仮面ライダー最強バトル‼︎   作:MC RAT

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 この本によれば、惑星ケールに集められた全ての仮面ライダーによる『仮面ライダー最強バトル』が繰り広げられていた。
 試合も進み残りチーム僅かというところで私達を襲い、仮面ライダーの力を奪おうとしたのは何者かに体を乗っ取られた仮面ライダージオウ・常磐 ソウゴだった。
 電撃チームの仮面ライダーストロンガー・城 茂と仮面ライダー雷・雷に助けられた余り者チームは、試合の主催者であるレトの協力の元、彼を誘き寄せるための偽試合を行うことになった。


第6話

 岩場を抜けてみんなは崖へと集まった。レトは元の場所に戻り、亡、城之内、睦月の三人は近くの岩陰に隠れて様子を見守っていた。

 ウォズ、良太郎、雷、茂の四人は砂浜で対峙している。イマジンのみんなは良太郎の中だ。

「上手く、いくでしょうか」

「それは何とも言えないでしょ。賭けるしかないよ」

 心配そうに彼らを見つめる亡に、城之内が肩をすくめる。心配なのは分かるが、これ以外にどうしようもないのだ。

「何があってもいいように、俺達も待機はしておくか」

「………そうですね」

 三人はこっそりと向こうの様子を覗きながら、辺りを警戒する。

 

 

 

 強い風が吹いて大きな音を立てている。何かの予兆のように空も薄暗い

「陽動とはいえ、それで向こうが来なきゃ意味がねぇ。本気でやるぞ」

「もちろん、こちらも君達を倒すつもりだよ」

「へっ、言ってくれるじゃねぇか」

 計画としてはソウゴを取り押さえるのは、試合をしない三人に任せた。つまり思いっきり戦っても問題無い、というわけだ。

 

 

「モモタロス、ウォズさん、いくよ」

〈おぅ、暴れてやろうぜ!〉

「あぁ」

 良太郎は自分の内側に聞こえてくる声に口元を緩めた。その隣にウォズが並び頷き合う。

 ウォズがビヨンドライバーを装着してウォズミライドウォッチを構えた。良太郎が電王ベルトを装着してボタンを押す。

『ウォズ』『アクション!』

「「変身!」」

『ソードフォーム』

『投影! フューチャータイム! スゴイ ジダイ ミライ! 仮面ライダーウォズ ウォズ!』

 それぞれアーマーが装着されて、仮面ライダーウォズと仮面ライダー電王が姿を現した。

「俺、参上!」

 

 

「雷、いけんのか?」

「あ?生憎、老ぼれよりは治りは早ぇよ」

 雷は鼻で笑うとフォスライザーを装着して、ドードーゼツメライズキーを起動させる。

『ドードー』

「ハッ、言ってくれるぜ」

 茂は可笑しそうに笑うと、絶縁グローブを外してコイルアームを露わにし身構える。

「変身 ストロンガー!」

 大きく腕を回した茂が、コイルアームを接触させた。

「変身」

『フォースライズ Break Down』

 雷は起動されたドードーゼツメライズキーをフォースライザーに装填して、レバーを引く。

 二人の上から雷が落ちて二人の体に渦巻く。激しい電光がスパークした。光が収まると、そこには二人の戦士がいる。

 ドードーマギア改のラーニングデータが反映された、赤い装甲を身に纏った、仮面ライダー雷。

 赤い角に緑の目。カブト虫のような重厚な見た目と貫禄のある栄光の七人ライダーの一人、仮面ライダーストロンガー。

 

 

 

 みんなが見守る中、四人は身構えた。

『バトル、スタート!』

「「「「はあぁぁぁっ!」」」」

 用意されたバトル開始の合図と共に、四人はぶつかり合った。

 

 

 

「やぁっ!」

 雷がヴァルクサーベルを振り回して電王に斬りかかった。電王はそれを真正面から受け止めて蹴り飛ばす。

「くっ!オラァッ!」

「ぐぁっ!」

 弾き飛ばされた雷はすぐにもう片方のヴァルクサーベルで、電王に突きをお見舞いした。

「ってぇな!はぁっ!」

「ぐっ!やぁっ!」

 雷の攻撃に怯まず、電王はデンガッシャーでヴァルクサーベルと斬り結ぶ。

「面白ぇ、さっきから満足に戦えなくてイライラしてたんだ。思いっきりやってやるぜ!」

「俺もな、今すげぇイライラしてんだよ!」

 電王が押し斬ろうとする前に、雷は剣を弾いて間合いを取る。ヴァルクサーベルに稲妻を纏わせる。

「はあぁぁぁッ!」

 赤い稲妻を纏ったヴァルクサーベルをブーメランのように投げた。それは大きな弧を描きながら、電王へと飛んでいく。

 電王は咄嗟にデンガッシャーでそれを受け止めた。しかし稲妻を纏ったヴァルクサーベルに若干押されかける。

「ぐあぁッ⁉︎このッ………こんくらい………!オラァッ‼︎」

 ほとんど気合いでヴァルクサーベルを押し切ると、その勢いを乗せたまま雷に斬りかかった。

 その攻撃は深く、雷は大きく後退して膝をつく。

「ぐはあぁぁッ‼︎」

「へっ!こんなモンかよ。俺は最初から最後までクライマックスだぜ!」

「くっ!………舐めんなよ、雷落としてやる!」

 

 

 

「っと、はぁっ!たぁっ!」

「ふっ!やぁっ!」

 ウォズはストロンガーのパンチを避けると、ジカンデスピアを振るった。

「ぐっ!ぐぁっ!………くっ!」

「何ッ⁉︎」

 最初こそウォズが優勢に攻めていたが、ストロンガーはそれを手で挟んで抑えると鋭い蹴りを放つ。

「とぉっ!」

「くっ!通常攻撃でも電気を使うとは、厄介だな。それなら………」

『シノビ』『アクション!』

『投影! フューチャータイム 誰じゃ 俺じゃ 忍者! フューチャーリングシノビ シノビ!』

 フォームチェンジと共にウォズは素早く走り出した。カブトと戦った時は互角の速さだったが、ストロンガーには追いつけない。

 鎌の状態にしたジカンデスピアを振るい攻撃を仕掛ける。目にも留まらぬ速さでストロンガーを斬りつけた。

「はぁっ!」

「ぐはっ!………くっ!速いな………まずは動きを止めないと。エルクトロファイヤー!」

 ストロンガーはコイルアームを接触させると、地面に突き立てた。辺り一帯に電気が走り、近づこうとしたウォズも電撃を喰らってしまう。

「ぐぁぁッ!」

「今だ!やぁっ!たぁっ!」

 ウォズが動けなくなった隙をついて、ストロンガーは電気を纏った拳と蹴りを放った。

 いくら素早く動けても、その動きが封じられてはどうしようもない。

「はぁっ!」

 ストロンガーの蹴りがウォズを吹き飛ばした。力尽きたようにウォズは倒れた。

 しかし倒れたそれはただの藁人形だ。身代わりで逃げられたのだ。

 その瞬間、ストロンガーの背後に煙をあげてウォズが現れた。ジカンデスピアが勢いよく振われる。

「はあぁぁぁッ‼︎」

「ぐっ!………ぐぁっ!」

 ウォズの不意打ちにストロンガーは咄嗟に動いた。ジカンデスピアを手で防ぎ、何とか抑え込む。

「くっ………なるほど。さすがは栄光の七人ライダーの一人、と言ったところか」

「なに、ここまではほんの小手調べだ。いよいよ本領発揮といくか。驚いて目を回すなよ!」

 

 

 

「まだ決着着きそうにないな」

「ですね。特に周りに何かいるようにも見えませんし。やはりバトルが終わらないと現れませんか」

「というか、四人とも本気でやり過ぎじゃない?ここまでやるか?」

 四人のバトルを遠目で見ていた睦月、亡、城之内の三人は辺りを警戒しながらボヤいた。

 目の前の光景はとても陽動とは思えないほどの熱気があり、もはや目的を忘れてるのでは無いかとすら思う。

「でも、万が一バトルで何かあったためにソウゴは俺達が止める。言い出したの城之内さんですよね?」

「止めるよ。でもどうせあの四人を襲うと思うから、四人にある程度戦力削ってもらって、安全な状態でね」

「うわ、卑怯………」

「策士と呼んで欲しいもんだね」

 睦月と城之内がそんなことを話している中、亡は縮こまるように屈んでいた。耳のギアが青く光っている。

「亡?どうかしたのか?」

「いえ、少し気になったことがあって………これを調べていたんですよ」

 そう言って亡が見せたのはステンノークリスタルだった。城之内が目を丸くする。

「あれ?何で亡がそれ持ってるの?」

「俺が持ってきたんですよ。ウォズさんがいきなり飛び出すから、何かあった時のために、って」

「へぇ。それで、何か分かったの?」

「いえ、何せ見たことのない鉱石ですからね。ただ一つ言えることは、これは磁石のようなもの、ですかね」

「「磁石?」」

 よく分からない亡の言葉に、二人は首を傾げた。

「はい。構造元素は不明ですが、特定の高エネルギーに引き寄せられているみたいなんです。磁力では無いのですが、磁気に似たエネルギーの流れも見えますし」

「その特定の高エネルギーって?」

「分かりません。ただ反応の具合から見て、おそらくこの星にはそのエネルギーが豊富にあるようです」

「ふーん………見た感じ地球と変わらないけどね」

 三人はクリスタルを見て首を傾げた。今のところ願いを叶える石、とは聞いているがそれも怪しい。

「さっきレトに聞けば良かったな」

「そもそもあの人何者なんでしょう?こんな不思議なものを操って景品として出してくれるなんて、気前がいいですよね」

 睦月の何気ないボヤきに、亡はふと首を捻った。

「操って………いる、のか?」

 

 

「はあぁッ!」

「オラァッ!」

「たぁっ!」

「くっ!ふっ!」

 四人のバトルはますます激化し、未だに決着がつかないでいた。

「ぐっ!いい加減しつこいな………よっし、せっかくだし使ってみるか」

 雷はアタッシュショットガンを構えると、アサルトウルフプログライズキーを取り出した。

『アサルトバレット』

 起動させてアタッシュショットガンに装填する。

『Progrisekey confirmed Ready to utilise』『アサルトウルフアビリティ』

「茂!」

「分かってる!はぁっ!」

 ストロンガーは腕を接触させて発電すると、雷と共にアタッシュショットガンに電気エネルギーを送り込む。

 エネルギーが銃口に集まり、雷は構えると引き金を引いた。

『マグネティックストームカバンショット!』

「「はあぁぁぁッ!」」

 銃口から放たれたエネルギーは稲妻を纏った蒼い狼となってウォズと電王へと駆けていく。

「くっ!彼らと相性が良くないが、仕方ない」

『キカイ』

 ウォズはキカイミライドウォッチを起動させると、ビヨンドライバーに取り付けた。

『アクション!』

『投影 フューチャータイム デカイ ハカイ ゴウカイ! フューチャーリングキカイ キカイ!』

 仮面ライダーキカイのアーマーを纏ったウォズはジカンデスピアを槍に変形させる。

『フィニッシュタイム!』『バクレツデランス!』

「やあぁぁぁッ!」

 ウォズは迫って来る狼をジカンデスピアで防いだ。力技に特化したフューチャーリングキカイでも、この攻撃は押されてしまう。

「ぐっ!これはッ………!」

「オラアァァァッ!」

 すると電王が横から割り込んできた。デンガッシャーをジカンデスピアに重ねて、狼を退ける。

「一人でカッコつけてんじゃねぇぞ!大事な所はお前に任せるとは言ったがなぁ、それは今じゃねぇだろ!」

〈僕達はチームです。やるなら一緒に、でしょう?〉

「………そうだね」

『ビヨンドザタイム! フルメタルブレイク!』

 ウォズの肩から伸びたチェーンが雷に巻きついた。その状態でウォズは跳び上がり蹴りを放つ。

「ぐっ!………面白ぇ!」

『ゼツメツディストピア!』

 雷の右腕に赤い稲妻が集まり、エネルギーが溜まっていく。拳を振るうと同時にウォズのキックとぶつかり合う。

「いくぞ!とぉっ!」

 ストロンガーが跳び上がり、全身へと電気が溜まっていく。

「ストロンガー!電キック!」

「いくぜ、良太郎!」

〈うん!〉

『フルチャージ』

「必殺! 俺の必殺技、パート2!」

 電王はデンガッシャーの刃が赤く光ると大きく振るった。電気を纏ったストロンガーとぶつかり合う。

 お互いが一歩も譲らずに、全力でぶつかり合った。エネルギーが光となって辺りを照らす。

 その瞬間、亡の持っていたステンノークリスタルが強く輝き出した。

「こ、これは………!」

 

 

「「「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ‼︎」」」」

 四人の全力がぶつかり合って爆ぜる瞬間、地面に大きな亀裂が入った。

 

 

「何ッ⁉︎ ぐあぁぁぁッ⁉︎」

 地面に入った亀裂はどんどん大きくなり、四人のいた場所に大きな穴を開けた。地面が崩れると同時に、四人は落ちてしまう。

「はぁ⁉︎何だアレ⁉︎」

 試合を見ていた三人も、突然の事に困惑してしまう。

 地面のさらに奥へと落ちて行った四人は、何かに叩きつけられて変身が解除される。良太郎の中からはイマジン達が飛び出した。

「ぐはぁッ‼︎………クソッ!何なんだよ!」

 雷が悪態をつきながらゆっくりと体を起こす。

「こ、ここは………?」

「地下、なのかな?自然にできたものでは無さそうだけど」

 辺りを見渡す良太郎にウラタロスが言葉を返した。

「この星にこんな場所があるなんてな………」

「おそらく、今の私達のエネルギーのせいで地面が抜けてしまったんだろう。相当深いところに落ちたようだね」

 茂とウォズが上を見上げて落ちてきた穴を確認する。

「んな事どうでもいいだろうが!あぁ〜!後ちょっとで決着つきそうだったのによ!」

「そんな事言っとる場合か!どうやって上に戻んねん!」

「ねぇここジメジメしてて暗いんだけど〜!早く出たい!」

「みんな落ち着いて!とにかく、周りに出られる場所がないか探そうよ」

 騒いでいるイマジンを落ち着かせると、みんなは辺りを散策し始めた。

 再び変身して跳び上がれはいけなくもないが、今の戦いで深いダメージが残った。今は無理だろう。

 上のみんなも含めて飛べる人がいたら楽だったが、いないものは仕方ない。

「おーい!みんな大丈夫かー!」

 すると遥か上空から城之内の声が聞こえてきた。どうやら向こうは何ともないようだ。

「キンタロス、ウラタロス、リュウタロス。上まで行って城之内さん達にこの状況話してくれない?」

「任しとき!行くで亀の字、リュウタ」

「了解」

「はいは〜い!」

 三人は精神体となって穴の方へと上がって行った。

「さてと、それじゃあ出口を探さないと」

「んな事言ってもなぁ。そういや、あのレトとかいうのに話したら出してくれるんじゃねぇか?」

「そういやそうだな。アイツ試合見てるとか言ってたし、俺達が落ちた事見てるはずだよな」

 モモタロスが手を打つと、みんなは静かに待つ。しかし彼女が現れる様子は一向にない。まだ分かってないのだろうか。

「仕方ねぇ、俺達出口探すか………って、そうだ!おいマフラーの兄ちゃん、さっきみたいにそのマフラーで俺達のこと転移すりゃ一発じゃねぇか!」

 茂の言葉に、みんなの視線がウォズに集まる。

「満身創痍でそれは………まぁ、それしかないか」

 そう言ってウォズがマフラーで転移しようとした瞬間、辺りの空間が一瞬だけブレた。

 

 

 それと同時に白服の人間達が現れる。

 

 

「ッ‼︎何だコイツら⁉︎」

 現れた白服の人達は良太郎達を取り囲むようにして迫る。

 彼らを見て茂は目を見開いた。

「ッ⁉︎ お前達、まさか………財団X!」

 

 

 

 

「なるほど。それでは雷達はみんな無事なんですね?」

「せや。ただ落ちた場所が相当深くてな。出るのに手間取っとるんや」

 穴から出てきたウラタロス、キンタロス、リュウタロスは、上に残っていた三人に事情を話した。

「でもそうなると、俺達もここで大人しくしてる、ってにはいかないですよね?」

「そうだね。と言っても、僕達で何とかなるかどうか」

 六人が話し合っていると、辺り一帯の空間が光と共に一瞬だけブレる。

 そして何人もの白服の人達が現れた。

「なぁッ⁉︎何だ⁉︎」

「彼らは一体………!」

 いきなりの出現にみんなが戸惑ってる中、白服の人達が身構えた。

『マスカレイド』

 黒いガイアメモリを体に差し込む者、メダルを額に入れる者、スイッチを押す者。行動は様々だったが、白服の人達はみんな同じような怪人となった。

 ドーパント、ヤミー、ゾディアーツ、ファントム、インベス………様々な種類の怪人が六人を取り囲む。

「はぁ⁉︎どういう事だ⁉︎」

「少なくとも、仲良くする雰囲気じゃなさそうやで」

「何か気持ち悪〜い!」

 すると怪人となった人達が一斉に襲いかかってきた。

「やっぱりそうなるのかよ!」

 六人は怪人達の攻撃を素早く避けた。それでも尚、怪人達は迫ってくる。

「これは、くっ!………やぁっ!どうなってるんだ!何でインベスがここにいるんだよ!」

「やはり、この星は何か変です!はぁっ!」

「ふっ!やぁっ!もしかしたら、ウォズさん達も同じような目に………!」

 城之内に集中していた怪人を亡が蹴り飛ばした。それから睦月と城之内で体当たりして逃げ道を作る。

 イマジン達も各々武器を持って応戦するが、数が多すぎる。

「たしかに、それもあり得そう。良太郎達と合流しないと、やぁっ!」

「ソイヤァッ!俺らやったら良太郎の居場所は分かる。せやけどアンタらを案内しながら行くのは難しいで!」

「おりゃあっ!………あ!だったらさ、こういうのは?そりゃっ!」

「何をして、なぁッ⁉︎」

 目の前の敵を撃ち飛ばしたリュウタロスが、精神体となって浮かび上がる。そのまま亡へと突っ込んでいく。

 それを見てウラタロスとキンタロスも意図を察したようだ。

「なるほどね!」

「たしかにそれがえぇな!」

 二人とも精神体になると、ウラタロスは睦月に、キンタロスは城之内に突っ込んでいった。

 突っ込まれた三人は脱力したが、すぐに顔を上げた。

「ドスコイッ!」

 それと同時に城之内が目の前の怪人を張り手で吹き飛ばした。

「うん。これなら案内しながら良太郎の所に行けるで!」

 さっきまでの城之内とは別人のような関西弁。その目は金色に染まっていた。

「よっと!はぁっ!………良太郎に比べると少し居心地悪いけど、問題無いね」

 城之内のサポートをするように応戦している睦月は、目が青くなり眼鏡をかけている。

 イマジンに憑依された二人は、体を好き勝手に使われてしまっている。

〈おい!何で俺達がこんなことされるんだよ!〉

〈敵多いのに戦う人減らしてどうするんですか!〉

「別に倒す必要はないでしょ?ここを抜けられればいいの」

「せやせや。ちょっとの辛抱やで、我慢しとき!」

 体の内側から聞こえてくる声に適当に返すと、U睦月とK城之内はそのまま戦い始めた。

「ねぇねぇ見て!ボクロボットに憑依しちゃったぁ!すごいでしょ!」

〈まさか人間以外にも取りつけるとは………〉

 亡に憑依したリュウタロスも、遠慮なく体を使って戦っている。その目は紫に染まっていた。

「おりゃあっ!ははっ!いぇ〜い!」

 アクロバティックにバク宙しながら、ダンスをするかのように敵を翻弄する。

〈〈うわぁ…………〉〉

 さっきまでのクールな印象を180度覆すようなテンションのR亡に、睦月と城之内は何とも言えない気分になる。

「さてと、早く良太郎のところ行こうか」

「せやな」

「よ〜し、このまま行こ〜!」

 使っている体は無視して、三人は良太郎がいるであろう場所に走っていった。それぞれベルトを装着する。

『ドングリ』『ジャパニーズウルフ』

「「「変身!」」」

『オープンアップ』

『ロックオン』『カモン! ドングリアームズ! ネバーギブアップ!』

『フォースライズ ジャパニーズウルフ! Break Down』

 変身した三人は武器を構えて迫ってくる敵を薙ぎ払っていった。

「はぁっ!やぁっ!うん。たまには違う武器もいいものだね」

〈へぇ、上手いもんだなぁ〉

 元々同じ種類の武器だからか、ウラタロスはレンゲルラウザーを器用に使いこなし敵を倒す。

「せいやぁ!とりゃあッ‼︎」

〈俺こんな戦い方しないんだけどなぁ………〉

 キンタロスはグリドンの頑丈な装甲を利用して、力任せにドンカチを振り下ろす。

「てぃっ!やぁっ!………あぁもう!この爪使いにくい!」

〈そもそもあなたと戦い方が違うのですから当たり前でしょう。すぐに離れて………〉

「あ!赤い人が残した銃みっけ!あれ使おう!」

 亡の言葉を無視してリュウタロスは雷が落としていったアタッシュショットガンを拾った。

 アサルトウルフプログライズキーを引き抜くと、それを使ってどんどん敵を撃ち飛ばしていく。

『ブリザード』『ポイズン』『ブリザードベノム』

『ドングリオーレ!』

『Progrisekey confirmed Ready to utilise』『ゼツメツアビリティ』

『ゼツメツカバンショット!』

「「「はあぁぁぁぁぁぁッ‼︎」」」

 三人は辺りの敵を一掃すると、良太郎達の元へと向かっていった。

 

 

 

「このッ、オラァッ!良太郎、大丈夫か⁉︎」

〈大丈夫。いつも通りでいいよ!〉

 モモタロスが憑依したM良太郎が怪人を殴り飛ばした。

 いきなり現れた白服の人達は、全員が怪人となって五人に襲いかかってきた。

「はぁっ!くっ!量が多すぎるだろ!」

「たぁっ!………おい!この状況で戦うのは危険だ!一旦退かねぇとマズイぞ!」

 雷と茂も戦ってはいるが、何せ数が多い。ダメージを負っている今ここで勝つのは難しい。

「それもそうか………はぁっ!」

 ウォズは怪人の振り下ろした剣を本で受け止めると、マフラーを伸ばして敵を蹴散らした。

 それからみんなを包んで別の場所に転移する。

 

 

 

「っとぉ………クソッ!何だったんだ今の!」

 何とか逃げ切れた四人は辺りを警戒しながら身を隠した。

「レトは一体何やってるんだよ!俺らのこと見てるはずだろ!」

 M良太郎は悪態をつきながら叫んだ。まともに戦うことが出来ずにイライラしているのだ。

「つか、ここどこなんだ?」

「分からない。とにかく逃げられるように移動したが、地上では無いようだね」

「それなら今すぐ地上に………ってわけにはいかねぇか」

「こんなモン見せられちゃあなぁ。ぜってぇあのローブ野郎関係あんだろ」

「私達を襲ってくるあたり、間違いないだろうね。というか、城 茂。君は彼らのことを知っているようだったけど?」

「マジかよ!」

 怪人に襲われた時、彼の呟いた言葉をウォズは聞いていた。茂は近くの岩に腰掛けると話し始めた。

「ヤツらは財団X。ガイアメモリやNEVER、コアメダル、ゾディアーツスイッチ、バグスターウイルスにネビュラガス。あらゆる技術を兵器利用して売り捌いてる『死の商人』だ。俺や他の仮面ライダーも幾度となく戦ってる」

 いきなりよく分からない話をされて、M良太郎が首を傾げる。

「死の商人だぁ?何でそんなヤツらがこの星にいるんだよ」

「俺が知るわけないだろ。でもあの白服は間違いねぇ。ただ一つ、はっきりしたことは、あのソウゴとかいうヤツを乗っ取ったりした技術は、間違いなく財団Xだろうな。ヤツらが今回の事件の糸を引いている」

 財団Xならこれくらいのことは出来そうだ。仮面ライダーの力を奪い何かを企んでいる。

「ただのおかしなヤツが変なこと企んでるだけならまだ良かったが、まさか財団Xまで絡んでるとはな」

「そういや、ここはどこなんだ?ただの地下にしちゃ、妙に整備されてるじゃねぇか」

 どう見ても天然物には見えない。何かに使うために整備されているのだ。

「地下都市、といった所だろう。何故こんなものがあるのかは分からないが」

 ウォズが辺りを見渡しながら、様子を確認している。

 

 

 

「ここは、貴様らの墓標になるのだよ」

 

 

 

 その時、後ろから男の声が聞こえた。一番最初に反応したのはウォズだった。つられるように振り返る。

「我が、魔王………」

 そこには何人もの白服の人達に囲まれている黒いローブの男、体を乗っ取られた常磐 ソウゴがいた。

「ようやくお出ましかよ………しかも随分とまぁ、大所帯なモンだな」

「計画の終盤だ。今度こそ貴様らの力を奪わせてもらう」

 そう言うと白服の人達が怪人となり、ソウゴの背中から無数の蛇が生えてくる。

「財団X、何を企んでるかは知らねぇが………これ以上好き勝手はさせねぇよ」

「ウォズ、いけるよな?」

「あぁ。ちょうど休み終えたところだ」

 ウォズは落ち着いた様子で頷くと、ウォズミライドウォッチを構えた。その横に三人が並ぶ。

『ウォズ』『ドードー』

「「「「変身!」」」ストロンガー!」




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