仮面ライダー最強バトル‼︎   作:MC RAT

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 この本によれば、惑星ケールに集められた全ての仮面ライダーによる『仮面ライダー最強バトル』が繰り広げられていた。
 その中で起きた仮面ライダー達の襲撃事件。犯人は仮面ライダーの力を手に入れようとする財団Xとクリスタルの力を利用しようとするバトルの主催者である少女・レトだった。
 レトは故郷の星を復活させるためにクリスタルを使おうとするが、その力を使えば捕まった仮面ライダー達が死んでしまう。
 それを阻止するために変身能力を失った城 茂と雷はクリスタルのエネルギー装置へと向かい、願いを共有し真のチームとなった五人仮面ライダーとイマジン達は、ショッカーの遺伝子を引き継ぐ悪魔に挑む。


第8話

 ステンノークリスタルが溜まったエネルギー装置の周辺には、財団Xが生み出した怪人達が大量に徘徊して警護していた。

 そこにバイクのエンジン音が鳴り響いた。怪人達の視線が音の鳴る方に集まる。

 そこにはローズアタッカーに乗った茂とライドストライカーに乗った雷が、エネルギー装置に向かって一直線に進んでいる。

 怪人達は彼らを敵と判断し一斉に襲いかかってきた。

「おいおい、随分と手厚い歓迎じゃねぇか」

「人気モンは辛いねぇ。一気に突っ込むぞ!」

「あぁ!」

 二人はバイクのスピードを上げると、怪人達の中へと立ち向かっていった。

 怪人達の放つ光弾が二人を襲った。しかし二人はそれを避けながら、弾幕の中を進んでいく。

「たあぁぁッ!」

 茂は前輪を持ち上げると怪人達を蹴散らした。車体を倒して回転すると、怪人達の足元を掬う。

「はあぁぁッ!」

 その上を飛び越すように雷がライドストライカーで跳び上がった。空を飛ぶ怪人を体当たりで落として着地する。

 そんな二人を囲むように怪人達が迫ってきた。それをバイクで蹴散らすと、装置の方へと向かっていく。

「チッ!数が多いな!」

「よそ見すんなよ。目の前、来るぞ!」

 目の前に立ちはだかった怪人が再び光弾を発射する。その爆風で二人はバイクごと跳び上がった。

 それを狙ったかのように怪人が迫ってくる。

「甘いんだよ!」

「やあぁぁぁッ‼︎」

 二人はハンドルを握ったまま、空中でバイクから降りて怪人を蹴り飛ばした。乗り直してから地面に着地する。

「っとぉ!どんなもんだっての!」

「へっ!まだまだいくぜ!」

 二人は怪人達を蹴散らしてる、装置の方へと向かっていった。

 しかし彼らの前に怪人とは違う、別の影が二つ現れる。

「ッ⁉︎ あ、あれは………」

 その影が目に入った瞬間、二人の前に眩い稲妻が走った。それに弾かれて二人は吹き飛んでしまう。

「「ぐあぁぁぁッ⁉︎」」

 バイクから落ちた二人は、地面へと叩きつけられた。吹き飛んだヘルメットが地面へと転がる。

「ぐっ!………やっぱり、怪人だけなんてザルな警護はしねぇか」

「だろうな。にしても………趣味の悪いヤツだぜ」

 二つの人影がこちらに近づいてくる。光に照らされて姿がはっきりと見えた。

 

 

「まさか、自分達と戦うことになるとは………」

 

 

 目の前に現れたのは仮面ライダーストロンガーと仮面ライダー雷だ。おそらくソウゴが奪ったライドウォッチの力で作ったのだろう。

「まぁちょうどいい。アイツらぶっ倒して力返してもらうか」

「言われるまでもねぇ!」

 二人は身構えると、自分の分身に向かって駆け出した。

 

 

 

「はぁっ!はっ!たぁっ!」

「くっ!ふっ!はぁっ!」

「やぁっ!はっ!やぁっ!」

 レンゲルとウラタロス、ウォズは各々の武器で怪人達を貫いた。薙ぎ払って道を作ると、前へと進んでいく。

『スクリュー』

 レンゲルはレンゲルラウザーを握り回転すると、怪人達を一気に蹴散らした。

「ウラタロス君、君は最初から私の様子がおかしいのに気がついていた。なぜ、はぁっ!………黙っていたんだい?」

「ふっ!やぁっ!………そんなの決まってるでしょ?言葉の裏には針千本。追求しても返ってくるのは嘘だと思ったからね」

「それも嘘、かな?」

「それはどうだろう?はぁっ!」

 ウラタロスが突き飛ばし怪人を、レンゲルが回転して貫く。

「おりゃあぁッ!」

 さらにキンタロスが周りの怪人を叩き斬った。

「っと………結局、まとまっても考えが読めないのは変わらない、か」

「なんや、それやと不満か?」

「いえ、俺達は仮面ライダーです。まとまる理由は、それだけで充分です!」

『リモート』

 睦月は自分の持つカードからライノスアンデット、コブラアンデット、ポーラーアンデットを解放した。

「だから俺も、俺のやり方でやらせてもらいます。みんな、力を貸してくれ!」

 レンゲルが命ずると、アンデット達は一斉に怪人達に襲いかかった。

「怪人出すんはえぇけど、俺らが倒してまっても知らんで?たぁっ!」

 

 

 

 

『ドングリオーレ!』

「やぁっ!」

 グリドンが大きく跳び上がり、ドンカチを大きく振るって空を飛ぶ怪人達を吹き飛ばす。それらにリュウタロスが狙いを定める。

「う〜ん………とりゃあ!」

 リュウタロスの放った光弾が命中し、怪人達が爆発した。当然それにグリドンも巻き込まれる。

「わ〜い!やったやったぁ!」

「ぐはっ!やった、じゃないだろ!思いっきり巻き込まれたわ!」

「え〜いいじゃんいいじゃん!よ〜し、次行くぞ!」

「っておい、後ろ!やぁっ!」

 リュウタロスの手を引くと、グリドンが攻撃しようとした怪人を蹴り飛ばす。

「たぁっ!このッ、オラァッ!」

「はぁっ!」

 横から迫ってきた電王が次々と怪人を斬り飛ばしていく。その間を縫うように亡が駆け抜けた。爪で素早く攻撃していった。

「小僧!よそ見してんじゃねぇぞ!」

「ちゃんと分かってたも〜ん!モモタロスみたいにおじいちゃんじゃないし〜」

「んだとぉ?」

〈二人とも、言い争ってないで!〉

「ッ!ふっ!………ここまで騒がしい戦いは、初めてですね」

 怪人達を薙ぎ払って、亡が電王と背中合わせになる。

〈ごめんね。何か緊張感無いかな?〉

「いえ。これはこれで………悪くない」

「へっ!だったら、俺がカッコよく決めてやるよ!必殺、俺の必殺技………」

「あ!モモタロス、ボクと変わって!」

『ガンフォーム』

 必殺技を決めようとしたモモタロスを押し退けてリュウタロスが入れ替わった。

「お前達倒すけどいいよね?」

『フルチャージ』

「答えは聞いてないけど!やぁっ!」

 エネルギーの溜まった銃口を怪人達に向けて引き金を引く。光弾が怪人達を吹き飛ばした。

「やったぁ!いぇいいぇい!」

「くぅ───ッ!テメェなぁ!せっかく俺がカッコよく決めようとしてたのによぉ!」

「え〜?モモタロスノロマなんだよぉ」

〈二人とも!〉

「まったく………結構ピンチだってのに、アイツらは変わらないなぁ。そういえば、例の装置は大丈夫かな?」

「おそらく財団Xは向こうに向かったはずです。雷と城 茂を信じるしかありませんね。しかし………」

 亡は遠くにある装置を解析する。装置の周りには分厚いエネルギーバリアが張り巡らされていた。

「あれが破壊できなければ滅や迅達が………雷、急いでください」

 

 

 

「くっ!ぐぁっ!」

「っと、はぁっ!ぐふっ!」

 ライドウォッチの力で生み出された仮面ライダー雷と仮面ライダーストロンガーに、変身出来ない雷と城 茂は苦戦していた。

 雷は振り下ろされたヴァルクサーベルを避けて、仮面ライダー雷に蹴りを放つ。しかし力が足りずに弾き返されてしまった。

「やぁっ!くっ!………ぐはぁッ‼︎」

「雷⁉︎ッ!ふっ!たぁっ!………ぐっ!ぐぅッ‼︎」

 茂もストロンガーと応戦しているが、改造電気人間としてのパワーすらも失った彼は、苦戦を強いられる。

 ストロンガーの電気を帯びた拳が、茂の腹にめり込んだ。

 ボロボロになった二人がそれでもなお身構えると、装置の奥から財団Xの研究員達が現れた。

「愚かな。さっきの仮面ライダー達ならまだしも、変身能力を失った貴様らが敵うわけがないだろう」

「さて、それはどうかな………はぁっ!」

 茂はストロンガーの腰にしがみつくと仮面ライダー雷と分断させた。雷も立ち向かっていく。

「我々が手を下すまでもない。おい、装置を起動させるぞ」

 研究員達は装置の操作パネルの方へと向かっていった。

「ぐっ!ぐあっ!………変だな………お前ら、何でその装置にそこまでこだわる………お前らの目的はライドウォッチだろ?」

「いや、これも我々の目的の一つだ。このエネルギーを手に入れ、さらなる兵器を作り上げるのだ」

「んだと………くっ!それじゃあ、レトの願いを叶えられねぇじゃねぇか!」

「馬鹿め。あんな女は、バイスタンプを使わせるための駒に過ぎない。ライドウォッチの力も、クリスタルの力も、全ては我々財団Xのものだ!」

「このッ………ふざけやがって!ぐふっ!」

 雷が怒りのあまり研究員に殴りかかろうとするが、仮面ライダー雷がそれを阻んだ。

「全ては我々の計画通りだ。ヤツの星が滅んでからな」

「まさか………レトの星に持ち込まれた兵器ってのは………」

「そうだ。あれは我々がくれてやったものだよ。もっとも、兵器の実験としてだから、安全性は保障出来なかったがな!」

 レトの星に持ち込まれた科学兵器。それらは全て財団Xが作り上げた兵器だったのだ。彼らは実験体として利用されたのだ。

「おい、トドメを刺せ」

 仮面ライダーストロンガーがコイルアームを接触させた。仮面ライダー雷もフォースライザーのレバーを操作する。

『ゼツメツユートピア!』

 仮面ライダー雷、ストロンガーは素早く駆け出すと、稲妻を帯びた拳を二人にめり込ませた。

「「ッ⁉︎ ぐはあぁぁッ‼︎」」

 雷と茂は大きく吹き飛ばされると、その場に膝をついて倒れた。二人の傷から機械の肌が見え隠れし、それから動かなくなる。

「フンッ、所詮この程度のものか」

 研究員達がパネルを操作すると、巨大な装置が妖しく光り始めた。

「準備ができました。いつでも始められます」

「よし。エネルギーを抽出しろ。その二人も人柱に加える。吊し上げろ」

 研究員が命じると、二人の仮面ライダーは倒れた二人に歩み寄った。

 

 

 

 その時、どこからともなく口笛が聞こえた。

 

 

 

「? 何だ、この音は?」

 辺りに鳴り響く澄んだ口笛に、研究員達はその音を聞いて辺りを見渡した。

 その口笛は茂の口から奏でられていた。傷ついた茂はフラつきながらも、ゆっくりと腕をつく。

「へっ………生憎だったな………俺の必殺の拳は、俺しか使えないもんでね………」

「くっ!死に損ないが………装置に支障はない、殺してしまえ!」

 その命令を受けて仮面ライダー雷が、茂に向かってヴァルクサーベルを振り下ろした。

 ヴァルクサーベルが茂を真っ二つにする──────その直前、振り下ろされた腕を、起き上がっていた雷が受け止めた。

「ッ! 俺の技の真似をしようなんざ………百万年早ぇんだよ‼︎」

 雷は蹴りを繰り出すとヴァルクサーベルを二本とも奪った。

「はぁっ!やぁっ!たぁっ!オラァァァッ‼︎」

 取り押さえようとしたストロンガーに何発も斬撃を喰らわせる。

「茂!」

「おぅ!」

 雷は茂にヴァルクサーベルを一本放って渡した。茂はそれを受け取ると大きく振り上げた。

「「はあぁぁぁぁぁ───────────ッッッ‼︎」」

 ピッタリ同じタイミングで振り上げた二人は、勢いよくヴァルクサーベルを振り下ろす。

 力強い斬撃が斬り刻まれて、二人の仮面ライダーが火花を散らして崩れ落ちた。

 体がモヤのように消えて、ライドウォッチだけが残る。そのウォッチを素早く回収する。

「俺達の力、返してもらうぜ」

「何ッ⁉︎………しかし、もう装置は止められない!仮面ライダーの力は、我々のものだ!」

「ハッ、科学者のクセにオツムが悪いみてぇだな。止められないだぁ?んなモン壊しちまえばいいんだろ!」

「このバリアが見えないのか!貴様らごときの力で壊せるものではないぞ!」

 たしかに装置の周りには分厚いエネルギーバリアが張り巡らされている。そう簡単に敗れるものではないだろう。

「たしかに………こりゃ俺には破れそうにないな。俺には(・・・)、な?」

 茂はバリアを見上げながら呟くと雷を見た。雷がフッと笑う。

「しゃあねぇな。だったら、俺達でやるか!」

「あぁ!」

 二人は手に持っているヴァルクサーベルを地面に突き立てると、ライドウォッチを起動させた。

『ストロンガー』『雷』

 茂の体に改造人間としての力が戻り、雷の腰にフォースライザーが装着されて、手にはドードーゼツメライズキーが現れる。

「な、何故だ………何故貴様らはそこまでする!貴様らの力ではどうしようもないことなど、見ればわかるだろう!」

 

 

「何故だぁ?んなモン決まってんだろ………宇宙の大海原が、俺と昴を待ってんだ。テメェらの好きにされちゃたまらねぇ………」

 

 

「天に召された女と、地に眠った男の分まで、悪を倒すって決めた………」

 

 

「「ただ、それだけだ!」」

 

 

『ドードー』

 二人は息を吐くと構えた。空から雷が落ちてスパークする。

「「変身」ストロンガー!」

『フォースライズ Break Down.』

 スパークした雷が稲妻となって二人を包んだ。眩い光に研究員達は目を隠す。

「チャージアップ!」

 ストロンガーは構えて大きく跳び上がると、光り輝く銀色の角を持つ姿へと変わった。

 そして雷に向けてパチンッと指を鳴らす。指先から放たれた白銀の稲妻が雷の身に纏われて、アーマーが白銀になる。

「これは………」

「超電子ダイナモの力をお前に分けたんだ。ただし使えるのは一分以内。それ以上使えば体もろとも爆発するがな」

「一分、ねぇ………充分すぎるだろ」

 二人は地面に突き立てたヴァルクサーベルを引き抜いた。

『ゼツメツディストピア!』

 それぞれ握りしめたサーベルを振るって、刃を擦り合わせた。金属の擦れ合う甲高い音が鳴り響き、火花が飛び散り稲妻が走る。

「とぉっ!」

「はぁっ!」

 二人は大きく跳び上がり、ドリルのように回転してバリアへとサーベルを突き立てた。

 その構えはかつてストロンガーが使った『超電子ウルトラサイクロン』のような構えだ。

 バリアと稲妻がぶつかり合い、エネルギーが音を立てて光を放つ。

 しかしエネルギーが反発しあって、バリアは破れるどころか二人を弾き飛ばそうとする。

「ぐっ!やっぱり………そう簡単には破れない、か………!」

「まだだ!こんなモン、ぶっ潰してやるぜ!」

 バリアのエネルギーが二人を襲い、体にダメージが加わり内側から爆ぜそうな痛みが二人を襲う。

 それに耐えるように二人は全身に力を込めた。

((もっとだ!もっと………より強く‼︎))

 

 

 

「「超電子…………STRONGERRRRRRRRRRRRRRRRRR‼︎‼︎‼︎」」

 

 

 

 二人の全力を注ぎ込んだエネルギーが、バリア全体に伝わった。そのエネルギーは流している二人にも流れ込んでくる。

 さっきまでとは比べ物にならないほどのダメージが二人を傷つける。雷の仮面の目が砕け、ストロンガーの角が欠けて血が噴き出た。

 一人で使っていたら間違いなく体が崩壊していただろう。それでも二人は止めるどころか、さらにエネルギーを流し込んだ。

 超電子の力にヴァルクサーベルが耐えきれずに刃に亀裂が走る。

 

 

 

「「はあぁぁぁぁぁ─────────────────ッッッ‼︎‼︎‼︎」」

 

 

 

 バキッ‼︎

 その瞬間、バリアにサーベルが通り、一気に亀裂が入った。バリアが砕けると共にヴァルクサーベルが二本とも砕け散る。

 そんなことには目もくれず、装置へと飛び込んでいった。

 砕けたサーベルは、二人の最後のエネルギーが込められて装置に突き刺さる。

 ステンノークリスタルの入った装置に亀裂が入ると、中のエネルギーが制御出来なくなった。

 クリスタルのエネルギーが白い光となって爆ぜた。装置が鉄屑となって爆発し、中のクリスタルがどこかへと散っていった。

 装置の近くにいた二人はもちろん、研究員達もその爆発で吹き飛ばされる。体を起こして崩れていく装置に言葉が出てこない。

「まさか………あり得ない!我々の研究が………」

 爆発によって変身の解除された茂と雷は地面に叩きつけられた。折れたヴァルクサーベルが地面に突き刺さる。

 ピクリとも動かない二人は、ボロボロになっていて倒れている。機械の肌が覗く雷の体からは火花が飛んで、隣に倒れる茂も血塗れだ。

 

 

 

 その時、二人の指がピクッと動いた。

 

 

 

「ぐっ!………なんだよ………思ったよりも、生かしてくれるみてぇだな………」

「ごふッ!………へへっ、やっぱり………そう簡単に、死なせちゃくれねぇか………」

 一命を取り留めた二人は、お互いを見て笑った。

 装置も壊されて、倒すべき仮面ライダーも生きている。研究員達の顔が醜く歪んだ。

「許さん………許さんぞ!仮面ライダーァァァッ‼︎貴様らだけは、ここで殺してやる‼︎」

『グラビテーション』

『ウォーター』

『マンモス』

『ナイト』

『ミラー』

 財団Xの研究員達は、それぞれ自分達のガイアメモリを起動させると現れたコネクタに刺そうとする。

 二人はもう戦うことが出来ない。二人は悔しそうな顔を浮かべる。

「いや、もう終わりだ」

 その瞬間、研究員の一人の腕を誰かが掴んだ。それに続くようにさらに二つの人影が現れる。

 三人は研究員達の持っていたガイアメモリを叩き落とすと素早く気絶させた。研究員達はその場に倒れる。

「お、お前ら………賢人、トドロキ、一真………」

 研究員達を倒した三人、同じチームの三人に二人は倒れたまま顔を上げる。

「二人ともボロボロじゃないッスか⁉︎大丈夫ッスか?」

 トドロキと賢人が慌てて二人に駆け寄り肩を貸してくれる。

「お前ら………もう、大丈夫なのか?」

「あぁ。もっとも、あの爆発のせいで十字架から吹き飛ばされたけどな」

 おそらくエネルギー装置が十字架の拘束力も担っていたため、破壊と共にそれを失い、三人は装置から一番近くにいたのだろう。

「見せ場は、取られちゃったみたいですね」

「へっ………遅ぇんだよ………」

 茂と雷はぼんやりと映る視界を遠くへと向けた。今も戦っている戦士達の方へと。

「後は、頼んだぞ………仮面ライダー」

 

 

 

 

「はぁっ!ふっ!やぁっ!」

「ッ────‼︎」

「はぁっ!」「ソイヤァッ!」

 ウォズの攻撃が悪魔を弾き飛ばした。さらに続いて亡とキンタロスが深く斬りつける。

 レンゲルの解放したアンデット達が攻撃すると共に、レンゲルに再封印される。

 その時だった。遠くに見えていたエネルギー装置から眩い光が解き放たれた。それと同時に爆発が起きて、衝撃波がここまで伝わる。

「ッ⁉︎ あれは⁉︎」

「雷と城 茂が、エネルギー装置を壊してくれたようですね」

 その光景に驚いたのは仮面ライダー達だけではない。レトもその爆発に驚き、慌てて振り向く。

「そんな‼︎わ、私の………私の故郷を取り戻すための力が⁉︎いやあぁぁぁぁぁッ‼︎」

 レトの動きが止まったことで、彼女が動かしていた悪魔の動きも止まった。

「今だ!おい小僧変われ!」

 モモタロスは合図を出すと共にリュウタロスに代わって、良太郎のならに入った。そしてライダーパスをベルトにかざす。

『フルチャージ』『フィニッシュタイム! バクレツデランス!』『ドングリスカッシュ!』『ブリザード』『ポイズン』『ブリザードベノム』『ゼツメツユートピア!』

「「「はあぁぁぁッ‼︎」」」

 レンゲルと亡が起こした吹雪を、グリドンの回転により竜巻のように大きくする。

 その吹雪に乗って、三人はそれぞれの武器で力強い一撃を叩き込んだ。

「やぁっ!」「おりゃあッ‼︎」「バンッ!」

 ウラタロスとキンタロスが武器で悪魔を上に吹き飛ばして、リュウタロスが銃を撃って岩肌に叩きつける。

「必殺 俺の必殺技、パート1!」

 電王がデンガッシャーの刃先を飛ばして悪魔を斬りつけた。左右に振って横凪で辺りに伸びる蛇ごと斬りつけると、頂点から一撃を決める。

〈ウォズさん!〉

「あぁ!」

 良太郎の合図でウォズは大きく跳び上がった。

「やあぁぁぁぁぁッ!」

 ジカンデスピアを大きく振るって悪魔の腹に大きな傷をつける。

 すると大きく開いた傷口から人の姿が見えた。紛れもない、悪魔に取り憑かれた常磐 ソウゴだ。

「我が魔王!」

 大切な主を見てウォズは叫んで精一杯手を伸ばす。

「ウォ、ズ………!」

 ウォズと目が合ったソウゴは、飲み込もうとする悪魔に抗いながら手を伸ばした。

 それを阻止するかのように悪魔の傷口が塞がっていく。再びソウゴの姿が隠れる。

(我が魔王………必ず、助ける!)

 ウォズは悪魔に飛びかかると、傷口に手を入れてソウゴの手を握った。その手を強く引っ張って、悪魔の中からソウゴを引きずり出す。

「──────ッッッ‼︎」

「ぐあぁぁぁッ⁉︎」

 その勢いで二人は後ろへと倒れた。転がりながら地面に叩きつけられる。

 そんなことも気にならないとばかりに、ウォズは慌ててソウゴに駆け寄った。

「くっ!………我が魔王!ご無事ですか⁉︎」

「ウォズ………助かったぁ………」

 ソウゴはゆっくりと体を起こすと、大きく息を吐いた。

「助けるのが遅れてしまい、申し訳ありませんでした………」

「ううん。ウォズなら何とかしてくれるって信じてたから………ありがとう」

 ソウゴは微笑むと、ウォズの肩を軽く叩いた。ウォズが深く頭を下げる。

〈ウォズさん!大丈夫⁉︎〉

 吹き飛ばされた二人の元にみんなが駆け寄ってくる。

「あぁ。それより………」

 ウォズは立ち上がると、ソウゴを引き抜かれた悪魔の方を見た。悪魔は攻撃によって崩れ落ちる。

 それを見て、レトが力が抜けて膝をつく。

「そんな………せっかく、ここまで来たのに………何でよぉ………」

 力無く項垂れているレトを見て、ソウゴが立ち上がった。静かにレトの元へと近寄る。

「レトさん………この悪魔に取り憑かれて一緒にいた俺は知ってる。財団Xは、クリスタルの力で君の星を復活させるつもりなかったんだ。このスタンプを使わせるために、君の星に兵器を送り込んで滅ぼしたのはヤツらなんだよ」

 それを聞いて、レトは体をビクッと震わせた。ウォズ達もその事実に驚く。

「ヤツらの目的は、ライドウォッチとクリスタルの力、両方を手に入れることだったんだ。これ以上君が戦う必要は無いんだよ」

 ソウゴはレトの肩に手を置いた。冷たい感触にも動じず話しかける。

「大切な場所を、帰る場所を失くした気持ちは、俺にも分かる。でも………こんなことして星を復活させても、誰も喜ばないよ」

 無にも近い静寂がみんなの周りを包み込む。みんなの視線がレトに集まる。

「………ないで………」

「え?」

 レトの口が少し動いたかと思うと、彼女はソウゴの手を叩いた。

 

 

 

「ふざけないで‼︎自分達の正義のことしか頭にない!そのせいで周りの人達がどんな目に遭ってるかも分からないお前達に、私の気持ちが分かるわけないでしょ‼︎」

 

 

 

 レトはソウゴを睨んで立ち上がると、手に持っているバイスタンプを掲げてボタンを押す。その表情は憎しみで満ちていた。

『ショッカー』

 バイスタンプが光ると同時に、倒れた悪魔が操り人形のように立ち上がった。レトと悪魔の間に紅い紙が現れる。

「正義のせいで苦しむこんな世界………私が壊してやる‼︎」

 レトは目の前に浮かぶ紙にバイスタンプを押しつけた。

 すると悪魔が霧のようになってレトの周りを取り囲んだ。レトを飲み込むように体を覆った。

 それだけではない。財団Xの使用した細胞維持酵素がバイスタンプに反応して、その体はどんどん大きくなっていく。

「な、何だありゃあ⁉︎」

 みんなの前に現れたのは、禍々しさしか感じられない化け物だった。

 猛禽類のような獰猛な目に大きな翼を広げている。大きな鈍色の体を締めつけるように体中に蛇が巻きついている。

 これこそがレトが悪魔と上級契約した姿だった。




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