織斑一夏と愉快な家族達   作:探さないで!

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トゥットゥルー♪
........今回はあまりにも筆が進まなかったので、急遽三人称?練習回とさせていただきました!申し訳!!


第38話

 

「束、帰ったぞ」

 

「.....うーむ、これじゃないなぁ。どーして紅椿は覚醒しちゃったのかなぁ?」

 

「........束?」

 

「わにゃんぷっ!?」

 

「.......ツッコミづらいぞ。犬なのか猫なのか変態なのか」

 

「箒様っ!?い、いつの間にお帰りに!?」

 

「.....なう」

 

「ぇ.........」

 

「なう」

 

「.........箒様、余り慣れない言葉は使われない方が」

 

「最近若者の間でのトレンドであろう?........ほほう、それはつまり私が若くないと?いい度胸だな」

 

「ち、違います!!ええと......そう!それはもう一昔前なんですよ!!!」

 

「.......何?」

 

「今はこう、人差し指と中指をオデコにくっつけて、マカンコウサッポウ!!て感じですね」

 

「なるほど......こうか?マカンコウサッポウ!!..............おい、束。私の指先から何か出たぞ」

 

「.......ピ、ピッコロさん?」

 

「......何か馬鹿にされた気がする。罰則をくれてやろう!!」

 

「ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 さてさて、所変わってここは旅館。山ちゃんと作戦会議をしたお部屋でございます。山ちゃんはどこにも居ないけど、触らぬ神に祟なし状態だから探さない。怖いし。

 そしてラウちゃんは結局寝ちゃったので、先に俺の部屋に寝かせてきた。この部屋で雑魚寝はかわいそうだしな。

 ..........てな訳で、この会議室(仮)に居るのは俺とマドカと鈴と母さんと千冬姉だ。

 構図的には母さんと千冬姉が向かい合って、母さんの右に俺、俺の右ににマドカ。鈴は部屋の片隅で腕を組んで壁にもたれ掛かっている。なんか用心棒みたい。

 

「......ぃちかぁ.....ちゅー......ぅん」

 

 違った。あれはカッコつけてる様に見せかけて寝てるだけだ。良く見ればよだれ垂れてるし。

 

「.......さて、私に話があるんだろう?」

 

 そんな緊迫感の欠片もない空気の中、千冬姉がおもむろに口を開いた。

 

「ああ、アンタには聞きたい.......」

 

 母さんも千冬姉に反応して声を出す。母さんの雰囲気からして真面目な話なのは余裕で分かる。だから俺も大人しくしとこう。ペロペロ。

 

「と、その前に........一夏、今から大事な話をするから俺の髪とかすのやめてくれないか?」

 

「とかすフリして髪の毛しゃぶしゃぶしてるだけだから安心していいよ、母さん」

 

「おう、そうか」

 

 ああ、母さんの髪の毛美味しいなぁ。一生舐め続けててもいいな。

 久しぶりの母さん成分を思う存分補給したいが、話の邪魔はしたくないのでこれで我慢しよう。ペロペロ。

 

「......一夏?今からお前の姉ちゃんと大事な話があるから、俺の髪ペロペロすんのやめようぜ?な?」

 

「じゃあ二、三本貰っていい?」

 

「おいマドカ。一夏抑えとけ」

 

「はむ.......兄様の髪の毛美味しいです」

 

「........織斑千冬、アンタに聞きたいことがあるんだ」

 

 母さんは諦めたみたいだ。よし、これで舐め放題だ。ペロペロ。

 

「.......いいのか、そのままで?」

 

「......アンタはコイツらの姉になってどんくらい経った?」

 

「......三年目に突入寸前だ」

 

「なら分かるだろ?」

 

「お前と仲良くするつもりは毛頭無かったが、今のでどうしようもなく親近感..........」

 

「........千冬、今までよく頑張ったな」

 

「........か、母さんっ」

 

 流石母さん。溢れ出る母性で、千冬姉までも陥没させたのか。

 味わうのに夢中で話は聞いてなかったけどな。ペロペロ。

 

 

 

 

 俺はその日、人生で初めて千冬姉の涙を見た。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 深夜、波の音だけが虚しく響く海岸線。

 オータムは一夏達が寝静まった後に、再度千冬と対面していた。

 

 

 

「やっと落ち着いて話せるぜ.........ほら、座れよ」

 

 砂浜に腰を下ろしたオータムは、自分の右隣の地面をポンポンと叩く。

 

「..........ふん」

 

 オータムの行動を見てつまらなそうに鼻を鳴らす千冬。どうやらその立ち位置から動く気は無いらしい。

 先ほどの一件で仲良くなったと思ったが、今の彼女の様子を見ると案外ガードが堅いようだ。

 こりゃ強敵かな?

 オータムはほんの少し気合を入れると、会話を始めた。

 

「千冬、アンタなんだろ?俺達にあの座標を送ったのは」

 

「........ああ」

 

「『亡国機業』の本部を襲った奴も、アンタ.......だろ?」

 

「.........そうだ」

 

 まるでウケの悪い観客に漫才を披露してる気分だ。打っても響かないとは、コレの事か。千冬の無関心さがどことなくオータムの不安感を煽る。

 これが本当にあの感受性豊かな一夏の姉なのだろうか?

 オータムは首をかしげながら質問を続けた。

 

「.......解せねぇな。あの組織はただの『何でも屋』だぜ?どこに潰す必要があったんだ?」

 

 そう、そこがオータムには疑問だったのだ。

 確かにあの組織は『悪の組織』だった。強奪、護衛、暗殺、戦争、何でもやった。人身売買にすら手を貸している。

 しかし、それはあくまでも依頼だ。あの組織そのものはただの傭兵or暗殺者集団に違いなかった。

 少なくともオータムはそう思っている。

 

 

 

 ........まぁ、千冬にはあの組織を襲う理由があるんだけどな。なんたって、一夏をさらったのは『亡国機業』だしな。

 

 

 

 

「.......いずれ一夏の驚異になるからだ」

 

「いずれ? おいおい、まるで予言者だな.....」

 

 千冬の予想外の返答に、思わずオータムは皮肉めいた対応を取ってしまう。

 しかし千冬の表情を見れば、それが冗談では無いとすぐに分かった。

 まさか.....ならあの送ってきた座標も.......?

 

「......お前は知らないだろうが、あの組織はとある目的の為に創られた物だ」

 

「目的?」

 

魂妹計画(ソウルシスタープロジェクト).........聞いた事は無いか?」

 

 おい、なんかそれっぽい名前が出てきたぞ。どーすんだこれ。嫌な予感がマッハだぞ。

 オータムとしては、「一夏が心配するからあんまりそういうヤンチャするのやめろよ」的な台詞を吐いて、この会話をサクッと終わらせようと思っていた。どうせ一夏を誘拐した時の復讐だろ、などとテキトーに考えていたからだ。

 ........どうやら違うらしい。彼女も何か他に『目的』があって動いているようだ。

 魂妹計画.......妹魂?シスコン?シスコンプロジェクト?

 まさか一夏は洗脳されてシスコンになったのか。そんな馬鹿な。いやでもありえそうで怖い。

 オータムの脳裏に、妙な妄想がチラつく。

 ........千冬は何か知っているのだろうか。

 

「こちとら万年ヒラ社員なモノでね.........そのなんたらプロジェクトが一夏となんの関係があるんだ?」

 

「......いや、何でもない」

 

「.......おい、一夏に関係あるなら全部教えろ」

 

 もしかして、ビンゴなのか?一夏はシスコンプロジェクトの被検体なのか?

 オータムの脳内で、初代仮面ライダーがショッカーに改造されるシーンが再生される。

 

「全部話せよ.......!」

 

 多少凄んだオータムを千冬は一瞥すると、大きくため息を吐いた。

 

「......このイベントはな、回避出来ないんだ」

 

「.......は?」

 

 話の流れが急すぎて、オータムはついていけない。イベント? なんだそれ。計画はどうなったんだ。

 千冬はオータムに疑問を挟む隙も与えず、矢継ぎ早に口を動かす。

 

「福音は、例え束を殺しても『亡国機業(おまえら)』が動かす。『亡国機業(おまえら)』と束を消しても福音は自力で暴走する」

 

 殺す。

 何やら物騒な単語が聞こえてきた。オータムは微かに胸騒ぎを覚える。

 尚も千冬は、オータムへ向かって言葉を連ねる。

 

「そして何より、このイベントは一夏が死ぬ可能性がある。誰をどのタイミングで殺」

 

「おい、タンマタンマ!!」

 

 これは聞き捨てならない。一夏が死ぬ?何を言ってるんだ?現に今だって旅館でグースカ寝てる。さっきまで一緒だったじゃないか。

 ........コイツには何が見えてるんだ。

 

「......なん......だ?」

 

「言っていい冗談と、悪い冗談があるん........っておい、大丈夫か?」

 

 オータムは、言葉の途中で千冬が尋常の様子ではないことに気付く。

 

「..........大丈夫だっ」

 

 とてもそうは見えない。体を震わせ、顔を真っ青にして、額には脂汗まで浮かんでいる。

 仕事のし過ぎだろうか。それで精神が不安定に、とか。それともただ単に体調が悪いか。

 どちらにしろ―――

 

「.......今日はもう休め」

 

「...........ああ、そうだな。すまない、今日は心臓を止められたり兎と殴り合ったりで疲れてるんだ。先に休ませてもらう」

 

「お、おう。なら仕方ないな。お疲れ」

 

 フラフラと旅館に向かう千冬を見送る。

 

 

 

 心臓止まるのと野兎と殴り合うのが同レベルか。

 アイツの事が益々分かんなくなった。

 

 




言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。  

感想をくれた方ありがとうございます!

なんか変な空気になったけど、作者は特に深く考えてないです。多分次回からまたいつも通りになります。
そろそろ会話文オンリー(前枠・後枠は除く)を卒業しないと、とか思って慣れない三人称使ったらこうなりました。ごめんなさい。

それと、筆が進まねぇ.....
次回が何時になるかわかりませんが、ZETMANの20巻が出る前には投稿したいです。はい。
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