織斑一夏と愉快な家族達 作:探さないで!
あやうく6000字行きかけた........
なんだか今回は無駄に長くなってしまったかもしれません。ご了承願います。
「そんな死人を見るような顔をしなくてもいいじゃないか。私は元気だぞ」
そう言うと彼女は、ドヤ顔しながら大きく胸を張った。その際、胸の巨乳が大きく揺れる。
......スク水の上から白衣と言う個性的な服装は、まず間違いなく『
でも、何故だ。母さんの話から推測するに、コイツも死んだはずじゃ......
「オータムからは組織の事を何か聞いていないのかい?」
「.......全滅だって聞いたぜ」
どうにかこうにか言葉を絞り出す。いやだって、ホントに死んだと思ってたし。ビビるでしょ、普通。
俺の言葉を聞いて、彼女はしばらく考える素振りを見せた。
「うーん......まぁ、サラッと逃げてきたよ。それにこんな可愛い弟分を残して、死ぬ訳ないだろう?」
「ぐぇっ......!!?」
そしていきなりの衝撃。
決して油断していた訳では無かったが、気付けば思いっきり抱き着かれていた。
「うん、しばらく見ないうちに随分と大きくなったね。すっかり男らしくなっちゃって......」
「苦しい、苦しい.......!!」
おっぱいが当たってる、とか突っ込む余裕もない。このままじゃ落ちる.....!!
「ほーれほーれ、ちょっと会わない間に随分鈍ったんじゃないかい?」
「ざ、ざっつらいと.......」
ア、アカン。もうダメ......
「兄様、どうかしまし...た......」
「エムも久しぶりだね。君の方は......予想通り変化ないね。ま、仕方ないか」
最後に聞こえてきたのは、マドカとの会話だった。
予想通り、ってどういう事だろう。
........
............。
ーーーーーーー
「......ッ!?」
目が覚めると、俺は無意識の内に『ヴォーダン・オージェ』を起動した。
まずは周囲の状況を確認するため、右目の
人間は四人、体温と体型から男一人と女三人だ。全員武器は所持していない。俺一人でも制圧は可能なはずだ。
よし、まずは男の方から無効化だ。なんで俺の横に寝そべってるのか知らんが、油断しきっている。馬鹿め。
とりあえず息の根を止め......ようとした所で、俺は動きを止めた。
久しぶりに気絶なんてしたから、『
「一夏、俺は嬉しいぞ!! 目が覚めた途端イキナリ抱きついてくるなんごぐほっぉ.....!!!?」
「黙れクソホモ」
ちょうど蘭から見えないようコイツに腹パンをかますと、俺はソファから体を起こした。
.......はぁ。いくら平和ボケしてても、体に染み付いた動作は中々抜けないらしい。
今のは一時期母さんと父さんに、徹底的に叩き込まれた動きの一つだ。
もう四、五年前になるか。亡国機業に入った当初は、俺はただの小学生だったため、必然的に訓練漬けの毎日だった。
何度となく死を覚悟した日々だったが、その度に母さんやマドカが励ましてくれた。だから頑張れた。
実際、任務を任されるようになったばかりの時は捕まってばかりだった。んで、先ほどの技を使っては、プリズンブレイクの連続。
どうにかこうにか家族の元に帰ると、泣きながら父さんが俺に抱きつき、母さんはそっぽを向きながら俺の頭をなでなで。
マドカはマドカで、俺をとっ捕まえた組織に復讐すべくフル武装で準備運動をしていた。
そんな事が何度か繰り返されれば、知らぬ間に体に染み付いてしまったのだ。
あの頃は結構何度も死にかけたりしてたなぁ。懐かしい。
毎回毎回父さんが泣いてしまうため、いつも慰めるのに苦労したもんだ。
..........。
俺は立ち上がり、リビング全体を見回して一人足りないのに気付く。
「鈴、マドカは?」
「なんかお客さんと二階で話し込んでる。多分、大事な話っぽい」
お客さん.........?
ああ、あの人か。そういえばあの人に気絶させられたんだ。
うーん、何の話してんだろ。気絶させられたって事は、多分俺が聞いちゃイケナイ話なんだろう。気になるな。
「...マスター、お怪我はありませんか?」
「おう」
「申し訳ありません、私がついていながらみすみすマスターにっ.........!!!」
ラウちゃん的には、これは護衛失敗に入るらしい。身内だし、別にいいと思うんだが。
つーか、それ以前にラウちゃんじゃ......
「諦めなさいラウラ。アンタじゃあの人には勝てないわよ」
「......どういう意味ですか、鈴?」
「そのまんまの意味。多分千冬さんと同等レベルよ?」
「そ、そこまでですか.....?」
二人とも俺に顔を向けてきたので、適当に頷いておく。事実、強い。
「
「過大評価だよ。私はブリュンヒルデほど強くはないさ」
タイミング良くご登場。
どうやら話は終わったらしい。何とも言えない表情で、彼女はリビングに入ってきた。
......あれ、でもマドカが出てこないのはなんでだ。
「ああ、エムは少し一人にしてあげてくれ」
俺の表情から何かを読み取ったらしい。先手を打って答えてくれる。
「なんかあったのか?」
「女の子にはイロイロあるのさ......そんな事よりワン、久しぶりのお姉ちゃんだぞ。ハグしようじゃないか!!」
今さっき意識を奪われたばっかりなのに、またやる馬鹿がどこにいる。
と、睨みつけてみる。
「そっちがこないなら、こっちから行くしかないねっ!!」
が、俺のささやかな抵抗は、一切合切無かった事に.....
今度はしっかり俺の対応出来るスピードで飛び付いてきた嬉々として迫るその顔面を、俺は仕方なく笑顔で受け入れる――――――訳もなく、ガッチリとキャッチして、地面に叩きつけた。
「ぶぇッ......!?」
「ふぅ......」
ピクピクと痙攣するそれの前に仁王立ちしながら、ひと仕事終えたとばかりにわざとらしく額を拭う俺。
実際は背中に向けられている『ソイツだれやねん、ええ加減説明せいや』という四つの視線に、『さてどう説明しようか』と考える時間を稼いでるのだが、はてさて......
「別に隠す必要は無いんじゃないかい? 今や亡国機業も形無しだ、古典的な『
地面に顔を貼り付けた状態で、そんな言葉が飛んでくる。
体制はどうしようもなくだらしなかったが、その言葉には説得力があった。てか、普通に考えればそうだわ。
俺は大人しく皆に紹介する事にした。
ーーーーーーー
「改めて紹介するとだな、この人は篝火ヒカルノ。亡国機業時代に勉強見てもらったりしてた。......まぁ、色々とお世話になった恩人だよ」
「待ちたまえワン、何を言い淀んだんだい?」
「聞きたいか?」
「......いや、結構だ。続けてくれ」
俺の言葉の裏に何があるか気づいたらしい。賢明だ。この人の黒歴史なら、ごまんと知ってるからな。
「とは言っても、紹介は殆ど終わったし......質問あるひとー?」
テーブルをグルリと見回すと、手を挙げたのは鈴とラウちゃん、弾の三人だった。
ふむ、んじゃま弾からいくか。
「それじゃあ弾」
「一夏、巨乳が好きなら豊胸手術してくるぞ?」
「いってらっしゃい。ちなみに俺はEカップくらいが好きだ」
「うし、行ってくる!!!」
弾はそう言うと、立ち上がって走り去っていった。
冗談のつもりだったが、まさか本当におっぱい作ってくるわけじゃないだろうな?
「お、お兄、待ってください!!」
慌てて蘭が追いかける。騒がしい兄妹だぜ。
......明日ホントに巨乳になってたらどうしよう。凄いどうしよう。スゴイ不安だ。
「随分と愉快な友人を持っているんだね?」
「ほっとけ......じゃ、次ラウちゃん」
俺がそう言うと、ラウちゃんは鼻息を荒くして詰め寄ってきた。
「そ、それよりマスター! 今の言葉は本当ですか!!?」
「Eカップは嘘だよ。俺が好きなのはラウちゃん」
「はぅ......」
相変わらず好きに弱いラウちゃんであった。可愛い。
「マスターが...私を......」
あれ。ラウちゃんがトリップしちまった。好きなんて今までに何千回と言って来た筈なんだが。
......よし、回復するまで待つか。
「となると......」
鈴がラストな訳だが、これには実は理由があったりする。
何と言うか、先程から鈴はヒカルノに対して露骨に警戒心を見せていた。いや、敵対心的なのも混じってたな。
だから、『好きなのは食べ物はなんですか』とか、そんな感じのソフトな質問じゃないのは容易に想像できた。
......鈴が初対面の人にこうなるのは珍しいんだけどな。
「マドカに何をしたんですか」
そんな鈴の質問はこうだった。
何かしたんですか?とは聞かない。この人が何かしたのは、鈴の中では確定済みらしい。
もちろん俺もそれは気になっているが、彼女が隠すんなら俺は知らなくて良いって事なんだろう。
もっとも、俺は昔お世話になったからこその信頼感で完全に信じているが、初対面の鈴からしたら『急に夫を気絶させた挙句、親友を引きこもりにした人』だ。そうやすやすと信用は出来ないだろう。
......うん、自分で言ってて信用出来なくなってきた。マドカに何したんだコイツ。
「何も。ただガールズトークに花を咲かせていただけさ」
「では何故部屋に引きこもったままなんですか?」
「久しぶりに私の姿を見て、一人になった途端思わず涙を......」
よよよ、と泣き真似をするヒカルノ。
そんなヒカルノの人を小馬鹿にした様な態度に、鈴は軽く眉間にシワを寄せる。
「......質問を変えます。そもそも何をしに来たんですか?」
「何って、......ああ、忘れてた!!」
ヒカルノは急に声量を上げると、白衣のポケットをゴソゴソとあさり始めた。
「ほらワン、左手を出してご覧?」
「何?改造されんの?」
「違う違う、プレゼントだ。君への誕生日プレゼント。今風に言うと誕プレ、って奴だろうか?......まぁ、ともかく受け取ってくれ」
そう言えばそんな事を最初に言っていたな。本当に持ってきているとは思っていなかったが。
俺は言われた通りに左腕を差し出す。
するとヒカルノはその左腕の手首に何かを巻き付けてきた。
これは―――
「腕時計?」
「イズザクトリィ」
中々にシャレた腕時計だった。そしてこれは多分手作りだろう。この人はこーゆーの作るの得意だったからな。
うん、いいな。これ。黒主体のカラーに、赤いラインがシュッと入ってるのがいかにも中二だ。カッコイイ。
「ありがとう、ヒカ姉」
「ぐふっ!?...不意打ちはやめたまえ!その呼び名は私が悶え死んでしまうではないか!!!君は私が弟属性に弱いのを知っていてっ.....!!!!」
椅子から転がり落ち、ドッタンバッタンとそこらをのたうち回るヒカルノ改めヒカ姉。大分エンジンかかってきたな。本来ヒカ姉は常時このテンションだ。これが普通。
チラリと横目で鈴を確認すれば、顔にはありありと困惑が浮かんでいた。恐らく今頃は『コイツはもしかして一夏達と同じく「
その通りだから困る。マジで。
「......はぁ」
やがて、鈴はふっと肩の力を抜いた。どうやら分かってくれたらしい。さすが俺の嫁。
それを見たヒカ姉は、ダイナミック全身床掃除をピタリと止め、顔だけを鈴に向け、
「実際、私とエムが話した事は彼女の存在の根底に大きく関わる事柄だ。知りたくば本人に許可を取り、なおかつ本人から聞きたまえ」
鈴はコクンと頷いた。
ーーーーーーー
「所でそこの銀髪美少女ちゃん。さっきは何を聞きたかったんだい?」
「いえ、単純に立ち位置は何なのかと聞きたかっただけです」
「立ち位置?」
「ええ、マドカは妹。オータム様は母上。スコール様は父上と、家族の立ち位置が決まっているでしょう?」
「ああ、そう言う事か。そうだね、私は所謂......『近所に住んでるエッチなお姉さん』だったよ」
「なんとっ!?」
「年上の色香で、ワンを惑わす役だったんだ。彼はツルペタも好きだが、ビッグも大好きなんだよ」
「なんと......」
「まぁ、そう落ち込まないでくれ。君だってこれから私が言う事をしっかりこなせば、ワンもメロメロになってくれるだろう」
「誠ですか!? 是非ともご教授下さいっ!!!」
「よし、ついて来い!!!!」
「......よーするに、私がバカだった訳ね」
「いやでも、鈴の中には貴重な常識人属性が残っていたと分かったじゃないか」
「それ褒めてる...?」
「ああ、褒めてる」
「ありがと、一夏.........ところで、あの人の本当の立ち位置は何なの?」
「姉だ。お姉ちゃんだ。勉強教えてくれるエッチなお姉ちゃんだ」
「近所に住んでる以外は概ね合ってるのね...........もしかして他にお兄ちゃんとか居ないわよね?」
「.........」
「......え、なにその無言」
言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。
感想をくれた方ありがとうございます!
もう12月ですね。クリスマスですね、年越しですね。
愉快な家族達もクリスマス回とか出来たらいいですね。全然ネタが浮かびませんけど....orz
それともうすぐ冬休みなので、更新速度も多少は上がると思います。少なくとも、週一は頑張ります。