織斑一夏と愉快な家族達   作:探さないで!

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秋はfateっていうバケモンタイトルがあるけど、作者はそんな事よりグリザイアが楽しみです。エクスカリバー!のせいで誰にも見向きされないと思うし、せめてグリザイア信者だけでも見なくてはっ!!



第37話

 

 

 

 

 

 

 ん、マドカから通話掛かって来た。なんだろ?

 

『兄様、ご無事ですか?』

 

『おう、無事よ。どしたん?』

 

『いえ、その.......ジョンが..........』

 

 いつも通りの大変癒される声のマイシスターだが、今回は珍しく歯切れが悪い。どうかしたのだろうか。

 なんかマジっぽいので、一度母さんから離れる。

 

「ん、どした?」

 

「マドカたそからラブコール来た」

 

「お、おう」

 

 母さんに軽く引かれてしまったけど、この人とは魂レベルで惹かれあってるから問題ない。アイラブ母さん。

 

『.......とりあえず帰って来てくれませんか?』

 

 いつになく真剣な声音......というよりは、戸惑っている様に聞こえる。一体ラウちゃんの身に何が起こった。

 

『うい、分かった。今から帰る』

 

 不安を感じながらも、俺はマドカとの通話を切った。そしてそれから少し間を空けて、二人に会話を切り出す。

 

「........母さん達、これからまた仕事なのか?」

 

 聞かなくても分かるけど、一応聞いておく。そう簡単にあのブラック企業で休暇が取れるとは思えないからな。どうせこの後も仕事でビッチリなんだろう。

 うぅ、また母さんと離れるのか。心が張り裂けそうだ。

 

「........」

 

 そう思っていたが、しかし何故か返答が来ない。母さんはポリポリと頬を掻いて黙ってしまった。

 どうしたんだろう。何かあったのかな?

 

「父さん、なんかあったの?」

 

 父さんならなんか知ってんだろ、と話し掛ける。母さんがとても言いにくそうだからだ。仕方ないね。嫌な役目は全部父さんに押し付けるのが、我が家のルール。

 

「......一夏、私の事気付いてたの?」

 

 しかし返ってきたのは、信じられないと言わんばかりの呟きだった。すげぇ驚いてる。

 

「.......当たり前だろ?」

 

 何を馬鹿な事を。父さんの存在に気づかない訳ないじゃん。

 気のせいか父さんの声が震えてる。本格的に心配だ。なんかあったんだな。

 

「......よかったぁ!!貴方達二時間も抱き合ってるんだものぉ!!もう自分が知らない内に霊体になってるのかと思うほどのスルーっぷりで、本当に辛かったんだから!!!」

 

 そう言うと、父さんは俺に抱きついて来た。うわ、泣いてやがる。暗くて分かんなかったけど、この人ガチ泣きしてやがる。マジかよ。

 ......ちょっと可哀想な事したな。

 

「グスッ.....ふええ......」

 

「これがアラサーの泣き声っ!? 」

 

「うるさぃ.....うぅ.....」

 

 息子の胸に顔を押し付けて嗚咽を押し殺す父親。これ俺の父さんは女だからいいけど、字面は凄いむさ苦しそうだ。

 .......うーむ、困った。これでは話が聞けなくなってしまった。それにそろそろ帰らないと。

 仕方無い。

 

「......母さん、結局どったの?」

 

「あー.......一夏、覚悟して聞けよ?」

 

 なんだなんだ、改まって。ちょっと怖いぞ。

 

「実はな.......俺達無職になったんだ......」

 

「...................ワンモアプリーズ?」

 

「......無職になったんだよ」

 

 無職って、それはつまり『亡国機業(ファントム・タスク)』を抜けたって事か?

 .......あれ? それはつまり母さん達と一緒に暮らせるんじゃね?家族みんなで一家団欒っていう長年の夢叶うんじゃね?

 嬉しい。超嬉しい。ハイパー嬉しい。嬉しい.......けども...........

 

「そう聞くと、あんまり嬉しくないや.......」

 

「だろうな。どんなに言い繕った所で、お前の両親が職を失った事に変わりはない.......」

 

 申し訳なさそうに顔を伏せる母さん。可愛い。美人で可愛いとか反則だろ.......

 

「.........ま、まあ、まずはマドカの所へ行こう!」

 

「.....おう、そうだな!」

 

「うぅ.....」

 

 って、忘れてた。父さんまだ泣いてた。このままじゃ帰れない。

 .......しゃーなしだな。父さんはお姫様だっこだ。まったく、世話が焼けるぜ。

 

 

 

 俺達は多少急ぎ足で旅館に戻った。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

「母さん、仕事であれ追っかけてたんだろ?なんで倒さなかったんだ?」

 

「どっか目的地があるっぽいから、泳がせてた......まぁ、もうおシャカになったがな」

 

「なーる........って、それ駄目じゃね?仕事だったんだろ?」

 

「大丈夫だろ..........もう俺達には関係ないからな」

 

「ふーん..........」

 

「......んな事より、ソイツ寝てないか?」

 

「まっさかぁ......」

 

 

「はふぅ....一夏のご飯はおいひぃなぁ......」

 

 

「.........泣き疲れて寝落ちとか、流石父さん」

 

「はぁ.............」

 

「........もう『四次元袋』に仕舞っていいよね?」

 

「.....おう」

 

「はーい、しまっちゃおうねー」

 

「やめろ、トラウマだ」

 

「そうなのか。母さん可愛い」

 

「.....うるさい」

 

「.......うし、収納完了。母さん代わりにだっこしてあげようか?」

 

「馬鹿言うな.................五分程、頼む」

 

「ニヤニヤ」

 

「に、ニヤニヤすんな!」

 

「はいはい、お手を拝借お母様」

 

「........」

 

「どうよ、息子の腕の中?」

 

 

 

 

「........悪くない」

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 浜辺に着くと、既に俺の嫁達と復活した千冬姉が集合してた。すげぇ、一日経たずと半日で心臓治ったのか。やはり千冬姉も人外。

 どうでもいいけど、流石に皆水着じゃなかった。ちょっと悔しい。

 俺は着陸すると同時に、ゆっくりと砂浜に母さんを下ろす。

 

「ただいま」

 

「「おかえりなさい」」

 

 マドカと鈴の声が重なる。皆、ずっと待ってたのかな。それだったら悪い事をしちゃったな。後で埋め合わせしないと。

 

「うぅ、まずだぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 そして何故か号泣しているラウちゃん。

 勢いよく俺の胸に飛び込んできた。今日はよく泣き付かれる。

 しかし、父さんと違って泣きじゃくるラウちゃんは中々そそるぜ。ぐへへ。

 .........そうじゃなかった。

 

「どしたん、ラウちゃん?」

 

「ふぇぇ.....ますたぁが死んじゃったからぁ......!!!」

 

「おいおい、勝手に殺すなよ.....」

 

 マドカと鈴に目で解説を求めると、鈴が近くに来てこっそり耳打ちしてくれた。

 

「アレが帰ってきた時に、ラウラが一夏の事を聞いたの」

 

「ほむほむ」

 

「そしたら『今一夏は家族と再開中だ。邪魔してやるな』って」

 

 鈴の小芝居劇場。箒のモノマネは鈴じゃ無理だよ。プリティすぎるもん。

 

「それで、過去に千冬さんから両親が蒸発したのを聞いてたラウラは.......」

 

 こうなった、と。なるほど。そうか、ラウちゃんは軍人時代に千冬姉から聞いてたのか。

 ま、千冬姉がドイツに居た時は俺『亡国機業』に拉致られてたし、そん時は千冬姉も母さんの事なんて知らんよな。

 

「てんきゅー」

 

「うん.......ところでこの人が?」

 

 鈴がチラリと母さんを見る。なんかソワソワしてるのはそれが原因か。緊張してるっぽいな。

 俺は鈴に頷き返す。

 

「紹介するぜ、この人が俺の母さんの」

 

「オータムだ。よろしくな.......えーと?」

 

 鈴はしまった!という顔をして母さんに頭を下げる。

 

「凰鈴音ですっ!!えっと一夏とは、その、えとえと、」

 

 しどろもどろになる鈴。母さんを前にしてかなり焦ってるな。母さん美人だから仕方ない。うん。

 

「鈴、落ち着.......」

 

 ここは助け舟でも、と思ったが

 

「あー、一夏から話は聞いてるぜ。よろしくな、『お嫁さん』?」

 

「にゃう........」

 

 母さんに先をこされた。

 顔を真っ赤にして母さんに撫でられる鈴。いいなぁ、俺もなでなでしてほすぃ。

 俺が母さんに物欲しげな視線を送っていると、やれやれと言った具合に苦笑された。どうやらお預けらしい。べ、別に羨ましくなんかないんだからァ!!

 

「......んで、一夏よ。そっちの子は?お前いつの間にジェダイになったんだ?マスター、なんて随分調教進んでるじゃねえか」

 

「い、いや母さんこれは!」

 

「わぁーってるよ。自分の息子が変態だって事は、十二分に理解してるつもりだ」

 

 ちゃうねん。ちゃうねんて。別に調教とかそーゆーのじゃないねんて。この子が勝手に言い始めたんやて。強制なんてしとらへんねん。この子がマスターって呼び始めたんやて。ほんまに。

 

「マ、マスターの母上......?」

 

「うん、そうだよ。ほら誤解されてっから、ちゃんと自分で自己紹介しなさい」

 

 大体君のせいだから。早く誤解を解いてくれ。このままだと君は奴隷で俺が鬼畜調教師になっちまう。

 

「で、でもマスターのご両親はっ!」

 

「......いいから。ここにいるのが俺の大切な母さんだから」

 

「.......了解しました」

 

 ラウちゃんは手の甲で目元の涙をゴシゴシすると、俺から離れてペコリとおじぎした。なんか微妙に眠そう。

 そう言えば、もうかなり夜遅い。母さんとの再会に、時間を費やしすぎた。ラウちゃんなんかは完璧にいつもの寝る時間だ。これが終わったらさっさと旅館に帰るか。

 .........あ、ほっぺたペチペチしてる。頭下げながらペチペチしてる。目を覚まそうとペチペチしてる。ラウちゃん可愛い。ラウちゃん頑張れ。

 

「お、お初にお目にかかります!私はマスターの番犬、ラウラ・ボーデヴィッヒです!」

 

「.......番......犬......?」

 

 まぁ、そうなるよね。知ってた。

 ほら母さんポカンとしてるじゃん。そらそうだよ。そんなリアクションになるよ。番犬なんて言われたらそうなるよ。。

 前に言ったじゃん。初対面でそんな事言ったら百パー引かれるって。絶対に危ない人だと思われちゃうから止めとけって。なんで言っちゃうの。

 もういっそのことマスターの未来の妻ですの方がよっぽど良かったよ。嘘でも良かったよ。ラウちゃんだったら大歓迎だからさ。

 

「ば、番犬と来たか.........やるな、一夏」

 

「えっと........やるでしょ?」

 

「........................まぁいいや。よろしくな、ラウラ」

 

 多少.......いやかなり間があったものの、母さんは空気を察したらしい。ローテンション気味に言葉を返した。

 

「はい、こちらこそよろしくお願いします!」

 

 一方のラウちゃんはハイテンションだった。まだ眠そうな表情だけど、声だけは出てる。アカンな。これこっからテンション上がってきちゃって、夜寝れなくなるパターンだ。一回寝るタイミング逃しちゃうと、中々寝れなくなる奴や。俺も経験あるぞ。

 

 

 .........さて、ラウちゃんばかりを気にしてはいられない。問題はこっからだな。

 

「んで、アンタが織斑千冬......だよな?」

 

「........そうだ」

 

 こちらも初対面。

 千冬姉には事前に母さんが出来たと話してあるが、弟が勝手に作ってきた母親と言うのはどうなんだろう。やっぱり、姉的には複雑だよな。

 まぁでも母さんは気さくな人だし、最悪千冬姉には友達みたいな認識でも構わないかな。うん。

 

 

 

 

 

 

 

「.......アンタには少し聞きたいことがあるんだ」

 

 ギラついた視線で千冬姉を見つめる母さん。

 

「.......場所を変えよう」

 

 その視線をものともせず、スタスタと一人で歩いて行く千冬姉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.......あれ?嫌悪ムードじゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

「......あれ?いつの間にか寝ちゃってたみたい。ごめんね、一夏............あれっ!?」

 

「ここはどこ!?私は誰!?どこは誰!!?ここは私!!!?」

 

「...........落ち着け、落ち着くのよ、私。クールでセクシーで仕事のデキる女スパイは、こんな事じゃ動じない。動じないんだからっ!」

 

「..........ふぅ、駄目ね。落ち着いた所でまったく分からない。そもそもなんで私の水着がプカプカ浮かんでるのかしら。しかもかなり昔の水着。訳わかんない」

 

 

 

 

「............ふぇぇ、ここどこなのよぉ。助けて一夏ぁぁ」

 

 

 




言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。  

感想をくれた方ありがとうございます!

もう既に次話も書き終えているのですが、いまいちピンと来ないので書き直しております。
最近やっとこの人数を捌く事に慣れたのに、二人も追加したらまた空気になるキャラが出てくる.......
うーむ、やはり難しいですな。

息抜きで久しぶりに最愛の彼女でも書こうかな.....
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