織斑一夏と愉快な家族達   作:探さないで!

34 / 55
深夜のテンションって怖い。こんな話さっと書き上げてドヤ顔ですよ。朝起きて読み直したら頭抱えましたね。
ですが筆が乗ったのも事実なので......

やまやファンの皆様!ごめんなさい!!


第34話

 

 

「お、織斑君っ!!織斑先生を知りませんかっ!?」

 

「あれ山ちゃん、目ぇ覚めたのね」

 

「や、山ちゃんはやめてくださいっ!! って、それどころじゃないんですよ!!!!」

 

 山田先生が慌ててる。いつも慌ててる様な気がするが、今回は輪を掛けて慌ててる気がする。

 さっきまで千冬姉の殺気に当てられてぶっ倒れてたけど、なんだ復讐でもするのか。いいぞ、もっとやれ。

 

「千冬姉ならあそこでぶっ倒れてるよ」

 

「ぶっ、ぶっ倒れてるって何があったんですか!!?」

 

 鋼鉄人間の千冬姉が倒れてるとあっちゃあ、その反応も納得できる。

 そして山ちゃんは俺の指さす場所を見て更に慄く。

 

「本当に倒れてます!?大丈夫なんですかあれ!!?」

 

 浜辺にポツンと倒れてる千冬姉を見て取り乱す山ちゃん。

 落ち着け。凄いテンパってんぞ。

 

「心の臓を少し止めた。恐らく今日一日は動けまい」

 

 急に横から話しかけてる箒。そんなホラーな事を平然と言う箒様怖い。さっき千冬姉を不意打ちとは言え瞬殺した瞬間を見たから、余計に怖い。心臓止めても翌日になったら生き返る千冬姉怖い。

 

「し、心の臓........」

 

 顔面真っ青。山ちゃんメンタル弱いんだから勘弁してやれよ。

 ほら、もうフラフラしてる。また気絶すんぞこれ。

 

「はぅ........」

 

 案の定、うめき声と共に後ろに倒れる山ちゃん.......って、

 

 

 

 

 

 

 

「おいっ!?」

 

 その倒れ方は不味いっ!?頭打ったらやべぇ!!?

 そう思って駆け出そうとするが、その前に俺の肩を箒に掴まれる。

 

「一夏っ!!離れろ!!!」

 

「箒、何をっ!?」

 

 あのまま言ったら救急車ワンチャンだぞ、とは二の句が継げなかった。別に自分のフラグ発言に恐怖した訳ではない。ただ声が出せなかった。何故か俺の呼吸が止まったのだ。

 

「...........いつも」

 

 ボフン、と山ちゃんの足元が爆裂する。

 見れば、なんともまあ中途半端な姿勢で山ちゃんが立っていた。良かった。気絶はしてなかったみたいだ。

 踏ん張ったにしてはやけに大きな破裂音だったが、特に気にすることでもない。

 

「いつも.........いつも........」

 

 .......いやそれにしても、山ちゃんの体を覆い尽すほどの砂煙はどうだ? モクモクと広がるその砂煙は少し違和感を感じる。

 隣の箒は先ほどの俺を止めた姿勢から、何一つ身じろぎせずに固唾を呑んで山ちゃんを見つめている。

 

「.......箒?」

 

「黙っていろ」

 

 やけに真剣な箒。どうしたってんだ。

 そうしてるうちに、山ちゃんの周りの砂煙が消え失せる。もちろん中から出てきたのは―――

 

「っ.......!?」

 

 反射的に俺はバックステップ、即ISを起動する。

 

 

 

 

 

 

 

「誰だ......?」

 

 この殺気、尋常では無い。まるで千冬姉の様な..........というか千冬姉じゃないのか?  そっくりだ。殺気がそっくりと言うのもおかしな話だが。

 しかし、俺の目の前にはいつもと変わらず、『メガネは着けておらず、髪がバキバキに逆立った山ちゃん』だった。

 

 

 

 

 

 

 ん?

 

 

 

 

 

 

 

「は......?」

 

「.......一夏、気をつけろ。此奴は束やお前の姉と遜色無いぞ」

 

 その前に外見に突っ込もうぜ。誰だよあのサイヤ人。それとも俺の目が狂ってんのか。

 

「くっ......」

 

 と思ったが、突っ込む暇もねぇ。何だこの殺気。密度が濃すぎる。千冬姉の殺気を何十倍にも圧縮したような........

 

「いつもいつもいつもいつもいつもいつも、どうして私ばかりこんな目に会うんですかぁ!!!」

 

 山ちゃんの様なモノはそう叫ぶと、物凄い風切り音と共にその姿がかっ消えた。その場には体の一部と思わしき物体が佇んでいる。

 すげぇ、質量のある残像だ。その場にビリビリと残ってる。こんなの母さんしか出来ないと思ってた。

 いやその前に、どこに消えた。正直あんなモノにマドカ達が襲われたらひとたまりもな........

 と、そこまで考えて背筋が凍る。

 

 マズイぞ、マズイマズイマズイマズイマズイ!!早く見つけないと!!

 

「起きてくださいよぉ!!織斑先生ぃぃ!!!!」

 

「.........千冬姉か!?」

 

 振り返ると、ソレは千冬姉に馬乗りになっていた。ボガンボガンと、まるで掘削機の様な音を立てて千冬姉の顔をビンタしている。あれが果たして人をはたくときの音なのだろうか。もうお家帰って寝たい。皆で、四人でベッドでイチャイチャ出来ればそれでいい。もうやだ。

 

「何でこんな時だけ呑気に寝てるんですかあ!!!!!?」

 

 その人寝てる訳じゃないんだけど。結構重症なんだけど。

 そんな突っ込みが出来るはずも無く、俺達は黙って千冬姉がボコられるのを見ている他なかった。

 

「織斑先生ぃぃぃぃっ!!!!起きてくださいよぉ!!!!」

 

 

 

 

 五分ほどそのグロテスクな光景を眺めていただろうか。やがて気が済んだのか、彼女は動きを止める。

 そして殺人レベルの眼光をこちらに向けて、口を開いた。

 

「..........織斑君っ!!専用機持ちの皆さんを集めてください!!!集まったら旅館に集合!!!!いいですね!!!?」

 

「は、はい!」

 

 またも山ちゃんの姿が消える。先に旅館に向かったんだろう。怖かった。睨まれた瞬間は生きた心地がしなかった。

 つーか、どうしよう。このままあの殺気の前に皆を立たせて良いものか......

 

 

 

 

 

 

 

 

『........ぜ、全員しゅーごー』

 

 逆らった時を考えると、怖くて逆らえない。てかあの人先生だし.......

 皆思い思いの場所で遊んでるところ申し訳ないが、旅館に来てくれ。最悪こっちには千冬姉を倒した魔神が居る。大丈夫だろ(震え声)。

 

「ほ、箒様。お、俺に何かあった時は、マドカと鈴、ラウちゃんを頼む.......」

 

「........安心せい。お前がアレに殺される事はまず無い。いざとなったら私が身を挺してお前達を守ってみせる」

 

 普通男女逆な気がするが、そもそもコイツと俺じゃスペックが違い過ぎる。俺では足でまといだ。

 

「.......すまん」

 

「そこはありがとうと言って欲しかったな.....」

 

「.......さんきゅー」

 

「うむ」

 

 とりあえず俺達は旅館に向かって歩き始めた。

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「.......てか箒、アレはなんなんだ?」

 

「分からん.......が、酷く似ていた」

 

「........千冬姉にか?」

 

「うむ。常日頃お前の姉からの殺気を受け止め続け、遂に爆発したと言った所だろう」

 

「.......日本語でおけー」

 

「.......私が戦った奴らもおよそ常人とは思えなかった。少なくともタダの人間が出せる腕力では無かった」

 

「...........そもそもウチの学校にあんな好戦的な人間居なかったけと思うけどなぁ?」

 

「恐らく人格にも影響を及ぼすのだろう」

 

「つまりどういうことだってばよ」

 

「つまり、お前の姉が所構わず殺気を振りまいた結果、周囲の人間が鬼人と化したのだ。アレはそれの最上位だ」

 

「.........わーい」

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

「........それでは改めて説明します」

 

 旅館の一室に集められたのは、俺、マドカ、鈴、ラウちゃん、箒様........後は、セシリアちゃん(気絶)とデュノア(気絶)だ。

 山ちゃんから溢れ出る狂気に耐えられなかった二人は、部屋に入った瞬間仲良く御陀仏した。

 俺も部屋に入った時に他のクラスの担任が倒れてて「あ、これヤバイな」と思った程だ。比較的人間に近い、と言うかただの人間の二人には耐えられなかったに違いない。南無三。

 ちなみに楯無さんと簪ちゃんは逃げた。簪ちゃんは専用機完成してないらしいし、仕方ないよね。そして簪ちゃんが動かないなら当然楯無さんも動かないと。やれやれだぜ。

 

「織斑君、聞いていますか?」

 

「っ......!?」

 

 名前を呼ばれると、心臓を握りつぶされたかと思う。

 

「は、い........」

 

「具合が悪いのなら言ってくださいね?」

 

 アンタのせいだよ、とは口が裂けても言えない。と言うか口も開けなくなって来た。早くこの空間から出たい。

 マドカや鈴はまだ元気そうだが、ラウちゃんがヤバそうだ。どうにかしないと。

 

「......一夏、大丈夫か?」

 

「.......キツい」

 

 箒に言葉を返すのもやっとだ。セシリアちゃん達の事言えないな。

 

「........これでどうだ?」

 

 箒がそう言うと、急に体が軽くなった。今までの恐怖が嘘のようだ。なんだこれ。

 

「殺気同士をぶつけて中和させたのだ」

 

「お、おう。ありがとな」

 

 すっごい痛いセリフなのに、箒が言うとなんか凄い。迫力ある。

 ラウちゃんも大丈夫そうなので、サイヤ人に目で続きを促す。山ちゃんはそれに頷くと、静かに話始めた。

 うっわ、目合っちゃった!こっわ!!自爆したぁ!!!

 

「昨日、ハワイ沖で起動実験をしていたアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が制御下を離れて暴走。監視区域より離脱したとの報告がありました」

 

 おいおい、急に重苦しい話になってきたぞ。

 

「その後、衛星の追跡による結果、ここ(・・・)を目的地として『銀の福音』が飛行してくる事が判明しました。時間にして、ちょうど1時間後と予測されています」

 

 

 ここ? ココ? 個々? 瑚々?

 

 

「.........え、この旅館ですか!?」

 

 思わず俺の口から衝いて出る。だって仕方ないだろ。自分の宿泊場所にいきなり軍用ISが飛んでくるなんて言われたら誰でもビビる。

 

「ええ、この旅館です。そしてここからが本題です。学園上層部からの通達により、私達が対処することになりました」

 

「......まじかよ」

 

 今この場でまともに動ける先生なんて山ちゃんしか居ないだろう。後はノビてるし。

 となると、

 

 

 

 

 

 

 

「本作戦は専用機持ちの皆様に丸投げします」

 

「うわ、マジファック」

 




言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。  

感想をくれた方ありがとうございます!

箒様をどうにかヒロインっぽく(無理やり)頑張ってます。無論、一夏の嫁にはなりませんけどね。箒様は何者にも縛られず、自由に生きるんだ!

まぁそんな訳で、箒の出番?が多いと思います。この方を本編に絡ませれば、話がグイグイ進むから便利です(多分気のせい)。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。