織斑一夏と愉快な家族達 作:探さないで!
「ふむ、遅刻はしなかったようだな」
「まぁな。ドヤッ」
そう言うと、頭をはたかれた。今回は甘んじて受け入れよう、ちょっとしたツッコミ程度の威力だしな。
「デュノアとはどうだ?」
女子にワーキャーされてるデュノアを眺める。こうして見ると野生のイケメンにしか見えないな、マジで。
「いや、まだ出会って一時間も経ってないぞ?そこまでわかんねぇよ」
それに、あっちは騙してるつもりなんだろ。
俺の言葉の意味に勘づいたのか、千冬姉は意味ありげに鼻を鳴らす。相変わらずの癖だな、それ。
「ふん.....いずれ向こうから話してくれるさ。さて、列に並べ。遅刻扱いにするぞ」
ふむ、これ以上会話は伸ばしたく無い、と。オーケーオーケー。
俺は黙って列に入る。こう見えて空気の読める人間なんだぞ。眼帯なんぞしとるけど。
あ、ラウちゃんはどうしてるかな?貴重な眼帯仲間だ、大事にしたい。
「さーてどこかなぁー?」
そしてあわよくば仲良くしたい。デュノアよりよっぽど好感が持てる。
「さすがロリコンですわね」
うるさい!黙れ!!
いや、別にあの体型に惹かれてるとかそうゆうのでは無くてだな。.....仲間意識なのかな?
つーか誰だ今の。いや、セシリアちゃんか。そんなもん声で分かるわ。
「.......ふん」
居ました居ました!ラウちゃんです!!
なんか、千冬姉の真似してる。可愛いなぁ.......
「ハッ!?」
あぶねぇ。何考えてんだよ、俺。さっき浮気はしねぇって誓ったじゃねぇか。
あれもこれも全部セシリアちゃんのせいだ。そうに違いない。図ったな、セシリア!!
「全員そろったな?では本日より実戦訓練を開始する」
「「「「「「はい!!」」」」」」
二組の分の声も重なって、返事の声量もましましですよ。ほら、千冬姉ですら顔をしかめてる。
「いきなり訓練と言うのも酷だろう。まずは実演してもらおう。凰!!オルコット!!!」
謎チョイス。二人共、一応皆の前で試合してるし、ここは転校生達にやってもらいましょうよ。それとも別の狙いがあるのか?あ、専用機持ってるからか。準備しなくていいもんな。
でも鈴 対 セシリアちゃんなら鈴の圧勝だな。間違いない。セシリアちゃんは俺ですら苦戦?していたし、その上にいる鈴なんてもっと無理だろう。織斑先生もお人が悪いですなぁ。
「千冬さーん。ここは転校生達の実力を見てみたいでーす」
さすが鈴。よくわかってるぜ。あと、先生って呼ばないのもグッドジョブ。わざわざ鉄拳を喰らいに行ったな。
「ふむ。貴様では、山田先生を殺しかねんな。よかろう、ではデュノア!」
あれ?ラウちゃんは?あと、鈴へのお仕置きは?山田先生ってなんぞ?
「兄様兄様、ラウラ殿はドイツの軍関係者だそうですし、流石にそこまで他の生徒に求めるのは......」
どっから聞いた噂だ。あんな可愛い子が軍人だと?ふざけんな、ドイツ沈めるぞ。いや、今度沈めよう。絶対に。
うーん、ラウちゃんの実力見たかったんだけどなぁ.....
「なら、トーナメントまで待つしか無いわね」
おわ。鈴よ、いつの間に。急に俺の横に立つなよ、ビックリするだろ。もう考えてる事読まれるのは慣れたけど、そっちはビビる。気配が全然感じ取れない。
つーかそれよりも、
「トーナメントってなんだ?」
うむ。中々に面白そうだな。俺、気になります!
「詳しい事は知りませんが、近々二人一組でトーナメント戦を行うそうですわ」
セシリアちゃんも唐突に出てくるなよ。
「トーナメントねぇ.....」
楽しみだなぁ。もちろん俺はマドカと組むけどね。専用機持ち同士不可とか言われたら、俺は訓練機で参加してもいいし。俺の妹愛を舐めるな。
あ、でもそうすると鈴が.....
「セシリア、その時はよろしくね?」
「わかりましたわ!わたくし頑張りますの!!」
あら?そうなの?でも、
「セシリアちゃん、簪ちゃんはいいのか?」
最近はずっと一緒にいる気がする。話が合うんだろう、めっちゃ仲良さげ。もうセシ×簪って感じ。
だからこそ簪ちゃんと組むと思ってたんだけどなぁ。
「簪氏はまだ専用機が完成してないのです。それに、彼女は人前に出る事は嫌いなので恐らく出場なさらないかと....」
ふーん。人前に出るの嫌って、なんで代表候補生なんぞになったんだ?専用機欲しかったのかな?
まぁ、鈴と組んでくれるってならありがたい。鈴を一人にするのはしのびないしな、最悪三人で不参加も考えたぜ。
鈴と当たったらどうすっかなぁ........
あ、デュノアが山田先生と戦ってる。いつの間に。さっき千冬姉が言ってたのはそう言う事か、なるほど。
あーでも真面目に撃ち合ってるだけだな、つまんね。フケるか。
「マドカ、ブラついてる。後よろしく」
「兄様、私が付いて行かなくて大丈夫ですか?」
妹分が足りなくなったら、すぐ帰ってくるさ。
ーーーーーーー
さて、いつもなら授業抜けるなんて考えもしない俺だが、今回は事情が違う。
「......」
いたいた。楯無さんだ。さっき屋上に寝転がってるのを見つけた。
あんた生徒会長だろ、何やってんだ。『他の生徒達の手本となるように~~うんぬんかんぬん』とか言われてるんじゃないんですか。
まぁいい、ちょっと話し掛けよう。その為に来たんだ。あ、どうせならイタズラするか。
俺はISの拡張領域からボイスレコーダーを取り出す。
えーと....あったあった。千冬姉。これだ。
『そこで何をしている?』
「え!?嘘!!?織斑先生なら今グラウンドに!!」
慌てて立ち上がり、こっちを振り向く。いい慌てっぷり、十点満点で九点だな。リアクション芸人行けるな。
「安心してください、俺ですよ」
千冬姉じゃないとわかった途端、大きく息を吐く彼女。よほどブリュンヒルデが恐ろしいと見える。俺もだけど。
「もう、なんて物持ってるのよ.....常に持ち歩いてるの?」
「まぁ、ISに色々入れてますからね」
「専用機ってそういう物だったかしら.....?」
普通はIS武装しか入れないだろうな。俺のISはちょいとばかり特別なのさ。
「俺のISの
「......今、なんて言ったのかしら?」
「簡単に言ってしまえば、俺のISは棒青タヌキと同じく不思議ポケットが装備されているんですよ」
これによって、俺は手荷物いらずだ。超便利。快適。
いやいやいや!楯無さん、その『何言ってんだコイツ』みたいな顔止めてくれよ。そんなヘンテコリンなセリフ言ったか?いや、言ったかもしれない。『俺、四次元ポケット持ってるんだ!』
何か頭のおかしい人かと思われるな。
「あー.....それ本気で言ってる?」
「ええ、なんなら何かご希望の物を出してあげますよ?」
おおよその物は入ってる。少々無茶な要望にも対応できまっせ。車とか入ってるし、惑星とか言われなければ余裕だ。
「そうねぇ......どこでもドア」
おっとそう来たか、だが俺に抜かりはない。
「よいしょっ.....どうです?」
もちろん、タダのピンク色のドアだ。マドカと二人で作って、塗った。そう言えば父さんも嫌だ嫌だと言いつつ、手伝ってくれた。母さんに言われたからだろうけど。
ドアノブがハートマークなのは、母さんの趣味だ。可愛い。
「冗談でしょ?」
「まぁ、ドアですよ。至って普通の」
そう言いつつも、楯無さんは目をキラキラさせている。中々に年頃の女の子だな。
「妹と一緒に作ったんです。クオリティ高いでしょ?」
「妹......」
あれ?地雷踏んだ?おっかしいなー。簪ちゃんから聞く限りだと、そんなに仲悪く無いらしいんだけどなぁ。
それとも、俺らみたいに楯無さんも兄弟で四六時中一緒がいいとか?なるほど、この人も妹分不足なんだな。その気持ち、わかるぜ。
「なんなら、今から会いに行きます?」
「簪ちゃんに?馬鹿言わないで、気まずくなるだけよ」
あっちは病的なまでに姉に固執してるし、大丈夫だと思うけどなぁ。
それとも他に会えない理由でもあるのか?それだったら何とかしてやりたいなぁ。簪ちゃんは友達だし、この人だって知らない仲じゃない。
「羨ましいわ。私も一夏君みたいに『愛してるー』なんて気軽に言えたらいいのに」
「気軽なんかじゃないですよ?ちゃんとマドカに言う一言一言に、気持ちを込めてます」
「そう......だったら、尚のことね」
うーむ......
「なんで、そうなっちゃったんです?」
「どうしてだろう。子供の頃は二人でトイレに入ってたのに.....」
ん?あれ?今、ちょっとおかしくなかった?お風呂じゃなくて、トイレって言ったよね?女の子なんだからお手洗いとかあるでしょう?
ちげえよ。ツッコむ所はそこじゃない。なんでトイレまで一緒なんだよ、どんだけ離れたく無かったんだよ。二人で個室とか怖いわ。
ここで、流れを止めて指摘すべきか?変にこじれないか?でも本人は真剣そうだし.........
クソ、とりあえず放置だ。話を進めよう。そうしよう。
「私が自分でISを組み立てた辺りからかしらね。妙に距離を取られるようになったというか.....」
それ簪ちゃんが言ってたな。
『お姉ちゃんは一人で専用機を完成させたの!お姉ちゃんが作れたなら私だって作れるはず!!そして二人で姉妹結婚の認められる国に飛んでいくの!!』
.........ん?もしかして?
謎が解けたぞ。
大方、思ったよりIS制作に手間取ってるんだろう。そして意固地になってる。それで簪ちゃん、最近忙しそうなのにも納得行くぜ。
うーむ、楯無さんに伝えるべきかな。でも簪ちゃんからしたら余計なお世話かな。むむむ。
「楯無さん、一つ言っておきます。簪ちゃんはあなたの事嫌ってませんよ」
「......そうだといいわね」
あらら、重症っぽい。これは俺が一肌脱ぐ必要がありそう?
言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。
感想をくれた方ありがとうございます!
テストがおわったら、もう少し執筆にも時間がさけるはず......!!