織斑一夏と愉快な家族達   作:探さないで!

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「ママー、あの人もう夏休み終わったのに、夏休みの話書いてるよー?」

「しっ、目を合わせちゃいけません!」


第42話

 

 

 

 

「つーわけで、実家に帰ろうと思いマース」

 

 やっとこさ夏休みに入ったので、俺は外出許可を貰うために職員室を訪れていた。

 この学校、例え夏休みであろうとも学校から外に出るには許可がいるのだ。面倒くさいったらありゃしねぇ。

 

「ほう.......唐突だな?」

 

「唐突って.....夏休みだぜ?千冬姉は帰んねぇの?」

 

「ふむ........そう言えば私も久しく家に帰ってないな」

 

 デスクから外出申請書を取り出しながら呟く千冬姉。最近忙しそうだもんな。

 

「.......あんまし無理すんなよ?」

 

 千冬姉が人を頼る場面、てのは中々想像し難い。山ちゃんが上手くフォローしてくれてるといいんだが......

 

「ん?......ああ、違うぞ。仕事が忙しい訳では無い」

 

「.....?」

 

「ただ昔のようにお前の様子を見に行く必要が無くなったからな。そこまで頻繁に帰っても仕方がないんだ」

 

「......あー、なるほど」

 

 中学生の時、千冬姉は二、三日置きに家に帰ってきてた。恐らく俺とマドカが心配だったんだろう。なんだかんだで俺の保護者だしな。

 その点では、この学校での寮生活は千冬姉の負担を大きく減らしているだろう。いちいちゴーホームしなくて済むようになったのだから。

 

「......それと、聞く必要は無いかもしれんが、マドカの分も書いた方が良いのか?」

 

 もちろん、と言った具合に俺は頷く。

 

「........では、凰とボーデヴィッヒの分もだな?」

 

「いえす」

 

「了解した」

 

 千冬姉は手馴れた様子で書類に書き込む。

 

「..........よし、後はこれを外出時に職員に見せろ」

 

「うーい」

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

「ふぃー......」

 

 電車を乗り継いで、やっとこさ自宅に到着。

 道中、ラウちゃんが駅で迷子になると言う事案も発生したが、心優しい駅員さんがアナウンスしてくれたので事なきを得た。いやー、居なくなった時はマジで焦ったぜ。あの人混みじゃラウちゃんはちっちゃくて発見しずらいからな。はっはっは。

 

「ここがマスターのお家ですか......」

 

 そのラウちゃんは、物珍しげに家のあちこちをサーチしていた。

 『お家』なんて言われる程、上等なもんでも無いけどな。ぶっちゃけ、ただの民家だ。

 それでもラウちゃんにしてみたらやっぱレアな場所なのかな。軍人だし。

 

「クンクン.....クンクン.....スーハースーハー....」

 

 臭いまで嗅ぎ始めたんだが、これってどういう事だ。この家、そんなに変な臭いするんだろうか。

 リセッシュ必要か?

 ラウちゃんだって変な臭いの家で夏休み中ずっと過ごすのは嫌だろう。

 

「至る所からマスターの香りがします!!クンカクンカ!!!」

 

 ........やだ、あの娘。物凄くHENTAIチックな発言してる。

 

 俺は思わず苦笑してしまった。

 これなら心配無さそうだ。

 

 

「それでは兄様、行ってきます」

 

「一夏、私も一緒に行ってくる」

 

 ふと声のした方に視線を向ければ、そこにはお揃いのエコバッグを手に持ったマドカと鈴が居た。

 二人共、学校からここまでは制服だったのに、今は私服だ。

 マドカは真っ白なワンピース。相変わらずこれが似合う。黒髪ロングに純白ワンピースはジャスティス。

 鈴はキャミソールにホットパンツ。中々そそる服装だ。スラッと伸びた太ももがエロス。

 ......まぁ、察するに食材の買い出しに行くんだろう。さっき冷蔵庫見たら、物の見事に空っぽだったし。

 なら―――

 

「俺も準備するから待ってくれ。荷物持ちは必要だろ?」

 

 俺の場合、四次元袋があるからクソ楽だし。

 そう思って二階に着替えに行こうとすると、

 

「いえ、兄様はここでラウラとお留守番しててください」

 

「下着とかついでに色々買いたいから、一夏はついて来ちゃダメ」

 

「えぇ......」

 

 別に今更何を恥ずかしがる事があるんや.....

 とは思ったが、口には出さない。親しき仲にも礼儀あり、だ。多分。

 二人は玄関に立つと、そそくさと出ていってしまった。

 

「では行ってきます」

 

「いってきまーす」

 

「.....いってらー」

 

「行ってらしゃいませ、マドカ、ラウラ」

 

 そう言えば、こないだの俺の誕生日以降ラウちゃんが二人を名前で呼ぶようになった。あの件で三人の結束力が増したんだろう。うむ。

 ......また隠し事とかされてないよな?

 さっきは流れで行ってらっしゃいしたけど、よく考えれば前に一度鈴とは下着買いに行った気がする。

 ......いやいや。無いって。マドカ達が隠し事なんて、絶対無い。

 なんかこないだの一件以降、俺は妙に神経質になってるみたいだ。乙女かよ。

 

 ......無いとは思うが、一応聞いてみっか。

 

「ラウちゃん、アイツら食材の他に何買いに行ったか知ってる?」

 

「い、いえ、知りません.....」

 

「ホントに?」

 

「.......勿論ですとも」

 

 露骨に目を逸らされた。コイツ隠す気ゼロだ。

 

「こないだ盛大にヤられたから不安なんだけど?」

 

「ぐっ、痛い所を突いてきますね.......ですが、やっぱりダメです!!」

 

 頭の上に両手で思いっきりバッテンマークを作るラウちゃん。何それ。そんな京アニみたいな萌ポイント稼ぎされたら、もっと好きになっちゃう。

 

「.....ホントに駄目?」

 

「ええ、ダメです」

 

 駄目らしい。うーむ、気になる。

 ......二人が帰ってくれば分かるか。あんまり気にしてっとハゲそうだからやめとこう。

 

「あーあー、ラウちゃんが教えてくれたらチューしてあげるのになぁ」

 

 とか言いつつ、最終手段に打って出る俺。これで釣り上げられなかったらお手上げ侍だ。

 ............我ながら、往生際が悪いな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスター、それは誠ですか!!!?」

 

 あっさり釣れた。

 

「じ、実はですね。先日のマスター誕生祭の時、私のミソスープでイイ感じになり、なぁなぁでお開きになってしまったので、只今マドカと鈴はマスターのお誕生日ケーキを買いに向かった次第です!!」

 

 そして勝手にゲロった。

 なるほど、俺のケーキか。ケーキなんぞ自分で作った方が安上がりなんだが、俺に作らせるのは三人とも嫌なんだろうなぁ。

 

「さぁマスター!!そんな事よりキスしましょう!!!今すぐしましょう、ナウしましょう!!!!!ハリーハリーハリーハリーハリー!!!!!!」

 

 目にハートマークを浮かべながら擦り寄ってくるラウちゃん。思わず押し倒しそうになったが、今からおっぱじめたら色々とよろしくないので、ほっぺにチューで誤魔化しといた。

 

「こ、これはこれで中々イイ感じですね。青春してる気がします」

 

「だろ?」

 

「......ですが少々物足りない気もします」

 

 彼女は俺の誕生日の『夜』以降、妙に積極的になった。最近ではスキあらば俺とベッドインしようと目論んでるからな。

 .......ここに来て更に可愛さが上がるとは、流石だ。ラウちゃん。愛してるぜ。

 

「ま、あんまりやると俺も我慢出来なくなっちゃうし、これで許してくれ」

 

「むぅ......分かりました。私は別に今からでも構いませんけどね!!」

 

「俺が構うんですのよー」

 

「うむむぅ.....」

 

 なんかちょびっと悔しそう。そこまでキスしたかったのか。愛いやつめ。

 

「.......さーて、何すっかなー」

 

 二人が帰ってくるまでやる事が無い。クソ暇。

 仕方が無いので俺はリビングのソファに座り、テレビの電源を付けた。

 

「し、失礼します」

 

 何も言わずとも俺の膝に腰掛けるラウちゃん。

 やっぱり変わったな。

 

「......ぅぅ」

 

 しかし、積極的になったは良いがやはり完全に羞恥心は無くせないようだ。頬を赤らめながら、俺の膝の先にちょこんと座るラウちゃん。

 

「んもぅ、いちいち可愛い事するんだからぁ!」

 

「マ、マスター!?」

 

 俺はラウちゃんのほっそりしたウエストに手をやると、そのままこちらにグイッと引き寄せた。

 

「遠慮すんなよ」

 

「.......は、はひぃ」

 

 とりあえずラウちゃんナデナデして、まったりしてよう。

 

 

 

<ピンポーン♪

 

 

「ん、もう帰ってきたのかな?」

 

「も、もう少しこのままが良かったのですが......」

 

 俺の膝の上の味をしめたらしいラウちゃんは、名残惜しそうに俺から降りた。いつもマドカの特等席だったからな、ラウちゃんも一度は乗ってみたいとか思っていたに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

<ピンポーン、ピンポーン♪

 

 

 

 

「おっと、忘れる所だった」

 

 急いで玄関に行くと、そこには―――

 

 

 

 

 

「久しぶりだなぁ、一夏ぁ!!!会いたかったぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

「おっとと、いきなり抱きついてくんなよ」

 

 勝手に家に入って来たあげく、靴も脱がず俺に飛び付いてくる親友(五反田 弾)と、

 

 

「お久しぶりです、一夏さん。出来れば二度とお会いしたくありませんでしたけどね.......」

 

 あいも変わらず目にハイライトが無い、その親友の(五反田 蘭)だった。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「そう言えばなんだけど~、あんまりおりむ~達がいる時は出てこないでね~?」

 

「それは、本音の裏の顔が」

 

「う~ん? 裏の顔って何かなぁ~?」

 

「ひっ..........す、すいません、失言でしたっ!」

 

「私に~裏の顔なんて無いよね~?」

 

「は、はい。本音様は裏表の無い素敵な人です!!!」

 

「様付けたね~?付けちゃったね~?それ私のクラスメイトと被っちゃうんだよね~」

 

「ひぅ.....!?」

 

 

 

「お仕置きだべ~.........」

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

 




言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。  

感想をくれた方ありがとうございます!

いやぁー、天音の歌は全カットされると思ってたんですがねー。あの再現度は完璧でした。グリカジアニメスタッフマジ感謝。お湿りなう。今日の4話も楽しみ。



えーと......投稿遅れて、さーせんした......
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