【SAO】ハイドGMなのにJCプレイヤーにばれた件について   作:伊葉 翔

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7話 準備

「……スさん、起きて下さい」

 こうして体を揺らされながら起こされるのは何度目になるだろうか。

「ああ、おはよう……マコト。もう朝か」

 もう日課と感じてしまうほど当たり前のように俺の部屋に入って起こしに来るマコト。

「はい、これから作戦会議にしましょう」

 昨日は一人なってからずっと相棒の頼みをどうしようか考えていた。

「そうだったな……」

「では、まずセスさんを殺したという証拠を持って行きたいんですが、よろしければ使ってない装備とか譲って頂けますか?」

 お互いが納得できないなら破棄でも良いとの事だったが、まず俺自身が何よりも悩んでいた。

 仮に向こうがokを出したとしても、俺はマコトの面倒を見れる程出来上がった人間じゃない。

 大学生になって自由になった日から講義以外はひたすらゲームに明け暮れて、サークルとかで人を集めて色々満喫してるリア充とは遠くかけ離れた存在で、こんなゲームにまで手を出すようないわゆるヲタって奴だ。

 正直現実の女と本気で話した事なんて、小学生の頃に女子のグループから二度と話しかけてくるなと言われてヒートアップして以来一度もない。それ以降は例え話しかけられたとしても常に受け身になるか受け流すかの二択だった。

 まぁ、その受け身なり受け流しなりを俺なりに普通にやったとしても、コケにされるか笑われるかの二択だった。なので、正直俺にとってはマコトと自然に話せているように感じてはいるが、向こうは嫌々着いてきてるのでは無いかと思ってしまう訳だ。

 それでも相棒の願いなら何とか叶えてやりたい! だがこんなふざけた俺がマコトの面倒を見ても逆効果になってしまうのではないかと、昔から積み重なった女へ対するトラウマが今でもずっと俺の足を引っ張り続けている。だから今でもこうして悩んでいる。

「あの……セスさん? やっぱり装備とか余ってないですか?」

 おっと、ついつい考え込んでしまってマコトの用件に答えてなかったか。

「すまん。ちょっと考え事をしてた」

 困ったようにこちらを見つめるマコトに対して、メニューを開い部屋のフレンドへ登録する。

「それならそこの鍵付き倉庫(セキュアボックス)にいくつかあったはずだから、適当に見繕って持って行ってくれ」

「はい、それでは拝見させて頂きますね」

 元気よく箱を開いてメニューの確認を始めるマコトだが、かなりいい加減に突っ込んだ状態だったはずなので手頃な装備を見つけるまでしばらくかかるだろう。そう思いながら自分の持ち物枠(インベントリ)からも何か良い物は無いかと探ってる最中に、マコトの動きが止まってこちらを向いてくる。

「セスさん、丁度私が装備できそうな女性用の装備がありましたけど。これどうしたんですか?」

 あ、そういやそんなのも倉庫に入れてたっけか。

「本当は俺の見た目(アバター)は女性型でな。いつか戻れる機会があれば、それに合いそうな装備を取っておいたんだが、マコトも短剣使いなら装備できるよな」

 特に女性の脚ラインが際立つ俺好みな装備を重点的に集めていたが、こんな所で活用できるとは思ってもいなかった。

「では、この装備を貸して頂いても構いませんか?」

「そうだな。そこから良さそうなの持って行けば証拠になりそうだな。持って行ってくれ」

「はい、ありがとうございます」

 良さそうなの、とは言ったが見た目と性能を重視した防具をかなり前の層から確保していたので、その量と種類はかなりある。選ぶのも大変だろうが、その中にマコトが気に入りそうな物があれば良いんだが……。

「あ、これ一度装備してみたかったんですよ! 試しに着てみても良いですか?」

 そんな不安をよそにどうやらドンピシャな装備があったらしく、えらくテンションを上げて喜んでいらっしゃるようで俺はほっと胸をなで下ろす。

「やっぱり可愛いですねこれ。わあ……」

 鏡を見てうっとりしているマコトが装備しているのは、白と黒を基調としたモノトーンなメイド服。

 黒いフリルミニスカートに白いオーバーニーソックスの部分は俺のこだわりなのだが、どうやらマコトにも好評だったようだ。しかし普段のマコトの服装が丈の長いスカートで、メイド服になって初めてその脚を拝めたがけしからん細さだ! 思わず手で直接さすってみたくなる衝動に駆られつつ、ついつい視線を足下を固定してしまう。

「どうです、セスさん?」

 そんな俺の視線に気づいてか、スカートを翻しながら体を一ひねり……って、おおおい! ちょっと見えたぞ!

「さ、最高だ……」

 モロにクロッチが見えたよ……あの誘惑的な縫い目のラインがな。

「セスさんも喜んでくれたのなら最高ですね! えっと、他には……」

 色々な所のテンションが上がりそうな俺に対し、更にテンションを上げたマコトが再び装備を探るとまた黄色い声を上げる。

「これも持ってたんですか!? こちらも装備してみても良いですか?」

「ああ、装備して喜んでくれるのなら好き勝手に装備してみてくれ」

 ここまで堂々とリアルに近い目の保養ができるなんて初めてかも知れない。現実なら女と視線が合っただけでも罵詈雑言と飛ばされてたしな……。それはさておき、次にどんな服を着てくれるのだろうかと、俺もテンションを上がらざるを得ないままマコトへ全権をゆだねる事にした。

「はい、ありがとうございます!」

 こうして俺とマコトのハイテンションなファッションショーが始まった。

 

 

 

「それで良いか。見た目を性能から考えたら」

「そうですね。これが一番良いと思います」

 二人ともテンション上がりっぱなしなファッションショーが終わり、最終的に決めた服装がこれだった。

「忍者っぽいけど忍者っぽくない服ですね」

 マフラーとマントの中間みたいな首を覆いつつも背中に布が垂れる首装備に、胴着っぽい胴装備にやけにスリットが広めで丈の短いスカートな脚装備。そして足は当然サイハイソックスとロングブーツ。髪も頭装備の影響か、お下げ無くなって髪はそのまま下ろし、そこから左右にリボン付きの尻尾が映えたツーサイドアップな髪型になっていた。

「最近の忍者はそんな服装が多いみたいだぞ?」

「そうなんですか?」

「ああ、電流爆破マッチをやったり車にはねられたり、おまけに吊り橋から落ちても平気な忍者らしいが」

「それって忍者とか以前の問題で死ぬと思うんですが……」

「ともかく忍者に関してはここまでにして、武器はコイツを持って行け」

 俺の持ち物枠(インベントリ)にあったシャドウチェイサーの前に使っていた短剣をマコトに手渡す。

「これって、昨日まで使ってた奴ですよね。大丈夫なんですか?」

「大丈夫だ、こいつさえあれば問題ない。流石にそれをシェラに見せてやれば、完璧に近い証拠になるだろ?」

 プレイヤーが死ぬと遺品を落とすが、その遺品は基本的に近くにいたフレンドかパーティメンバーへ割り当てられる。もしその二つに該当する人がいなければ装備を一つだけ落とすのだが、俺の経験から考えると武器を最優先に落とす。それでこの武器を渡せば間違いなく俺を殺して奪った証拠としては問題ないなずだ。

「そうですね。この防具と武器があれば申し分無いと思います」

「じゃあ決まりだ。リズベットさんの所へ行ってからシェラと連絡を取ってくれ」

「了解です。それでは行きましょうか」




 今回は少しボリュームを下げた息抜き回+実験回でもあります。
 情報によると3000文字程度がベストなようですが、物足りなければ6000字程度のペースに仕様か考え中だったりますが、これどこで意見とか聞けば良いのだろうかと凄く迷ってたりします。
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