果たして両校の目的は果たされるのか!?
というわけで第一六話始まります!!
~~~マジノ女学院学園艦・演習場~~~
大洗・水戸連合との練習試合に向けて猛訓練を重ねていた
これまで防御戦術一辺倒だったマジノ・アルパイン連合はエクレールの大改革で変わろうと藻搔く
しかしながらその前途はあまりにも険しいものだった
演習の内容はエクレールは自らが率いる攻撃側部隊で従来の疑似的な要塞陣地を機動力をもって攻略し隊員たちに機動戦を叩き込もうとしていた
~~マジノ女学院学園艦演習場~~
演習場ではエクレール率いる機動部隊が陣地に向けて突入を敢行していた
エクレールが指示するソミュアは陣地に向けて牽制砲撃を行う
すかさず反撃に移ろうとする陣地側部隊
エクレール(敵の砲塔がこちらを指向した!)
「今ですわ!!」
エクレールの合図と同時に反対方向から突入してきたR35が陣地側ソミュアに攻撃を行う
しかし砲塔の傾斜装甲がそれを弾く
エクレール「クラブ・プル!すぐにそこから移動を!!」
次なる攻撃を行うべく移動を始めるクラブ・プル
しかしその動きは明らかに遅い
エクレール「敵がそちらを指向してますわ!早く!!!」
それを相手側が逃すはずも無く車体側面に砲弾を喰らい白旗が上がるクラブ・プル
クラブ・プル車長『すいません!装填中にやられました!』
エクレール「敵に狙われてますのよ!装填している場合!?」
エクレール車操縦手「敵B1bisこちらを指向」
エクレール「こちらもウカウカできませんわ!」
~~演習場内・待機場所~~
待機場所ではフォンデュ達戦車隊と自走砲隊が待機していた
クトー「やはり移動中の装填がルノーの問題点だな....」
フォンデュ「ただでさえ狭い車内に無線機を搭載していますからね...」
ルロー「攻撃力も低いですからねぇ...ソミュアを増やしていかないとエクレール様の理想を叶える事は難しいのでは?」
フォンデュ「そうしたいのは山々なのですが...やはり保守層からの抵抗で...」
ルロー「予算が下りないと...?」
フォンデュ「はい...」
クトー「となると今回の練習試合の結果次第という事か」
フォンデュ「そうなるかと...」
サン・シール戦術を完成させるには環境が整っていない状況に頭を悩ませる三人
~~一方その頃の演習場~~
エクレール搭乗のソミュアに対し砲撃を行うB1bis
その砲撃を避けるソミュア
騎兵戦車の名に恥じぬ機動力で敵陣地にじわじわと圧力をかける
エクレール「ダイヤ・プルの位置を確認!」
エクレール車通信手「oui!」
エクレールは味方車輌の場所の確認を行おうとする
機動戦術において最も危険視されるのは味方同士を見失う事にある
もし見失った場合、衝突や味方射ちの危険性が大きくなる
エクレール「敵はいまだ3輌健在ですわ!」
エクレールは生き残ったダイヤ・プルと共に一気に攻勢をかけようと考えていたのか敵に気を逸らしていた
それがまずかった
エクレール車通信手「エクレール様、ダイヤ・プルが!」
通信手の声を受け外をキューポラの覗き窓から確認し驚愕した
ダイヤ・プル(FT‐17)がソミュアの左後ろから猛スピードで突っ込んできていたのだ!!!
エクレール「何かに掴まって!!!」
エクレールの声を受け姿勢を低くしたり車体にしがみつく乗員達
幸いにもFT‐17が急ブレーキをかけつつ右に急旋回したために二両は十字を描くように交差し停止した
クトー「試合中止!!!総員車輛から降車せよ!!!ルロー、救護隊の準備!!!」
ルロー「了解!」
危うく大事故が起きかけたことにより騒然とする演習場
クトーは全生徒に指示を出すと同時に最悪の事態に備えて救護隊の準備を行うルロー
フォンデュ「エクレール様!!」
フォンデュは一番に飛び出しエクレール達の安否を確認すべく走っていった
~~暫くして~~
フォンデュ「ご無事で?!」
エクレール「ええ...」
エクレールに駆け寄るフォンデュと返答するエクレール
エクレール「ダイヤ・プルに怪我人は?」
ダイヤ・プル車長「私達は大丈夫です!!」
どうやらルノー側がギリギリ避けた事により怪我人はいないようだった
エクレール「そう...流石に肝を冷やしましたわ..」
フォンデュ「本当にご無事で何よりです...」
エクレール「ダイヤ・プル、なぜこちらの位置確認を怠りましたか?」
ダイヤ・プル車長「あっ...すいません!砲撃しようとしてましたが周りに注意を払えませんでした...」
ダイヤ・プル操縦手「申し訳ありません!」
ダイヤ・プル乗員達に注意するエクレール
フォンデュ「エクレール様。FT‐17とR35は乗員が二名...そこに通信機を持ち込んだ為に車長は4種類もの作業をしなければなりません」
ルロー「挙句に車内は狭いとくる。それで急に完璧に事を運べというのは酷ですよ」
マジノ車長①「流石に全てに注意を払うのは厳しいです...」
マジノ車長②「手がいっぱいになります!」
乗員たちが実際に経験して見えてきた
エクレールは現実を直視して苦い顔を隠せないようだ
ドズー「急な変革の強硬は支持基盤を失いやすぜ?隊長殿」
ガレット「隊長が先へ先へと思っていても...周りがついていけないのでは厳しいですわね...」
反対派生徒のガレットとドズーがエクレールに嫌味を放つ
クトー「まだ始まったばかりだ。君たちせっかちさんに言われたくは無いねぇ」
ガレット「せっかちなのはそちらなのでは?」
クトーが反論するがガレットには意味がないようだ
ドズー「こんな様じゃ隊長がお求めになられている『機動戦』の完成は難しいでしょうな」
ドズーは追い打ちとばかりにエクレールを凝視しながらそんな言葉を投げかける
エクレール「まぁ、本日は一旦解散としましょう。ダイヤ・プルとクラブ・プルの車長は今日のことをレポートに纏めて提出してください」
ダイヤ・プル、クラブ・プル車長「「Compris!(了解!)」」
~~マジノ女学院戦車格納庫~~
取り敢えず今日の演習を終えたマジノ・アルパイン連合
フォンデュ「さっきはエクレール様がご無事で良かったです」
エクレール「フフッ、戦車同士の交通事故というのもなかなかシュールですわね」
軽く冗談をフォンデュに返すエクレール
クトー「戦車同士がぶつかったら大惨事なんだがなぁ...」
ルロー「エクレール様ってこういうところ箱入り娘感ありますよね」
そんな冗談に苦笑いするクトーとルロー
フォンデュ「しかしながら、ガレット達も核心を突くことを言いますね...」
ルロー「彼らも考えもせずに我々に嚙みついているわけではないですからね。彼らだって勝利を勝ち取りたいんですから」
クトー「しかし今回の演習は無駄ではなかったと思うよエクレール」
エクレール「えぇ、機動戦は指示の徹底が最重要ですわ。そこがなければ機動戦そのものが成り立ちません...」
フォンデュ「機動戦...なかなか大変か...」
エクレール「その大変な部分をどうにかするのです!」
フォンデュの言葉を抑えるエクレール
当たり前のことを口にしてしまったのが恥ずかしかったのか頬を赤らめながらフォンデュは話題を変えようとする
フォンデュ「せ、せめて連絡伝達の余裕を確保しないと!」
ルロー「一先ずの優先事項はそこだよなぁ...」
フォンデュ「ソミュアS35やシャールB1bisはまだ乗員が3~4名いますのでどうにかなりますが...」
クトー「ルノーはそもそもの乗員が2名だからなぁ...」
エクレール「今後の課題ですわね...」
エクレールは考える
どうすればマジノ・アルパイン連合をサン・シール戦術に改革できるか
もし変革ができなかったらという不安が頭によぎる
しかしそんな不安を振り払うエクレール
エクレール「私達は進み始めたのですわ!今までのチームを変える!新たに栄光を掴めるチームへ!!」
エクレールは己を奮い立たせる為に大きく話す
エクレール「そのためにマドレーヌ様からマジノ・アルパイン連合を託された!」
フォンデュ「おっしゃる通りです!!」
クトー「それでこそのエクレールだ」
ルロー「伊達にマドレーヌ様に喧嘩を売ったわけではないですねぇ!!!」
エクレール「うっ...」
ルローの言葉に腹を抑えるエクレール
クトー「ルロー、反省室」
ルロー「そんな?!」
フォンデュ「エクレール様にとってマドレーヌ様は禁句ですわ」
クトー「君も結構言ってるけどね?」
前途多難ながらも遂に本格的な改革がスタートしたマジノ・アルパイン連合
彼らの未来を創る戦いは始まったばかりだ
~~時は過ぎて練習試合前日の大洗女子学園・戦車格納庫前~~
桃「いいか貴様ら!!明日はいよいよマジノ・アルパイン連合との練習試合だ!!」
練習試合前日の訓練を終えた大洗・水戸連合
闘いを控えてるせいか少しばかり緊張している生徒たちが整列しておりいつもの生徒会メンバーが訓示を行っている
柚子「今回は先日のグロリアーナ・モナーク連合との練習試合とは違いマジノ女学院の演習場での試合となります」
杏「つまりアウェーだよー!」
梓「会長なんか楽しそう...」
義人「別の学園艦にお邪魔できるからじゃない?」
ハイテンションな杏を見て少しばかり笑顔が引き攣る隊員たち
剣豪「前回の試合で我々がグロリアーナ・モナーク連合相手に善戦できたのは地の利があったことが大きい。しかしそれは実戦では通用しない」
勇「今回の練習試合は必ず我々の糧になると思う。全員、心して掛かって欲しい」
桃「とにかく前回の試合よりも一層の諸君の奮闘に期待する!」
桃の言葉を受けて色めき立つ隊員たち
典子「明日は前回のようにはいかないぞ!」
信弘「必ず敵を撃破してやる!!!」
梓「今度こそ頑張ろ!!」
義人「リベンジマッチだ!!!!」
M3・M7組「おー!!!!!!!」
前回の試合で活躍できなかったチームは他チームより気持ちが入っているようにも見える
華「皆さん、やる気満々です」
みほ「だねぇー」
俊之「こっちも負けてられないなぁ」
杏「みんな、明日はその調子で頑張ってねぇ~」
勇「遅刻にも気を付けるように。特に冷泉さんは」
麻子「うっ」
沙織「麻子言われてるよぉ...?」
優花里「その時はまた私たちで送ってあげましょう!!」
幹信「君たちも大変だなぁ...」
桃「ではあとの整備は自動車部と整備班に任せて解散!」
隊員たち「お疲れ様でしたー!!!!」
~~大洗女子学園・生徒会室~~
桃「いよいよ明日ですね」
杏「だねぇ」
練習を終えて生徒会室で会合を行う両校の生徒会
一歩「決まってから一瞬でしたね」
柚子「前回の試合から今日までの練習で...我々が多少なりとも成長できていればいいのですが...」
難しい表情になる柚子
杏「ん?さっき練習ん時は『形になってきた』みたいな事を言ってたじゃない?」
末長「何か不安な事でも?」
柚子「あ...それはそうなんですが...」
言葉に詰まる柚子
返答に困っているように見える
杏「西住ちゃんが隊長だと不安なの?」
杏の鋭い指摘が柚子に刺さる
勇「一度の失敗で実力を測るのは早計にもほどがあるんじゃないかな小山君?」
柚子「いえ...」
桃「ですが西住が指揮をした前回のグロリアーナ・モナーク戦では...結局我々は負けています」
桃も柚子の意見に肯定的な反応を見せる
剣豪「あの時はうちの自走砲隊の百武も指揮官だったが?うちの指揮官も信用ならんと言っているようにも聞こえるが?」
桃「うっ....」
柚子「そ、それは...」
剣豪の指摘に言葉を詰まらせる二人
剣豪はそのまま二人を睨む
勇「剣豪、落ち着け」
勇が剣豪を諌める
勇「確かに前の試合で我々は負けた。勿論うちの百武と西住君にも敗因はあったがあの試合では我々や他のチームにも敗因はあった。むしろ前回の試合は経験不足な我々で善戦できた方だと僕は思うけどねぇ」
杏「それに少しでもみんなに実戦の経験を積んでもらうために明日、練習試合をやるんでしょ?」
柚子「そうですね...」
勇と杏は二人を説き伏せた
杏「そんなさ...自分達の力ではどうしようもないこと考えたって仕方ないでしょ」
先ほどまでの杏の明るく飄々とした雰囲気が変わる
桃「ですが...」
杏「グロリアーナ・モナーク戦を思い出してみなよ。バレー部チームと歴女チーム達が負けてから西住ちゃんは1輌で聖グロとモナークとやりあってたよね...」
「それに百武ちゃんもあの状況下で挽回の策を講じて実際に聖グロを追い詰めたよね?」
「今の私達のチームで戦えるのは西住ちゃんと百武ちゃんしかいないでしょ?」
柚子「はい...」
柚子が返事をすると杏の雰囲気がいつも通りに戻る
杏「だったら、西住ちゃんと百武ちゃんに隊長を任せてちゃっちゃと優勝しちゃおう!!」
杏の言葉は明るく自信に満ち溢れていた
柚子「そうですね!」
桃「はい!」
勇「我々も遅れをとるわけにはいかないな...」
末長「ですね!」
一歩「勿論です!!」
剣豪「...」(黙っているが力強く頷く)
生徒会室の雰囲気が明るい物に変わる
すると大きな爆発音が生徒会室にまで聞こえてきた
~~演習場~~
本日の練習が終わった後であったが大洗・水戸連合の隊員達は帰らず訓練を続けていた
演習場をⅣ号、Ⅲ突、八九式、M7が猛スピードで移動している
その後方には二つの着弾跡が残る
みほ「Dチーム、砲の数に頼らないで!」
梓『すいません!!』
みほ「撃ったらすぐ動いてください。百武さん、防御陣地から見てこちらの動きはどうですか?」
俊之『全体的にはいいですがM7とⅢ突の距離が些か近すぎますね。陣形変更時に支障が出るかと』
みほ「わかりました。ではこちらは隊列運動の練習に入ります。そちら側からの攻撃を任意で開始してください」
俊之『了解』
~~格納庫前~~
桃「アイツら明日は練習試合なのにどういうつもりだ?!」
生徒会メンバーが慌てて格納庫前に現れた
すると格納庫の方からツナギ姿の生徒達が彼女らに答える
ナカジマ「明日の試合の前にもう少しだけ練習させて欲しいって言われまして...」
桃「自動車部の...しかし整備は大丈夫なのか?」
一歩「この後に始めるとなるとかなりの時間がかかりますよ?」
桃と一歩は明日までに整備が間に合うのか気にしているようだ
ナカジマ「まー、問題ないですよ」
ホシノ「明日の朝までには何とかします」
桃「本気か!?」
剣豪「凄まじい技術力だな...」
自動車部の返答に驚く二人
ナカジマ「なんなら水戸男子の方の車輛もできますよ?元の車体が同じのが多いんで学校に持って帰るより効率もいいですし」
勇「確かに試合前日にはいいかもしれないねぇ。でも君たちばかりに頼り切りなるのは悪いからうちの整備班の4人と物資と機材を持ってこさせるよ。角谷会長、よろしいでしょうか?」
杏「その方が作業が進むならバッチグーよ」
ナカジマ「ありがとうございます!」
整備班(自動車部)との調整を終えた杏と勇は演習場の方に向き直り隊員たちが自主訓練を続ける様子を眺める
杏「明日の試合、見物になるかもねぇ~」
勇「楽しみになってきましたね」
二人の表情には笑みが零れていた
どうもハリー海軍上等兵です
また投稿が空いてしまい申し訳ないです...
ずっと資格勉強とTwitterで絵を描いてました
さぁあ遂に行われるマジノ・アルパイン連合との練習試合!!
果たしてマジノ・アルパイン連合の改革は成功するか?!
大洗・水戸連合は勝ち星を上げることができるのか?!
というわけで次回もよろしくお願いします!!!!!
ハリー海軍上等兵でした