そんな中で仮面ライダー達を次々に襲った仮面ライダージオウ・常磐 ソウゴに取り憑く何者かを誘き寄せるために、仮面ライダーウォズ、電王、ストロンガー、雷が囮のバトルを行う。
決着がつく寸前、彼らは何と地下都市に迷い込んだ。そこに待ち構えていたのは死の商人・財団X。
一方で仮面ライダー亡、レンゲル、グリドンの元にも財団Xが現れて、彼らはイマジン達と協力して合流を図る。
「はぁっ!やぁっ!ふっ、たぁっ!」
変身したウォズ、電王、雷、ストロンガーは、立ち向かってくる財団Xの怪人達を倒しながらソウゴの元へと近寄っていく。
「くっ!はぁっ!オラァッ!………ったく、数多すぎンだろ!」
「やぁっ!我が魔王を救出出来れば、向こうの戦闘力も落ちると思うんだがね」
雷の悪態にウォズは答えると、クイズミライドウォッチを取り出した。
『クイズ』『アクション!』
『投影! フューチャータイム ファッション パッション クエスチョン! フューチャーリングクイズ クイズ!』
仮面ライダークイズの力を身に宿したウォズが、ジカンデスピアをツエモードにして振り回す。
「問題・次の攻撃で怪人達は全滅する。マルかバツか」
『ゼツメツユートピア!』『フルチャージ』『ビヨンドザタイム! スカッシュインマジック!』
「電気ストリーム!」
「必殺 俺の必殺技、パート1!」
「正解は、マルだ」
迫ってくる怪人に四人は身構えた。
「「「「やあぁぁぁぁぁッ‼︎」」」」
四人の繰り出した技が怪人達を貫き、ソウゴを除いた敵、財団Xの怪人達が全滅した。
「さてと、残るはお前だけだな」
「さっさとぶっ潰してやるぜ!」
するとソウゴは懐に手を入れた。取り出したのは四つのライドウォッチだ。
「それは、どうかな?」
『スーパー1』『ベルデ』『メイジ』『サーベラ』
ライドウォッチを起動させると、それを取り巻くようにエネルギーが集まり、仮面ライダーの形を形成していった。
仮面ライダースーパー1、仮面ライダーベルデ、仮面ライダーメイジ(青)、仮面ライダーサーベラ。四人の仮面ライダーが目の前に現れた。
「何ッ⁉︎こんなことも出来るのか⁉︎」
「我が魔王が仮面ライダーの力を継承すれば可能だ。もっとも我が魔王の体を乗っ取っている者の力も混ざっているようだけどね」
現れた四人の仮面ライダーはウォズ達に向かって襲いかかってきた。
「ぐっ!たぁっ!やぁっ!」
ストロンガーはメイジが振るった腕の爪を避けた。
「電パンチ!」
ストロンガーの拳がメイジの腹に突き刺さる。しかしメイジの次の行動も素早かった。
『ジャイアント ナウ』
出現した魔法陣に手を通すと、左手の爪が大きくなる。ストロンガーはそれによって大きく吹き飛ばされた。
「ぐふっ!」
電王はサーベラと対峙して、剣を振るっていた。
「オラァッ!このッ!このッ!はぁっ!」
電王は勢いに乗って連続攻撃を仕掛けていた。力強い攻撃にサーベラも押されている。
「よっし!このまま一気に………やぁっ!」
『狼煙霧虫』
その瞬間、サーベラの姿が煙となって消えた。
「はぁ⁉︎何だこりゃ⁉︎ぐぁっ⁉︎」
電王が戸惑っていると、煙が晴れて現れたサーベラが電王を斬りつける。
『投影! フューチャータイム デカイ ハカイ ゴウカイ! フューチャーリングキカイ キカイ!』
フォームチェンジをしたウォズはスーパー1に向けてジカンデスピアを振るった。
スーパー1はそれを梅花の型で防ぐと、鋭い正拳突きを見舞った。
「ぐっ!しかし、これくらいなら!」
ウォズはキカイの頑丈さで耐えると、ジカンデスピアでスーパー1を弾き飛ばした。
スーパー1は両腕を冷熱ハンドに切り替えた。高熱火炎を浴びせてウォズの動きを止める。
それから冷凍ガスを噴出すると、温度差によってウォズのアーマーに大きなダメージが加わる。
「ぐあぁぁぁッ⁉︎」
『ホールドベント』
「ふっ、くっ!はぁっ!」
雷とヴァルクサーベルとベルデのバイオワインダーがぶつかり合い火花を散らす。
雷の攻撃を喰らったベルデは後退すると同士に、カードをリードする。
『クリアーベント』
その瞬間ベルデの姿は消えて、見えなくなった。
「何ッ⁉︎どこに消えた⁉︎ぐあッ⁉︎」
すると突然背後から攻撃された。振り返ってみるも誰もいない。
それから何度も見えない敵に攻撃された。
「っと、やぁっ!舐めんじゃねぇぞ!」
雷はヴァルクサーベルを地面に突き立てて電流を一帯に流した。感電したベルデが姿を現す。
「今だ!はあぁぁぁッ‼︎」
ベルデを見つけた雷は、稲妻を纏った刃を振り下ろす。ベルデもまたバイオワインダーを投げつけた。
ヴァルクサーベルにバイオワインダーを巻き取って奪うと、さらに攻撃のために投げつける。
「「「「ぐあぁぁぁぁッ‼︎」」」」
召喚された仮面ライダーに四人は追い詰められてしまった。
「ぐっ!やっぱり怪人と戦うのとは、わけが違ぇよな」
「それだけじゃない。おそらく、我が魔王の力の影響もあるのだろう。これは………思ったよりも厄介だな」
その時、スーパー1とサーベラが飛び上がって、ウォズと電王に狙いを定めた。
『インセクトショット!』
「危ねぇ!」
ストロンガーと雷が二人を突き飛ばした。代わりにスーパー1とサーベラの必殺技を喰らってしまう。
「「ぐはぁッ⁉︎」」
『イエス! ブリザード アンダースタンド?』『スクリュー ナウ』
『ファイナルベント』
さらに追い討ちをかけるようにメイジとベルデが身構えた。
メイジは足に吹雪を纏わせて跳び上がった。高速回転してストロンガーへと蹴りをねじ込む。
現れたバイオグリーザーが跳び上がったベルデの脚に舌を巻きつける。そのまま雷を捕まえて回転し、地面に叩きつけた。
「ぐっ!うわぁぁぁッ‼︎」
「ぐふっ⁉︎ぐはあぁぁッ‼︎」
〈茂さん!雷さん!〉
「仕留めたのは二人だけか。まぁいい」
ソウゴは小さく呟くと、背中から蛇を生やした。その蛇がストロンガーと雷に巻きつき浮かび上がらせる。
「なぁッ⁉︎離せッ、ぐあぁぁぁッ⁉︎」
「ぐっ!があぁぁぁッ⁉︎」
そして蛇は二人の力を吸い取り始めた。エネルギーを吸い取られて、二人は悶えている。
「このッ、二人を離しやがれ!」
電王とウォズが助けに向かおうとするが、召喚した仮面ライダー四人に阻まれて動けない。
「くっ!このままでは、彼らも人柱に!」
捕らえられた二人の意識が遠くなり、気を失いそうになる───その寸前。
「はあぁぁぁッ‼︎」
遠くの方から何かが勢いよく回転しながら突進してきた。それは二人を捕らえた蛇を引きちぎり、召喚された仮面ライダーをも突き飛ばす。
「あ、あれは………!」
蛇から解放されて落ちていくストロンガーと雷は奥から駆けつけてきた人影が受け止める。
「お前らは………睦月、城之内、亡!」
召喚された仮面ライダーを突き飛ばしたレンゲルは着地すると、ウォズ達の元に駆け寄る。
吹き飛ばされた仮面ライダーはブレるようにして消えていった。ライドウォッチはソウゴの手元に戻る。
「先輩。大丈夫?」
「はぁ?お前………まさか、亀公か?何でソイツの中にいるんだよ?」
「まぁちょっと非常事態って事でね」
亡とグリドンは振り落とされた雷と茂を起こした。
「うわぁ!すっごいボロボロじゃん!痛そ〜!」
「亡………?」
〈あなたは少し黙っていてください〉
リュウタロスが憑依した亡は、雷の状態を解析して確認する。
「二人とも、大丈夫か?」
「いや………大丈夫じゃねぇな」
キンタロスが憑依したグリドンの質問に、茂はコイルアームを接触させた。しかしコイルアームからは発電されない。
「くっ!発電装置が作動しねぇ。俺達も、変身能力を奪われたか」
雷の腰にあったはずのフォースライザーとドードーゼツメライズキーが無くなっている。
「人柱は獲得出来なかったか………まぁいい。力は手に入った」
いきなりの横槍にソウゴは慌てる事なく、手元を見た。そこに握られているブランクウォッチが輝く。
『ストロンガー』『雷』
奪った力がライドウォッチとなって、ソウゴの手元に渡った。
「しかし、標的が向こうから来てくれるとは。これで残る仮面ライダーは、お前達五人だけだ」
ソウゴは蛇を操った。蛇はウォズ達を薙ぎ倒して吹き飛ばした。
「「「「「ぐはあぁぁぁぁぁッ‼︎」」」」」
勢いよく吹き飛ばされたみんなは変身が解除された。憑依したイマジン達も中から飛び出してしまう。
「ぐぁっ!さらに、力が増してる………二人の力を手に入れて、パワーアップしているのか………」
何とかして体を起こすが、さっきからの戦いでのダメージが深い。
「さぁ、これで終わりだ」
「その前に………一つ、聞かせろよ」
城之内は顔を上げるとソウゴを睨んだ。
「お前は何者なんだ?こんなことをして、何がしたい?目的は何だ?」
「目的、か………私自身に、目的はない。ただ私を産んだ者の願いを、叶えるだけだ」
「産んだ者、ねぇ。一体誰なんだか………」
「そうだな………貴様らに教える義理はないが、まぁいい」
すると、通路の奥から人影が現れた。それはコツコツと足音を立てながら、こちらへゆっくりと近づいてくる。
やがてその人影はみんなの前に姿を現した。その姿を見て、みんなは目を見開く。
「き、君は………レト、さん?」
通路から現れた少女は黙ったままみんなの目の前に立った。それは紛れもなく、この『仮面ライダー最強バトル』の主催者、レトだった。
「君が、仮面ライダーを襲うように、仕向けたの?」
「………そうだよ」
良太郎の質問に、レトが短く答えた。
「何で………そんなことを………」
「こうするしかないの…………私の星を、取り戻すには」
「あなたの、星………?」
みんながレトの言葉に首を傾げた。
「アンタの星って………ここがアンタの星ちゃうんか?見たところ特に取り戻すようなところもないで?」
「ここは私の星じゃない。私の生まれ故郷は、壊滅したの」
「どういう、ことですか?」
「私の星は、なんてことのない普通の星だった。多少の災害や争いはあったけど、それでもみんなが楽しく、平和に暮らしてた」
そんなある日の事だった。レトの星で小規模の争いが起きた。
いわゆる宗教戦争みたいなもので、それぞれがそれぞれの正義を振りかざして戦っていた。
みんなはそれがすぐに収まると思っていた。しかしその予想は大きく裏切られる。
それぞれの宗教は、周りの人達がこれまで見たことのないような武器を使い始めたのだ。
おぞましい怪物を利用した生物兵器、未知のエネルギーを使った大量殺人兵器など。戦況は誰にも予想ができなくなっていった。
しかし戦っている当人達は『我々の正義のために神々が与えてくれた神器』として使っていた。
そしてそれらの武器はやがて、人々を飲み込むようになっていった。
化学兵器の影響で一般市民は化け物になり、エネルギーがコントロール不能となってあたりに被害を及ぼす。
もはや手に入れた本人達ですらどうしようもなくなっていった。それでも尚彼らの正義はぶつかり合い、戦争は終わらない。
やがて彼女の星は滅んでいった。人々の争いによって、星の生命は絶滅し、生命体が住めるような場所ではなくなった。
「………そんな、ことが………」
「私は私の星を取り戻したい。だからあなた達仮面ライダーの力が必要だったの。どんな願いも叶えてくれる、ステンノークリスタルの力が!」
「え?どういう、ことですか?あの妙な石は、あなたが用意したんじゃないんですか?」
「ッ⁉︎………なるほど、そういうことですか」
睦月の質問に亡がハッとして顔を上げた。
「彼女はステンノークリスタルを操っていたわけじゃない。あれは特定のエネルギーに引き寄せられて現れる。彼女はそのエネルギーを知っていただけ、という事ですか」
「さすが技術者型ヒューマギア。そこまで調べたんだ………そうだよ、あれは私のものじゃない。この星のどこかに存在して、仮面ライダーの力に引き寄せられて現れるの」
みんなあまりピンと来ていないが、ウォズだけはすぐに理解ができた。
「仮面ライダーの力………そうか、あらゆる並行世界に存在する希少な存在である仮面ライダー。この星でその力を使わせてクリスタルを引き寄せる。それがこの大会を開催した本当の理由………」
「そうだよ。クリスタルを集めて、私の星を復活させる。争いの無い、平和な世界として」
あまりにも壮絶な話に、みんなが黙ってしまった。いや、モモタロスだけは違う。
「ハッ!だからってこんなことに巻き込まれてたまるかよ!オラァッ!」
モモタロスは剣を構えると、ソウゴに向かって走り出した。蛇を倒そうと剣を振るう。
しかしその剣を止めたのは、他ならぬレトだった。
ソウゴとの間に割って入ると、モモタロスが全力で振り下ろした剣を片手で受け止めたのだ。
「何ッ⁉︎」
「はぁっ!」
レトは受け止めた剣を回し蹴りで弾き飛ばした。その勢いのままモモタロスに拳を振るい吹き飛ばす。
「ぐふっ!」
「モモタロス⁉︎」
「マジかよ!アイツ強ッ!」
まだやられるならともかく、あんな少女に吹き飛ばされるなんて思っていなかった。慌ててみんなが駆け寄る。
「ねぇモモタロス!大丈夫⁉︎」
「ってぇな………?」
吹き飛ばされたモモタロスは体を起こすと、不思議そうに首を傾げた。
「先輩?どうかした?」
「一瞬だからよく分かんねぇけどよ、あの女の拳………冷たかった」
「はぁ?どういう事だ?」
首を傾げた雷が、レトを見て解析する。そして目を見開いた。
「ッ⁉︎ こ、これは………!」
「おい、どうしたんだ?」
「あの女………心臓が止まってやがる………死んでるんだよ」
「何⁉︎」
信じられない事実に、みんなが驚いた。目の前にいるレトは、見た目だけならどう見たって生きている。
「言ったでしょ、私の星の生命は絶滅したって………私だって例外じゃない」
「………なるほどな、お前さん『NEVER』か」
「その通り」
茂の言葉に答えたのは、レトの後ろからやってきた男だった。後ろに四、五人仲間を連れている。
その男はさっきまで怪人だった人達と同じ白服を着ている。財団Xの人間で間違いない。
「我々は財団Xのアンノウンエネルギー研究開発を担当している者だ。彼女は私達の素晴らしい発明なのだよ」
「アンノウンエネルギー開発………なるほど、レム・カンナギの後釜か」
死人を蘇生させる技術『NEVER』。そこに彼らが何かしらの手を加えたのか。
「我々は財団Xの研究者だった最上 魁星の研究データから、あらゆる並行世界とそこにいる新たな仮面ライダーの存在、そしてステンノークリスタルの存在を知った。それらを利用し、貴様ら仮面ライダーの力を手に入れるのだ」
そう言うとレトは懐に入れていた物を取り出した。
「なんだアレ?………スタンプ?」
「バイスタンプ。体内に潜む悪魔を解放するアイテムだよ。それを我々の手で改造したのさ」
聞いたことのない名前だが、おそらく並行世界の仮面ライダーの力なんだろう。
「しかしこのバイスタンプは本来のものとは違い出力が大きすぎてね。使える人間が限られる。何せ、元にしてる遺伝子が特別だからね」
「遺伝子だぁ?」
「そうだ。本来バイスタンプは地球上に存在する生物の遺伝子を利用している。しかしこのバイスタンプは、あの『ショッカー首領』の遺伝子が使われているのだよ」
「なん、だと⁉︎」
その言葉に茂は愕然となった。額からは汗が浮かぶ。
何年にも渡って仮面ライダー達を苦しめてきた秘密組織・ショッカー。その首領の遺伝子を利用した悪魔など、想像するだけで恐ろしい。
「あ、あり得ねぇ!ショッカー首領は既に倒されてるはずだ!今になってこんな事が………!」
「我々財団Xはコアメダルの研究も行っている。もちろん、ショッカーメダルのデータも取っている。不可能じゃないさ」
「ぐっ!あの時のか!」
自信満々に語る研究員に、モモタロスが拳を握る。
「つまり、彼女はその限られた存在の一人だと?」
「そうだ。だから滅んだ星から彼女の遺体を回収し、NEVERとして蘇らせた。最強の悪魔を生み出すために」
「最強の悪魔………まさか!」
「そう!ソイツはあらゆる生命体に取り憑き、その者の体を支配する力がある。その力でオーマジオウである常磐 ソウゴの力を奪い、さらに貴様ら仮面ライダーの力をもこの手に収める!」
ソウゴの体を支配していた蛇、それがレトの生み出した悪魔だったのだ。
「レトさん。お前が何でこんな事したかは分かりました。けど彼らは君を利用してるだけなんだよ!」
「それでも構わない!それで私の故郷が戻るなら、何だってする。それに、この悪魔の力は私にも必要なの!」
良太郎の説得にも、レトは耳を貸す様子がない。
「どういう事ですか?単にステンノークリスタルだけが欲しいなら、大会を開くだけで十分なはずです」
「それだけじゃない………その力を完全に引き出すには、クリスタルのエネルギーを媒介するものが必要なの。それも、そのエネルギーに耐えられるほどのものが」
「それが仮面ライダー達の人柱、という事か。ライドウォッチと人間を分離していた理由はそれか」
ライドウォッチは財団Xが、人柱はレトが使うためのものだったというわけだ。
「後は貴様らの力を奪うだけだ。既に装置は完成している。見たまえ!」
するとみんなの前に映像が映し出された。
そこには大きな塔があり、内部にステンノークリスタルが溜まっていた。他の仮面ライダーから奪ったのだろう。
さらにはその周りにはいくつもの十字架があり、そこにはこの星に呼ばれた仮面ライダー達が気絶した状態で繋がれていた。
「これはッ………」
「素晴らしいだろう?もっとも、エネルギーをこの星に集中させるために、エネルギーの遮蔽バリアを張り巡らせるのは苦労したがね」
外部と連絡出来なかったり、キバがフォームチェンジ出来なかった理由はそれなのだろう。
「この装置が作動したら、繋がれている仮面ライダー達はどうなるんですか?」
「これだけの高出力のエネルギーを体に流し込まれるのだ。肉体は耐えられても、精神はまぁ間違いなく、死ぬだろうな」
あまりにも淡白な物言いに、みんなが財団Xの研究員を睨む。
「くっ!お前ら、ぜってぇ許せねぇ!」
「何とでも言え。我々の計画は最終段階に入る。残りのクリスタルと、貴様らの力を奪わせてもらおう。レト、アイツらを捕まえて力を奪え」
「分かってる」
レトは小さく頷くと、手に持っているバイスタンプのボタンを押した。
『ショッカー』
ソウゴの背中から蛇が生えてみんなの方へと向くと、素早く絡みつく─────前にピタッと止まってしまった。
「グッ!グアァァァァッ‼︎」
すると悪魔に乗っ取られたソウゴが、いきなり頭を抱えて苦しみ出した。蛇もコントロールを無くしたように悶えている。
「何⁉︎どうした⁉︎」
「グアァァッ!これはッ………体が、反抗して!」
「まさか、我が魔王が抵抗している、のか………」
悶えているソウゴを見て、ウォズが呟いた。どれだけ蛇で襲おうとしても、すぐに止まってしまう。
「あり得ない!完全に意識は乗っ取ったはずだ!」
その様子を見たモモタロスが前に出た。
「おいソウゴ!テメェの仲間が今、お前を助けようと死ぬ気で頑張ってんだ!ちったぁ根性見せろや!」
するとそれに反応したようにソウゴが顔を上げた。
「ぐっ!………ウォ、ズ………」
「我が魔王!」
「えぇい、レト!バイスタンプの出力を上げろ!常磐 ソウゴを飲み込んでしまえ!」
「分かってるよ!」
レトがバイスタンプのボタンを押すと、悶えていた蛇がソウゴの体に巻きつき、それは醜いアーマーとなっていった。
真っ黒の蛇が体中に巻き付き、その中から金色の鎧が現れる。それはまるでオーマジオウとショッカー首領が組み合わさったような姿だ。
さらに体から噴出した粒子が怪人達へと変わっていく。
「これは………とんでもない化け物ですね………」
「何なんだよ、あの禍々しさ………」
あまりの邪気と敵の多さにに全員が少しだけ怯む。しかしすぐに立ち直る。
「亡、お前達のクリスタルはどこにある?」
「え?私が持っていますが」
「だったらそれ寄越せ」
亡は言われるままに、雷に持っていたステンノークリスタルを渡した。
「俺と茂であの装置を破壊する。エネルギーの発生源を辿れば装置の場所は分かるし、これ持ってりゃ向こうも数を分断してこっち追って来るだろ」
「なるほど、そりゃ名案だな!」
とんでもない事を言い出した二人に、余り者チームのみんなが驚いた。慌てて睦月が叫ぶ。
「ちょ、ちょっと待ってください!それはいくらなんでも危険すぎますよ!二人は今変身出来ないんですよ⁉︎」
「なぁに、変身出来なくてもあの程度の装置壊すくらいは出来るさ」
「しかし………!」
「お前ら全員、レトに一言言ってやりたい事あるんだろ?」
茂に心中を見透かされて、みんなは黙ってしまう。
「俺らの仲間殺そうとしてる財団X達には、俺達がきっちり雷落としてやる。お前達は助けたいヤツを助けてやれ」
「雷………分かりました。お願いします」
「おぅ。そっちも負けんじゃねぇぞ」
ウォズがマフラーを伸ばしてみんなを包んだ。地上に転移すると同時に、レトや怪人達も地上に現れた。
「茂さん、これ使って。バラだし、ちょうどいいでしょ?」
「私からも、これを。逃げる時に我が魔王に託されたものだけど」
城之内は茂に自分のローズアタッカーを、ウォズは雷にソウゴのライドストライカー渡した。それぞれ展開するとバイクに変形する。
「へっ、こりゃあいい。助かるぜ」
「使わせてもらうか」
二人はそれぞれバイクに乗ると、ヘルメットを被った。大きなエンジン音を鳴らすと、怪人達を蹴散らしながら装置の方へと向かう。
「おい、我々はヤツらを追うぞ」
財団Xの研究員達はそれを見て雷達を追いかける。
「さてと、それじゃあ俺達もぼちぼち始めようぜ」
二人を見送ると、良太郎達は怪人達と向き合う。その奥には鋭い目つきで睨んでくるレトがいる。
「今さらだけどさ………」
怪人達を見つめながら良太郎が口を開いた。
「みんなはこの大会勝ったら、何をお願いするつもりだったの?」
突然の質問に、みんなの視線が良太郎に集まる。
クリムシュタイン・ベルトに言われた目的の共有、それ以降やれる機会が無かった。
「そうだなぁ………俺は、人間とアンデットが手を取り合って生きていける世界を作りたい、かな」
それは城 光や嶋 昇と心を通わせた睦月の心からの願いだ。
「私は、全てのヒューマギアの夢と自由が守られて、笑える未来を作りたいです」
ヒューマギアが道具ではなく人と対等に暮らせる未来、それが亡の理想の未来図だ。
「俺はパティシエとして、もっともっと美味しいスイーツを作りたい。初瀬ちゃんへと罪滅ぼしとして」
大切な相棒に助けてもらった人生を全力でまっとうする。それが城之内の罪滅ぼしだ。
「私は、我が魔王が選んだ『王道』を真っ直ぐ進めることを祈るよ。今回のような事がないように」
自分のためでは無い、大切なソウゴのための、ウォズのささやかな祈りだった。
「僕は、みんながいる未来を守れるようになりたい。みんながそれぞれの未来を進めるように」
その願いは、色んな人の過去と未来を見てきた、良太郎の求める彼自身の『未来』だ。
「モモタロス達は?本当の願い、教えてよ」
良太郎は隣にいるモモタロス達を見た。するとイマジン達は目を合わせて肩をすくめた。
「馬鹿野郎。お前の願いを、全力で助けるに決まってんだろ」
「もちろん」
「それしかあり得へんで」
「当たり前じゃん!」
良太郎の大切な相棒達の願いは、最初から決まっていた。
「つかよぉ。そんな願い、コイツらぶっ飛ばして、自分の力で叶えてやろうぜ!」
「うん!」
全員の願いを共有した九人は怪人達と対峙した。
「良太郎君。君が指揮を取ってくれ」
「ウォズさん………」
「私には、我が魔王を助ける使命があるからね」
ウォズはそう言って微笑んだ。裏表のない、彼の心からの笑みだった。
「はい!………みんな、いこう!」
「「「「「「「「あぁ!」」」」」」」」
良太郎の号令にみんなが頷き、五人はベルトを装着する。
『ウォズ アクション!』『ドングリ ロックオン』『ジャパニーズウルフ』
怪人達の邪気を上回るほどの闘志が全員を満たした。強い絆で結ばれた仮面ライダー達が強く叫ぶ。
「「「「「変身!」」」」」
『ソードフォーム』
『投影! フューチャータイム スゴイ ジダイ ミライ! 仮面ライダーウォズ ウォズ!』
『カモン! ドングリアームズ! ネバーギブアップ!』
『オープンアップ』
『フォースライズ ジャパニーズウルフ! Break down.』
凄まじいエネルギーが一帯に溢れかえって、五人の仮面ライダーと三人のイマジンがその姿を現した。
「俺達、参上!」
「祝え!真のチームとなった仮面ライダー電王、ウォズ、グリドン、レンゲル、亡。いや、それだけではない。全ての仮面ライダー達の魂が邪悪な悪魔を倒し、新たな歴史の一ページとなるその瞬間を!」
こうして、最後の戦いが始まった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
評価、感想等ありましたら、ぜひよろしくお願いします。