あらすじ 好きな男子の事を従兄弟にバラしていた(無自覚で)。
【学校前 ツバサ side】
昨日
僕の通っているこの高校、私立大湯学園は小中高一貫校。そう、とんでもないマンモス校だ。そんな学校の校門の前で生徒が大渋滞しているとなると、周りの歩道は全て封鎖されたような物だ。しかし、何でまたこんな事に?
マホロバ「あ、ツバサ…。」
アムイ「ツバサ兄ちゃんおはよー!」
ツバサ「ああ、マホロバ、アムイ。おはよう。」
マホロバ「う、うん。おはよう…。」
ツバサ「どうしたの?元気無さそうだけど。」
マホロバ「え?う、ううん!何でもない!何でもないから!」
ツバサ「そう?何かあったら言ってね?」
なんと言うか、何時ものクールさが無い。大丈夫だろうか?
アムイ「にしてもツバサ兄ちゃん転生者だったんだね。道理で大人びてるっていうか。」
ツバサ「ははは、そうでも無いと思うよ。」
?「おう、ツバサにイルマやないか。えっと君はイルマの弟君やったっけ?おはようさん。」
ツバサ「ああ、ホリイ。おはよう。」
彼はホリイ マサユキ。中学の時に転校してきた生粋の関西人。発明家を父に持つホリイ財団の跡取り息子。彼自身も発明好きらしく家にお邪魔した時は家の大きさと彼の部屋の発明品の数に驚いた。そんな彼だが普段はクラスのムードメーカーとして多くの人を笑顔にしている。
マホロバ「これ、何があったの?」
ホリイ「いや、それがな?門の前に居る小等部の子が言うには門の前にバリヤーがあるって言うらしいんや。」
ツバサ「バリヤー?」
ホリイ「せや。でな?こっからが面白いんやけど、ヤズミの作った解析プログラムとワイのこの物体視覚化装置を使ったんや。あ、この物体視覚化装置って言うんは、目に見えない状態にされた物質を認識、解析するための物なんや。」
因みにヤズミと言うのは同じクラスのヤズミ ジュンイチの事でコンピューターに精通していて、趣味は気になったプログラムデータの解析で、アルバイトでパソコンやスマホのバックアップをしているそう。この学校でもウイルスに犯されたパソコンを復旧したりと先生達も信頼を置く生徒だ。
ツバサ「それで、そのヤズミは?」
ホリイ「今別の場所から解析してる。話続けるで。で今解析が終わった所何やけど、なんとあのバリヤー、水素とよく似た物質を大量に含んどることが分かった。」
ツバサ「水素?」
ホリイ「せや。でも注意せなアカンのは、水素では無いと言うとこや。水素に限りなく似とるだけでこの地球上には存在せぇへん物質なんや。まぁ、あのバリアを水素と仮定した場合、急激な温度変化に弱いやろうから、せやな、液体窒素でもかければ壊れるんやないか?」
マホロバ「じゃあ液体窒素をかければ…!」
ホリイ「そんな簡単な話や無い。それこそ学校の実験に使う位の量じゃ足りひん。何せこの馬鹿デカい学園全体を覆っとるんやからな。」
そう、この大湯学園の敷地面積は約200万平米、甲子園球場200個分の広さがある。うーん、無理そうだ。
マホロバ「そうか。因みにホリイはこのバリヤーを破壊するのに有効な手を他に知らないか?」
ホリイ「あるにはある。物理や。」
アムイ「ぶ、物理?」
ホリイ「せや。結局の所、殴るなりなんなりして物理的に破壊した方がええとワイは思う。」
そこへ
?「ホリイさん。解析終わりました。あ、マドカさん、イルマさん、おはようございます。」
ヤズミが戻ってきた。
ホリイ「おお、どうやった?」
ヤズミ「学園の地中を調べていたんですが、これを見てください。」
ノートパソコンの画面を僕たちへ向ける。
ホリイ「これは…!」
ヤズミ「はい。地中に何らかの生物が潜んでいます。」
僕はここでとある怪獣を思い出した。
バリヤー怪獣ガギ。ほぼコイツとみて間違いないと思う。だとすると僕らは相当ヤバい。ティガ本編に出てきたガギは、遊園地から逃げられないようバリアで覆い、繁殖の為に攫った子供に卵を産み付けようとした。
分かりきった事ではあるが、バリヤーの前に居る小等部の子達が滅茶苦茶危ない。
ツバサ「ねぇ、今すぐにあのバリヤーから逃げた方が良いんじゃない?」
ヤズミ「そうですね。ですが、みんなすぐに動いてくれるかどうか…。」
ホリイ「せやったら、あの二人に声掛けてもらおか。勿論イルマ、アンタもや。」
マホロバ「私も?」
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?「成程、確かに逃げた方が良さそうだ。」
??「で、顔の広い俺達に声掛けをして欲しいと。任せろ!」
ホリイ「頼むで!リーダー、シンジョウ!」
ホリイが呼んだのはリーダーことムナカタ セイジとシンジョウ テッタ。リーダーは高等部生徒会長で、シンジョウは学園内にファンクラブがある程のイケメンだ。因みにマホロバもファンクラブがあるぞ。
そんな訳で、近くにいた生徒達を学校から離れるように誘導していく。
その時だった。
小学生1「あ!バリヤーが消えたー!」
小学生2「やっと入れるよ〜。」
ゾッとした。
ツバサ「逃げろぉ!」
思わず叫んだ。
小学生達「え?」
2人が振り返る。
この時、2人はすぐ逃げていれば、未来はもう少し良い方へ変わっていたかもしれなかった。
ドギュルルッ!
地面から突き出た触手は、1人を絡め取り、もう1人は背中からランドセルごと突き刺し、絡め取った。
「「「「「ッーーーーーーーー!!!!」」」」」
もうどんな悲鳴か分からない程の絶叫を全員があげた。そしてその触手が地面に入り切ったのと同時に校門の前にいた生徒達は蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。腰を抜かして動けなかった子も居たようだが、友達に担がれたり、肩を借りたりして逃げている。
そんな中僕は、自分でもよく分かる程の過呼吸になって、呆然と立ち尽くしていた。
マホロバ「ツバサ!大丈夫!大丈夫だから!ツバサのせいじゃないから!」
マホロバが何か言っている。僕の顔を見て何かを察したのだろう。結局、人間は自分で体験しないと分からない生物らしい。
分かっていた。テレビじゃない、現実なんだと。今、人より大きな力を持っている僕は、目の前で人が、命が消えていく瞬間をこの目で絶対見る事があるだろう、と。結局、分かっていたつもりだった。僕は、何も知らなかった。
ドゴーン!
と、地面を割り、大きな叫び声を上げながらガギはとうとう姿を現した。バリヤーの1部だけを解除し、そこから触手を伸ばして街を破壊する。まるで、獲物を誘き出すように。
2人じゃ足りないってのか。
ツバサ「…るな。」
アムイ「ツバサ兄ちゃん?」
ツバサ「巫山戯るなァ!」
周りにはツバサの事を知る人以外誰も居なかった。
ブラックスパークレンスを掲げるとスパークレンスのカバーが開き、レンズから放出された光に包まれティガダークへと変身した。
ティガダーク「ジュワッ!」
ファイティングポーズをとる。
ガギは相変わらずバリヤーの中から出てこない。それがまた無性に腹が立つ。
触手を伸ばして攻撃を仕掛けてくるガギ。それを手で弾くしか出来ない自分にもまた腹が立つ。
だから気づかなかった。ガギの真正面顔の部分のバリヤーが空いている事に。気づいた時には、
ティガダーク「デュワァァ」
ガギの角から放たれる赤い破壊光線によって吹っ飛ばされていた。倒れたティガダークの腕にガギは触手を伸ばし、空中へ持ち上げる。あの触手こんなパワーあるの!?
持ち上げたティガダークへ向かって破壊光線を浴びせるガギ。
ピコン
とうとうカラータイマーも鳴り始めた。
くっそぉ!どうすれば!
その時、
?『落ち着くんだ。怒りに飲まれてはいけない。』
その声と共に目の前が光ったかと思うと周りの景色は真っ白になり僕だけがいた。どう説明したら良いんだろう。ウルトラマンと話す時の精神世界みたいな所、といえばいいのか。
?「初めまして。マドカ ツバサ君、だね?」
後ろから声がした。振り返ると、
ツバサ「ウルトラマン、タロウ…。」
タロウ「ああ。改めて自己紹介をしよう。私はウルトラマンタロウ。この星ではヒガシ コウタロウと名乗っている。」
人間態へと変わる。すげぇ、本物だ。
タロウ「単刀直入に聞くが、私の言った怒りに飲まれてはいけない、という意味が分かるかな?」
ツバサ「…はい。」
タロウ「なら、そちらは大丈夫だろう。…あの2人の小学生については、気に病むなと言う方が難しいだろうが、」
ツバサ「でも!僕には
足から崩れ落ちる。
ツバサ「怖かった!あんなに怖いなんて思わなかった!」
タロウ「…君のその力は変身しなければ使えない。違うかい?」
ツバサ「…その通りですが…でも…!」
タロウ「人して出来る事、ウルトラマンとして出来る事。」
ツバサ「え…」
それって…
タロウ「何代前のティガの一族だったかな?そんな事を言っていたよ。その彼は出来るだけティガへ変身せず、出来るだけ人として戦おうとしていた。そして目の前で消えゆく命があれば、その命の分まで生きようとした。君も、そういった心持ちでいたら良いんじゃないか?」
…成程。スっと心が楽になったのが分かった。
ツバサ「有難うございます!もう大丈夫です!」
タロウ「うん。何かあれば呼んでくれ。君は1人じゃない。」
ツバサ「はい!」
タロウ「私の息子とその仲間達もこの世界に来ている。共闘することもあるだろう。」
ツバサ「はい!その時は、よろしくお願いします!」
そう言い切ると視界が元に戻った。
さて、どうするかな?先ずはこの触手を何とかしないと…アレ、出来るかな?よし!
腕に絡んでいた触手を握り、体中に力を篭めると体が赤く光る。その力を手先へ集め触手に流した。そう、
ウルトラヒートハッグ!
触手を介して、ガギの手の触手の根元へ攻撃をする。
両手から大きな火花が上がり、触手が落ちる。
これで触手は気にしなくてよくなった。次はあのバリヤーだ。そういえば、
ホリイ『あるにはある。物理や。』
アムイ『ぶ、物理?』
ホリイ『せや。結局の所、殴るなりなんなりして物理的に破壊した方がええとワイは思う。』
物理、か。ティガ・ライトパワーでどうにかなるバリヤーじゃないしな。パワータイプに成れれば…。
待てよ、僕のティガダークに変身する力は本来ティガに変身する筈だった力。と言う事は、ティガダークでも変われるんじゃないか?
その時、額が赤く光った気がした。よし。
額の前で手首を重ね合わせる。
ティガダーク「ン〜〜〜、ハッ!」
【推奨BGM:蘇る巨人 後半部分】
上から赤いラインが入っていき、ティガ パワータイプの様に赤と
ティガダーク パワータイプだ。
ファイティングポーズを取り直し、構える。
腕を広げ手を頭の上を通す様に動かし腕へエネルギーを溜めながら胸の前で腕をクロスさせる。右腕に集約したエネルギーをパンチに載せてバリヤーを殴りつける。ティガ・パワーパンチだ。
ガラスの割れるような音をたて、バリヤーが割れる。よし、このまま一気に攻める!
助走をつけてジャンピングパンチ!そのままパンチに次ぐパンチを浴びせ、
思いっきり建物が無い方へ吹っ飛ばす。
ティガダーク「ハッ!」
腕を大きく広げ、
ティガダーク「ハァァーーアッ!」
ボールを掴むような形にした手の中に黒い稲光を発しながらオレンジ色のエネルギーを溜め、頭の上を通す様に大きく腕を動かし頭の上でエネルギーをひとつにして胸の前へ持ってくる。
黒い稲光を発するオレンジ色の光球をボールを投げるように後ろに引いた右腕から前へ押し出す!
ダークデラシウム光流!
ティガダーク「ハァッ!」
ガギへと命中し、爆発四散した。
ティガダーク「シュワッ!」
空へ飛び立った。
まさか、ティガダークでタイプチェンジ出来るとは。力を吸収した訳ではないからトルネードでは無いと思うんだけど。カラーリングも違うし。
マホロバ「ツバサーっ!」
アムイ「ツバサ兄ちゃーん!」
少し遠くに走ってくる2人を見つけた。
手を振って答える。
アムイ「ツバサ兄ちゃん凄いね!姉ちゃんでもタイプチェンジ出来なかったのに!」
マホロバ「ああ。流石ツバサだ。本当なら私のするべき事なんだが…。」
ツバサ「気にしないで。これが、今の僕に出来る事だから。」
亡くなった人達の分も、大切に生きていこう。
【次回予告】
マホロバの従兄弟のマナカ ユウトがやってきた。
『義兄さん』と呼び慕ってくれるユウトを前にタジタジなツバサ。
そんな中、ゴルザとメルバが現れツバサは迎撃に当たるが苦戦を強いられる。ツバサはユウトと共闘して立ち向かう。
ティガダークは高速戦闘へ対応する為、また新たな姿を手に入れる!
次回 ウルトラマンティーズ
「超古代の光と闇」お楽しみに