ソードアート・オンライン 風の道標 疾風の戦士   作:レベル1のスライム

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プレイヤー達の奮闘によって順調に進んでいた第一層フロアボスとの戦い。
しかし、ボスにはβテスト時代からの仕様変更があった。
仕様変更に気付けなかったディアベルに無慈悲にも刃が襲いかかるのだが…


第6話 リーダー

(しくじった!)

 

ボスの仕様変更は警戒していたはずなのに…

キリトの声がして要約気が付いた仕様変更。

ソードスキルのキャンセルはできない…

 

(万事休すか…)

(皆、すまない… 後は頼んだ…)

 

ディアベルが諦め、ボスの刃が振り下ろされる、はずだった…

 

ガキィィン!

 

鈍い金属音とともに意識が引き戻される。

 

「!!」

 

目の前では剣が交わり、火花が散っている。

 

「ディアベルさん!大丈夫ですか!?」

 

間一髪ユウが間に入り込んでいた!

しかし、スピード型の彼では長くは保たない。

剣はすぐさま弾かれる。

 

「しまった!」

 

そして間髪入れず、すぐさま2連撃目が飛んでくる。

流石に間に合う訳が無い、誰しもがそう思った。

 

「うおぉぉぉりゃぁあ!」

 

緑のエフェクトが走る。

次の瞬間ボスの体は大きくのけ反った。

 

「早く体制を立て直せ!それまでは俺達が引き受ける!」

 

今度はエギルが割り込んできた。

 

「すまない…」

「小さい君もありがとう。」

 

「お礼は後で良いので早く指示を!」

 

「分かっている。」

 

なんとか危機を凌いだものの、エギル達も長くは保たないであろう。

 

「みんな!俺は大丈夫だ!心配かけてすまなかった!」

「ボスは情報とは違う!パターンが分かるまで耐え忍ぶぞ!余裕のあるタンク隊は早く前へ!」

 

なんとか冷静さを取り戻し指示を出すディアベル。

 

「い、行くぞー!」

「「「おぉーー!!」」」

 

なんとか指揮を持ち上げた。

しかし、

 

「くそっ!こっちはもう限界だ!早く!」

 

エギルの隊はもう限界だ。ボスまでは少し距離がある。

 

「俺たちも行くぞ!」

 

「ええ。」

 

キリトとアスナがボスの刀を弾く。

 

「このまま押し切るぞ!ユウも手伝ってくれ!」

 

「了解です!」

 

「ソードスキルでボスの刀を弾いてくれ!その隙に俺とアスナで決める!」

「できるか!?」

 

「やってみます!」

 

ユウがボスの方に向けて走り出す。

両手剣は光を帯びている。

 

ゴオォォォン!!

 

鈍い音と同時に、またもやボスの体勢が崩れる。

 

「はぁぁぁっ!」

 

アスナの細剣ソードスキル[リニアー]が打ち込まれた。

 

「はあああああ!」

 

続いてキリトの片手剣ソードスキル[バーチカルアーク]が決まる。

 

「くご…ご…」

 

直後ボスは硬直し、ポリゴン片となり消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボスがポリゴン片となり消えた。

それが何を意味するかは誰でもわかるだろう。

 

「勝った…」

 

「勝ったぞー!」

 

ボス部屋に歓声があがった。

 

「やった!やったぞ!」

 

人それぞれ思いのまま喜びを表現している。

このまま宴が始まるのではないか、と思うほどの盛り上がりようだ。

しかし、それに意義を唱えるものがいた。

キバオウだ。

 

「なんでやっ!」

 

張り詰めた声とともに静寂が訪れた。

それに構わず話を続ける。

 

「なんでディアベルはんを殺そうとしたんや!」

 

「「「!!!」」」

 

「お前はボスの使う技知っとたやないか!」

「その情報を先に伝えとったら、ディアベルはんは危険な目に遭わずにすんだんや!」

 

キバオウはそうキリトに対して言い放った。

 

「きっとアイツ、元βテスターだ!知ってて俺たちを騙してたんだ!」

 

キバオウに同調するものも現れた。

 

「そうだそうだ!」

 

「元βテスターを許すな!」

 

元βテスターへの重なっていた恨みが遂に爆発した。

 

「やめろっ!恥ずかしくないのか!」

 

「「「!!!」」」

 

ディアベルが一喝する。

 

「彼が居なければ、俺たちは仕様変更によって殺されていたかも知れないんだぞ!」

「第一、元βテスターだって仕様変更による初見殺しの危険がある。それはオレ達以上にだ。」

「それなのに彼を咎めるのはおかしいだろ!むしろ称賛するべきだ!」

 

これを聞いたキバオウは黙って立ち上がった。

そして、

 

「ディアベルはん…」

「そうや、ワイらが間違ってたわ…ホントすまへんかった…」

 

どうやら反省したみたいだ。

そしてここで衝撃のカミングアウトが起きる。

 

「実を言うと俺も元βテスターだったんだ…」

 

なんとディアベルも元βテスターだったのだ。

周りに衝撃が走る。

 

「俺は、皆に希望を持ってほしかったんだ。」

「けどこんな結果になってしまった。俺なんてリーダー失格だよな。」

 

「そんな事はない!」

 

キリトが叫んだ。

 

「っ!」

「でも俺は皆を危険な目に合わせてしまったんだ…」

「俺にリーダーである資格はないんだよ…君の方が適任だ。」

 

「そんな事はない!ディアベルがいたからボスが倒せた。死者だって出さなかった。」

「それに此処にいる奴らは全員、危険を承知でアンタについてきたんだ。」

 

珍しくキリトが長文を話した。

 

「せやせや!ディアベルはんがおらんかったら、ワイらは今、此処にはおれへんかったんや!」

 

「そうだ!俺たちのリーダーはディアベルさんだけだ!」

 

「ディアベル万歳!万歳!」

 

周りも同調し始める。

トッププレイヤー達が1つに団結したのだ。

 

「皆…ありがとう!」

 

先程よりも大きな歓声に包まれたのだった。

 

 

 

 

 

 




遅くなりましたが第6話どうでしたか?
これよりディアベル生存ルートに入ります。

次は第二層になりますが、一層ずつ書く訳ではないのでご了承ください。今の所、三層はとばす予定です。

そして大変身勝手なのですが、最近かなり忙しい時期でして、投稿頻度を週一程度にしたいと思っています。
2週間もすれば落ち着くので、それまではお待ち下さい。

そんな訳で
次回第7話「強化詐欺事件」
お楽しみに!
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