織斑一夏と愉快な家族達   作:探さないで!

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第30話

 

 

 

 

 

布仏虚の憂鬱

 

「うぅ.....セカンドキスまで奪われてしまいました........」

 

「えへぇ、お姉ちゃんの唇は美味しかったよぉ......」

 

「まだ見ぬ虚の王子様、私は汚されてしまいました.......」

 

「またそんな可愛い事言ってる。襲いたくなっちゃうよぉ」

 

「はぁ........」

 

「えへへぇ.......」

 

「.........ところで本音。どこまでついて来るつもりですか? 一年の寮はもっと上の階でしょう」

 

「ちっちっちー、甘いなお姉ちゃん。今の私は『更識楯無』なんだよ」

 

「........ま、まさかっ」

 

「そう言えばお姉ちゃんは同室だよね?

 

 

 

 

これから三日間、よろしくね。虚ちゃん♪」

 

「いやぁァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!」

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ、それで.......なんでここにいるんですか?」

 

「んー........どう言ったら信じてくれるかしら?」

 

「れ、レットイットゴーで信じますよ......?」

 

「私もあの歌好きよ。映画は見たことないけどね」

 

「お、俺もです」

 

 楯無さんとの会話が物凄く緊張する。しどろもどろと言うか、何と言うか。

 原因はハッキリしている。楯無さんだ。

 

「ありのまま、ねぇ..............」

 

「ッ......!?」

 

 ほら、今もだ。楯無さんが首を傾けると同時にチラっと見えた鎖骨。あれが諸悪の根源だ。エロい。とってもエロティカル。

 ただでさえ、今の楯無さんは浴衣姿なので........ね? 分かるでしょ? 男子高校生には少々シゲキックスなんですよ。

 浴衣といっても、旅館に元から置いてある浴衣なのでそこまで華やかではない。むしろ地味。だが、それが寧ろ楯無さんの美しさを際立たせると言うか、その紺色の浴衣は楯無さんにベストマッチしてると言うか、めちゃくちゃ綺麗だから思わずルパンダイブしそうになったと言うか.......

 くそっ、友達の姉が美人すぎて困る。隣でたまごアイスをチューチューしてる簪ちゃんを見ても全くドキドキしないのに、楯無さんの顔を見てると心臓が破裂しそうになるのは何故だろう。

 はぁ......なんか最近、楯無さんの事ばかり考えてる気がする。疲れてるのかな。

 

「私は簪ちゃんの水着姿を拝みに来ただけよ。目的はそれだけよん♪」

 

 その為だけに二年生がわざわざ一年の行事に参加したのか...........いや、楯無さんは俺と同類だ。妹の為なら、例え火の中水の中ってとこだろう。何ら不思議な事ではない。全然不思議じゃない。むしろ、常識。正義。マドカ愛してる。

 うん、ならいいか。千冬姉達には黙っておこう。

 

「そ、そうですか。分かりますたっ......!」

 

「......さっきからどうしたの?」

 

 俺がソワソワしてるのバレた。自分で自覚してるレベルだから相当なんだろう。

 アンタのせいだよと言いたい所だが、隣には楯無さんの守護神がいる。そうやすやすと粗相を働くべきではない。一瞬で首を落とされるだろう。

 ........無難に逃げるか。

 

「え、えーと........ここ、露天風呂なんですよね。知ってました?」

 

「そうね、私もさっき簪ちゃんと二人で入ってきたわ」

 

 それが何か?と言いたげな楯無さん。マジかよ、俺らが飯食ってる間にあの拘束を抜けて風呂に入ってきただと。どこのマジシャンだよ。鈴も鈴だが、こっちもこっちで一体なにもんだ。俺の周りこんなんばっかか。

 ......まぁいいや。

 

「今からマドカ達とお風呂なもんでして......」

 

「あらそうなの?なら時間を取らせて悪かったわね。早く行ってあげなさい」

 

 鈴の「ほっといてもいいでしょ」を無理やり説得して一人で楯無さんに会いにここに来た為、楯無さんが悪い訳では無いんだけどな。すげぇ申し訳ない。

 

「んふふふ......」

 

「.......お姉ちゃん、くすぐったい」

 

「よいではないか、よいではないか♪」

 

 でも、楯無さんは簪ちゃんの髪をいじり始めちゃったし、今はそんな事言わなくてもいいかな。それにさっきから簪ちゃんの目が怖いし。

 やはり鎖骨を露骨に見ていたからか........

 やばいな、今のはウマい。今日は冴えてるぜ。

 

「.......失礼します」

 

 渾身のギャグを生み出した俺は、内心ほくそ笑みながらも部屋を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、意外ね~」

 

「.......一夏なら、お風呂なんて私達の様に毎日入ってると思ってた。案外、チェリーボーイ一夏」

 

「それ、本人の前で言ったら怒られるんじゃないかしら.......」

 

 

 

 

 毎日入ってますよ!!当たり前でしょう!!!?

 

 

 部屋の中から聞こえてくる声に、俺は廊下を歩きながら人知れず突っ込んだ。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

「マスター!!凄いです!!凄いです!!!!」

 

「良かったな、ラウちゃん」

 

 ジャバジャバと温泉の中をプールの様に泳ぐラウちゃんを尻目に、俺はマドカと鈴に体を洗ってもらっていた。

 

「一夏の体は触ってて気持ちいいのよね」

 

「同感です。兄様なので当たり前ですけどね」

 

 二人共、可愛いお尻をフリフリしながら俺の体を洗ってくれる。プリンとした丸みが堪らないと言うか、もう最高!

 俺は言葉の代わりに両手で二人のヒップを撫でた。肉体言語(あいじょうひょうげん)である。

 

「ひゃぁん......!」

 

 と、これまた可愛らしい声で鳴く鈴。

 

「兄様、我慢できなくなったんですか?」

 

 と、余裕の対応のマドカ。

 俺の行動で火がついたのか、二人は今まで以上に淫美に腰をくねらせる。

 つっても、ラウちゃんも居るから急に始まったりはしないけどね。.......あの子はまだ泳いでるけど。可愛い。

 

「ラウちゃん、ボディの洗いっこしよーぜー」

 

 逃がしはせん、逃がしはせんぞぉ!!

 

「了解しましたぁ!!」

 

 くっくっく、風呂場は古今東西裸の付き合いと相場が決まっているモノだ。つまりあんな純粋無垢なおんにゃのこも、俺がちょいと声を掛ければすぐに彼女の柔肌に触れれる訳だ。ぐへへ。

 .......まぁ、こんなの普通の銭湯じゃ一切通用しないけどな。そもそも銭湯で見ず知らずの女性に話しかけるなど果たして可能なのか。

 

「あの、マスター......?」

 

 おっと、知らぬ間にラウちゃんが近付いて来ていた。しかし、俺の両隣はマドカと鈴に占領されているからどうすればいいのか分からない様子だ。体をくねくねしながらも右往左往している。ちょっと面白いから観察してよう。

 

「うぅ.........」

 

 そして散々悩んだあげく、彼女は持ち前の『天然』を炸裂させた。

 俺の膝の上に座ったのである。

 

 

 

 俺と向かい合わせで。

 

「よ、よろしくお願いしますっ」

 

「ああ、うん............えっ?」

 

 確かに洗いっことは言ったが、まさか背中を流し合うとは思わなかったのだろうか。流石ラウちゃん。

 消去法で『そこ』にたどり着いたのか。驚きだぜ。

 ほら、隣を見てみろ。マドカと鈴も開いた口が塞がらない状態じゃないか。

 

「やるわねラウラ」

 

「やりますね、ジョン」

 

 違った。二人共闘志を燃やしてるだけだった。これだから俺の嫁は、全く。

 

「マスタぁ、早くしてくださぃ........」

 

 ラウちゃんは恥ずかしさの余り震えている。.........ちょっとこのまま眺めてたいな。そそるぜ。

 

「はぅ............」

 

 という事で、トマトの如く真っ赤に顔を染めたラウちゃんを見詰めていると、

 

 

 

「たぁぁぁぁぁぁぁぁばぁぁぁぁぁぁねぇぇぇぇぇッッッ!!!」

 

「ぐ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 遠くから何やら恐ろしい叫び声。次の瞬間、露天風呂が炸裂した。

 思わず身構える俺達だが、水しぶきが晴れてそこに立っていたのは

 

 

 

 

 

 

「箒様も無茶言うなぁ。クジラなんてそこらへんに泳いでる訳ないでしょ...........て、あれ?いっくん?」

 

「...........あ、はい。お久しぶりです」

 

 

 

 




言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。  

感想をくれた方ありがとうございます!

全然関係無いですけど、ケモノガリ終わっちゃいましたね。最終巻は思わず泣いちゃいましたよ。HAHAHA。
ハーメルンにはケモノガリの作品は無いんですかね。ケモノガリVSアリアとか、ちょっとwktkなんですが。

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