ソードアート・オンライン 風の道標 疾風の戦士   作:レベル1のスライム

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順調に進んでいると思われていた二層ボス戦。
しかし真のボス[アステリオス・ザ・トーラスキング]の出現によって形勢は逆転する。
迫るキングに攻略組は…


第9話 惨劇

 

 

 

最悪だ。出現したキングは本体の退路を塞いだ。

 

「全員退却!退却だ!」

「命を守ることだけを考えろ!」

 

ディアベルが指示を出す。

想定外の事が起きたら退却する。素晴らしい判断だ。

だが、

 

「駄目です!退路が塞がれてます!」

「それに麻痺者も多数!動けそうにありません!」

 

「っ!クソっ!」

 

このままでは全員麻痺になり殺される。

全滅にはならなくても被害は甚大になるだろう。

 

「うわぁぁ!」

 

また1人、2人と麻痺者が増える。

この状況を打開するためには…

 

「ユウ!アスナ!まずは敵の数を減らすぞ!」

「大佐にフルアタック(総攻撃)だ!」

 

「「了解(です)!」」

 

パァァン!

 

「次!新手の注意を引き付け…」

 

取り巻きの[ナト・ザ・カーネルトーラス]を倒し、状況改善を試みたキリトであったが、

 

「しまっ…」

 

ブレス攻撃が飛んできた。

「しまった!」と言い終える前にキリトに直撃する。

 

「うわぁ!」「きゃあ!」「のわぁ!」

 

続いてユウ以外の3人も巻き添えを喰らう。

持ち前の俊敏値でギリギリ回避したユウも転んでしまった。

 

「皆さん!くっ…」

 

キングが近づいて来た。無慈悲な拳が迫る。

このままでは全員…

 

「はああぁぁ!」

 

ドオォォン

 

部屋全体に鈍い音が響いた。

 

「大丈夫か!?」

 

ディアベルだ。間一髪のところで間に合った。

 

「こないだの借りは返したぞ!」

 

「ディアベルさん!ありがとうございます!」

「それより撤退を!キングの注意がこっちに向かっているうちに早く!」

 

「分かっている!」

 

嬉しい誤算だ。キングが扉から離れて退路ができている。

 

「全員麻痺した者を連れて退却だ!パワー型なら2人は連れて行け!」

「それでも手が空いてるものはこっちを手伝ってくれ!」

「死んでも死人を出すな!」

 

「「「オー!」」」

 

次々と撤退を始めるプレイヤー達。

こちらにはエギルが駆け付けてくれた。

 

「俺は2人持てる。ユウとディアベルさんは一人ずつ持ってくれ。」

 

「わかった。よし!行くぞ!」

 

無事全員が退却できる。誰しもがそう思った。

しかし、現実はそこまで甘くなど無かった。 

 

「モ♪モ♪」

 

[アステリオス・ザ・トーラスキング]が立ち塞がる。

ここから扉までは対角線上だ。

 

「クソっ!後少しなのに!」

 

遅れて[バラン・ザ・ジェネラルトーラス]も近づいて来る。

 

「万事休すか…」

 

ディアベルが諦めた声で言った。

エギルも眉間にシワを寄せている。

しかし、

 

「ディアベルさん…僕に任せてくれますか?」

 

まだ諦めていないものも居た。

 

「っ!そんな事言ったってボス2体に勝てる訳がないだろう!」

 

「そうだ!無茶はやめろ!」

 

が、ディアベルとエギルは反対する。

 

「そ、そうだぞユウ。無茶な事はするな。死ぬぞ。」

 

エギルの背中に乗っかるキリトも反対してきた。

 

「ですが、ここに居る全員が死ぬよりはマシです。」

「犠牲を少なくするにはこれしか…」

 

「なら、俺たちも協力するぞ!2人なら負担が減らせる!」

「な?意地を張らずに!ほら!」

 

エギルは一人で残らせる事は絶対にしたくないようだ。

どこまでお人好しなのだろうか…

 

「駄目です!4人を運ぶ人が足りなくなってしまう!」

「僕は筋力値が低いので持てません。ですが、ディアベルさんの筋力なら、ギリギリ2人運べるでしょう。」

 

「僕が残るしか…ないんです…」

 

確かにディアベルの筋力値でなら2人運ぶ事ができる。

そして、ディアベルも頭はよく回る方だ。

それが最善の選択だと瞬時に理解した。

 

「わかった…頼んだぞ…」

「行きましょう。エギルさん。」

 

「お、おい!」

 

エギルはまだ納得していないようだったが、ディアベルが無理矢理連れて行く。

 

「さてと。これは骨が折れそうだ。」

「20、いや30秒くらい稼げばいけるか。」

 

「やってやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「30秒!よし!」

 

無事全員退却できたみたいだ。

扉の方へ振り向く。

しかし、そこで絶望することになる。

 

「しまった!回り込まれた!」

 

自分が逃げる用の道は確保できるように立ち回っていたのだが…

 

「どこまでも厄介な奴だな。」

(助けは…無理か。あの距離なら部屋に入った瞬間、ブレスだ。)

 

「1人で倒すしかないか…。」

 

とは言っても、まだキングのHPは4本残っている。

将軍も1本半はゆうにある。

 

助けに入ろうとすればブレスで即麻痺。回復POTは底をつきかけている。武器の耐久値もそろそろ無くなる。

幸い予備が1本あるが、スペックは1段落ちる。

 

「絶望的…だな…」

 

そう。絶望的だ。1人なため麻痺を喰らえば集中攻撃、即御陀仏だ。

 

「僕のダメージ量だと1時間はかかる。」

「攻撃を捌きながらの1時間…死闘になるな。」

 

攻撃をかする事さえ許されない、

絶望の死闘のゴングが鳴り響いた。

 

 

 




第9話どうでしたか?
果たしてユウは勝つことができるのでしょうか?

次回第10話「死闘」

お楽しみに!
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