織斑一夏と愉快な家族達 作:探さないで!
生徒会長のお部屋
「さっきはごめんね、お姉ちゃん。ちょっとガッツき過ぎたよ..........」
「.............」
「まさかお姉ちゃんがそんなにウブだなんて思わなかったんだよ」
「......無理やりキスまでしといて、良くそんな事が言えますね」
「あ、うん。それはごめんなさい」
「全く........子どもが出来たらどうしましょう......」
「...........へ?」
「へ? じゃありませんよ!お、おっぱいまで揉んでおいて、今更言い逃れはさせませんよ!!絶対私妊娠しちゃいましたからね!!!」
「.............それ、本気?」
「本気も本気ですっ!責任とって貰いますからね!!!」
「ピュ、ピュア過ぎる.............くぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!!可愛すぎるよお姉ちゃん!!!!!」
「ちょっと、今またキスされたら二人目がっ!!?」
「もう我慢出来ないっっ!!」
「二人目孕んじゃいますぅぅぅぅぅぅ!!!!?」
ーーーーーー
「あ、あの、いい加減話を聞いてもらえないですかね.....?」
「お姉ちゃん、大好きっ!!」
「簪ちゃん!!私もよ!!!!」
「「「「...........」」」」
これは手ごわそうだ。腹を括るしかないな。
今なら山田先生の気持ちが分かる。話を聞いてもらえないとこんな気分になるんだ。今度なんかお菓子でも作ってあげよう。うん。
いやーしかし、これが正念場だろうか。過去に命の危機には何度も陥った事はあるが、今回は何と言うか...........言葉では言い表せないね。難易度が高いのだけは直感で理解出来るけど。
「う..........」
おっと、ラウちゃんの顔がお赤いのである。彼女には少し刺激が強いかな。
避難させた方が良さそうだ。
「ラウちゃん、説得に時間掛かりそうだからクラスの皆は先に食べてていいって、千冬姉に言ってきてくれる?」
「ぎょ、御意」
ヨロヨロと歩いていくラウちゃんを見送る。可愛い。
「んぁっ.....」
が、艶かしい声が聞こえてすぐさま現実を叩きつけられる。
なんで楯無さんがここに居るのかとか、布仏は何処行ったとか、同室簪ちゃんだったのかよとか、色々疑問はあるけど。
それよりも、
何やってんだよ、アンタら。
「簪ちゃん.....」
「お姉ちゃん.....」
俺の目の前には、クラクラするようなピンク色の光景が広がっている。
上気する頬。滴り落ちる汗。そして落ち着きのない青頭。いや双頭。
あ、今のうまい事いったな。あははは............はぁ..........
「兄様、どうするおつもりで?」
「どうしようね?」
苦笑してそう返すのが精一杯だった。
一先ずは会話出来る状態に持ち込まなければならない。
幸いにもこちら側にはブリュンヒンデを呼ぶ、と言うジョーカーがある。最強のカードだ。
どうして二年生である楯無さんがここにいるか知らないが、これを起点に説得?していけば勝つる。恐らく楯無さんは無断で来ているはずだからな。
それにしてもなんてエロいんだ、楯無さん。先ほど俺が見とれてたヒモ水着姿のアレも、簪ちゃんじゃなくてあなただったのか。この胸の高鳴りは間違いない。
『イィィナァァァズゥゥゥマァァァァッッ.......キィィィッックッッッ!!!!』
...........ハッ! 危ない。もう少しで家族でも無い人に欲情する所だった。
どっからか聞こえてきた叫び声に助けられた。感謝するぜ。
知人に似ていた気もするが、多分気のせいだろう。
「.............」
と、そこで簪ちゃんが俺を見つめているのに気がついた。その視線から、彼女の思考を読み取る。
(織斑先生.......呼ぶなら呼べばいい.......)
一瞬本気で呼ぼうかと考えたが、彼女の挑発にムカついたのでどうにか俺の力だけで対処しようと決意を固めた。
それに、そんな事したら楯無さんが悲しむかも知れないし........
「.......?」
おいおいおいおいおおおいいい、待て待て待て待て待て待て。なんでこんなに楯無さんの事を気に掛けてる。楯無さん中心で思考が回ってるんだ。おかしいだろ。落ち着け俺。Be cool。Be coolだ。
こんな時は目を閉じて素数を数えて落ち着くんだ。
いや待て、素数ってなんだ。何が素数で何が素数じゃ無いんだ。分かんねぇ。詰んだ。
なら、円周率だ。これなら覚えてるぞ。ええっと、3.14.......あれ。何だっけ。πで計算する様になってから、全然出てこなくなったな。えー......
「がっ......!」
「ぐぇっ.......!!」
俺が精神統一に悪戦苦闘していると、うめき声の様な物が俺の耳に飛んできた。
目を開けると、鈴が楯無さんにさるぐつわをしている最中だった。横の簪ちゃんは既に手まで縛られている。
「......え?」
「よいしょっ、と......うん、これで良し」
妙に手馴れた手付きで楯無さんを拘束していく鈴。止める暇もなく、あっという間に縛り終えてしまった。
そして鈴は、部屋の押し入れを開けると、その中の布団を取り出して、代わりに二人をその中に入れてしまった。
あまりにテキパキと不穏な行動をする彼女に、俺は唖然としてしまった。これがマフィアで培った技術なのか。嫁の暗黒面を見てしまった気がする。
「お腹空いたからコイツらは後回し♪」
「さ、行こ?」と俺の手を握ってくる鈴。
俺は引きづられる様にして、『現場』を後にした。
「.........兄様、将来は尻に敷かれますね」
え、そういうモノなの.......?
ーーーーーー
「彼女達は具合が悪いそうなので、お布団を引いてあげて寝かせてあげました」
「そうか、ご苦労」
鈴の営業スマイルに何の疑問も示さない千冬姉。うっそーん。
俺の頭の中では「飯が食えないほど重症か。どれ、私が見てこよう」的な大人対応で、即バレるビジョンが浮かんでいたんだがなぁ。
現実は違った。千冬姉は動く気配がまるでない。動かざること山の如し。なんだこいつ。ホントに教師か。最悪過ぎんだろ。GTO見習えよ。
「お前ら、行ってきて貰ったばかりで申し訳ないが、さっさと飯を片付けてくれ」
「あ、はい」
見ればクラスの半数以上が食べ終わっていた。
残っているのは未だに名前を覚えてない人達と、
「さ、シャルロット。口移しで頼みますわ」
「オ、オルコットさん、流石にそれは......」
「セシリア」
「はぅ......」
「セシリアですわ」
「......セ、セシリア」
「よろしい。なら次は口移しですわね!」
「階段飛ばし過ぎだよっ!?」
「ふふ、冗談ですわよ」
「冗談に聞こえない.......」
「ならこれでどうです?.......はい、あーん」
「..........あ、あーん」
......付き合いたてのバカップルみたいになっとる。デュノア、お前に一体何があったんだ。ほら、ラウちゃんがまた顔を赤くしてるぞ。可愛いったらありゃしない。
「はぅ......」
さっさとご飯食べてセシリアちゃんの話を聞きたいが、楯無さん達をあのままにしとくのはいかんだろ。セシリアちゃんは後回しだな。
まぁいいや。そんな事よりお腹がすいたよ。
俺達はそれぞれの席に着く。本来なら右からマドカ、俺、鈴、ラウちゃんの順になるは予定だったが、皆食べ終わってガラガラなので、学校の班の様に四人で固まる事にした。このご飯を置く名前の分からない台を机に見立ててな。
マドカが俺の横、ラウちゃんが俺の正面、鈴がマドカの前だ。
「「「「いただきます」」」」
......いただきますをしたにも関わらず、ラウちゃん何故かあのバカップルを見詰めている。余程気になるのだろう。
「準備運動は済みましたわね、シャルロット」
「な、何が?」
「さぁ、口移しタイムですわ」
「しつこいね君はっ!!?」
漫才を繰り広げるバカップル。あれ、そういえば勝手にカップル認定しちゃったけど、あれはデュノアがセシリアちゃんのプロポーズ受けたって流れでいいのだろうか。
「兄様.....はい、あーん」
などとどうでもいい事を考えてると、マドカが俺の口の中に刺身を放り込んできた。
「美味しいですか?」
「うむ、グラッチェグラッチェ」
俺がそう言うと、にこりと笑った。あいも変わらず天使の様な笑みである。
「じゃ、私も」
ですよね。鈴ならやると思ってた。
「あーん」
「あー........たくあんっすか」
「まーね」
まーね、ってなんだよ。いや別に良いけどね。鈴のおかずを取りたい訳でも無いしな。
鈴から貰ったたくあんをボリボリしながら、ラウちゃんをチラっと見る。流れ的にね。
しかし、当のラウちゃんはモジモジしたままだった。
んもう、仕方ないなぁ。
俺はラウちゃんに手招きをした。
すると首を傾げながらも、身を乗り出して顔を近づけてくる。なんかドキっとする。やっぱ美少女やねんなぁ........
よし、刺身でいいかな。
「ラウちゃん、あーん」
「マ、マスター!?」
「ほらほら、醤油垂れちゃうから早くっ」
逡巡する暇さえ与えない。ラウちゃんは基本こういう時引いていっちゃうからな、押していかないと。
「うぅ.......はいっ、いただきます!!」
またもや顔を真っ赤にしながら、モグモグと咀嚼するラウちゃん。
次第にラウちゃんの顔がトロットロになっていく。..........なんて破壊力だ。素晴らしい。
「どうだ、『ラウラ』。美味いか?」
「おいひいでひゅ.......」
言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。
感想をくれた方ありがとうございます!
だんだん本編より、虚さんSIDEのほうが妄想しやすくなりつつあります。てか、虚さんもキャラがよく分からなくなってきちゃったせいですね。ごめんな、虚さん。