
グリドンはブレードを三回切ると飛び上がった。アーマーが一時的に元に戻り、それが刃を防ぐ。
「なぁッ⁉︎何だあれ⁉︎」
キバットが驚く中、そのままグリドンはブレードを二回切る。
『ドングリオーレ!』
「おりゃあぁッ‼︎」
グリドンが空中からドンカチを振り下ろした。それはキバに深いダメージを与える。
「ぐあぁッ‼︎」
キバが大きく後退するが、それからの行動は素早い。
ベルトについたウェイクアップフェッスルをキバットに吹かせた。さっきとは違う紅いフェッスルだ。
「ウェイクアップ!」
澄んだ音が鳴り響き、キバがゆっくりと腰を落とした。辺りが暗くなっていく。
「はぁぁ────────ッ」
「な、何だ⁉︎ とにかく、それならこっちももう一回!」
『ドングリオーレ!』
グリドンとキバが同時に跳び上がった。
キバットがベルトから外れて、キバの右足の鎖を噛みちぎった。紅い羽が大きく広がる。
「はあぁぁっ!」
「やあぁぁっ!」
二人がぶつかり合い光が弾けた。お互いが油断を許さず力を出し切る。
「ぐっ‼︎………くっ!」
しかしさっきまでのカブトの攻撃が、今になってグリドンの弱みとなる。ダメージの残った体ではキバの攻撃を受け止めきれなかった。
「はあぁぁッ‼︎」
「ぐあぁぁぁぁッ‼︎」
キバのキックを受けて、グリドンは大きく吹き飛ばされた。地面に叩きつけられて、変身が解除される。
「城之内君!」
キバは着地すると、倒れた城之内を見据えた。
「よっしゃ!これで一人撃破だな。後一人倒してまた勝とうぜ!ここからがほんば………」
「いや!勝負はここまでだ!」
倒れた城之内が叫んだ。その言葉に全員が止まる。
「どういう事だい?」
ウォズが尋ねると、城之内はフラつきながらも立ち上がった。そして手を挙げる。
その手に握られていたのはステンノークリスタルだった。
「なぁッ⁉︎何でお前がクリスタルを⁉︎」
キバットが驚いてベルトから飛び上がった。変身を解除した渡は首を傾げる。
「どういう事?クリスタルは取れない位置にあったのに」
「そりゃもちろんあの高さじゃ自力では取れないよ。でも、勢いよく誰かに空高く吹き飛ばされれば、話は別だろ?」
「ッ⁉︎」
そうだ。城之内はキバに吹き飛ばされた時、彼は空高くにあるステンノークリスタルを手にしたのだ。
「これはクリスタルを取り合う戦いだ。別に二人を倒さないといけないってわけじゃない」
試合を始める前から、城之内はどうやって戦闘を避けるかしか考えていなかった。
(もっとも、威力強すぎて意識飛ぶかと思ったからな。そういう意味では真っ向から挑んだよ)
カブトのダメージがあと少し強かったら、クリスタルを取る前に意識を失っていただろう。
「何だそれ⁉︎」
「まぁ、策士舐めるなって事だよ。そういうわけで、ウォズ。俺達の勝ちだ」
『勝者 余り者チーム 仮面ライダーウォズ 仮面ライダーグリドン』
試合終了のアナウンスが響き渡り、城之内達の勝利が決定する。四人の前にそれぞれ扉が現れた。
戦いをやめたウォズとカブトも変身を解除した。
「やっぱり。君ならこういう感じでやると思ったよ」
「この二人相手に正面突破は難しいからな。ある意味妥当な手だ」
カブトとキバも戦闘能力が高く、普通に戦ったんじゃ勝てない。この作戦だって、ウォズがカブトを足止めしてなかったら出来ないものだった。
すると天道はもう用はないとばかりに後ろを向いた。
「ん?もう帰るのか?」
「これ以上ここにいる意味はないだろう」
そう言って天道はウォズに向かって何かを放った。
ウォズは勢いよく飛んできたそれを受け止めた。それは長方形の紙で、何かの案内が書いてある。
「『Bistro la Salle』………?」
「食べに来い。いい店だ」
「………あぁ」
それだけ言って天道は光に包まれていなくなった。カブトゼクターもその後を追う。
「何なんだアイツ?」
「彼なりの敬意、なんじゃないかな」
首を傾げる城之内に渡が苦笑しながら答えた。
「まぁでも、本音を言ったら負けて良かったかも。これ以上続いたら僕達のメンバーがキレかねなかったし」
「あぁ………アイツらかぁ」
「? どういう事だい?」
どこか遠い目をする渡とキバットにウォズが尋ねた。
「あ、いや………実は俺達のチームメンバーの一人、いや、俺達のチームの場合一組か。ソイツらが出場停止になったんだよ」
「出場停止?何でそんな事に?」
「第一試合に出たんだけど、その時にバトルフィールドをめちゃくちゃにしちゃったんだよ。さらに連続で第二試合も出て、またやっちゃって」
「えぇ………」
仮面ライダー同士のバトル。ある程度バトルフィールドが壊れるのは許容範囲だろう。
その上で出場停止とは………
「っと、渡。そろそろ出ないとマズくね?」
「そうだね。それじゃあ、これからも頑張ってね。それと………この試合のことも」
「あぁ、もちろんだ」
渡とキバットは光に包まれてバトルフィールドを後にした。
「それじゃあ、私達も戻ろうか」
「待てよ。さっきの話の続き、まだ聞いてないんだけど」
「それは、また後でいいかな?さっきの紅 渡の話を聞いて、もう少し調べてから話した方がいいと思って」
「………分かったよ。でも、何か危険があってからじゃ遅いからな」
「もちろん、分かってるよ」
こうしてウォズと城之内はみんなの所へと戻った。
その様子を別の場所から投影して観ている少女、レトは小さくため息を吐く。
「はぁ………もう時間がない。勝ってようと負けてようと、関係無いか」
その頃、別の場所では他の仮面ライダー達が戦っていた。
「くっ!いくぞ!」
「分かっている!」
身構えた仮面ライダーパラドクスが地面を蹴って跳び上がった。仮面ライダーネクロムはメガウルオーダーのボタンをおす。
『ウラワザ! ノックアウト クリティカルスラッシュ!』
『ダイテンガン サンゾウ オメガウルオード』
ネクロムの隣に現れた猿、豚、河童がその先にいた対戦相手、仮面ライダークローズと仮面ライダーバルカンの動きを止める。
「ぐっ!………このッ!こんなモン、ぶっ潰してやるよ!」
「負ける気がしねぇ!」
クローズとバルカンはその三体を腕力のみで吹き飛ばした。
「おっしゃあ!キメるぜ‼︎」
「あぁ!」
気合いを入れたクローズがパラドクスに向かって跳んでいくと、ビルドドライバーのレバーを回す。
バルカンはプログライズキーのスイッチを押して走り出した。
『レディーゴー!』
『パワー!』
クローズ、バルカン、それぞれの腕にエネルギーが集中していく。
「「オラァァァァッ‼︎」」
『ボルテックフィニッシュ! イェーイ!』
『パンチングブラスト! フィーバー!』
四人は真正面からぶつかり合った。エネルギーがぶつかって衝撃波が起こる。
「「オラァァァッ‼︎」」
ぶつかり合う敵に、クローズとバルカンは力任せに押し切った。二人の攻撃がパラドクスとネクロムを吹き飛ばす。
「よっしゃ!これでまた勝ったな!」
「これくらい当たり前だっての」
アランとパラドを見送った万丈 龍我と不破 諌は、バトルフィールドだった渓谷で気持ちよさそうに体を動かしている。
「それにしても、このバトルマジで何なんだろうな」
「まったくだ。この石が願いを叶えるとか、未だに信じられねぇけどな。まぁ何であれ、敵をぶっ潰す。それだけだろ」
「おう!早く終わらせてプロテイン飲みてぇ!」
そんな話をしながら二人はのんびりしている。というのもさっきはすぐに帰れたが、今はまだ待機部屋に転送されないのだ。
するとバトルフィールドの奥から誰かやってくる。黒いローブを着て顔は見えない。
「ん?誰だあれ?次の対戦相手か?」
「だとしても二人だろ。別のフィールドから迷い込んだのか?」
ここには今仮面ライダーしかいないはずだ。となると彼もそうなのだろう。
ともあれこのままというわけにはいかない。万丈と不破はローブの人間に近づく。
「おいお前。どこから迷い込んだんだ?チームメンバーは?」
「………」
「? おい、何とか言えよ」
ずっと黙っている事に二人は不審がる。
するとフードから僅かに覗いた口が動いた。
「仮面ライダークローズ、仮面ライダーバルカンだな?」
その声は若い男の声だった。二人は顔を見合わせる。
「おう、そうだけど………お前は?」
万丈の質問に男は答えず、代わりに小さく呟いた。
「………貴様らの力、私に渡してもらおうか」
そう呟いた瞬間、男の背中からいきなり大きく長い蛇が何匹も現れた。それは万丈達に向かって襲いかかる。
「ッ⁉︎ くっ‼︎」
「んだよこれ⁉︎」
二人は突然の攻撃を何とか避けた。蛇はまるで男の背中から生えているように蠢いている。
「何だかよく分かんねぇけど、敵なのは確かだな」
「それだけ分かれば………後はぶっ潰すだけだ!」
万丈はビルドドライバーを、不破はAIMSショットライザーを装着する。
クローズドラゴンが万丈の手元で変形した。背中にドラゴンフルボトルを差し込む。
『ウェイクアップ!』
『バレット』
「オラァァッ!」
不破は起動させたシューティングウルフプログライズキーを無理矢理こじ開けた。
『クローズドラゴン!』
『オーソーライズ』
不破はショットライザーをベルトから外す。二人はそれぞれアイテムをドライバーに差し込んだ。
『Are you ready!』
「「変身!」」
『ショットライズ シューティングウルフ! The elevation increases as the bullet is fired』
『ウェイクアップバーニング! ゲットクローズドラゴン! イェーイ!』
クローズは襲ってくる蛇達を避けながら片っ端からビートクローザーで斬りつけ、バルカンはショットライザーで撃ち抜く。
しかしどれだけ倒しても、また新しく蛇は男の背中から現れる。
「クソッ!キリがねぇ!」
「とにかくぶっ潰すぞ!あの野郎倒さねぇとコイツらは止まらない!」
「分かってるよ!」
『スペシャルチューン! ヒッパレー! スマッシュヒット!』
『バレット! シューティングブラスト!』
「「オラァァァッ‼︎」」
二人は一気に周りを取り囲んでいた蛇を倒した。
「さぁ!次はお前だ!」
「ふむ………やはり先程まとめて倒すべきだったか」
「どういう事だ⁉︎」
男の発言にバルカンが叫んだ。男が静かに手を挙げると、辺りが一瞬にして暗くなる。
「んだよ!どうなってる⁉︎」
「おい!あれ見てみろ!」
クローズが空を指差した。何も無かったはずの空が揺らいで、何かが現れる。
それは十字架だった。五つの十字架が空に浮かんでおり、その内の三つには人が貼り付けられている。
それは二人の見知った人達だった。
「尾上⁉︎何で………」
「侑斗⁉︎ザックも‼︎」
クローズとバルカンのチーム『力自慢チーム』のメンバー。仮面ライダーバスター、尾上 亮。仮面ライダーゼロノス、桜井 侑斗。仮面ライダーナックル、ザックだ。
三人ともボロボロの状態で気を失っている。
「お前達が戦っている最中に、失敬させてもらったよ」
十字架に貼り付けられている三人を見てクローズが拳を握った。
「お前ぇぇッ‼︎」
怒りに任せてクローズが男に向かって突撃する。その隙を狙ったように、横から蛇が襲ってきてクローズに巻き付く。
「ぐあぁッ⁉︎ 何だッ………これ‼︎千切れねぇ‼︎」
「万丈‼︎ この野郎!」
『アサルトバレット』
バルカンはアサルトウルフプログライズキーを起動させた。しかしショットライザーに差し込む前に、背後に回った蛇がプログライズキーをはたき落とす。
「しまった! ぐっ⁉︎」
プログライズキーをはたき落とした蛇は、そのままバルカンに巻き付く。二人は蛇に持ち上げられた。
「このッ!………ぐあぁぁぁぁッ⁉︎」
「ぐッ⁉︎あぁぁぁぁッ‼︎………な、何だ………力が、抜ける………!」
巻き付いた蛇が二人から何か光を吸い上げている。それに力を奪われるように、二人は抵抗出来なくなった。
やがて二人は自然と変身が解除された。それと同時に二人は脱力して気絶する。
巻き付いた蛇が二人を十字架に貼り付けた。
すると男の懐から光が漏れる。それは懐にある時計のような機械、ライドウォッチだった。
二つのブランクウォッチが輝いて色が変わる。
『クローズ』『バルカン』
「よし………順調に進んでいるな」
男がバトルフィールドから背を向けると、十字架はすっかり消えていた。
それに巻き込まれるように、男の姿はもうそこには無かった。
二人一組チーム他メンバー 仮面ライダーW 仮面ライダーガイ 仮面ライダー????(出場停止)
元悪チーム 仮面ライダーローグ 仮面ライダーパラド 仮面ライダーブラーボ 仮面ライダーネクロム 仮面ライダー滅
最後まで読んでいただきありがとうございました。
評価、感想等ありましたら、ぜひよろしくお願いします。