【SAO】ハイドGMなのにJCプレイヤーにばれた件について 作:伊葉 翔
「よう、話は聞いてるぞ。お疲れだったな」
「ああ、決断と策をくれたエギルに感謝だよ」
昨日はさすがに夜も遅く、みんな疲れてるとの事で詳しい話は翌日エギルの店で行うことになった。
どうやら一番乗りは俺らしく、笑顔で俺を迎えてくれたエギル以外はいないらしく、昨日の出来事を思いふけることにした。
俺はシェラのHPを0にして完全に消え去ったことを確認してから、先に帰ったキリト達と合流しようとするも、シェラの部下……いや、
カリアゲさんの件で望まず赤ネームになった奴は俺が救済すると伝え、その条件をのんでくれたほぼ全員がシェラから離反した。
なので、あれだけの数がやってきたということはそれしか考えられなかった。
ただ、相手は全員フードで顔を隠して何も喋らなかった以上は確定ではないんだが。
シェラを殺した後でも全員得物を構えて俺を殺そうとしてきたんだが、そこで説得……いや、取引を持ちかけた。
シェラの前で俺が姿を現すまで結局誰一人として見つけられることができなかった。それも、相手がそれなりに警戒して部下を巡回させているのにもかかわらず、だ。
だとすればこれは大きな武器になる。そこで俺が出した取引内容はこうだった。
『このままやり合うのならそれはそれで構わんけど、シェラと戦うまで俺を見つけられなかったのなら、あんたらはこれからゲームクリアか死ぬまで俺に寝首をかかれる可能性があるぜ』ってな。
『だから、あんたらは俺を見ていないし、俺はあんたらを見ていない。ただ、あんたらは自身の手でシェラを始末したとでも報告してくれれば良い』と言いながら、最後に『俺としてはあんまりやりたくないんだがな。証拠としてシェラ以外は戦いはしたが殺してないぜ?』って付け足して解説をさせていただいたわけだ。
そう伝えると相手さんは全員何も言わずに退散してくれたので、どうやら取引は成功したらしく、俺も面倒な戦闘にならずほっと胸をなでおろしキリト達と合流した。
そこでマコトから軽く状況だけを聞き、問題はないことを確認しながらもアスナさんが俺たちを疑っていたことに対してひたすら平謝りしてくれ、それを制しながら昨日は全員でマコトを部屋へ送り解散となった。
「どうだ、マコトとは上手く行きそうか?」
人が思いふけってる時にいきなり何を言い出すのか、エギルよ。
「わからん。ただ、上手くはいってなさそうに思えるがな」
「なんでそう思うんだ?」
「俺とかかわっても態度に変化がないしな、これで恋愛にくるった奴なら分かり易いぐらいにかわってるんだろうが……」
「お前らの場合は、態度が変わったかどうかで分かる関係じゃないように見えるがなあ」
ふっと失笑しながらこちらを見るエギル。何を知ったようなクチをと俺はエギルを睨み付ける。
「女が俺に見せる態度はそっけないか圧倒的に嫌うかの二択だしな。マコトはそっけない方だったって事だよ」
「お前さんからはそう見えるのかねえ……」
「お待たせしましたー」
エギルが頭をかきながら困った様子を見せると、それを見計らったかの如くマコトが一人で店にやってきた。
「よお。無事で何よりだ」
「はい、セスさんやキリトさん達のおかげで無事でした」
エギルの前でも丁寧に礼をして答えるマコト。そこでエギルが何かひらめいたのか軽く手を叩き、俺の方を向く。
「セス。ちょっとマコトを借りても良いか?」
「あ? 別に本人がokなら俺から言えることは何もないだろ?」
「解った。じゃあマコト、ちょっと二人で話したいことがあるんだが奥の部屋に来てもらっても良いか?」
「はい、セスさん。行ってきても良いですか?」
「良いんじゃねえの?」
エギルはともかくなんでマコトまでわざわざ俺に許可を求めるのか。まったくもって理解できない状態に、俺は首をかしげながらも一体俺を抜いて何を話したいのか、少しだけ疑問に思いながらも二人が帰ってくるまでぼーっとしていた。
「はっはっは。それじゃあマコトの考えはそれから変わらなかった事だな」
「はい、その件もありましたしセスさんも不快に感じると思ったので」
と、帰ってくる途中で二人とも先ほどとは考えられないほどの円満な笑顔で帰ってきやがった、一体何が起きたんだよ。
「おいセス、喜べ! いや、お前さんにとってはあんまりうれしくないか」
がっしりエギルから肩に手を回されバンバンと叩かれる。
「一体俺が何がどうして、そんなにエギルから笑顔で俺に肩を叩かれるようなことをしたんだよ?」
「これが笑っていられるかよ。特にお前さんが自覚してないってことが一番おかしくてな」
「笑ってるだけじゃ分からん。率直に答えを教えてくれ」
分かった分かったと言いながらさらに肩を強くたたくエギル。
「お前さん。今になってもマコトの態度が変わらないから進展も無いってお前さん、さっき言ってたよな?」
「ああ、言ったな?」
「それに、マコトに好きな人ができても態度を変えないで接したら、全財産くれてやるとも言ってたよな?」
「それも確かに言ったな」
「よし、それなら決定だ。その賭けセス負けだ」
「はぁ!? 俺の負けって、一体いつどこでマコトに好きな奴ができたんだよ?」
にわかには信じられない現象だ。好きな奴に関してまったくと言って良いほど情報が無い。まぁ、表に出さないぐらいマコトは演技上手だったし分からないのも無理はない……か。しかしマコトが好きになった奴ってどんな奴なのか、正直気になる所ではある。
「かーっ! ここまで言ってお前さんの前でめでたく笑ってんのに分からないのかよ」
分かるはずもない。少なくとも俺がその当人であるなんて考えは微塵もない訳だしな。
「マコト、答えを教えてやれ!」
「はい、それでは」
俺の隣に座り顔を近づけて……ってぶつかるぞおい! ってかぶつかって柔らかいって、えええ!?
「これが答えです」
お互いの顔が離れると、少し恥ずかしそうに顔を下げながらマコトがそういうって事は……その相手って、その……まさか、俺?
「そのまさかって顔してるように見えるが、そう言う事だよ」
エギルが豪快に笑いながら、そんなに嬉しかったのかと俺の肩をまたバンバンと叩く。
「マジかよ、それだとしても一体いつから俺なんか好きになったんだよ。マジで分からなかったぞ?」
「はい、それは兄さんの遺言を聞いて私が泣いたときに背を貸してくれた時からですかね。あの時抱きしめてくれたらもっと積極的になろうとは思ってたんですが、セスさんが逃げずに背を貸してくれただけでも嬉しかったんです」
「あー。あんなの一時的なものかとばっかり思ってたんだが……俺に変装してたキリトに言った台詞も含めてな……」
「本当にお前さん女が嫌いなんだな。イリオスに対して見せる態度と全然違うな」
「だから兄さんは私とセスさんを合わせたかったんだと思います。私とどこか似ていて、それなのに考え方は全然違って……なんというか放っておけないんですよね」
「それなら完全にお似合いって事だな。セス、お前さんにはもったいないぐらい良くできた娘だぞ。大事にしてやれよ」
それからキリトとアスナさんがやってきて、色々仲睦まじく宴会やらいろいろとやってその日は解散した。
あれから数日と立たずにキリトがゲームクリアを果たし、この世界から解放される日がやってきた。
それからもマコトに色々と助けられながらいろんな事件に巻き込まれる事になるのだが……それはまた後日の話と言う事で。
すいません! 翌日と言いながらこの体たらくって訳でアインクラッド編は終了します。
ずいぶんと期間が空いてしまって細かい設定がかなり頭の中から飛んで行ってます。
中身に関しておかしい、気になる点があればお伝えください。
ALO編も簡単なネタはありますが、オチまで思いついてないので今後書くかは考え中だったりします。
今までおつきあいいただき本当にありがとうございました、それでは!