"四代目"Big Red story   作:シンバル・シャンシャン

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5話です。
全日本2歳優駿です。
主人公2勝しかしてない上に重賞勝ってないのに出走枠に入れたのかよと思うだろうけど、なんかたまたま出走出来ました割と主人公に都合の良い世界です。
1994年はまだ中央馬は出走出来ない筈ですがウイポ時空なので出走出来ます。
1994年の全日本2歳優駿の映像は探しても見つからなかったので、オリジナルのレース展開になっています。



俺、全日本2歳優駿

12月、季節がもうすっかり冬になった頃。

俺は一週間後の全日本2歳優駿に向けてトレーニングをしていた。

 

いやーそれにしても、一気に時間が過ぎた気がするなぁ。新馬戦がつい一昨日位の事に思えるぜ。

ヤマボウシ賞も結局、新馬戦と同じで最後の直線で追い込んで2着に3馬身程つけて勝っただけで大して苦戦しなかったし。

 

それはそうと俺の次走は全日本2歳優駿に決まった。地方の川崎競馬場で開催されるダートの2歳馬の頂点を決めるレースだ。距離はダートの1600m。

ぜひとも勝ちたい所だが、少しだけ不安要素がある。

まず、相手だ。地方のとはいえG1級のレースともなれば当然、出てくる馬もそれなりに強い馬ばかりになる。地力で負ける気はしないが、今までの様に楽勝で勝てるという事はないだろう。

 

それだけではない。全日本2歳優駿が開催される川崎競馬場だが、この競馬場めちゃくちゃコーナーがキツイ。

普通の馬でさえキツイのに、大柄な俺にとってはよりキツイのだ。直線も300mしかないし。

だから俺は今頑張ってコーナーの練習をしている。

……でも俺思うんだけどさぁ、距離のロスがあってもそれを補ってあまりあるウルトラスーパーな末脚使ってブッちぎってしまえばいいんじゃないか?

…?どうした?酒田さん。どうせなら距離のロスを減らした方が良い?…それもそうだな、そうしようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さあ、今年もやって参りました。第45回全日本2歳優駿。此処、川崎競馬場で2歳のダートチャンピオンを決めるため、地方・中央のダート馬達がやってきました。』

 

『──1番人気はこの馬、3枠3番ファルスフラッシュ。───』

 

『──今日の2番人気、5枠5番コンサートボーイ。この人気は不満か?3番人気は6枠6番イージーゲーム。───』

 

 

はい、という訳でやってきました全日本2歳優駿。パドックも返し馬も終わってそろそろゲートインだ。

正直な話コーナーの練習はあまり上手くいかなかった。……ごめんね酒田さん。不器用な馬で。

…まぁ、コーナーが駄目だったら最後の直線に全部賭けよう。例の走り方も試してみたいし。

 

そんなこんなでゲートインだ。いつも通りクマさんに激励の言葉を貰ってスタートに備える。

 

 

 

『今、全馬ゲートに入って……

───スタートしました!』

 

よし、スタートは問題無い。位置もいつも通り最後方だ。

 

『全馬揃ったスタートです、3番ファルスフラッシュ前に行きます。そして第1コーナーに差し掛かりました。』

 

 

コーナーが来たな、よーし練習の成果を出すぞ。

 

………無理無理無理!めっちゃキツイんだけどぉ!?体が外に持ってかれちゃう!遠心力ってスゴい!!これが後3回あるの!?

 

コーナーに苦戦している俺をよそにレースは展開していく。

 

『前から順に先頭は3番ファルスフラッシュ、その後ろに4番ノースサウス、5番コンサートボーイ、中団に7番アイスクラッシュ、8番のビスケットランチ、1番のパラライズ、更に後方には2番のサンセットマンボ、10番のベアークロー、9番のオイシイオスシ、1番後ろに6番のイージーゲームです。

先頭から最後方までは15馬身程。そして今3コーナーに差し掛かりました。』

 

何とか3コーナーまでこれたぜぇ…。それにしてもコーナーに入る度に前の馬と差が開いてしまうな、これはいよいよ最後の直線に賭けるしかないな。それまでは出来るだけ離されないようにしながら脚を溜めるとしよう。

 

『3コーナーを通過して依然変化はありません。そのまま4コーナーに差し掛かっていきます、イージーゲーム未だに一頭だけ馬群から置いていかれています。大丈夫なのでしょうか?』

 

『先頭のファルスフラッシュが4コーナーを通過して最後の直線です!後続の馬も脚を伸ばしてきます!』

 

俺も他の馬に一歩遅れて最後の直線に入った、クマさんが俺にムチを入れる。相変わらず痛いのには変わりないが、それに応えるためにスパートを掛ける。

 

『コンサートボーイが前に迫るがファルスフラッシュはまだ粘る!そして、ここでイージーゲームが凄い脚で追い上げてきたぁ!!前に迫ります!!』

 

どうやらファルスフラッシュもコンサートボーイもかなり一杯の様だ。対して俺はまだ余裕がある、このまま行けば勝てるだろう。

しかし、せっかくなので例の走り方を試してみよう。

 

───頭は深く、前脚はもっと前に、まるで地を這う様に走れ…

 

その瞬間、俺の体が更に加速する。

 

『おぉっと!!イージーゲーム、更に加速します!!先頭のファルスフラッシュをとらえて1馬身突き抜けてゴール!!』

 

『2着にはファルスフラッシュ!!3着にコンサートボーイです!!』

 

 

……ふぅ、勝ったな。不安要素は結構あったけど、最終的には余裕をもって勝てたから上出来だな。しかし、最後のスパート例の走り方を試してみたが、いざ本番となると難しいな。一瞬しか維持出来なかった。ゆくゆくは最後の直線フルであの走り方が出来る様にしたいな。

てか、あの走り方とか例の走り方じゃ分かりづらいな……そうだな…よし、これからはUSAスペシャルと呼ぼう。USAでスペシャルだぜ?何かよくわからんがスケールがデカい感じはするだろう?まあ、実際は頭低くして大跳びで走ってるだけなんだけどな!!

 

ともあれ、これで俺も栄えあるG1馬の仲間入りだ。正確には勝ったのはjp1だけど。

そういえば全日本2歳優駿を勝った中央馬はその後活躍しないと言われてるらしい。……大丈夫だ、ジンクスなんて破ってナンボだ。

 

次走は山都さん次第だが3歳の春はダート馬にはあまり出れるレースは無いので、暫くはお休み出来るだろう。

次はなんだろう?ユニコーンステークス辺りかな?まぁ、何だろうと俺のやる事は変わらない、勝つ為に全力を尽すだけだ。

待ってろよ、まだ見ぬ強敵たちよ。

 




はい。
勝ちましたね。まあ、此処で負けてたらBCクラシックなんて夢のまた夢ですからね。

所で主人公の次走は何になるんでしょうか。作者にも分かりません。

最近、色んなレースの映像みて実況の勉強とかしてるんですけど難しいですね。
ちなみに僕の1番好きなレースは97年日本ダービーです。
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