織斑一夏と愉快な家族達   作:探さないで!

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生徒会長のお部屋

「最近簪ちゃんに、シスコン番長が付き纏ってるらしいの」

「......ああ、彼ですか」

「それでね、こうガツンと言ってやろうと思ってつけてたの」

「仕事してくださいよ」

「そしたらね、食堂でね。彼、何したと思う?」

「まさか無理やりキスでも迫ったんですか?」

「こーーーーーんなちっちゃい娘にね、『愛人にしてください!』なんて言わせてたのよ?」

「.........えっ?」

「まぁ、彼が変態かどうかはこの際置いといて」

「......」

「安心できたわー」

「えっ?」

「だってそういう趣味って事でしょ?シスコン番長。簪ちゃんなら、ギリギリ射程外でしょ」

「.....それ、問題解決してないn」

「さ!お仕事よん!」

「......」


第8話

「ん?悪い鈴、もう一回言ってくれ。真っ昼間から聞こえちゃいけない言葉が聞こえた」

 

「こんのぉ............だから、愛人にしてよ!」

 

 お前っ!あんまり大きい声だすなよ!ココ食堂だぞ!?

 

 周りを見ると、箒も、セシリアちゃんも、簪ちゃんも、そして通りすがりの人達も。皆アングリと口を開けて、動きを止めている。

 唯一マドカだけが、ドヤ顔だ。今回ばかりは可愛いとか言ってられない。この状況下で妹に現実逃避してる余裕はない。やっぱ可愛い。

 これ、今の内に鈴を連れて何処かに隠れるべきか?ここで昼ドラやるよりマシだよな?よし、そうしよう。三十六計逃げるが勝ちだ。

 

「とりあえずこっち来い!」

 

 鈴の手を握って、取り敢えずこの場から退避。俺は悪くない。それでも俺は悪くない。うん。

 

 ん?保健室か?ちょうどいい。誰もいませんよーに!

 俺はガラガラと扉を開けると、直ぐ様中に飛び込む。お、誰もいない!

 

「ふぅ.....」

 

 これで一息つける。

 いやはや、どうした物か。完璧にドッキリレベルなんだが。今ならドッキリリアクション王の気持ちが判るぞ。だからどうしたんだ俺。やべ、混乱してるな。

 

「アー.....鈴?」

 

「何?返事決まった?なら聞かせてくれると嬉しいな」

 

 ..............こいつこんなキャラだったか?一年前はもっとベシベシ殴ってきた気がする。それに『愛人にして下さい』っておかしくないか?おかしいよね?いや、誰に聞かなくても分かる。おかしいよね。

 でもこれ本人はマジメだよな?さりげなくついて来ていたマドカにアイコンタクトで確認する。マドカも片棒担いでそうだしな。

 

 

 これマジ?

 

 マジです

 

 

 うお。マジなのか。マジメに愛人志望なのか。いやそこは恋人じゃないのか?普通の人ならそう考える筈だ。普通の人なら。そうだよな?俺おかしくないよな?あれ、ならコイツ頭おかしいのか。

 イカン、思考がループしてきた。これじゃ埒があかないな。

 

「質問いいか?」

 

「何?」

 

 ファーストクエスチョン。

 

「お前中二の時、両親のイザコザで中国いったよな?なんでここに?」

 

「どーしてもアンタの事が心残りだったからね。パパッと代表候補生になって帰ってきた」

 

 うん?代表候補生ってそんなに楽になれるもんなの?知らなかったよ。

 あ、でもセシリアちゃんも結構コミュ症だし、審査緩いのかな?俺も応募してみよっかな。て、違う違う。そんなジャニーズみたいなノリじゃ無いだろ?

 

 セカンドクエスチョン。

 

「さっきの動きは?普通じゃ無かったぞ、あれ。どこであんなの覚えた?」

 

 俺だって、眼帯取ってなければ厳しいぞ。あれ。

 マドカもそれは気になるご様子。ちょびっと体を寄せてきた。よせやい、照れるじゃねえか。.....なんで鈴の話聞くのに、俺にくっついてきた?まぁいいや、マドカのプリティちっぱいの感触を楽しもう。たまらん。

 

「一夏、あんたを守るためよ」

 

「ん?俺?」

 

 俺を守る?鈴のイメージでは俺はヘタレキャラなのか?『すずえもーん!またジャイアンツ箒にイジメられたー!!』『仕方が無いなぁ、一夏くん「人体溶解光線銃ー」』。なーるーほーどー。そんな訳あるか。

 

 長くなるわよ、と前置きする鈴。

 

「お、おう。バッチこい」

 

「まだ昼休みの時間はあります。どうぞ」

 

 鈴はマドカの言葉に頷くと、話始めた。

 

「アンタ小六の時、誘拐されたでしょ?千冬さんから聞いた。そん時私、すっっっっっっごい悔しかったの。

あー、私もついて行けばよかったなぁ。そしたら、例え誘拐されても二人だし、寂しくならないかなぁ。ってね。私、自殺も考えたんだからね?」

 

 そ、そこまでか。小学生の時はやけに絡んでくる女だなぁ、っていう認識だったけど。結構依存されてたのか?

 

「だからアンタが帰って来た時、本当に嬉しかった。でも、アンタは片目を失ってた」

 

 お?

 

「鈴?俺別に失明した訳じゃないからな?」

 

 見えますからね?

 

「そういう事を言いたいんじゃないの。とにかく、元の体じゃなくなったって事が重要。マドカから聞いたわ、守って貰ってたんでしょ?それで気付いたわ。マドカだったから、片目で済んだのかな?私だったら、一夏そのものを失ってたのかな?

そう考えると、月並みだけど夜も寝れなかった。まぁでも、無事帰ってきたから、思い切って告白しようとしたの」

 

「待て待て、お前その時から俺の事を?」

 

 リアリィ?展開早くね?

 

「うん。ただ....なんて言うか、帰ってきたばかりの一夏は.........ええと、説明出来ないけど怖かった。だから、彼女とか出来たら直るかなー、とか思ったりなんかして.....えへへ」

 

 .........色々ヤらされたからな。普通の中学生になるには苦労した。あとタイミング逃したけど、別にこの目は怪我したから改造した訳じゃないからね?

 てか、えへへ、じゃねぇよ。あーもう、可愛いなぁ!!!!

 

「続けるわよ?告白しようとしたの。でもマドカに止められた。『アナタは兄様を愛し続けられますか?これから先、兄様はもっと危険な事に巻き込まれるかも知れません。組織を抜けたからって、世界の闇からは抜け出せないんです。兄様はお荷物まで守り切れませんよ?お優しい兄様の事ですから、全力で守ると思いますが、あなたが居るせいで兄様が傷付くかも知れないんですよ?』なんて言われた」

 

 ん?マドカの俺防衛システムか?てか、全部覚えてんのか?よっぽどそん時のマドカが......

 

「あ、別に一字一句覚えてるからって、恨んでるって事じゃないの。ただ、結構心を抉られたわ。限界突破の五桁ダメージ喰らったわ」

 

 一旦言葉を切る鈴。なんだ、別に恨んでる訳じゃ無いのか。良かった。例え鈴でも、俺の家族に手を出したら始末(・・・)しなきゃ。

 

「あ、私じゃ一夏の隣には居られ無いんだ。そりゃそうよね。この子は一夏の事をずっと守ってきたんだもの。この子なら一緒に戦って行ける。お似合いね。そう思って引き下がろうとしたわ。でもマドカはこう続けたわ。『『何もしない位なら、間違っていたとしても行動を起こした方がマシだ』母様の言葉です。頑張って下さい』強くなれって言う解釈で良かったのか分からないわ、そのまま告白しろって意味だったのかも。でもその時は一夏を守れるくらい強くなる。それしか頭に無かった」

 

 マドカにまたもやアイコンタクト。

 

 

 そんな事いったの?

 

 あんまり覚えてません

 

 え、覚えて無いってありなの?酷くない?

 

 すいません。なにぶん、あの時は兄様を狙う敵が多かった物で。でも鈴さんとは仲良くしていきたかったので、何かしら言っていたかも知れません

 

 

 

 なーるーほーどー。交信終了。

 鈴に続きを促す。

 

「だから私はチャイニーズマフィアに入ったわ」

 

 うんうん。途中まで感動的な感じだったのにね。最後に小ネタ挟んじゃったね、鈴ちゃん。ダメでしょー?

 

「鈴、中国のカンフーの道場とかで特訓してたんだろ?」

 

 チャイニーズマフィアて。現実味無さすぎだろ。あれ?それ俺が言って良いのか?

 

「冗談だと思うのは勝手だけど、アンタの話に出て来た『亡国機業(ファントム・タスク)』だっけ?そっち悪の組織の方が現実味無いわよ?」

 

 ごもっとも。いやでもマフィアって....

 

「もしかして、そのスーツ姿もか?」

 

「そうね。さっきは驚かすため、とか言ったけど、ここ最近常に着てるから制服とか落ち着かなくて。ともかく、私は一年間マフィアで働いてた。さっきの動きなんかも、そこで培った物よ。あと、なんでか知らないけどえらくリーダーに気に入られてね、今ではカポを任されるまでになったわ」

 

 俺の親友の女の子がマフィアのファミリーの幹部な件。

 コイツもなんだかんだで、ヤバめの人生送ってるなぁ。なぁんて他人事じゃいられないな。

 

「すまん」

 

「へ?何が?」

 

「だってお前....俺と出会わなきゃもっとマトモな人生を」

 

「そうかもしれないけど、今は一夏の事しか考えれないわ。それにアンタと出会えない方がよっぽど恐ろしいし」

 

 む、照れるな。こんなに俺の事想ってくれてたのか。なら何故愛人。結局そこに行き着くな。何故なんだ。もしかして世間一般では、好きな人の愛人になりたいって普通なの?俺がおかしい?不安になってきた。

 

 サードクエスチョン。

 

「で、なんで愛人?」

 

「だって、正妻はマドカでしょ?私もマドカには色んな意味で勝てないし、一夏が私の事も愛してくれるならゴタゴタ言わないわ。あ、妹がどうたらとか今更だからね?」

 

 先読みされた。

 

「兄様、ちゃんとしたお返事を....」

 

 分かってる。分かってるよ。分かってるよぉ...............

 

 

 

 ぐぬぬ.....

 

 

 何が正解なんだ?どう選択すればいい?あー、母さんに相談してぇ。助けて。って怒られるか、こんな事聞いたら.....

 

 

 

 

 

 ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉ........

 

 

「あ、無理しないで?な、なんなら傍に置いておいてくれるだけでも」

 

「兄様.....」

 

「..............」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それはねぇよ。絶対ねぇ。傍に置いとくだけだと?バカも休み休み言え。それはクズすぎね?それはノーセンキューだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、決めた!鈴!!お前も俺のお嫁さんになれ!マドカと二人で!!異論は認めん!!!」

 

 俺の為にマフィアにまで入った女の子だぞ?ここで見捨てるなんて論外だ。いやそういうモンか?そういうので恋愛っていいのか?違くね?でも、なんとなく鈴に惹かれている自分が居る気がする。なんか前まで暴力的だったのに、今は....こう、献身的?みたいな?落ち着く?的な?

 分かんね。上手く纏まらない。なんだろこの気持ち。よく分かんないぞ。気持ち悪っ!モヤモヤする!でもなんか鈴には笑ってて欲しい!!なんだこれ!

 

「ほ...ほんとにぃ?う、嘘じゃない?」

 

「な、泣くなよ。笑ってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うん..............えへへ!」

 

 

 

 

 アカン。眩し過ぎる。




言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。  

感想をくれた方ありがとうございます!

IS8巻読みました。誰かハーメルンで各ヒロインの妄想ルート書いてくれませんかね?
あれ、作者からの贈り物ですよ。素材は作った、あとはお前らに任せる。みたいな。



あと、これからキャラの行動に矛盾?とかあったらご指摘いただけるとありがたいです。どうも今回のようなヒューマンドラマ?(て言っていいんでしょうか?)みたいの苦手で.....



メインヒロインは一夏。異論は認める。
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