Twitterでサラサラっと周りの人のを見たくらいの知識です
僕と葉月さんとで下に降りてみれば、親が夕飯の準備をしていた。
曰く、夕飯を一緒に食べる事になったそうで。
僕は余り気が進まなかった。
その時の記憶はあまり無い。
気づけば、食後の珈琲を飲んでいた。
「そういえば、通う学校って決まっているの?」
葉月さんのお母さんが僕に問いかけてくる。それに対して僕は「えっと……」と考える素振りをしてから
「何となく候補くらいしか」と答えた。
「ならやっぱり恋から話しは聞いたと思うけれど、ウチの結ヶ丘はどう?確か前に音楽やっていたでしょう?」
音楽、僕にはあまりいい思い出はないけど。
「考えておきます」
と僕はお茶を濁した。
もしそこに通う事になったら、昔のように彼女の奴隷の様に過ごす事になるのだろうか。
折角離れて、一からやり直せると思ったのに。
俯く様に珈琲に映る自分の顔を見ると、全く覇気や正気のない顔をしていた。
僕はそれを打ち消す様に一気に飲み干した。
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次の日、朝起きるとチャイムがなったので、寝ぼけ眼を擦りながらドアを開けると、そこには皺ひとつ無い制服に身を包んだ葉月恋がいた。
「貴方は何も変わらないですね、今すぐ寝癖だけでも直してきてください」
クスリと笑みを浮かべた。
僕は「わかった」と言って洗面所で寝癖を直し顔を洗い、歯を磨いた。
そして、リビングに戻ると彼女がそこにいて、紅茶を飲んでいた。
彼女は僕を見ると、「今日、私の通う学校に来てもらいたいと思います」と言った。
僕は「分かったよ」と返した。
「でも何で行けばいいかな、制服も何も無いんだ。中学校のくらいしかね。私服ってのも変だし」
すると彼女は「そうですね……」と手を顎に当てて思案していた。
「私服で大丈夫では無いでしょうか、間に合わせとしては十分だと思います」
そして、僕は青いTシャツを着て二人で外に出た。
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学校に着くと、入校許可書を貰ったのでそれを僕は首から下げた。
校内を歩いていると、周りから好奇の目で僕を見つめる人達。
そりゃそうだろう、女子校に男がいるのだから。
暫くして後、学校を一通り見終わった後、僕は彼女から離れて中庭のベンチでただ通り過ぎていく人を見ていた。
時間は放課後になっていて、どこからか吹奏楽部等の演奏の音が聞こえた。
運動部の掛け声も聞こえた。
ベンチに両手を付いて体重を後ろに傾けていたら手に何かの感触があった。
そちらへ目を向けると、そこには『スクールアイドル部募集』との文字。
「スクールアイドル……」
ぽつりと僕は呟いた。
「何故ここに男子がいるのデスカ」
呟いた言葉の行方を見守っていたら、いきなり隣から女の子が棘のある声で話しかけてきた。
彼女が不思議に思うのも当然だろう。ここは女子校。不審者と何ら変わりない。
「えっと、一応入校許可書はあるんだけど……」
首から下げられているそれを目の前に差し出す。
彼女はじっとそれを見つめてから、後ろを振り向いてこう叫んだ。
「かのん!不審者デス!!」
「ちゃんとこれ見た!?」
そりゃもう大きな声で叫ぶのもだから、周りからは注目を集めるし、ヒソヒソと何か言っているものだから気分は最悪。
幼馴染に怒られる事を覚悟しないと。
その彼女の叫び声に反応したかのんさんが急いで走ってくる。
「どうしたの!クゥクゥちゃん……って、昨日お店に来てた人じゃん!何でこんな所に……?」
「かのん、知り合いなのデスカ?」
「いやぁ〜、知り合いっていうか昨日ウチのお店に来たお客さん?かな、それで君どうしたの」
「いや、幼馴染がここの学校に通っていて、学校を見てくれって言うから来たんだけど……」
「なるほど……ってこのチラシ私たちのじゃん」
かのんさんが僕の手に握られていたチラシに注がれていた。
「私たちの……ってこれは君たちが?スクールアイドルをしようとしているの?」
最近、色んな所でスクールアイドルが増えている事は理解しているけれど、この学校にもいたんだ。
「貴方もスクールアイドルをバカにするんデスカ」
「いや、そんなつもりはないよ、一応知識だけはあるしね、知っているのは有名なμ'sとかAqoursとかくらいだけど」
すると、グレージュのボブカットの女の子は敵意を解いてくれたみたいで、会った時から刺すように突き刺さる視線を和らげた。
蛇に睨まれた蛙の気持ちがよく分かった気がする。
「あ、えっと自己紹介がまだだったね、私は渋谷かのん、そして、隣は唐可可ちゃん。上海からスクールアイドルしにやってきたんだよ」
「上海から、態々日本に……」
「えぇ、クゥクゥはスクールアイドルになる為にやって来まシタ!」
「そう言えば、さっき君が言った幼馴染って誰なの?」
「えっと、それは………」
「こんな所にいたのですか、探しましたよ。って、寄りによって普通科の生徒と一緒とは。目移りしないよう言ったはずですが?」
噂をすればって所だろう。
じっと僕を前と変わらない昏い淀んだ目で僕を見つめる。僕の嫌いな目。
目に見えない何かが身体に取り付いてくるような気がした。
「ゲッ、生徒会長、サン」
「まさか幼馴染って……」
「普通科の生徒と行動するのはオススメしませんよ」
何故か僕を見つめる目とは違うけど、鋭い目でクゥクゥさんと渋谷さんを睨みつける様な視線をぶつけている。
これ以上は喧嘩が起こりそうな勢いだったので僕はベンチから立ち上がった。
「ごめん、ちょっと道に迷ってて、教えて貰ってたんだよね、ごめんね二人とも。渋谷さんはまたお店に行くかもしれないから宜しく。いい店だからさ」
「うん、是非来てよ」
そうして僕はまた葉月さんに連れられて言った。
暫く離れたら、彼女は立ち止まって僕の方に振り返った
「あの二人の生徒と顔見知りなのですか」
腕を組んで威圧するように彼女はこう言った。
「あの、渋谷……さん?のお店にたまたま入ったことがあっただけだよ」
クゥクゥちゃんの喋りはカタコトだけどカタカナだけだと読みずらいし、でも外国人感を出したいしで自分会議を開いた結果、語尾カタカナになった。