織斑一夏と愉快な家族達   作:探さないで!

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三人称は添えるだけ.....
どこかおかしな所があったらご指摘お願いします。それかアドバイス!


第31話

 

 

 

 

 

 

「ちびちーちゃんも久しぶり! 元気してた?」

 

 マドカと言葉を交わしている人を、俺はもう一度確認する。

 

「ええ、お陰様で」

 

 ........束さんだ。なんでスク水着てて体中に海藻を巻き付けてるのかわからないけど、あのウサギの様な謎カチューシャと戦闘力の高そうなおっぱいは間違いない。束さんだ。

 というか、今吹っ飛んで来なかったか? 箒様なら人ひとり吹っ飛ばす位余裕なんだろうか。恐ろしいな、おい。

 アイツもそろそろ千冬姉と同じ次元に逝きそうだな。現に今でも威圧感だけなら負けてはいないとは思うが.......

 

「ふーん.......あ、そうだ!二人共エビ食べる?」

 

 束さんは突然思い出したかのようにそう言うと、両手をスク水の脇の部分に突っ込んでゴソゴソし始めた。こら、色々と突っ込むタイミングが分かんねぇぞ。強敵すぎんだろ。

 

「はいこれ!」

 

 軽く跳躍して来て、束さんが俺に手渡したのは、まだ生きているエビだ。え、ピチピチしてる。なにこれキモい。反応に困る。つーかどっから出した。絶対そのスク水の中には入って無かった大きさだぞ。

 

「..........ありがとうございます?」

 

「うんうん、喜んでもらえて何よりだよ!」

 

 とりあえずお礼を言ったら、満足そうに頷かれた。どうしようこれ..........『四次元袋』に入れとくか。

 そして束さんは急に真剣な表情になると、

 

「じゃ、束さんはクジラを捕まえにいかなきゃだから!ばいびー!!」

 

 俺から二、三歩離れると屈伸。それが終わると、束さんは『跳ねた』。

 雲まで届きそうなジャンプを見ながら、今まで二人して硬直していた鈴とラウちゃんは、口をそろえて

 

「........今の誰?」「ですか?」

 

ですよね。

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「へぇ、あれが篠ノ乃束なんだ」

 

「ISの生みの親........」

 

 二人からしたら、束さんは唐突にスポーンした痴女ってとこだろう。スク水来てたし、胸のところにデカデカとマジックで『箒様の奴隷』と書いてあった。おまけに頭には謎のカチューシャ? だ。変質者としての条件を兼ね備えすぎである。

 二人には別にその認識のままでも良かったんだが、ラウちゃんがどうしてもと言うので彼女の正体を明かす事にした。

 しかし、イマイチ信じられないらしい。二人は首を傾けて唸っている。

 

「........あんなのがISを作り上げたっていうの? まだ簪が作ったって言った方が説得力あるんじゃない?」

 

「確かに........」

 

 鈴の言葉にうんうん、と頷くラウちゃん。束さんには悪いが、俺も同感だ。天才は他人に理解されないってやつなのかな。.......でもあの人『あれ』で滅茶苦茶頭いいからなぁ。

 会話が途切れると、二人共いそいそと着替え始めた。全裸で会話してると風邪引くかもだしな。俺もさっさと着替えよう。

 

「兄様、どうです? 似合ってますか?」

 

 先ほどから一切会話に参加せずに黙々と着替えていたマドカ。どうやら俺に早く浴衣姿を見せたかったらしい。可愛い。

 ちょっとサイズ的に合ってないのか分からないけど、手が浴衣から出てない。あれが萌え袖って奴か!? たまらんッッッ!!!

 

「ああ、似合ってるぜ」

 

「ありがとうございます........ふふっ」

 

 出来る限り真面目な表情で答えようとしたが、アカンな。ニヤけてまう。

 マドカも俺がガン見してるのに気付いてるみたいだけど、別にいいや。悪い事してるんじゃないし、しばらく拝ませてもらおう。眼福、眼福。

 

 

 

 

 

「.........一夏、マドカに見とれるのもいいけど、そろそろ着たら?」

 

 おっと、全裸だった。

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「しっかし、ここに何があるんだかね........」

 

「案外、お宝が眠ってるんじゃない?零時になると浮き上がってくるとか」

 

「........疲れてるんだ、死んでくれ」

 

「んもう、ちょっとしたジョーk......ごめんなさい痛い痛い痛いやめて耳は駄目だからお願い許して下さい何でもするんでぇぇ!!」

 

「ったく、元気だよなぁお前は......」

 

 月の光だけが頼りの暗闇で、太平洋の上にポツンとスワンボートが浮かんでいた。

 海の上にスワンボートなどと多少異質な光景だが、それを指摘する者は誰一人としていない。辺りは一面海だ。浜辺から誰かが泳いで来るような所ではない事はひと目で分かる。

 そのボートの中。ウェットスーツの様なピチピチの衣服を身に付けた二人は、何かを待っているかの如くしきりに腕に着けている時計を確認している。両者とも女性だということは、スーツから浮き出た体のラインでハッキリと判別できた。

 

「.......何時までここに居ればいいのかしら?」

 

「知らん.........つーかよぉ、ISでここまで来れば済む話だったんじゃねぇの?」

「『これ』でデートってのも憧れたのに.......」

 

「色気もヘッタクレもねぇじゃねぇか」

 

「.......返す言葉もございません」

 

 何処ぞの大陸からここまで漕いで来た彼女達は、すっかり疲弊しきっていた。たっぷりと三~四時間は漕いだ気がする。

 そもそも『本部』からの任務なら、通常はクルーザーなり潜水艦なりなんなりが支給されるはずなのだ。それが当たり前だった。

 しかし今となってはその『設備』すら使えないので、仕方無く二人は自分達で船を調達する事にしたのだ。

 

「.......その結果が『これ』だかんなぁ」

「仕方ないじゃない。これでも頑張った方よ」

 

「.......」

 

 むしろ褒めてくれと言わんばかりの彼女を見て、もう一人は静かに嘆息する。

 

「.........なぁ、スコール? 俺達はもうこれで任務達成だろ? これ以上付き合う義理はねぇぜ」

 

「本音は?」

 

「さっさと一夏に会いに行こう」

 

「........」

 

 今度はこちらが嘆息する番だった。

 が、確かに今回受けた任務は午前零時までにこの座標に向かう事だけだ。つまりミッションコンプリート。

 正直『本部』がああなっている以上、この任務に従う必要も無かったのだが......

 

「気になったのよねぇ......」

 

「........完全に無駄足だったな」

 

「ぅ.......」

 

 せめて敵が......いやそれも面倒か。

 遂にスコール自身も『帰ってもいいんじゃね?』思考に到達した。

 

「..........オータム、今一夏達って何処に居るの?」

 

 もういいや。これで晴れて私達は無職になるんだし、最後の任務なんぞ知るか。

 吹っ切れたスコール。

 

「聞いてみっか。多分学校だと思うがな」

 

 彼女はそう言うと、どこからか取り出したスマホを操作し始めた。

 

「......違った、今湘南の旅館だってさ」

 

「何でそんな所に?」

 

「校外学習らしい」

 

「ほぇー.....」

 

「......お!見てみろよ!!」

 

 そう言って見せられたスマホの画面は、真っ暗だった。

 

「もう、スマホ傾けないでよ。縦横切り替わって見えないわ」

 

「すまん」

 

 オータムの手からスマホを奪い取る。

 

「..........へぇ、マドカって和服似合うわね。ちょっと羨ましい」

 

「ま、オリジナルが美人だからな」

 

「そうね.........って事は一夏もこの姿なんじゃない?」

 

「マジか!?うわ興奮するなおい!!!」

 

 途端に目の色が変わるオータム。この親にしてあの子ありと言ったところだろうか。相変わらずの親バカだ。

 ソワソワしだした彼女を尻目に、スコールは何となくLINEのトーク履歴を漁る。

~~~~~~~~

〔母さん、キスしてくれ。我慢できない〕

〔んな事言ったって、どーしろってんだよ。どんだけ離れてると思ってんだ〕

〔お互いがスマホにキスしたら、その感触が電波に乗って届くよ〕

〔お前天才だな!〕

〔じゃ、行くよ?〕

〔おう〕

 

〔......どうだった?〕

〔結果、お前にますます会いたくなった〕

〔母さん、俺もだよ........〕

~~~~~~~~

 

 これが母と息子のLINEか、と戦慄したスコールであった。一瞬で疲労が5割増になった気がする。

 

「.........オータム、返すわ」

 

「ん? おう。よし、湘南行こうぜ!」

 

「分かった........これで行くの?」

 

「ああ」

 

「さっきISが良いとか言ってなかった?」

 

「シャラップ」

 

「......はいはい、仰せのままに」

 

 大方、一夏にこれで海渡ってきたと自慢したいだけだろう。『凄い』よりはどちらかというと『バカ』に分類される行動だとは思うが。まぁ、あの息子なら関係ないだろう。

 

「ッ........」

 

 スコールは漕ぎ始めようとした瞬間、何かとてつもなく嫌な物を感じ取った。全身の毛穴が否応無しにキュッと閉まる。

 

「ねえ、オータム?」

 

「........オーライ」

 

 オータムも同意見らしい。スコールとオータムは即座に自分のISの省エネモードを解除すると、ボートから飛び出した。こういう時、自分の直感を蔑ろにしていい思いをしたためしがない。

 空中に浮きながら周囲を確認すると、後方にIS反応が一つ。

 

「いらっしゃーい........」

 

「フィヨルドの恋人か?」

 

「オータム、シャラップ.........それと無理矢理すぎるわよ」

 

 軽口を叩きながら振り向くと、そこには『銀』があった。

 

『敵機確認、迎撃モードへ移行。銀の鐘(シルバーベル)、スタンバイ』

 

「なぁにあれぇ?」

 

「知らん。つーか今何時だ?」

 

「.........ぴったし、午前零時ね」

 

「かぁぁぁ.......こーゆー事かよ。めんどくせぇな、おい!」

 

 

 

 

 

 

 

『La........』

 

「.........来るわよ」

 

「わぁってるよ。さーて、お仕事お仕事、っと!」

 

『La.....La.......!』

 




言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。  

感想をくれた方ありがとうございます!

唐突ですがこの話を書き始めた当初は、「スタイリッシュシリアス欝シスコンアクション」的な話を書こうと思ってました。しかし、2話を書き始めた時点で作者がそういうの書けない人間だと発覚して諦めました。(遠い目)
何が言いたいかというと、書き方こそギャグに徹底したものの、ストーリーの展開自体は最初に考えた奴のままなので、その名残としてこういう話ができちゃうんです。許してください。別にいきなりこっからシリアス一辺倒になったりはしません。ホントは亡国機業についてもっと掘り下げたいんだけどなぁ......
いっその事、一夏が亡国機業に居た時の話でも書こうかな。

最初は30話くらいで終わらせるつもりだったのに、31話目に突入してしまった。これが思いつきで書いてきた代償か。
とりあえず、夏休み(リアルじゃなくて、一夏達の夏休み)は書こうかなと思ってます。終わるのはそのあとかなぁ。

三人称は、まぁ今回は流石に会話文だけじゃきつかったからです。
それと、湘南は思いつきです。作者が好きなだけです。今年のみなと海の家行きたかったァ.......
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