忘れられているがこの後には例の罰ゲームが待ち受けているのだが.........
それでは第一一話、始まります!!
~~マリンタワー裏トラックヤード~~
大型トラックが大量に止まっているトラックヤードの中をボロボロになった戦車や自走砲を運ぶ二輌の大型トラクタートラックであるスキャメルパイオニア
先程まで行われていた大洗・水戸連合の車両を学園艦に運んでいる最中のようだ
それをジッと見つめるⅣ号とホイシュレッケの乗員達
俊之「すいません、西住隊長....。我々がもう少し周囲に気を配っていればチャーチルを撃破できたのに.........」
幹信「完全に油断していたな...俺たち」
春樹「あと少しのところだったのに......!」
勉・集「.........」
先程の試合で敵に隙を突かれて撃破されたことに悔しさが溢れるホイシュレッケ乗員達
みほ「そ、そんな!百武さん達が気にすることじゃないですよ!!」
華「そうです!!私が大事なところで外してしまったのが悪いんですから!!」
幹信「いや!そんなことは無い!!」
優花里「そうです!寧ろ初めての試合で強豪校をここまで追い詰められたのは快挙ですよ!!」
麻子「やれるだけの事はやった」
沙織「そうだよ!!みんな頑張ったんだから!!ね!!」
そんな感じで少し暗い雰囲気が流れている所に誰かが声を掛ける
ダージリン「あなた方が隊長さんですわね?」
ルイス「ようやく見つけた。探してたんだよ」
なんと話しかけてきたのはグロリアーナ・モナーク連合のダージリンとルイスだった
彼女の後ろにはチャーチルの乗員で装填手を務めるオレンジペコと砲手を務めるアッサム
そしてバレンタインATの装填手のバーナードと砲手のトーマスもいる
ダージリン「お二人とも、お名前は?」
みほと俊之に名前を尋ねるダージリン
みほ「西住..みほです」
俊之「百武俊之です」
みほは表情を少し曇らせつつ俊之は素直に名前を名乗る
ルイス(百武.....どこかで聞いたような・?」
ダージリン「もしかして西住流の?」
百武の名前に聞き覚えがあるルイスと西住の名前を聞き少し驚くダージリン
ダージリン「随分、まほさんとは違うのね?」
ダージリンの言う違うの意味は姉妹の雰囲気かそれとも戦術かどちらかはわからない
ダージリン「こちらも色々と学ぶことのできたいい試合だったわ。全国大会で巡り会えた時は共に頑張りましょう?」
ルイス「次に会うまでにうちの隊員達も再教育しなければならないな。また戦える日を楽しみにしているよ」
みほ「は、はい!ありがとうございました!!」
俊之「ありがとうございました!!」
ダージリンとルイスの二人に一礼する二人
ダージリン「ではごきげんよう」
ルイス「では」
そういうとグロリアーナ・モナーク連合の隊長達は帰って行った
~~~~~~~~~~~~~
みほや俊之から離れてしばらくしたダージリン一行
するとダージリンが急にルイスを睨む
ルイス「どうした、睨んだ顔も美しいよダージリン」
ダージリン「どうして私たちが危なくなるまで放置していたのかしら?」
ルイスはダージリンに睨まれる状態でも飄々としていた
しかしダージリンは気にせずルイスを詰問する
ルイス「逃走していたⅣ号の動きで気づいたのさ。パーセルのセクストンが旅館に突っ込んだ後はマチルダが追跡の先頭に立ってたがマチルダの最高速度はⅣ号の約1/2。なのに何故か追いつけた。最初は市街地を走るために速度を抑えていると思ったけどあの旅館の丁字路で見たⅣ号の操縦士の腕から考えてあり得ない。だからⅣ号は囮で何処かに自走砲隊が待ち伏せていると踏んだのさ」
ルイスは冷静に自分の行動を説明する
ルイス「でそこからⅣ号の進行方向と位置関係から最終決戦の舞台はあの交差点と推理したのさ」
ダージリン「ならばもっと早く敵の自走砲隊を攻撃できたはずよ」
しかしダージリンは納得していないようで彼女が反論する
ルイス「確実に勝つために彼らが一番油断する状況を待っただけだ。今回の練習試合のルール的に考えれば所在不明の敵自走砲の捜索をするより無防備になったフラッグ車を狙うのは当然だろう?」
ルイスはそう言いながら笑うとダージリンの腰に手を回した
ルイス「それに君の指揮するチャーチルは重装甲の歩兵戦車、そう簡単には撃破されないだろう?」
ダージリンの耳元でそう囁くルイス
ダージリン「!!だ、だけどあんなやり方!認められないわよ!」
急に耳元で囁かれ驚きながらも抗議するダージリン
腰に回されたルイスの腕を解こうとする
恐らく彼女は耳が弱い(いらない情報)
するとルイスは力強くダージリンを抱き寄せた
ダージリン「?!!」
驚くダージリン
しかしそんなダージリンも気にせずルイスは耳元で囁いた
ルイス「君だって言ってたじゃないか?《イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない》って」
そういうとルイスはダージリンの頬にキスをする
ダージリン「??!!。お馬鹿!!アッサム達の前よ!?」
ルイス「関係ないね♪それに僕たちの熱愛報道なんて2月にすっぱ抜かれたでしょ?」
ダージリン「そういう問題じゃなくて!!」
口では抗議するダージリンだがルイスにキスされてから彼にべったりになっているのに全く気づいていない
アッサム(ルイス隊長相手だと弱々なのよねぇ、ダージリンは.....)
オレンジペコ(恥ずかしくて直視できません.....)
バーナード(ルイス隊長、またダージリンさんを弄って遊んでる)
トーマス(俺もアッサムとイチャイチャしたい.....)
そんな隊長二人の茶番を見せられるアッサム達だった
~~~~~~~~~~~~~
ダージリン一行が帰った後のみほ達
するとそこに角谷会長と河本会長率いる大洗・水戸両校の生徒会組がやってきた
杏「いやぁ、負けちゃったね。どんま~い」
勇「あとちょっとだったんだけどなぁ。惜しかった!」
桃「約束通りやってもらおうか、あんこう踊り」
河嶋の言葉に一気に表情が強張るⅣ号とホイシュレッケの乗員達
杏「まぁまぁ、こういうのは連帯責任だから」
勇「彼女たちにだけにやらせるのも......ねぇ?」
剣豪・一歩・末長「「「え??」」」
桃「え?!」
柚子「会長、まさか!!?」
杏「もちろん!!あ、百武ちゃんたちにもやってもらいたいことがあるからよろしくねぇ」
~~~~~~~~~~~~~
大洗の町内を走る8輪トラックが後藤と立川が乗る水戸男子校風紀委員会の警ら車輌ダットサン16型クーペが先導しながらあんこう踊りを大音量で流しながら走っている
トラックの荷台では西住らⅣ号乗員達と生徒会組がピンク色のピッタリとしたスーツを着てあんこう踊りを踊っている
みほ「ふぇえぇえぇぇ.........」
沙織「もうお嫁に行けないよぉぅ!!」
優花里「仕方ありません!」
華「恥ずかしく思うと余計に恥ずかしくなります!無心で踊るんです!!」
麻子「.........」
恥じらいを何とか抑えつつ踊るⅣ号組に対し殆ど動じる様子も無く踊る生徒会組
そして荷台の最後尾とトラックの屋根の上で百武と河本それぞれが真っ赤な褌一丁で大きな大漁旗を振り回し荷台
では西村と手塚が同じ格好で太鼓を太鼓を叩いている
後の乗員も褌一丁でトラックの周りを校旗を掲げながら歩いている
ちなみに先導車に乗る後藤と立川も褌一丁である
しかもその格好に風紀委員用の装備ベルトを付けているためまるで某首都警察のマスコットの様になっている。
勇「アソーレ!!ヨイショ!!」
河本が調子よく歌に合わせて合いの手を入れるのに対し他の隊員達は感情を抑えているのか無表情であり百武は激しく旗を振り続けている
~~~~~~~~~~~~~
みほ「ごめんね、私のせいでこんな恥ずかしいことさせちゃって.....」
優花里「西住殿のせいじゃありませんから!」
沙織「そうだよぉ!」
勉「まぁ、こういうこともあるよ」
先程までの罰ゲームを終えて一息ついているⅣ号とホイシュレッケの乗員達
華「この後7時まで自由時間ですけど..どうします?」
幹信「結構時間ありますね」
現在はお昼を少し過ぎた頃
まだまだ時間には余裕がある
沙織「みんなで買い物行こう!!」
春樹「気分転換にはピッタリだな」
こうしてⅣ号・ホイシュレッケ乗員達が買い物に繰り出す事が決まった
しかし
沙織「あれ?麻子、どこいくの?それに轟君も?」
麻子「おばぁに顔見せないと殺される」
沙織「あ~...そうだねぇ」
集「僕は、少し実家からの荷物を受け取らなきゃならないので」
沙織「そっか~。残念...」
勉「仕方ないさ今日はこの8人で行こう」
麻子と集はここで別行動となった
~~大洗リゾートアウトレット~~
先ほどの練習試合の際に横を通りすぎた大洗リゾートアウトレットに繰り出した8人
練習試合の観客席が設置されていたからかそれとも週末の昼間故か多くの客で賑わっている
沙織「可愛いお店いっぱいあるねぇ~!」
幹信「久々に来たなぁ、アウトレット」
優花里「後で戦車ショップいきましょうね!!」
春樹「そういえば、月刊戦車道特別号の発売って来週からだよね?」
優花里「ですです!!もちろん電話予約はバッチリですよ!!」
春樹「さすがぁだなぁ」
華「その前に、何か食べに行きません?」
試合後のリフレッシュを楽しむ一行
するとアウトレットの広場を走る人力車が目に入る
車夫は誰かを探しているようだ
俊之「人力車なんて珍しいな.......」
物珍しい人力車を見ていた一行
人力車を引いていた車夫がこちらに気付く
沙織「あ、目が合っちゃった」
自分に目が合ったと勘違いして頬を赤らめる
車夫は気前がよさそうな好青年に見える
すると人力車の車夫は何かに気づいたのか笑みを浮かべてこちらに近づいて来たのだ
恐らくあの爽やかな笑顔で数多の女性を落としてきたに違いない
沙織「え?!やだぁ!!どうしよう!」
沙織は完全にナンパか何かと勘違いしている
幹信「あれって.......」
華「新三郎!」
沙織「知り合い?!」
どうやら人力車の車夫と華達は面識があるようだ
車夫は人力車を止めて真っ直ぐ五十鈴に近づく
新三郎「お嬢、お元気そうで....」
沙織「何?!聞いてないわよ?!」
華に男性の知り合いがおり驚きが隠せない沙織
華「うちに奉公に来ている新三郎」
華が車夫を務めて実家の奉公人である新三郎を紹介する
新三郎「お嬢がいつもお世話になってます」
新三郎はそう言うと一礼して一行に挨拶した
幹信「新三郎さんがいらっしゃるってことは.......」
幹信が人力車の方に目を向けると丁度女性が座席から降りてきていた
幹信「お久しぶりです。家元」
幹信は五十鈴の母であり華道五十鈴流家元である「五十鈴百合」に挨拶する
百合「お久しぶりです、後藤さん。」
百合は軽く幹信に挨拶を返すと娘に向き直る
百合「華さん」
華「お母様」
百合「よかったわぁ、元気そう。そちらの皆さんは?」
華の元気そうな顔に安堵しつつ、友人について尋ねる百合
華「同じクラスの武部さんと西住さんです」
後藤「男子生徒は僕の学友です」
華と幹信がそれぞれの友人を紹介する
みほ・沙織・俊之・春樹・勉「こんにちわ」
一礼する一行
しかし
優花里「私はクラス違いますが戦車道の授業で.......」
幹信「あ、」
百合「....戦車道?」
優花里の一言で百合の空気が変わった
優花里「はい、今日試合だったんです」
百合「華さん、どういう事?」
幹信(あぁ~.....)
本当なら頭を抱えたい事を必死に抑えている幹信
華「お母様.......」
華は気まずそうに目を伏せる
すると百合は何かに気づいたのか華の手を掴み匂いを確認し始めた
百合「......鉄と油の匂い.......」
華道家故かそれとも五十鈴家故か或いは両方か
百合は少し匂いを嗅いだだけで何の匂いかを見抜いたのだ
百合「貴方、もしや戦車道を?!」
華「......はい...」
百合の質問に弱々しく答える華
百合「花を生ける繊細な手で戦車に触れるなんて......!!?」
するとあまりのショックで百合は急に倒れてしまう
新三郎「奥様!?」
華「お母様!?」
幹信「立川、車を回せ!!早く!!」
~~五十鈴家・屋敷~~
優花里「すみません......私が口を滑らせたばっかりに......」
華「そんな…私が母にちゃんと話していなかったのがいけなかったんです.......」
気絶した百合を介抱しながら五十鈴家の屋敷にお邪魔することになった一行
空気は重い
幹信「....五十鈴、どうして戦車道を?」
幹信が華に問う
勉「おい、後藤」
幹信「責めてるわけじゃない。ただ今まで戦車のせの字も無かったのに何で戦車道を始めたのか.......幼馴染のよしみで知りたいんだ」
幹信は真っ直ぐな視線を華に向ける
華「それは.......」
華が話そうとした時、襖が開く
新三郎「お嬢、奥様が目を覚まされました。お話があるそうです」
どうやら百合の意識が戻ったらしい
しかし
華「私、もう戻らないと.......」
華は門限を理由に母親との対話を避けようとする
新三郎「お嬢!!」
華「お母様には申し訳ないけれど.......」
幹信「問題先送りは悪化の一歩に過ぎない.......それに遅れそうなら車を呼ぶ」
俊之「後藤、人様の家のことにあまり口を挟むな!」
幹信を俊之が窘める
しかし幹信はそれを無視
幹信「これが最後のチャンスだぞ、五十鈴」
華「.......」
新三郎「差し出がましいようですが私からも言わせて頂きます!お嬢のお気持ち、ちゃんと奥様にお伝えした方が宜しいと思います!!!」
二人からの言葉に視線を上げる華
~~百合の寝室と前の廊下~~
みほ「いいのかなぁ..」
沙織「偵察よ偵察!」
勉「風紀委員が盗み聞きなんて世も末だ....」
春樹「風紀委員長もしてるしノーカンだノーカン」
幹信「静かに、始まった」
気になって廊下から聞き耳を立てる一行
華「申し訳ございません」
百合「どうしてなの?華道が嫌になったの?」
華と百合の対話が始まる
部屋の隅では新三郎が待機している
華「そんなことは.......」
百合「じゃぁ、何か不満でも?」
華「....そうじゃないんです.......」
百合「だったらどうして?!」
遂に華が母に思いをぶつける
華「....私、生けても生けても何かが足りないような気がするのです...」
百合「そんなこと無いわ。貴方の花は可憐で清楚。五十鈴流その物よ」
華「でも...私はもっと力強い花を生けたいんです!!」
華はそう言いながらうつむいていた顔を上げて初めて母親に自分の思いをぶつけた
そんな娘を見て百合は少しばかり身を崩す
百合「素直で優しい貴方は何処へ行ってしまったの.......」
百合「これも戦車道のせいなの....?」
百合「戦車なんて野蛮で不格好で五月蠅いだけじゃない....戦車なんてみんな鉄くずになってしまえばいいんだは!!」
娘が自分、ひいては家の流派の教えという常識を逸脱したことにショックを受ける百合
一方盗み聞き組は
優花里「鉄くず.......」
優花里が百合の言葉にムッとしていた
幹信「こりゃぁあ、予想以上に嫌ってるな.......」
話を華と百合に戻す
華「ごめんなさいお母様....ですが私、戦車道はやめません!」
百合「わかりました。だったらもう家の敷居は跨がないで頂戴」
百合からの解答は勘当だった
新三郎「奥様それは!!」
百合「新三郎はお黙り!!!!」
新三郎が百合に意見しようとするが所詮はただの一奉公人
意見する立場では無い
華「失礼します」
華は百合に別れを言い立ち上がる
襖を開けるとみほ達が心配そうに華を見つめる
華「.....帰りましょうか」
みほ「でも.......」
俊之「いいんですか?」
華「....いつか、お母様を納得させられるような花を生けることができれば、きっと分かってもらえる」
そこには先程までの暗く、弱々しくしていた少女の姿は無かった
新三郎「お嬢ぅ!!」
華「笑いなさい新三郎。これは新しい門出なんだから。私、頑張るわ」
新三郎「はい!!!!!」
新三郎は華の成長に涙をこぼした
みほ「.....五十鈴さん」
華「はい?」
みほ「私も頑張る」
華の行動を見てかつての自分を思い起こしたみほは華にそう言った
華はそれに優しい微笑みを返す
こうして一人の少女は進む道を定めた
お久しぶりです。ハリー海軍上等兵です。
またしても遅れてしまい申し訳ございませんでした!!!
本当ならばここで遅れたことをもっと謝るべきなのかもですが毎度のこと過ぎてしつこい気がするのでやめときます
はてさて今回は試合後のごたごたが題材でしたがホントに悩んだ.......男子生徒側への罰ゲーム.......何とか今回みたいな感じでまとめることができました
ちなみにダージリンとルイスの熱愛報道は二月にすっぱ抜かれてますが付き合い始めたのは昨年の10月末らしいですよ
何があったんですかねぇw(下世話)
ということで次回もよろしくお願いします!!