織斑一夏と愉快な家族達   作:探さないで!

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なるべく勢いがあり、話が重くならない感じにがんばります。
それと多分にキャラ崩壊気味です。たぶん。いや絶対


マドカとシスコン番長
第1話


「...に....い......いさま......」

 

「ん......?」

 

「兄様、起きてください」

 

 目を開けるとそこには苦しそうな顔の妹がいた。

 

「兄様、その一緒に寝るのはとても嬉しいのですが.......

あまり強く抱きしめられると....その....」

 

 どうやら寝ている間に妹を思いっきり抱きしめていたようだ。

 俺は即座に開放する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪い、マドカ....」

 

「大丈夫ですよ、兄様.....」

 

 

------------

 

「おはよう一夏、マドカ」

 

 マドカと二人で歯を磨いてからテレビを見ていると、キッチンの方から俺の姉、千冬姉が両手にお皿を持ちながら現れた。

 今日もスーツ姿が決まっている。カッコイイ。

 

「おはよう千冬姉」

 

「おはようございます姉様」

 

 俺達がそう返すと千冬姉は頷きながらテーブルに朝食を載せていき、席に座った。俺達も定位置に着いて、手を合わせる。

 

「「「いただきます」」」

 

 朝は特に食欲は湧かないが、規則正しい生活を心掛けてる俺としては朝食は抜くべきではない。しっかり頂こう。それにせっかく用意してくれたんだしな。

 ふと千冬姉を見ると、彼女は自分で作った目玉焼き(・・・・・・・・・・・・・・・・)を静かに口に運んでいる。

 

「未だに信じられないぜ、あの千冬姉が目玉焼きなんて....」

 

 思わず呟いてしまった。数年前まで料理は俺の仕事だったはずなのに、いつの間にやら自分で調理出来るまで成長していた。ビックリだ。目玉焼きなんて、以前の千冬姉ならフライパンに卵の殻ごと入れ、ちょっと火を通して終わりだ。あれは酷かった。

 

「お前がいない間に色々勉強したのさ、どうだ?」

 

「文句無しにうまいよ、千冬姉」

 

 ちょっとニヤッとしたな、今。隠しても分かるんだぜ、千冬さんよ。

 おっと、千冬姉を暖かい目で見守ってたら睨まれた。慌てて俺は目を逸らす。

 

「......」

 

 先程から何も喋らないと思ったら、マドカは食事に夢中だったようだ。黙々と箸を動かしている。可愛い。

 

「マドカはどうだ?」

 

 千冬姉渾身のドヤ顔である。

どうやら料理を褒められることが、余程嬉しかったのだろう。俺も一時期、千冬姉に褒められる為に料理の勉強をしたものだ。お陰で料理もかなり出来る様になった。

 

「とっても美味しいですよ姉様」

 

 その答えに千冬姉は体を震わせている。

 

「いずれは一夏を超えるかもしれんな」

 

 千冬姉が満足気にそう呟く。

 それは地雷だぞ千冬姉。そう心の中で注意しておくが、当の本人はご満悦だ。

 

すると、俺の横でマドカが箸を置いた。

 

 

 

 

「が、兄様には遠く及びません。姉様の潜在能力を持ってしてもです。料理だけに限定は出来ません。家事というジャンルにおいては姉様は兄様に対して完全に圧倒的弱者です。まぁ、今は料理の話なので、余り言わずにおいてあげますけどね。簡単に言いますと、姉様と兄様の差は天と地、月とスッポン、アリと象、いえミジンコとシロナガスクジラ。それほどの差があるのです。ほら、絶望的ですよ。そもそも人間としての完成度が違うんです。いえ別に姉様が駄目だという事では無いのです。ただ、比べる対象が悪いんです。兄様は神に等しいんですよ。神を、いや兄様を超えるなんておこがましいとは思いませんか?思いますよね?思いましょう。勝てないんですよ。兄様には。それは確定的に明らかなんです。諦めましょう。仮に、仮にですよ?姉様の料理が世界中の人間に兄様のよりおいしいと言われたとしましょう。しかし、それは姉様の料理の腕が上達した訳では有りません。兄様が人類が知覚できない程の料理を造り上げたのです。ちょっと本気を出せば、兄様ならそうなって当然です。それでも兄様は姉様の二歩、三歩先をのんびりと散歩しているだけのつもりかもしれません。ですが姉様は本気で、全生命力を懸けて全力疾走しても抜けません。だって兄様ですから。ほら最強ですね?勝てませんね?諦めましょう?姉様では無理なんです。というか、この世の全ての人間は兄様には勝てません。万が一にも、億が一にも。いいですか?分かったら二度とそのような世迷言を口に出さないでくださいね?」

 

「......すいませんでした」

 

 千冬姉ェ.......

----------------

 

 

 

「「「ごちそうさまでした」」」

 

 やがて朝食を食べ終わると千冬姉が聞いてきた。

 

「そういえば、今日から学校だろう?こんなにゆっくりしてて良いのか?」

 

 まだそこまで急いで行く程の時間では無い。

しかし入学式から遅刻しても不味いし、早めに出るかな。

 

「マドカ、そろそろ行こうぜ?」

 

「兄様、だっこしてください。

それで学校まで行きましょう」

 

 おや、行きたくないってか。しょうがない奴だ。HAHAHA!

 俺は隣で俺の腕を抱き締めながら座っているマドカの頭を、反対の手で撫でる。

 

「馬鹿言ってないで、行くぞ。

さすがに初日から遅刻はマズイだろ?」

 

「違いますよ、学校に行きたくない訳ではありません。

兄様とこのままくっついていたいだけです。それかなんなら私が兄様をだっこしてあげますよ?」

 

 思わず俺は黙ってしまう。身長にはかなり差があるが、この妹なら本気でやりかねん。

 

「冗談です。そこまで熟考されるとは思いませんでした、ちょっとショックです」

 

そんな悲しい顔をするな妹よ。よーし、お兄ちゃん頑張っちゃうぞ。

 

「おんぶならいいぞ」

 

「ぜひッッッ!!!!」

 

 まるでセミの様に背中に引っ付くマドカ。本気か、お前。これで学校までだと。

 

「まぁいいか......

千冬姉、行ってくる」

 

「ん~、気を付けろよ~」

 

 玄関に行き、靴を履いて外に出ようとして、マドカに止められる。

 

「兄様、兄様」

 

「ほらよ」

 

 その程度は予想通りだ。

 マドカのローファーを手に取り、俺は足に履かせる。

 

「さすが兄様、愛してます」

 

「ミートゥー」

 

 扉を開ける。

 

「何してんだ、お前ら?」

 

 外に出た瞬間に、俺はマドカを背負ったまま登校しようとした事を後悔した。

 これはイジられる。

 

「ほほーう?朝からお熱いことだ?お二人さん」

 

「弾......」

 

「これはこれは、五反田殿.......失礼しました。

ダン兵長、お疲れ様です!」

 

「うむ。マドカ一等兵、その調子だ!そのまま、この男を骨抜きにするのだ」

 

 五反田弾。俺の親友であり、マドカの師匠でもある男だ。

 なぜ何故弟子になったのかは聞いていないが、マドカ曰く「兄様の為です!」らしい。まぁ大体想像はつくけどな。

 その男が出待ちしていた。

 

「なにが『その調子だ!』だよ!ていうか何しに来た?」

 

「何しに来たって、ひどいな。せっかく、お前が女子高....じゃなかった、楽園に一人で入学するっていうから応援しに来たのによ」

 

 なにが楽園なものか。これから向かうのはただの地獄だ。そうに違いない。

 俺の殺意を込めた眼差しに気付いたのか、弾は逃げるように走り去っていった。

 

「お前の事だから落ち込んでるかと思ったけど妹とイチャコラしてるとこを見れば大丈夫そうだな!それとその黒い眼帯(・・・・・)、高校デビューにはもってこいだぞ!あばよ!」

 

 まさか心配して、朝からずっと待っていてくれたのだろうか。相変わらずだな。

 俺もアイツと同じ学校が良かったぜ。

 

 

「兄様行きましょう」

 

「......そうだな」

 

 

 妹がいるじゃん。俺はマドカさえ居れば百人力だぜ。

 

 俺は眼帯のズレを直しながら、そんな事を思っていた。

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 まさか本当におんぶしたまま、学校までくる事になるとは。疲れた。

別にマドカが重くて疲れた訳ではない。だが、周囲の視線が痛かった。特に電車の中はキツかった。同じ制服の人と会わないように必死で目立たないようにした。まぁ、人ひとり背負いながら目立たないなんて無理だったけど。

 俺は学校の校舎の全体を見渡す。

 

「これがIS学園か、なんか普通だな」

 

「そうですね。

それより兄様、ここは男が兄様しか居ないのですから色々と気をつけてくださいね」

 

 そう。男は俺だけしかいない。

 このIS学園はインフィニット・ストラトスという機械の操縦者を育てるための学校だ。

 そしてそのインフィニット・ストラトス、通称ISはなぜか女性しか動かせないらしい。何故かは知らない。お偉いさん達頑張って。

 つまりこの学校は、女子オンリーになるはずだ。

 

「はずだ....」

 

「兄様、ファイトです!

私がこの学園の女共から兄様を守りますから、安心してください!」

 

 妹の優しさが心に沁みる。いや、今のは優しさなのか。よく分からない。

 おいおい、初日から暗くなってどうするんだ。前向きに行こう、前向きに。

 

「よし!男一人がなんだ!!俺は青春を満喫してみせる!」

 

 

「その調子です!」

 

 

 

 

 

 

------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう思っていた時期が、俺にもありました。

 視界に収まるのは全て、女、女、女、女女女女女女女女女女女女。

まるで男なんて元から存在しない、そんな世界に来てしまった様な。自分がここにとって異物でしか無い様な。そんな錯覚。

 俺は入学式の間、ずっとマドカの手を握っていた。意味はない。なんとなくだ。いや違う、自分に言い訳してどうする。不安だったのだ。めっちゃ不安。俺の半径2メートル以内にマドカが居なくなる位、不安だ。うわ、それは考えただけでも恐ろしい。今より恐ろしいぞ。耐えれないな。

 しきりにマドカが大丈夫ですか、と聞いてきて、その度に俺は大丈夫だ、と答えて。

 情けない。

 

「兄様、教室ですよ」

 

 俺はハッとして、手を離す。

 さすがに教室では不自然だろう。俺は妹の前の座席に着く。

 

「不自然....?」

 

 思った事を口に出して、俺は違和感に気づいた。

 今までも十分不自然だったのでは。

 手を繋がれ、妹に心配される兄。いや、もしかしたら傍から見れば、小さい姉に心配される大きな弟なのでは無いだろうか。もしかしたらなんかじゃない、絶対そうだ。さっきから変な視線を感じるのはそのせいか。

 いやいや冗談じゃないぞ。それは不味いぞ、かなり不味いぞ、とても不味いぞ。

なぜなら、この後ほぼ確実に自己紹介があるからだ。ほぼではない、絶対だ。小学校の時も、中学の時もやったんだ、断言できる。だがその時俺は自信を持ってマドカの兄だと言えるのか。まぁ、言える事は言えるけど、マドカはそれで恥ずかしい思いをするのではないだろうか。そしてクラスで浮いてしまうかも。

 考えすぎかな。考えすぎか。考えすぎてるな。でも可能性はなきにしもあらず、って奴だ。

 駄目だ。それだけは避けないと。母さんと父さんにも約束したんだ、マドカには楽しく過ごしてもらう、とな。その為なら俺はどうなっても構わん。

 ならどうすればいい。

 

「織斑君?織斑一夏君?」

 

 なんで俺は高校生活初日から、頭をフル回転させなければならないんだ。疲れてきた。

 名も知らぬ先生が俺を呼ぶ。緑髪の巨乳だ。この人はこのクラスの担任だろうか。話をまったく聞いていなかったから、イマイチ状況が掴めない。

 

「え、えっとね、自己紹介してくれるかな?」

 

 なんと、もう既に俺のターンか。考えもまとまらず、俺は教卓の横に立つ。

 

 ええい、何を乙女の如く悩んでいるのだ!俺はこんなキャラじゃない!!

 

 俺が妹を守りきればハッピーエンドだ。誰から守るのかは知らん。そもそもここまで頭を悩ます問題か。普通に自己紹介すれば済む話だろ。そうだよ、その時にマドカと仲良くしてくれって頼めばいいんだ。

 

 大きく息を吸う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「織斑一夏です。よろしくお願いします。

 

 

 

 

あと、妹を傷つけた奴はただでは済まさないので、よく覚えといてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれ?

 

 

 




言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第修正していきます。

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