織斑一夏と愉快な家族達 作:探さないで!
「最近簪ちゃんに、シスコン番長が付き纏ってるらしいの」
「......ああ、彼ですか」
「それでね、こうガツンと言ってやろうと思ってつけてたの」
「仕事してくださいよ」
「そしたらね、食堂でね。彼、何したと思う?」
「まさか無理やりキスでも迫ったんですか?」
「こーーーーーんなちっちゃい娘にね、『愛人にしてください!』なんて言わせてたのよ?」
「.........えっ?」
「まぁ、彼が変態かどうかはこの際置いといて」
「......」
「安心できたわー」
「えっ?」
「だってそういう趣味って事でしょ?シスコン番長。簪ちゃんなら、ギリギリ射程外でしょ」
「.....それ、問題解決してないn」
「さ!お仕事よん!」
「......」
「ん?悪い鈴、もう一回言ってくれ。真っ昼間から聞こえちゃいけない言葉が聞こえた」
「こんのぉ............だから、愛人にしてよ!」
お前っ!あんまり大きい声だすなよ!ココ食堂だぞ!?
周りを見ると、箒も、セシリアちゃんも、簪ちゃんも、そして通りすがりの人達も。皆アングリと口を開けて、動きを止めている。
唯一マドカだけが、ドヤ顔だ。今回ばかりは可愛いとか言ってられない。この状況下で妹に現実逃避してる余裕はない。やっぱ可愛い。
これ、今の内に鈴を連れて何処かに隠れるべきか?ここで昼ドラやるよりマシだよな?よし、そうしよう。三十六計逃げるが勝ちだ。
「とりあえずこっち来い!」
鈴の手を握って、取り敢えずこの場から退避。俺は悪くない。それでも俺は悪くない。うん。
ん?保健室か?ちょうどいい。誰もいませんよーに!
俺はガラガラと扉を開けると、直ぐ様中に飛び込む。お、誰もいない!
「ふぅ.....」
これで一息つける。
いやはや、どうした物か。完璧にドッキリレベルなんだが。今ならドッキリリアクション王の気持ちが判るぞ。だからどうしたんだ俺。やべ、混乱してるな。
「アー.....鈴?」
「何?返事決まった?なら聞かせてくれると嬉しいな」
..............こいつこんなキャラだったか?一年前はもっとベシベシ殴ってきた気がする。それに『愛人にして下さい』っておかしくないか?おかしいよね?いや、誰に聞かなくても分かる。おかしいよね。
でもこれ本人はマジメだよな?さりげなくついて来ていたマドカにアイコンタクトで確認する。マドカも片棒担いでそうだしな。
これマジ?
マジです
うお。マジなのか。マジメに愛人志望なのか。いやそこは恋人じゃないのか?普通の人ならそう考える筈だ。普通の人なら。そうだよな?俺おかしくないよな?あれ、ならコイツ頭おかしいのか。
イカン、思考がループしてきた。これじゃ埒があかないな。
「質問いいか?」
「何?」
ファーストクエスチョン。
「お前中二の時、両親のイザコザで中国いったよな?なんでここに?」
「どーしてもアンタの事が心残りだったからね。パパッと代表候補生になって帰ってきた」
うん?代表候補生ってそんなに楽になれるもんなの?知らなかったよ。
あ、でもセシリアちゃんも結構コミュ症だし、審査緩いのかな?俺も応募してみよっかな。て、違う違う。そんなジャニーズみたいなノリじゃ無いだろ?
セカンドクエスチョン。
「さっきの動きは?普通じゃ無かったぞ、あれ。どこであんなの覚えた?」
俺だって、眼帯取ってなければ厳しいぞ。あれ。
マドカもそれは気になるご様子。ちょびっと体を寄せてきた。よせやい、照れるじゃねえか。.....なんで鈴の話聞くのに、俺にくっついてきた?まぁいいや、マドカのプリティちっぱいの感触を楽しもう。たまらん。
「一夏、あんたを守るためよ」
「ん?俺?」
俺を守る?鈴のイメージでは俺はヘタレキャラなのか?『すずえもーん!またジャイアンツ箒にイジメられたー!!』『仕方が無いなぁ、一夏くん「人体溶解光線銃ー」』。なーるーほーどー。そんな訳あるか。
長くなるわよ、と前置きする鈴。
「お、おう。バッチこい」
「まだ昼休みの時間はあります。どうぞ」
鈴はマドカの言葉に頷くと、話始めた。
「アンタ小六の時、誘拐されたでしょ?千冬さんから聞いた。そん時私、すっっっっっっごい悔しかったの。
あー、私もついて行けばよかったなぁ。そしたら、例え誘拐されても二人だし、寂しくならないかなぁ。ってね。私、自殺も考えたんだからね?」
そ、そこまでか。小学生の時はやけに絡んでくる女だなぁ、っていう認識だったけど。結構依存されてたのか?
「だからアンタが帰って来た時、本当に嬉しかった。でも、アンタは片目を失ってた」
お?
「鈴?俺別に失明した訳じゃないからな?」
見えますからね?
「そういう事を言いたいんじゃないの。とにかく、元の体じゃなくなったって事が重要。マドカから聞いたわ、守って貰ってたんでしょ?それで気付いたわ。マドカだったから、片目で済んだのかな?私だったら、一夏そのものを失ってたのかな?
そう考えると、月並みだけど夜も寝れなかった。まぁでも、無事帰ってきたから、思い切って告白しようとしたの」
「待て待て、お前その時から俺の事を?」
リアリィ?展開早くね?
「うん。ただ....なんて言うか、帰ってきたばかりの一夏は.........ええと、説明出来ないけど怖かった。だから、彼女とか出来たら直るかなー、とか思ったりなんかして.....えへへ」
.........色々ヤらされたからな。普通の中学生になるには苦労した。あとタイミング逃したけど、別にこの目は怪我したから改造した訳じゃないからね?
てか、えへへ、じゃねぇよ。あーもう、可愛いなぁ!!!!
「続けるわよ?告白しようとしたの。でもマドカに止められた。『アナタは兄様を愛し続けられますか?これから先、兄様はもっと危険な事に巻き込まれるかも知れません。組織を抜けたからって、世界の闇からは抜け出せないんです。兄様はお荷物まで守り切れませんよ?お優しい兄様の事ですから、全力で守ると思いますが、あなたが居るせいで兄様が傷付くかも知れないんですよ?』なんて言われた」
ん?マドカの俺防衛システムか?てか、全部覚えてんのか?よっぽどそん時のマドカが......
「あ、別に一字一句覚えてるからって、恨んでるって事じゃないの。ただ、結構心を抉られたわ。限界突破の五桁ダメージ喰らったわ」
一旦言葉を切る鈴。なんだ、別に恨んでる訳じゃ無いのか。良かった。例え鈴でも、俺の家族に手を出したら
「あ、私じゃ一夏の隣には居られ無いんだ。そりゃそうよね。この子は一夏の事をずっと守ってきたんだもの。この子なら一緒に戦って行ける。お似合いね。そう思って引き下がろうとしたわ。でもマドカはこう続けたわ。『『何もしない位なら、間違っていたとしても行動を起こした方がマシだ』母様の言葉です。頑張って下さい』強くなれって言う解釈で良かったのか分からないわ、そのまま告白しろって意味だったのかも。でもその時は一夏を守れるくらい強くなる。それしか頭に無かった」
マドカにまたもやアイコンタクト。
そんな事いったの?
あんまり覚えてません
え、覚えて無いってありなの?酷くない?
すいません。なにぶん、あの時は兄様を狙う敵が多かった物で。でも鈴さんとは仲良くしていきたかったので、何かしら言っていたかも知れません
なーるーほーどー。交信終了。
鈴に続きを促す。
「だから私はチャイニーズマフィアに入ったわ」
うんうん。途中まで感動的な感じだったのにね。最後に小ネタ挟んじゃったね、鈴ちゃん。ダメでしょー?
「鈴、中国のカンフーの道場とかで特訓してたんだろ?」
チャイニーズマフィアて。現実味無さすぎだろ。あれ?それ俺が言って良いのか?
「冗談だと思うのは勝手だけど、アンタの話に出て来た『
ごもっとも。いやでもマフィアって....
「もしかして、そのスーツ姿もか?」
「そうね。さっきは驚かすため、とか言ったけど、ここ最近常に着てるから制服とか落ち着かなくて。ともかく、私は一年間マフィアで働いてた。さっきの動きなんかも、そこで培った物よ。あと、なんでか知らないけどえらくリーダーに気に入られてね、今ではカポを任されるまでになったわ」
俺の親友の女の子がマフィアのファミリーの幹部な件。
コイツもなんだかんだで、ヤバめの人生送ってるなぁ。なぁんて他人事じゃいられないな。
「すまん」
「へ?何が?」
「だってお前....俺と出会わなきゃもっとマトモな人生を」
「そうかもしれないけど、今は一夏の事しか考えれないわ。それにアンタと出会えない方がよっぽど恐ろしいし」
む、照れるな。こんなに俺の事想ってくれてたのか。なら何故愛人。結局そこに行き着くな。何故なんだ。もしかして世間一般では、好きな人の愛人になりたいって普通なの?俺がおかしい?不安になってきた。
サードクエスチョン。
「で、なんで愛人?」
「だって、正妻はマドカでしょ?私もマドカには色んな意味で勝てないし、一夏が私の事も愛してくれるならゴタゴタ言わないわ。あ、妹がどうたらとか今更だからね?」
先読みされた。
「兄様、ちゃんとしたお返事を....」
分かってる。分かってるよ。分かってるよぉ...............
ぐぬぬ.....
何が正解なんだ?どう選択すればいい?あー、母さんに相談してぇ。助けて。って怒られるか、こんな事聞いたら.....
ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉ........
「あ、無理しないで?な、なんなら傍に置いておいてくれるだけでも」
「兄様.....」
「..............」
それはねぇよ。絶対ねぇ。傍に置いとくだけだと?バカも休み休み言え。それはクズすぎね?それはノーセンキューだ。
「よし、決めた!鈴!!お前も俺のお嫁さんになれ!マドカと二人で!!異論は認めん!!!」
俺の為にマフィアにまで入った女の子だぞ?ここで見捨てるなんて論外だ。いやそういうモンか?そういうので恋愛っていいのか?違くね?でも、なんとなく鈴に惹かれている自分が居る気がする。なんか前まで暴力的だったのに、今は....こう、献身的?みたいな?落ち着く?的な?
分かんね。上手く纏まらない。なんだろこの気持ち。よく分かんないぞ。気持ち悪っ!モヤモヤする!でもなんか鈴には笑ってて欲しい!!なんだこれ!
「ほ...ほんとにぃ?う、嘘じゃない?」
「な、泣くなよ。笑ってくれ」
「う、うん..............えへへ!」
アカン。眩し過ぎる。
言い回し、表現、比喩その他もろもろ。アドバイスお待ちしてます。感想も。
誤字は見つけ次第、修正していきます。
感想をくれた方ありがとうございます!
IS8巻読みました。誰かハーメルンで各ヒロインの妄想ルート書いてくれませんかね?
あれ、作者からの贈り物ですよ。素材は作った、あとはお前らに任せる。みたいな。
あと、これからキャラの行動に矛盾?とかあったらご指摘いただけるとありがたいです。どうも今回のようなヒューマンドラマ?(て言っていいんでしょうか?)みたいの苦手で.....
メインヒロインは一夏。異論は認める。