六年前を覚えている   作:海のハンター

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35話 『顔合わせ』

 

 四季春夏は恋をした。

 相手はゴールデンタイムのドラマにも出る女優白鷺千聖だ。

 一般人と芸能人。そこには大きな壁が存在するが諦めるのは違う。

 例え生きてきた環境が違っていても、例え住んでいる世界が違っていてもそんなものは些細な事。

 好きと言う気持ちに隔てる壁はないのだから。

 

「ったく、酷い目にあった」

 

 今、まさに青春の一ページを描いているにも関わらず相沢がげんなりした表情で乱入する。

 正座で怒られていた相沢には四季や上坂に起きていたことなんて分かるはずがない。

 

 二人はまたいつもの変わらない日常に軽く笑いため息を吐く。

 

「あァ? お前ら俺を見捨てて逃げたくせに何笑ってるんだよ」

 

 嘲笑に近い笑いに相沢は顔をしかめる。

 

「「自業自得だ」」

 

 声がピッタリ重なった上坂と四季は顔を見合わせ笑う。

 面白くないのか相沢の顔は不機嫌だった。

 しかしそれは仕方がない事だ。上坂と四季にはあって相沢にはないもの、それは人を好きになる気持ちだ。

 相沢も練習に付き合うRoseliaやAfterglowのメンバーは『好き』に分類するだろう。しかしその中から一番を決めるとなれば相沢は一人を選ぶことが出来ない。

 全員が同じくらい大切だからこそ相沢は選ぶ事が出来ない。

 全員が一番で全員が最下位。一番を決めない相沢には一番を決めている二人の気持ちは分からない。

 

「あー、もう。言うなよ! 分かってんだよ、自業自得だって。でもよぉテンション上がるのも分かるだろ?」

 

 見渡せば美少女、美少女、美少女。テンションを上げるなと言う方が難しい。

 

「分かるけどさぁ、限度ってものがあるだろ?」

 

「何だよその余裕。あれか? 彼女がいるからなのか? そうだよな彼女がいたらはしゃぐ必要ねえもんな!」

 

「……俺も流石にこの光景にはテンションは上がってるよ」

 

 と言う上坂はテンションが上がっているように見えない。

 彼女である上原しか見えていないとか、ましてや実は女の子に興味がないと言うわけではない。上坂は普通の男の子だ。いくら小さな頃から女の子に囲まれているとはいえ男子といるより女子といる方が調子は良い。

 ただ、異様にテンションの高い相沢を見て冷静になっただけだ。

 

「その顔見て信じる訳ねえだろ。っても澪は頭が堅くてノリが悪いからな〜仕方ねえか」

 

 酷い言われようだが今の相沢は酔っ払いとなんら変わりはなく上坂は文句の出そうになった言葉をぐっと堪える。

 

「春夏お前なら澪と違って分かるだろ?」

 

 四季は鼻で軽く笑い横目に流す。それが妙にかっこよく見えイケメンの名に相応しい顔だった。

 

「そうだな、確かにこんなに美少女に囲まれてちゃあテンションも上がるぜ。でもなたった一人愛すべき絶対的な美少女がいなければ何人いようが意味がないんだぜ」

 

 上坂は呆然とする相沢の姿を見てただただタイミングが悪かったと思った。四季が白鷺と話す前なら同調して騒ぐところだが、今まだ熱に浸った四季にバカ騒ぎ出来るわけがない。

 

「なんだよ、お前まで! これじゃ騒いでる俺一人がモテないみたいで惨めじゃねえか!」

 

「綾人、何騒いでるの?」

 

 会場から歓声が上がる。

 それは騒ぐ相沢を黙らせたからではない。

 

「……友希那さん」

 

 イベントライブ最後の参加バンドが厚い鉄の扉から入ってきたからだ。

 

 相沢の表情がピクリと固まる。

 

「綾人、これは何? 私達はこんなじゃれあいを良しとする集まりに参加した覚えはないわ」

 

 湊の相沢を見る視線は冷たい。

 他の参加バンドはRoseliaが来たことでこれから始まる顔合わせに興奮を見せるが上坂を含む相沢周辺のみ冷気が漂ったような冷たさがあった。

 

「すみません湊さん。綾人の奴今日の顔合わせが楽しみでちょっと浮かれてて。周りの人は関係ないです。綾人が一人はしゃいでいただけなんで気にしないでください」

 

 不穏な空気を察知した上坂は湊と相沢の間に入り込み頭を下げる。

 Roseliaは他の四バンドに比べてバンドに対する姿勢が違う。他のバンドも各々想いがあるがRoseliaだけは想いもそうだが目標がハッキリ決まっておりゴールに向かって最短距離で真っ直ぐ進んでいるのは湊友希那という人物と話していて上坂は何となく分かった。

 ゴールに向かって最短距離で進んでいるRoseliaに寄り道なんて無い。

 だから参加を決めようが練習を始めようが不要と判断すれば途中辞退もゼロではない。

 

 湊の視線は変わらない。相沢から上坂へとスライドしただけだ。

 

 表情は見えないが無言の圧に上坂は息を呑む。

 

「友希那ちゃんよね。よく来てくれたね。待ってたよ。ささっ、こっちに来て顔合わせ始めるから」

 

 明るい声と同時に圧力が弱まるのを感じた。顔を上げれば月島が一箇所に集まった女の子達を集めていた。

 

「ほら、綾人君達も何してるの? 女の子みんな待ってるよ」

 

 危機はさったが上坂は取り敢えず余計な事しかしない相沢を睨みつけた。

 

 

 

「みんな、今日は来てくれて本当にありがとう。ライブイベントについては、もう説明を受けてると思うから省略させてもらうね、私はこのライブハウスで働いてる月島まりなって言います。よろしくね」

 

 五組のバンド、総勢ニ五人の女の子の前に立った月島は本当に簡単に挨拶をした。

 説明を省く辺り結構めんどくさがりなのだろう、と上坂は思う。

 

「どうしてガールズバンド限定のイベントなのに男の子がいるのって……これも知ってるよね。彼達はこのライブイベントを成功させる為にあなた達をサポートしてくれる子達です。存分にこき使っていいからね。……ほら挨拶」

 

 月島はすぐ隣にいる相沢の背中を押す。

 

「まりなさん、変な事言わないでくださいよ。あいつら本気にしますよ」

 

 相沢が見渡した限りでも美竹は指を鳴らし、湊は小さく笑っている。

 

「変な事も何も私は本気で言ったんだけどな〜。でも言い方が悪かったかな」

 

 月島は視線を相沢から女の子達に戻し、

 

「え〜っと、言い直します。こき使って良いって言ったけどあくまで常識の範囲内で、『ジュース買ってこい』みたいなパシリはなしだからね」

 

 当たり前の事すぎたせいか『はーい』と沢山の木の抜けたような声が返ってきた。

 

「それじぁ、気を取り直して自己紹介いっちゃおう」

 

 月島が片手を突き上げるのと同時に相沢が一歩前に進む。

 

「ボーカルとギター担当、相沢綾人です」

 

「ドラムとキーボード担当の上坂澪です」

 

「ギター担当、渡辺一也や」

 

「ベース担当、四季春夏」

 

 相沢に続き簡単に自己紹介を済ます。

 

 四季も白鷺の一件で成長したと思いきや足は細かく震え視線は合っていない。

 少し間が空いたせいか四季にかかっていた魔法は解けてしまったようだ。今なら女の子うんぬんの質問を投げ掛ければ相沢の期待通りの言葉が返ってくるだろう。

 

『よろしくお願いします!』

 

「おお……なんか、こんなに大勢から挨拶されるとうれしいね! 君達もこんなに大勢の可愛い女の子に挨拶されるとやっぱうれしいよね?」

 

「うれしくない男なんていないっすよ」

 

「やっぱそうだよね。春夏君は?」

 

「俺は……」

 

 月島は大勢の女の子の前での挨拶で頭がパンク寸前の四季に話を振る。

 このまま四季を放置でもすればとんでもない軽口を放ち四季だけではなく女の子達にも被害が及ぶ二次災害が起きかねない。

 

「まりなさん待ってください。春夏はもういっぱいいっぱいなんです。俺が代わりに答えます」

 

「じゃあ澪君はどうなの?」

 

 矛先が変わった事に四季ではなく上坂が安堵する。

 

「そりゃあ俺も綾人と一緒で嬉しいですよ。これだけ多くの子から信頼されるんですよ。うれしくない訳ないじゃないですか」

 

 総勢ニ五人がライブイベントを成功させる為に集まってくれた。

 それは嬉しい事だ。

 

「澪君の答えつまらないね」

 

「えっ!」

 

 月島の評価は厳しかった。

 

「まぁいいわ、男の子達の自己紹介も終わったし、今度は女の子達に簡単に自己紹介してもらおうかな。じゃあ、香澄ちゃんから」

 

 そうして戸山からポピパ、Afterglow、パスパレ、ハロハピ、Roseliaの順番で自己紹介が始まった。

 

「……湊友希那。Roseliでボーカルをしているわ。どうぞよろしく」

 

 湊を最後に総勢ニ五人の自己紹介が終わった。

 

「さっそくあなた達の実力を見せてもらうわ」

 

 一拍置いての湊の一言に会場内がどよめき出す。

 

「実力って……? どういうこと?」

 

 真っ先に反応したのは勝気の強い美竹だ。

 

「私達は自分達に見合わないステージには立たない。だから今日、共演するあなた達の実力を見に来たのよ」

 

「友希那さん、俺達のライブを見て納得してくれたじゃないですか!」

 

「綾人、あなた達は認めたわ。でもそれだけよ。同じステージに立つ共演者達がRoseliaと共にステージに立つに相応しいか、それを見定めさしてもらうわ」

 

 Roseliaは4Cの力を認め参加を決めた。それだけであって他の四バンドを認めた訳ではない。

 

「つまり、あなたたちの実力に見合わなければ出ない……そういう事ですか?」

 

 宇多川は丁寧に話しているつもりではあるが言葉に怒りが感じられた。

 

「ええ、その通りです。そうですね……すくなくとも貴方達ぐらいの実力は欲しいですね」

 

 氷川の言葉通りならRoseliaはAfterglowを少なからず認めている事になるのだが、

 

「アタシ達が最低……、へぇ……氷川先輩おもしろいこと言いますね。それだけあなた達のバンドがすごいって事ですか?」

 

 宇多川も怒りを隠す事が出来ず言葉に棘が含まれていた。

 

「ええ、悔しいですが参加するバンドの中では一番だと思っています」

 

 湊や氷川の言いたい事も分かる。

 意味は違えどイベントライブは遊びではない。

 CiRCLEという一つのライブハウスの運命がかかっている。

 

 上坂は自分の拳に力が入っている事に気づく。

 それを振り下ろす訳ではないが知りもしないで人を見下す姿勢は見ていて気持ちのいいものではない。それが知り合い、大切な人なら尚更だ。

 

 今すぐ間を割って入りたいが、入って仕舞えばイベント自体が最悪破綻してしまう。

 Roseliaの唯一と言って良い参加の動機は上坂達4Cからの指導だ。

 もめた相手の意見を素直に聞くと思えない。そうなればRoseliaがイベントに参加する理由はなくなる。

 

「巴、まあまあ。落ち着いて」

 

「Roseliaのお二人さんも熱くなりすぎや。熱くなるんはステージの上だけで十分やろ」

 

 そんな険悪な雰囲気が漂う中、四人の間を割ったのは山吹と渡辺のお母さんコンビだ。

 

 上坂は二人の姿を見て踏み出そうとした足を戻す。

 個性派揃いの1-Aのクラスが学級崩壊しないのは、個性派共が束になっても勝てない二人の母の存在のお陰だ。

 そんな最強な二人が仲裁に入れば争いは収まったと言っても良い。

 

「バンドなんだし、音楽で自己紹介をするのが一番、自分たちをわかってもらえそうたしね。一曲ずつ、演奏してみようよ」

 

「それもそうやな。初めはRoseliaからお願いしよか。あんだけ言うとるんや、さぞビックリする演奏見せてくれるんやろうな?」

 

「こらこら、煽らない。すみません、そう言う事なんでRoseliaの皆さんお願いできますか?」

 

「かまわないわ」

 

 そう短く返事をした湊はマイクを握った。

 

 

 

 五バンドすべての演奏が終了した。

 今はRoseliaの返答待ち。

 会場は無音で奇妙な空気に包まれた。

 返事を待つニ○人の少女と月島は顔に緊張が走り、上坂達と緊張はするが、一回目のライブはなんだったのだろう、と言う不満と疑問がプラスアルファである。

 

 そして湊と氷川が口を開いた。

 

「どのバンドも実力はそれなりにあるようだけど……」

 

「私達のイメージするレベルには達していないわね」

 

 少女達、特にイベントを一から協力したポピパの落胆な色は大きい。

 

 そんなポピパの表情の変化に気づいていても二人の言葉は止まらない。

 

「私達が求めているのは確かに高い技術……でも音楽が、それだけで上手く行かないことは知っている」

 

「あなたたちには、何かがある気がする。私達にまだ欠けている何かが」

 

 Roseliaの言葉に少しずつ少女達の顔色が良くなる。

 

「つまりつまり、それって! ライブイベントに出てくれるって事ですよね?」

 

 戸山は期待の眼差しを浮かべる。

 

「ええ、出席するわ。それとあなたたちを試すためとはいえ、厳しい事を言ったわ。ごめんなさい」

 

 湊の素直な言葉に美竹が正面に立ち真っ直ぐ見る。

 

「湊さん、演奏凄かったです。でも、あたしはあたし達の演奏が劣っているなんて思ってません」

 

「だったら劣っていないって事をイベントライブで証明する事ね」

 

「言われなくとも」

 

 美竹と湊、二人は小さく笑った。

 

「これで全員揃ったねっ!」

 

「ふう〜、私も一安心だよ〜。みんなの演奏、すっごいよかったよ! 私も思わず体が動いたもん。改めて、みんなもよろしくね!」

 

 湊の了承と戸山の現状確認の言葉にイベントの責任者の月島は安心し肩を落とす。

 

「まだよ!」

 

「えぇっ!」

 

 終わらせてくれない湊に月島は驚き声を上げる。

 

「まだ綾人達の演奏を聴いてないわ」

 

「そうねですね、私達の指導をするなら、ここにいる皆さんが納得するものを見せてもらわないと話になりません」

 

「友希那さんも紗夜さんも俺達の実力知ってるじゃないですか⁉︎」

 

 そもそもRoseliaは4Cの力を知ってイベントに参加をした。実力を見せるも何も知らないはずがない。

 

「え〜いいじゃん。私も綾人達の演奏聞きたいな。皆んなもそうだよね?」

 

 今井の一言で一気に会場が騒がしくなる。『私も』『あたしも』と女の子のコールで埋め尽くされる。

 

「いいじゃないか。俺達の演奏を知らない子もいるし、それに俺達だけ演奏しないなんて不平等だろ?」

 

「だあ──、分かった。やってやるよ。すっげーもん見せてやるから期待してろよ!」

 

 相沢がビシッと指指すと大きな歓声が上がった。

 

「やるならやるって最初から言えよな。綾人ってあれか? ツンデレなのか?」

 

「そうかも知れんな〜。相沢って捻くれとるし」

 

「うるせー! ツンデレってのは赤メッシュとか金髪ツインテとかを言うんだ! 俺はツンデレじゃねえ!」

 

 ご立腹な相沢にギターを宥めながら持たせ、上坂はスティックを叩きカウントをとった。

 

 

 

 渡辺のギターの音を最後に演奏が終わった。

 

「さすがね。やはりあなた達は私達の指導をするに値するわ」

 

「悔しいけど私達より上」

 

「やっぱり4Cの演奏はすごいねっ!」

 

「香澄ちゃんもそう思う? 4Cのみんなの演奏本当に凄いよ」

 

「あなた達の演奏最高よ!」

 

 総勢ニ五人から賞賛が贈られた。

 

「そういう訳でこれから俺達4Cがイベントまでの期間お手伝いをさせて頂きます」

 

 上坂達は他の顔を見るが誰一人として反対を言うような顔をしていない。

 

「そうだっ! いいこと思いついた!」

 

「何だよ急に!」

 

 戸山が突然声を上げ、隣にいた市ヶ谷は肩が跳ねる。

 

「イベントの前にさ、ミニライブをしようよっ! そうしたらイベントに参加できない4Cも私達と一緒にステージに立てるよ」

 

「香澄もたまにはいい事言うな」

 

 市ヶ谷としてはライバルである上坂と同じステージに立つのは歓迎で、直接実力を知るにはいい機会だと思った。

 

「そうでしょ、やったー! 有咲に褒められた!」

 

「ばか、くっつくな!」

 

 戸山は嬉しさで市ヶ谷に抱きついた。

 

「いいわね! お客さんを笑顔にできるチャンスはたっくさんあった方がいいもの!」

 

「あたしも賛成。みんなの音、もっと知りたいし」

 

 他のメンバーもミニライブの参加に乗り気だった。

 

「俺もやりたい。折角みんなでするんだ、俺達も参加できるなら参加したい」

 

「澪、女子ばっかだろ。やりづらくねーか?」

 

「そんな事関係ないだろ。やっぱり俺もこいつらと一緒にステージに立ちたい!」

 

「仕方ねーな。いっちょやってやるか」

 

 そう相沢は言いながらも一番乗り気だった。

 

「うんうん、いいね! イベントの宣伝にもなるし、みんなの交流も深まるよね! 私、ちょっとオーナーにかけあってくるよっ」

 

 ミニライブ開催に向け月島はオーナーの元へ駆けつけ、と言うより静かな所で電話をかけに行った。

 

「ホンマ自分等は勝手に決めるなぁ。少しは相談とか出来んの? 報連相は大事やで」

 

「悪かったよ。でも一也も出る気あるだろ?」

 

「そら、こんな面白そうな事やし参加はしたいねんけどな……」

 

 渡辺は首だけを動かし視線を誘導する。

 誘導された先には動かない四季の姿が、

 

「ライブや練習よりまず四季をどうにかせなあかんやろ」

 

 白鷺の件や、自己紹介の件などで既に限界を迎えていた四季は更に女の子に注目されながら演奏をやり切るという事に、羞恥心のキャパを振り切り、白目を向いたまま半分意識が飛んでいた。

 

 その姿を見て危機感を感じるどころか、上坂は良く知る四季の姿に安堵した。

 

 

 

 ミニライブは日程どころか開催されるかどうかも分からない。

 それでも上坂は少女達と共に同じステージで輝く為に練習をするだろう。分かってから動いて手遅れにならないように。

 

「みんな〜、ミニライブの件、オーナーから許可が降りたよ〜!」

 

 勢いよく戻ってきた月島からの吉報は、上坂の小さな不安を綺麗さっぱり吹き飛ばした。

 

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