"四代目"Big Red story   作:シンバル・シャンシャン

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6話です。
弥生賞です。
敵が強いです。
頑張ります。
架空馬が出ます。


俺、弥生賞

年が明けて1月、俺は放牧されていた。

 

いやー久しぶりのちゃんとした休暇だな。1月一杯は牧場に居て2月からまた栗東に入るらしい。

そういえば、去年俺が同世代の馬達より一足先にG1馬になった後、朝日杯はフジキセキが、阪神3歳牝馬ステークスはヤマニンパラダイスが勝ったらしい。最優秀2歳牡馬はフジキセキだ。

まあ、ダート路線を歩む俺とは戦う機会が無いだろうから、ぜひ芝で頑張って欲しいものだ。フジキセキは弥生賞で引退するけど。

 

まぁ、そんな感じで暫くのんびりするとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2月に入って、栗東に戻ってきました。

俺の次走も決まったみたいです。なんと、俺の次走は弥生賞らしい。

………えっ、弥生賞?イヤイヤイヤ、無理でしょ。俺芝なんてまともに走った事無いよ?…なになに?血統的に日本の軽い芝なら適正もあるかもしれない?……それは、そうかもだけどさぁ…。

………まぁ、俺が何か言ったところで酒田さん達にはヒヒンとしか聞こえない、出るレースが決まったなら俺は勝つ為に全力を尽すだけだ。

でも、フジキセキも出てくるんだよなぁ…勝てるかなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

『1枠1番、2歳のダートチャンピオンが芝に初挑戦、今日の5番人気イージーゲーム、本日出走する馬の中では最も大きく馬体重は530kgです。』

 

そんな訳で弥生賞、俺は5番人気らしい。1番人気はフジキセキ、まぁ当然だろう。

 

フジキセキと言えばたった4度の戦いだけで幻の三冠馬と呼ばれる程の名馬だ、俺が今まで戦ってきた馬の中では間違いなく最強だろう。

そして何より、フジキセキと言えばサンデーサイレンスの初年度産駒で有名だ。サンデーサイレンスはアメリカのダービー馬で、アメリカ三冠レースでは俺の父親であるイージーゴアと名勝負を繰り広げた、いわば俺の父親のライバルである。

その2頭の実力は仮に世代さえ違えばアメリカ競馬史に三冠馬が2頭増えていただろうと語られる程拮抗していたとの事だ。

生い立ちも引退後も対象的な2頭の関係は此処、日本でも有名で、その2頭の産駒が同じレースに出るとの事で今回のレースは結構注目されているらしい。

俺としてもサンデー産駒達を打ち負かして父親の無念を晴らしたいので、全身全霊で勝ちにいこう。

 

そんなこんなでゲートインだ、最内枠なのでスタート後に囲まれないように気をつけよう。

どうやら全馬ゲートインしたようだ。いつもの様にクマさんに激励された後スタートに備える。

………あそこの黒い奴がフジキセキか…絶対負けねぇぞ……

 

 

 

『中山第10レース、第32回弥生賞。今、全馬ゲートに入って────スタートしました!』

 

スタートはOK、位置もOK。フジキセキは……前に行った様だ、俺は俺のレースをするとしよう。

 

『先行争いは2番のパインジュースが行きます。外ゴーゴーテルン並んでいきます3番手からマニュアルモードが今日は先団につけました。一気に交わしてフジキセキ、フジキセキ並んでいきました。ゴーゴーテルンとフジキセキ緩い流れになりました1コーナーこれから回っていきます

フジキセキ一気に先頭か、しかし内ゴーゴーテルン、ゴーゴーテルンが僅かにペースを握ります、3馬身のリード。2番手はフジキセキ、それから1馬身差で────そしてその内からナンカイロック最後方にはホシグマドウジとイージーゲーム、並んでいます。』

 

ペースはあまり速くないな、速ければ速いほどコーナーを曲がる時の遠心力は大きくなる。川崎程ではないが此処、中山競馬場もかなり小回りなコーナーだ。俺としてはスローペースはありがたい。

 

『向こう正面中間に入って残り1000m通過、先頭はゴーゴーテルン半馬身のリード、フジキセキ並んでいきました、クビ位の差まで詰めます。第3コーナー、カーブに向かいました。───

───3、4コーナー中間残り600切りました、セイショウコウ一気に上がって今4番手から3番手、フジキセキに並ぼうかという体勢になりました、ビクトリースターの間から内、ゴーゴーテルンも逃げています。さあ、4頭が広がって4コーナーカーブに向かいました───』

 

そろそろレースも終盤だ、脚はまだまだ残っている。

 

『───4コーナーカーブ、ピッチが急に上がって今直線に入りました、フジキセキが先頭、フジキセキ先頭、外からセイショウコウ、あるいはナンカイロックが来たぞ!更に大外からイージーゲーム、ナンカイロックとイージーゲームが一気に上がって先頭差しきれるかどうか、200を切ってフジキセキ!イージーゲームがナンカイロックを抜いてフジキセキに迫る!凄い脚だ!!』

 

末脚を爆発させフジキセキに後半馬身の所まで迫る。

だが─────

 

『しかし、フジキセキ強い!強い!ゴール前で一気にまた突き放した!1馬身程差をつけてゴールイン!やはり強かったフジキセキ!並ぶ所までイージーゲーム!坂を上りきって満を持した様に、またエンジン全開となりました!フジキセキ!』

 

フジキセキは更に加速する。

俺もUSAスペシャルを使って巻き返しを図ったが、不発に終わった。

 

 

………敗因を挙げるなら、初めての芝だった事だろう。今までのダートよりもスピード感のあるレースに戸惑ってUSAスペシャルも出す事が出来なかった。だが、それはレースに出れば慣れていく筈だ。実際今日のレースも後半からは少しずつ慣れてきていた。

 

それよりもショックだったのが、ゴールの手前でフジキセキに差を広げられた事だ。俺も全力で走れなかったといっても、まるで格の違いを見せつけられた気分だった。

しかも、史実通りならフジキセキは弥生賞を最後に引退する、俺にはリベンジする機会すら無いのだ。

 

かつてない屈辱を感じながら俺はターフを後にした。

 

 




負けイベです。
フジキセキの弥生賞見ながら実際の実況を文字に書き起こして少し変えてみました。良いのかな、これ。

活動報告にイージーゲームの能力をウイポ風に表してみました。
見るなら一応ネタバレ注意です。
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