織斑一夏と愉快な家族達 作:探さないで!
まだまだやりたい事に文章力が追いついてない感は否めませんが、とりあえず形になったと思います。
「La.....La.....!!」
『銀』は自分の背中に付いた左右の翼から、空中に多量の銃弾をばら撒いた。風を切り裂く弾丸の一つ一つが、スパコン並の演算速度とおぞましい程の確率計算で導き出された必中確殺の暴力だ。例えいかなる代表候補生であろうとも、一瞬で蜂の巣になるだろう。
計算しつくされたそれらは、吸い寄せられる様に彼女へ向かい、彼女居た場所には銃弾の雨嵐が押し寄せた。
『銀』は勝利を確信すると、次の獲物に目標定めた。敵は彼女だけではない。
「La..........?」
......しかし何か妙だ。並の人間なら、回避行動なり防御行動なりを行うのではないか。仮に反応出来なかったとしても、身をよじるなりはするだろう。
彼女は微動だにしなかった。何か策があったのだろうか。
『銀』に積まれた軍用戦闘シュミレーターがにわかに警笛を鳴らす。
「ふん........」
そして『銀』の予想通り、彼女はそこに立っていた。あたかも銃弾に飲まれたかに見えた彼女だが、その嵐が通り過ぎれば当然のごとく無傷であった。
あの
『銀』は動揺とその事実を打ち消そうとする様に、二度、三度と射撃を続ける。
「La........!」
が、その全てが
おかしい。計算は完璧だ。そんなはずはない。当たる。当たるんだ。外れる事など、あってはならない。
『銀』が狼狽している最中にも、彼女はゆらりゆらりと歩を進める。焦らず、じっくりと、確実に近付いてくる彼女はまるで死神だ。刻一刻と処刑時間が迫っている。気がつけば彼女との距離もかなり縮まっていた。
「La.....La......!」
四度目、今度は少し後ろに下がりながら銃撃を放った。これ以上近寄られるのは危険だ。『銀』はただの機械であるにも関わらず、直感に従った。
「LaLa......!!!」
無論全て外れた。外れたが、ここに来てやっと『銀』は違和感の正体を掴んだ。
やはり計算は正しい。ちゃんと彼女に当たる。いや、少なくとも『銀』は確実に当たる様に撃っている.........では何故当たらないのか。
それは彼女に銃弾に当たる直前だ。どういう事だか銃弾は微かに軌道が逸れ、奇跡的に彼女にかすりもしないのだ。銃弾が彼女を
あくまで今までの戦闘を機械的に観察していた『銀』だが、四回も「回避」されるとなるとそれはもはや運などと呼べるモノではない。何か目に見えない恐ろしい力が働いている。遠距離からの攻撃は諦めるべきだ。
『銀』は手のひらから物差しほどのレーザーブレードを出現させると、勇猛果敢に攻めかかった。
「なんだ、それの気は済んだのか?.....なら
「L....a.....?」
何が起こったのか、『銀』には理解出来なかった。ブレードを突き刺したと思った瞬間には彼女に背後を取られ、自分の両翼が切り落とされていた。
確かに当たった筈だ。自分のブレードは確実に彼女を捕えていた。何故だ。
..........いや、今はそれどころじゃない。
「La......LaLa.......」
『銀』は自分の羽が使えなくなった事実をようやく飲み込むと、演算速度をさらに加速させた。
マズい、あれは射撃だけではなくバーニアも兼ね備えた武装だ。『銀』の生命線と言ってもいい。
それがあっけなく潰された。これでは自分の持ち味の半分も出せない。機動力も五割程度しか出力出来ないだろう。
やられた。
彼女は一見して遠距離武器の類は無さそうだ。しかしライフル等を所持していたら、と考えれば多少のリスクを背負わねばならないかもしれない。彼女が武装を隠しているか分からない以上、決して距離を離す訳にはいかない............自分が射撃が出来ない今となっては、尚更だ。近づかなければ勝てないし、距離を取られたら追いつけないだろう。
肝心の翼はそぎ落とされた。もう斬るしかない。斬るしかないのだ。
『銀』は再度彼女に飛び掛った。
「くくく、良いぞ。やはり同じ土俵で
彼女は獰猛な笑みを浮かべると、腰の左右に着いた刀を交互に抜き出した。やはり近接タイプと見て間違い無いだろう。遠距離から一方的に狙撃されると言う不安要素が一つ減ったと見るべきか、それとも彼女の言う同じ土俵で戦う事を危惧すべきか......
どちらにせよ、やる事は変わらない。一刻も早く彼女を仕留める。彼女の後にも三人ほど後が控えてる。今は3人とも見ているだけだが、いつ彼女の援護に回るともしれん。早く、早く倒さねば。
「何を急いている?安心しろ、一夏達には手は出させない」
早く、もっと早く彼女を倒さないと。先程から戦い続けてきた二人も相当の手練だった。羽がもがれた今、これ以上被害を出せば、後の戦闘での墜落は目に見えてる。
無傷だ。これから無傷で彼女を仕留める。
「La.....La.......!!」
彼女の顔面目掛けて右手で刺突を放つが、彼女はそれをかわすでもなく頭突きでレーザーブレードを弾いた。出鱈目すぎる。
お返しとばかりに彼女は左手の刀で逆袈裟懸けに斬撃。この程度なら『銀』も余裕だ。右手を巻き取りながらも、上体を逸らして難なく回避する。
すぐさま反撃を試みる『銀』だったが、体を動かすその寸前で動きを止める。
まだ彼女のターンは終わっていない。
彼女は振り上げた左腕に急制動をかけると、瞬時に刀の向きを反転。今さっきの刀の軌道を逆からなぞるようにして、刃が空を走る。
『銀』は右手のブレードでなんとかそれを受けると、多少無理な体制から余った左手でもう一度刺突を打つ。
彼女もまた残った右手で『銀』のブレードを受けると、『銀』の胴体を足で蹴り飛ばした。
二人の距離が少し離れる。そしてその距離もすぐに縮まる。再び刃が相見える。
「切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ、踏み込みゆけばあとは極楽.......くくくく、やはり戦いはこうでなくてはなっ!」
それにしてもこの人間、なんと楽しそうに戦うのだろうか。
......主人も、自分と飛ぶ時はこうしてよく笑っていた気がする。
ああ、会いたい。主人に会いたい。主人とまた話したい。また二人で空を飛びたい。なのにどうして自分はこんな事をしているんだ。自分は何処に飛んでいるんだ。
「......何も考えるな、剣が鈍るぞ。今は私だけを見ろっ!」
「La......!?」
突然彼女の刀のスピードが変わった。唸りをあげて差し迫る彼女の刃と、自分の右手の間に辛うじて左のブレードを差し込む。
「LaLaLa.....!!!」
...........危なかった。あと少しでも反応が遅れていたら、恐らく背中の羽同様に右手も「貰われていた」。
手は駄目だ。主人が傷付く。足は駄目だ。主人が傷付く。頭は駄目だ。主人が傷付く。体は駄目だ。主人が傷付く。
駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ。主人を傷付けてはならない。それは自分が出来る主人に対しての最大限の恩返しだ。主人は傷付けない。何が何でも主人を守る。
「ふんっ.....!」
ギュキィン、と耳をつんざく破砕音が海に響きわたる。
見ればレーザーブレードが半ばから折れていた。
「......これまで、だな」
.......まさかこの女、レーザーを折ったのか?
レーザーブレードを折ったのか?
「.........ふん」
彼女は両手の刀を腰の左右に挿すと、背中から白い剣を抜いた。
「一夏、お前に私の
彼女は邪神の如き笑みで、詠唱を始めた。
『黄昏よりも暗き
ああ、それは駄目だ。
『
それは一番駄目だ。絶対に駄目だ。究極に駄目だ。
『我らが前に立ち塞がりし全ての愚かなる者に、我と汝が力もて、等しく滅びを与えんことをっ.......!!!!』
主人、ごめんなさい。自分は先に―――
『
ーーーーーーー
「一夏、私は先に帰っているぞ」
「あ、おい!それ少し前にもやっただろ!!待ってろよ!!」
「ふっ、感動の再開を邪魔するほど私は無神経ではないさ......」
箒はそう言い残すと、『残骸』を海上に引きずって飛び去って行った。あれ、中の人生きてんのかな?原型殆ど留めて無いんだけど。
.......まぁいいや。せっかく箒が気を使ってくれたんだ、存分に
「久しぶりぃぃぃぃぃぃ!!!母さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんっっっぅっっっっっっっ!!!!!!!!!」
「一夏ぁぁァァァァァァァァァァァァァぉァァァぉあああああぁぁァァァァァァァァァァァァァぉァァァぉあああああ!!!!!会いたかったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」
久しぶりの母さん成分を補給するとしよう!!!
「はぁ...........バカ親子......」
言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。
感想をくれた方ありがとうございます!
大して福音は設定考えてないのにキャラ付けしちゃった。元々福音戦で終わらせるつもりだったのでね。
あうー、ナターシャさん出したいなぁ。出そうかなぁ。
さて、活動報告でも書いたとおり、これからは元の週一更新に戻りますです。サーセン。その分毎話毎話に力を入れて頑張ります!!!
危うく福音が主人公になる所だった。