織斑一夏と愉快な家族達 作:探さないで!
........代わりと言ってはなんですが、息抜きに書いていたモノを投稿します。楽しんでいただければ幸いです。
「マドカ姉、もういいから......」
「ダメです。アナタは目を離すとすぐにラッキースケベで女の子ゲットしちゃうんですから」
「ラッキースケベって......」
「ともかく、私から離れる事は許しません」
そう言うと彼女は、その小さい手で俺の手をさらに強く握って、歩くペースを上げた。
相変わらず独占欲の強い人だ。この分だと、この学校でも友好関係で苦労しているのではないだろうか。
いやまぁ、そんな所が可愛いんだけど。
「どうかしましたか?」
「い、いえ、なんでもないです!」
そんな俺達を、廊下の隅で、あるいは教室から顔を出して、多くの女生徒達が物珍しそうに見詰めていた。
その中に男子の姿は無い。
当然だろう、だってここは事実上―――
女子高なのだから。
ーーーーーーー
「それで、ここを隠れ蓑にしようって事なのかしら?」
「ええ、そうです。何か不都合でも?」
「不都合って......まぁいいわ。よろしくね、織斑一夏くん?」
「あ、はい、よろしくおねがいします......えっと?」
「生徒会長の、更識楯無よ。これでも一応、学園最強なんだからね?」
「はぁ、分かりました......?」
マドカ姉に連れられて、俺は生徒会室に来ていた。
そして目の前には、綺麗な青髪が特徴的な生徒会長さんがイスに座っていた。どうやら、マドカ姉の知り合いみたいだ。
簡素な室内にも関わらず、この人が居るだけで何故か華々しく感じる。これがオーラって奴か。
「なーに、お姉さんの事そんなに見つめちゃって? 頑張って凝視しても、下着は見えないわよ?」
「別に興味無いですよ!?」
「本当かなぁ? 随分熱心に私の胸を見ていた気がするんだけど?」
「な、違っ......!!?」
慌てて否定しようとした所で、マドカ姉がクイッと俺の手を引く。
「落ち着いてください一夏。あの女は、あの無駄に大きい脂肪の塊でアナタを遊んでるだけです」
落ち着け、と俺を諭すマドカ姉。
そんな俺達を見て、更識さんは、
「......一夏くんだって、いい加減そんなロリロリのつるぺったんなお姉さんは飽きてきたんじゃない? ここらで乗り換え時かもよ♪」
突然立ち上がると俺の傍まで来て、何故かマドカ姉と反対側の腕を抱いた。
そうするとマドカ姉が言ってた『無駄に大きい脂肪』がむにゅむにゅと当たってくるわけで......
「あ、赤くなった。可愛い♪」
「か、勘弁してくださいっ......!」
一方マドカ姉の方も、
「一夏、顔を赤くするならお姉ちゃんの胸で赤くするべきです」
胸元に俺の手を突っ込もうとしていた。
急いで手を振りほどこうとするが、万力じみたパワーで一向に俺の手を離してくれない。
「マドカ姉、それ姉弟でやっちゃイケないやつ!!?」
「これはスキンシップです。なんら問題はありません」
「問題大アリなんですがそれはっ!?」
「大丈夫です、問題ない」
「あら、なら私もヤっちゃおう♪」
「さ、更識さんまで!? てかなんで服脱ごうとしてるんですか!!!?」
「一夏くん、私の今日の下着の色は、なんと黒よ!」
「一夏、私はナニもつけてませんから安心していいですよ?」
「だぁぁぁぁぁぁもう、二人共少し落ち着いてくれぇぇぇぇ!!!!?」
渾身の力でバックステップし、部屋の端っこまで退避する。同時に俺は、両手で自分の視界を隠した。
危なかった。あのままでは理性がもたなかっただろう......!!
「あら、逃げられちゃった」
「一夏は私みたいに無駄の無い体が好きなんです。アナタのようにブヨブヨでは、弟も目を背けざるを得ません」
「男の子は皆おっぱいが大好きなんですー」
更識さんはぶーたれながら言葉を返すと、先ほど座っていたイスに座った。
マドカ姉もそれを見るとゆっくりとそばのソファに腰掛ける。
......どうやら俺は遊ばれていたようだ。
全く、うら若き少女達があんな事をするなんて、少々男子高校生を舐めすぎじゃなかろうか。
「ほら、何をしているんですか。早くこっちに来なさい」
マドカ姉がポンポンと自分の隣のソファのスペースを叩いていた。
コッチに来い、という事らしい。
......まぁいつもなら素直に従うところだが、あいにくと今回は生徒会長様が満面の笑みを浮かべてるのでやめておこう。つーか、凄いムカつく。
俺はマドカ姉と少し間を開けてソファに腰掛けた。
「......一夏、私の隣に来なさい? あの女なら気にしなくて結構です」
「......ア、ハイ」
更識さんがこのやり取りを眺めて更にニヤニヤを深める中、俺は渋々ながらそこに座り直した。
......悔しい。でも感じちゃう。ビクンビク(ry
「でもマドカ、本当にそれが続けられると思っているの? ここに一夏くんを連れてきたのだって、女の子達から隠すためなんでしょう?」
「ええ、そうです。それに、私は一夏がここを卒業するまでの三年間、絶対に守りきってみせます」
「三年間って......ここをどこだと思っているの。天下のIS学園よ?」
思わず首肯しそうになった。
それはそうであろう。俺を女の子から守る云々は置いておいても、今まで女子率百パーセントだった所に男子が入って来たのだ。日の目を浴びさせないようになんて、不可能だろう。
「弟への愛に不可能なんてありません」
更識さんは深くため息を吐いた。
「......仮に貴方が卒業するまでの二年間はそうだとして、残りの一年はどうするの?」
「勿論、留年です」
「それはダメよ」
「それはダメだマドカ姉」
異口同音。更識さんと俺は、見事に声がハモった。
当たり前だろう。俺のためにそこまでさせるもんか。そんなことしたらマドカ姉の経歴に傷がつくだろう。
「......」
総ツッコミを受けた当の本人は、随分と不服そうである。膨れっ面とでも言うべきか、頬を膨らませていた。
......多分、ツッコまれた事よりも、二人で息揃ってて仲良さそうでムカつく、とか考えてるんだろう。
「「はぁ......」」
二人でため息をついた。そして目を合わせて同時に苦笑する。
あちらさんもある程度の常識はあったみたいだ。なら最初のは何だったのかと言いたいところだが、恐らく俺が
「失礼するぞ......やはりここにいたか」
そんな折、部屋の入り口からガチャリと音がした。
扉の方を見ればレディーススーツをピチッと着こなした、ハンサムナイスガイ......じゃなくて、カッコイイお姉さんがいた。
「一夏、今はホームルームの時間だ。教室に戻れ」
「......あれ、千冬姉じゃん」
その人は、俺のもう一人の姉の織斑千冬さんでした。
ーーーーーーー
「千冬姉、先生だったのか。知らなかった」
「お前が聞いてこなかったから言わなかっただけだ」
「た、確かに......」
「......さて、着いたぞ。一年一組、ここがお前のクラスだ」
「......なぁ千冬姉。担任の先生どんな人? クラスの奴ら全員女な訳だし、ある程度男子高校生に理解ある人がいいんだけど」
「安心しろ、私だ」
「......パードゥン?」
「私だ」
「......え、待って。家族って普通、担任とかから外されたりするんじゃないの? おかしくない? 俺達普通に家族じゃん? それってマズ」
「それ以上言うなッ」
「......ア、ハイ」
「よし、ではいくぞ?」
「ア、ハイ」
ーーーーーーー
「ふー......」
......何とか乗り切った。マジ本当に女子率高すぎて、自己紹介とか難易度ルナティック。
もうちょっとでも俺のコミュニケーション能力が無かったら、ストレスで死んでたわ。確実に。
......あ、ていうかクラスの人達の自己紹介聞いてなかった。ヤバイ、名前分かんないとか辛いぞ。
別に全員覚えなくてもいいだろうけど、四~五人は知り合いが欲しい。
よし、今からでも聞くか。
「それでは、これよりこのクラスのクラス代表を決めてもらう」
「なん...だと......?」
その千冬姉の声で、既に全員自己紹介を終えていたことに俺は気が付いた。
......まぁ、その内友達出来るだろ。気楽に行くか。
そう思った俺は、机の上に突っ伏して、睡眠を開始した。
クラス代表ってのはつまり、委員長的なあれだろ。そういうのはメガネかけてる人って、相場が決まってんだよ。俺には関係ないね。
......
............
..................
やがて授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、俺はその音で目を覚ます。
「では明日の放課後、Bアリーナにて織斑対オルコットのクラス代表を掛けた試合を行う。二人共、準備が出来しだいBアリーナに集合しろ」
......ぇ?
ーーーーーーー
そんな訳で今俺は、
「準備はよろしくて、織斑一夏?」
「い、いや、よろしくないです......?」
ISに搭乗して、金髪の女の子と対峙していた。
......詰んだかな、これ。
『それではこれより、織斑一夏とセシリアオルコットの模擬戦を開始します』
機械的な声のアナウンスが、アリーナ内に響きわたる。
目の前の金髪―――オルコットさんはそれを聞き、二メートル近くあるであろう銃を
その姿からは迷いなど微塵も感じさせず、いかにも『手慣れている』。
対してこちらは、かじった程度の剣道の構えを思い出し、近接用ブレードの切っ先を相手に向ていた。
......実際、この時点で俺は半ば勝ちを諦めている。
聞けば相手は代表候補生らしい。
簡単に言えば、
「はぁ......」
こっちはこれでIS乗ったの二回目だっての。勝てる訳ねぇ。
しかも更に武器はブレードだけとか、これなんて無理ゲー。
「かかって来ないのですか?」
「......ああ、うん。......一夏、いっきまーす」
やる気なさげに返事をすると、俺はノロノロと浮き上がり、オルコットさんに斬りかかった。
「......舐めてますのね」
オルコットさんはこめかみをピクピクさせると、スコープに顔を近づけた。
うーむ、回避できるだろうか。見てから昇竜余裕でしたなんてのは、ゲームの中だけじゃないと信じたい。
てゆーか、見るからに遠距離型だし、近づけばワンチャンあるんじゃないか。
ここにきて俺は、何故か勝負する気に成っていた。
いや、勝敗云々じゃなくてね。最初から棒立ちで殴られっぱなしってのは、しょうに合わない。
それに、そんな事をしたら姉二人には勿論のこと、俺の大事な『母さん』にまで怒られちまう。それは避けないと。
おし、やるぞ!!
「その余裕、すぐに消しさってあげますわ!!」
まだ頭の中でどう戦おう?と考えを練っている中、オルコットさんの狙撃銃の先端が煌めいた―――
次の瞬間俺の目に映つったのは、エネルギー弾を『素手で握り潰し』、『ISに搭乗しているオルコットさん』を殴り飛ばす、マドカ姉の姿だった。
「私の弟に手を出そうとは、いい度胸ですね。今日がアナタの命日だと思いなさい」
ドラ○ンボールの様に、青いISが吹っ飛ぶ。
そのままオルコットさんはアリーナの壁に突っ込み、沈黙した。
『―――勝者、織斑一夏』
......ぇ?
言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。
感想をくれた方ありがとうございます!
ホントは新作にしようかなとか思ってたけど、続きが思い浮かばなくて没になった奴。
って、どうでもいいですよね......はい、ごめんなさい。
本編できるまでもうちょっとお待ちください!!