ウルトラマンティーズ   作:U.ティーズ

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#6-1 放たれた出来損ない(標的)

あらすじ 文化祭を楽しみにする事にした。

 

【9月29日 16:25 商店街近く ツバサside】

ツバサ、アムイ、ユウトの3人は文化祭でのツバサのクラスで使う食材の発注に、商店街へ向かっていた。

ツバサ「2人共、着いてきてくれてありがとね。」

ユウト「いえ、気にしないでください!」

アムイ「そうそう。もっと頼ってよ!」

ツバサ「うん。じゃあアムイはこれね。で、ユウトはこっち。」

義弟's(仮)「了解!」

ツバサ「それにしてもアムイとこうやって商店街歩くの久々だね。」

アムイ「それな!どれくらいぶりだろ?」

ツバサ「どれくらいぶりだろうねぇ?あ、そう言えば。ねぇユウト。」

ユウト「はい?」

ツバサ「GUTS SECRETって何?」

アムイ「ユウト、説明してなかったの?」

ユウト「姉さんがしたと思ってたんだけど…。えっとですね、GUTS SECRETと言うのは、Global Unlimited Task Squad Secretの略でして。元は1996年にお爺様が科学省職員であったイルマ叔母様を擁して設立させた超常現象や怪事件の捜査を目的とするG機関という組織だったんですが2006年にお爺様が総監となってGUTS SECRETへと改称、正式に発足したんです。有り体に言うと地球防衛軍って奴です。それでいて国民には秘密にしているのでシークレットなんですよ。」

ツバサ「お爺様とかイルマ叔母様って…。」

アムイ「サワイ ソウイチロウ(お爺様)イルマ メグミ(お母様)の事だよ。」

ツバサ「やっぱりそうなんだ。それで2人はGUTS SECRETの一員なの?」

ユウト「はい。他にもホリイ先輩やヤズミ先輩のお父様も入ってらっしゃいますよ。だからお2人に話したんです。」

ツバサ「成程ねぇ。じゃあ知らなかったの僕だけかぁ。」

ユウト「なんと言うか、すみません。てっきりマホロバ姉さんが話してるものだと。」

ツバサ「まぁ気にしないで。」

アムイ「話は変わるんだけどさ。ツバサ義兄ちゃんは姉ちゃんのことどう思ってんの?」

ツバサ「え?」

ユウト「あ!それ気になります!どう思って、いや想ってるんですか!?」

アムイの一言にユウトが目をキラキラさせながら聞いてくる。

ツバサ「ど、どうって言われても…。」

アムイ「姉ちゃん結構な優良物件だと思うよ?家事全般得意だし。」

ユウト「イケメンだしね。後、低音ボイス。」

アムイ「そう言う所で女性らしさはほんのちょっっっっと欠けてるけどね。でも私服もスカートよりジーパンの方が多かったりするし、ツバサ義兄ちゃんそういうボーイッシュな方が良いでしょ?性癖刺さってるでしょ?ってか最近姉ちゃんのスカート姿って制服しか見たこと無いんだけど。」

ツバサ「ちょっと待って。なんで僕の性癖知ってんの?」←ボーイッシュな娘が好きな人

アムイ「この前義兄ちゃんの部屋に遊びに行った時義兄ちゃんが部屋を出た隙にお宝()を探そうとした時に、」

ツバサ「人ん家で何してんの!?」

アムイ「お宝は無かったけどラノベとか漫画とかのヒロインがボーイッシュな奴いっぱいあったの見つけた。」

ツバサ「ホント人ん家で何してんの…?」

ユウト「成程成程…姉さんピッタリだ!」

アムイ「でしょ!」

ユウト「それで、結構どうなんです?マホロバ姉さんの事どう想ってるんですか?」

何故こんなことになってしまったんだ。

ツバサ「…言わなきゃダメ?」

ユウト「はい。」

アムイ「勿論。」

ツバサ「絶対言わなきゃダメ?」

ユウト「まどろっこしいです!さっさと言っちゃってください!」

ツバサ「はぁ…。そりゃあマホロバの事は…」

義弟's「事は〜?」

ツバサ「やっぱ言わない。」

義弟's(仮)「えー!!」

アムイ「そこで言わないは無いでしょ!?」

ユウト「こんな事でヘタレててどうするんですか!?」

ツバサ「五月蝿いなぁ!」

パキンッ!

3人「ん?」

ツバサ「何か割れた?」

義弟's(仮)「さぁ?」

ガラスが割れた様な音がした。踏んだかな?と思い、下を見ても欠片も無かった。

ユウト「義兄さん!アムイ!あれ!」

空を指さすユウト。その指の先にはヒビ割れた空があった。何度もテレビで見たあの空のヒビ割れ。間違いないだろう。

ツバサ「超獣か…!」

アムイ「超獣って?」

ツバサ「異次元人ヤプールが侵略のために作った怪獣を超える存在の生物兵器だよ。」

ユウト「あのヒビ割れが、ですか?」

ツバサ「あのヒビ割れが完全に割れて中から出てくるの!」

パキパキと音を立て空が割れて…いかなかった。

ツバサ「え?」

目視だから正確には分からないが、約2m程度の割れ目から何かが商店街の方へ落ち、割れ目は閉じた。

ツバサ「行こう!」

アムイ「うん!」

ユウト「はい!」

いい感じに逃れられたな…今日ばかりは超獣に感謝だ。

【16:35 商店街】

ツバサ「商店街の真ん中の方に落ちていったよね?」

商店街の方からは人々が逃げて来ていた。

アムイ「そうみたい。あ、八百屋のおっちゃん!」

ユウト「ほかのお店の皆さんも!」

?「おぉ!ツバサくん!アムイの坊ちゃんも!早く逃げろ!」

そう言ったのは八百屋のおじさん、ヤザキ タケシさん。

ツバサ「何が落ちてきたんです?」

あくまで知らないていで聞いてみる。

ヤザキ「2mぐらいの青とオレンジの怪獣が落ちて来たんだよ!」

青とオレンジ、か。アイツだな。

ヤザキ「喋ってる場合じゃねぇ!早く逃げるぞ!」

ユウト「その怪獣は今何処に?」

ヤザキ「それが落ちてきた所がウチの前だったんだけどよ、立ち上がったまま動かねぇんだよ。害が出た訳じゃねぇけどそれはそれで気味が悪ぃし逃げてんだ。」

超獣なら破壊して回ってもおかしくなさそうなんだけどな。動かないなら、

ツバサ「見に行ってみようか。」

ヤザキ「な、何言ってるんだ!?」

ユウト「そうですね、行ってみましょう。」

アムイ「って訳でおっちゃん、ちょっと行ってくるわ!」

ヤザキ「ち、ちょっと待て!あ、おい!坊ちゃん達!」

ヤザキさんの声を無視し件の超獣の元へ行ってみる。

【八百屋前】

八百屋の前で突っ立っていた件の超獣は180cm程度しか無かった。

ツバサ「やっぱりバキシムだ。」

ユウト「ご存知で?」

ツバサ「一角超獣バキシム。異次元人ヤプールが芋虫と宇宙怪獣を合成して作った超獣だよ。」

アムイ「って事は生物兵器?」

ツバサ「そういう事だね。さて、なんでこの子はこんなちっちゃいんだ?」

ユウト「本来はどれくらい大きいんですか?」

ツバサ「えっと、65m位じゃなかったっけ?」

アムイ「ウルトラマンよりデカいのか。にしてもなんでコイツ突っ立ってんだろ?」

それも気になる。八百屋の方を見たまま全く動かない。何を見ているんだろうと思いバキシムの目線の先を見てみる。そこには、

ツバサ「キャベツ?」

ユウト「キャベツですか?今高いですよねぇ、野菜全般。」

アムイ「キャベツかぁ。今日の夕飯回鍋肉にしてもらおうかなぁ。」

何言ってんだ君ら。そこへ、

ヤザキ「おーい!坊ちゃん達!早く離れたほうが!

20m位先から小声で叫ぶヤザキさんが。

ツバサ「おじさん、1玉幾らですか?」

ヤザキ「キャベツ?190円だけど。

ツバサ「ここ置いときますね。」

アムイ「何すんの?」

ツバサ「んー、ちょっとね。」

そう言って1玉持つと、バキシムの目線の先が僕が持っているキャベツに変わった。横を通り過ぎると僕の方(多分キャベツ)を向いた。急にザワザワし始めヤザキさんの方を見ると人集りが出来ていた。そんな事は気にせず、僕は此方を向いたバキシムの前へ立つ。

あいもからわずキャベツを見続けるバキシム。僕はキャベツを体の右に出した。するとバキシムは体をキャベツのある方向へ向ける。今度は左にキャベツを出す。バキシムも体を(此方から見て)左に動かす。上へ動かせば仰け反るようにして見上げる。下へやると同じ様に着いてくる。右、左、右、上、左、下、右斜め上、と動かすとそのキャベツがある方へ体を向ける。アレだ、猫じゃらし捕まえようとする猫みたいだ。可愛い。

僕は1枚剥ぎ取るとバキシムの口の前へ持っていった。バキシムの顔は不思議そうな顔をしている様に見える。

ユウト「た、食べるんですか?」

ツバサ「さぁ?分かんない。おっ!」

バリバリと音をさせながら1枚全てを口に入れ、咀嚼するバキシム。なんだか嬉しそうな表情に見える。なんだかちょっと体が揺れてる。

ツバサ「美味しい?」

うん!といった感じで頷…いてるんだと思う。体全体が動いたら分かんないな。お辞儀しているみたいだ。

やがて1枚を食べ切ると今度はキャベツと僕の顔を交互に見始めた。

ツバサ「もう1枚いる?」

さっきよりもオーバー気味に頷くバキシム。そんな感じでキャベツをあげていると、

?「魚は食べるかな?」

ツバサ「サクマさん!」

サクマ リョウさん、魚屋さんだ。

ユウト「サクマさんは怖く無いんですか?」

サクマ「君達とこの怪獣を見ていたら親父の事を思い出してね。言ってたんだ、親父が。『怪獣にも宇宙人にも良い奴は絶対いる!人間から見た地球ですらこんなにデカいんだからもっとデカくて広い宇宙なら有り得る!ダメなら相手の事が解るまで戦うしかないだろうけど』って。今やっと分かった気がしたよ。」

アムイ「サクマのおっちゃんのお父様めっちゃ良い事言うじゃん。」

サクマ「はは。ありがとう。で、どうかな、食べるかな?」

ツバサ「あげてみましょう。」

サクマさんがバケツに入れて持ってきていたイワシを手に取る。

ツバサ「食べてみる?」

体を斜めに傾けるバキシム。多分これ首を傾げてるんだろうな。

あー、と口を開くので放り込んでみる。

ツバサ「美味しい?」

コクリと小さく頷くバキシム。その目線はキャベツにいっていた。

ツバサ「キャベツの方が良いみたいです。」

サクマ「ははは、怪獣も好き嫌いがあるんだなぁ!親近感湧いてきたぞ!」

?「パンはどう?」

そう聞いてきたのはサクマさんの妻、サクマ ヨウコさん。

ヨウコさんを皮切りに商店街の人々が色々な物を持ってきてくれた。でもやっぱりキャベツだった。

その時誰かが足を踏んだのか、痛がる素振りを見せたバキシム。本来超獣達は痛覚が無い。それなのに痛がった。このバキシムは普通ではない事はこの事だけで良く分かったがどうして異次元空間から出てきたのか全く分からない。殺処分されていてもおかしくなさそうなんだけどな。

その後、商店街の人達とたまたま来ていたサワイ ソウイチロウと話をつけ、イルマ家で面倒を見る事になったのだが…

ツバサ「ねぇバキシム。そろそろ離れて欲しいなぁ。」

このセリフ、5回目である。バキシムは僕の腰を掴んだまま離れない。どうやら懐かれたらしい。とりあえず頭を撫でる。

ツバサ「また明日も会えるから、ね?」

そう言うと渋々離してくれた。時計を見ると17:30を指していた。

ツバサ「そろそろ帰らなきゃ。また明日ね。2人共、サワイさん。バキシムを頼みます。」

義弟's(仮)「任せて(下さい)!」

サワイ「また明日様子を見に来なさい。何時でも良いぞ。」

ツバサ「はい!」

この時、翌日に死闘が起こるなど微塵も考えていなかった。

 

【同刻 宇宙空間】

タロウはワープホールを抜けツバサ達の地球へ急いでいた。

 

タロウ『兄さん達への報告は終わった。彼らの指導には私は勿論、彼にも頼んだ。準備をしてから後を追うと言っていたから数日遅れて来るだろう。ん?何だあれは?』

 

タロウの前には小さな空間の歪みがあった。地球へ急いでいるが見過ごす訳には行かない。タロウは空間の歪みへ飛び込んだ。

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