織斑一夏と愉快な家族達   作:探さないで!

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なんだこれ
多分、箒様回です


第32話

「おはよぉございます.......」

 

 メチャクソ眠いぞ。何だこれ。

 スマホの画面を見れば、起床にはちと早い時間だ。5時半。漁師じゃねぇぞ、俺は。

 

「目ぇ覚めちまったな.......」

 

 別に枕変わったら寝られなくなる人間でもないんだが、起きちまったもんは仕方ない。

 俺は多少寝ぼけた脳みそで、この校外学習の前日に配られたしおりに書いてあった事を思い出す。

 確か今日は七時から朝飯。その後は浜辺でISの装備試験のはずだ。夜までずーっと。

 はぁ..........ダルいなー。つーか七時まで暇だなー。二度寝コースかなー。

 と、そこまで考えた所で俺は閃いた。

 

「.......朝風呂でも入るか」

 

 折角の旅館だしな。楽しまなきゃ損だろう。

 マドカ達は.....まだ寝てるな。

 ラウちゃんとかこの部屋の入り口で『マスターをお守りします!』とか言って、夜通し起きてます宣言してた気がするが、案の定横になって寝てんな。可愛い寝顔しやがって、こんちくしょう。ちょっとドキッとしたじゃねぇか。

 つーか、そんな事しなくても、今この旅館には完全な人外二名と若干人外一名がいる。恐らく世界一安全な旅館なんじゃないかな。ははは。

 ......とりあえず、皆気持ちよさそうに寝てるし起こすのは可哀想だな。

よし、一人で行くか。朝風呂。

 

「ちょぉっとごめんよぉ.....」

 

 麩のすぐそばで寝ているラウちゃんに気づかれない様、静かに部屋を出る。

 さーて、朝風呂じゃあ。

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

「あら? 奇遇ですわね?」

 

「.......そうだな」

 

「ここは混浴なんですのね。まぁ、一夏氏なら構いませんわ」

 

「どういう基準なのか分かんないけど、ご一緒させてもらってオッケー?」

 

「ええ、構いませんのことよ」

 

「.......それ、構いませんわよで良かったよね?」

 

「おだまりなさいっ!」

 

「イエスマム!!」

 

「よろしい........では、背中でも流して差し上げましょうか?」

 

「ははぁ、ありがたき........って、その前にタオルを体に巻こうか。おっぱい丸出しはアウトだと思うよ?」

 

「一夏氏ならノープログレムですわ」

 

「.......なにゆえ?」

 

「だって、マドカ氏や鈴氏を見れば一目瞭然じゃありませんか」

 

「おいこら待てこら。何度も言うが俺はロリコンじゃねぇぞ、たまたま好きになった女の子がロリだっただけだ」

 

「一切信じられませんわ。貴方は口を開けばロリロリと、まるでロリコンが服を着て歩いているような人ですもの」

 

「ひでぇ」

 

「諦めなさい。一夏氏は正真正銘のロリコンなのですわ」

 

「ちくしょう、反論出来ねぇ.......」

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「さて、それでは諸君。これよりお前達にはこの合宿の目的であるISの装備試験を行ってもらう」

 

 千冬姉の言葉に、一年生全員は大きく頷く。こうやって話を聞いてますよアピールをしておかないと、彼女の怒りを買ってしまうからだ。が、返事をしてもうるさいと怒鳴られるので、結局は頷くしかない。恐怖政治って、こういう事を言うのだろうか。

 返事をしても殺されるが、話を聞いてなくとも殺される。もし千冬姉の話を聞かずに友達と喋ってた場合、もしくは寝た場合、どこぞのアニメよろしく第三宇宙速度に匹敵するスピードで後頭部を殴られるのだ。怖すぎだろ。妖怪かよ。

 

「各班、割り振られた仕事を.......その前に、篠ノ之!!」

 

 説明の途中で、不意に千冬姉が箒の名前を呼んだ。

 

「........はい?」

 

 彼女は少々ドスの効いた声で返答する。何やら不穏な空気が立ち込めてまいりました。

 今日は最初から集合場所に居た箒様。千冬姉に「今日は初めから居たでしょう? 何か文句でもあるんですか?」的なオーラ発してらっしゃる。

 本当はどう思ってるのか分からないが、少なくとも俺はアイツが機嫌よさそうには見えない。絶対怒ってるよ、あれ。

 それを見て眉を顰める千冬姉。いや、千冬姉からしたら教師として昨日の箒の時間を......じゃなくて、常識を守らないはっちゃけた行動に少々お灸を据えてやらねばならないんだと思うけど、相手はあの箒様だ。サイヤ人も真っ青な魔神だし無茶は出来ない.......いや、千冬姉も人の事は言えないか。千冬姉は例えるなら阿修羅だ。大魔神VS阿修羅。やべぇよ、地球が壊れちまう。

 というか、これにもう一人の人外が合流したりなんかしたらどうするつも

 

「箒様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 しまった、フラグだったぁ。

 遠くから砂煙をまき散らしながらこちらに走ってくる誰か。シルエットですぐ分かる。まぁ、箒の隣にいない時点でおかしいとは思ったんだが、案の定だよ。

 

「......やっと見つけたか」

 

 ぼそりと横で箒が呟く。刹那的に、俺は昨日の束さんとの会話を思い出した。

 確か、クジラとか言ってなかったか? おい待てよ、じゃあ―――

 

「はい!箒様お待たせしました!!」

 

 砂煙で見えなかったが、このデカブツは

 

「クジラです!!」

 

 ドスン、とわざわざ千冬姉の真ん前に置く束さん。おかげで千冬姉の姿は確認出来なくなった。でけぇ。でけぇよ、束さん。

 と、思わずクジラにリアクション取りそうになったが、ちょっとウェイト。

 束さん、今空気が微妙にピリピリしてたんすよ。もう人類最強決定戦でも始まっちゃう流れだったんですよ。そんな事したら千冬姉がブチ切れるぜ。

 

「束ぇ.........!!!!!」

 

 一瞬ブワッと広がる殺気。煽りを受けた生徒の何人かが失神してその場に倒れ込む。あれは、千冬姉が授業担当してないクラスだな。間違いない。

 尋常ならざる殺気だけど、こんなもの千冬姉の授業受けてる奴らからしたら日時茶飯事だ。この程度でノックアウトしてたら命がいくつあっても足りない。少なくとも俺と鈴、簪ちゃんのクラスは耐性が幾分ついているので、皆なに食わぬ顔で平然と佇んでいた。

 .........そもそも生徒に殺気を浴びせて気絶させる教師と言うのもいかがなものか。千冬姉から距離を取っていた山田先生も白目向いてるし、下手したら退職だろ。

 

「........何を死に来た、束」

 

「おろ? ああ、おひさ!ちーちゃん!!」

 

「答えろ、束」

 

 クジラ越しに会話する二人。中々にシュールだ。

 

「んーとねー、本当なら今日は箒様を見守るだけなんだけどね!その前に今さっきやっと完成したISを箒様にプレゼントしようと思ってね!!」

 

 ん? IS?

 

「という訳で、さぁ箒様!!!こちらに!!!!」

 

「あい分かった」

 

 箒が束さんに近付くと、束さんは指をパチンと鳴らした。するとまるで元からそこにあったかの様に真紅の何かが出現し、鎮座していた。なんぞ。

 

「ごまだれー!!これがぁぁぁ箒様だけのぉぉぉ特別スペシャルマキシマムオリジン弁当専用機!紅椿(あかつばき)ですにゃぁぁぁん!!」

 

 もはやキャラがブレブレな束さん。テンション高すぎィ!

 箒は束さんにゆっくり近づくと、優しく頭を撫で始めた。

 

「よくやってくれた、束。感謝する.....」

 

「はぅぅぅ......ああ、生きててよかったぁ.......」

 

 蕩けた笑顔でその場にへたり込む束さん。これもうどっちが姉だか分かんねぇな。

 

「くくく、愛い奴め」

 

「きゃふ.........」

 

 中々に微笑ましい画だ。なんか癒される。

 俺もついつい隣のマドカの頭を撫でる。

 

「兄様?」

 

「ちょっとだけ」

 

「.......はい♪」

 

 可愛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え~? じゃあ身内ってだけで専用機もらえるの?」

 

「なーんかふこーへーだよねー」

 

「やってらんないよねー」

 

 そんな時だ、まるで箒と束さん聞こえるような大きさで、誰かがそう言った。

 命知らずな奴らだ。千冬姉の様な人外プレッシャーに少々慣れすぎてしまったらしい。箒様にそんな事言ったら..........短い人生だったね。

 しかし、その箒様が反応する前に束さんが立ち上がった。

 

「君達は何を言ってるんだい。そもそも世界が公平だった事なんて、今の今まで一度もないんだよ」

 

「.........天才様は言う事違いますねぇ」

 

 ガラ悪いな。こんな生徒が俺の学校にいたとは.........

 

「......君達は本当にバカだねぇ。見ていて滑稽だよ」

 

「あーはいそーですか」

 

「いい歳した女がスク水ってのも滑稽だけどね。マジウケる」

 

「それなー」

 

「束さんは箒様に喜んで貰えれば、そこらの有象無象の評価なんてどうでもいいよ。クソハゲ共が」

 

 

 

 

 

 

「もうよいわっっ!!双方黙れぇぇぇっっっ!!!!!」

 

 その一言で、辺りが一瞬で静まり返る。流石箒様。頼りになるぜ。

 生徒の半数が浜辺に横たわる、大変猟奇的な浜辺で、箒様は静かに語る。

 

「......確かにこの世は不公平かもしれん。事実、貴様達が喉から手が出るほど欲しい物を、私は何の努力もなく手に入れてしまった」

 

 さっきまであんなに漲っていた千冬姉すらも聞き入っている。分かるよ、千冬姉。よく分からないが、箒様には何かしら人を惹き付けるカリスマがあるんだよな。何故か聞き入ってしまう。

 あ、違った。腕をグルングルン回してる。千冬姉準備運動してる。これから束さんぶっ飛ばすつもりだ。

 

「そもそもこの世界は平等になど出来てはおらん。人は皆、不公平を抱えて生きていかねばならぬのだ」

 

「だったら諦めろって言うの? 馬鹿言わないで」

 

「静かに聞いておれ.......だがな、例えどれだけ不公平であろうと、人間にはその不公平に挑戦する権利があるのだ」

 

 スゥー、と息を吸う箒。知らぬ間にかなりシリアスムードだった。こういう空気が苦手な俺は、すぐさま現実逃避を始める。

 

「マドカのほっぺは柔らかいなぁ」

 

「兄様、流石に今は.....」

 

「もうちょっとだけ」

 

「.......仕方ないですね」

 

 とかなんとか言いつつ、嬉しそうなマドカ。可愛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ISだ何だと野暮な事は言わんっ!!!この専用機(あかつばき)が欲しい奴は、素手で私にかかって来い!!!!全員まとめて相手をしてやるっっっっ!!!!!!!」

 

「言ったね!?後で言っても返さないからね!!!」

 

「行くよ!!アンタ達っっっ!!!!勝てば専用機だよっっっっ!!!」

 

「「「「「「「おおおおおおぁぁっぁっぁぁぁぁ!!!!!!」」」」」」」

 

 

 

「篠ノ之!!勝手は許さんぞ!!!!」

 

「おっと、ちーちゃん。箒様の邪魔はさせないよっ!!」

 

「くっ、邪魔だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 かくして、IS学園下克上 夏の陣が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄様、どうします?」

 

「ラウちゃんと鈴とで、ビーチボールでもしようぜ」

 

「あ、それ賛成!」

 

「マスター、私もやりたいです!!」

 

「一夏氏、私たちも」

 

「プロデューサー、僕もいいかな?」

 

「おう、いいぜ」

 

 

 




言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。  

感想をくれた方ありがとうございます!

これから少々更新速度が落ちるかと思います。イチャラ分が足りないので補給を....
まぁ、イチャラブの勉強してると思ってください。



作者の友人が求めてた箒様回ってのは、多分一夏と箒のイチャイチャ回なんだろうなぁ.......ごめんな。


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